Devil May Cry鎮守府   作:しゅんしゅん@よし

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456話です!どうぞ!


Mission456 パラシュート降下~ベラルーシから脱出せよ~

オリーブ財団から去り、Devil May Cry鎮守府にも戻らなかった夕張は、西アフリカ・ナイジェリアにある村に身を寄せ、穏やかな時を過ごし安らぎを得ていた。

そこにヘリに乗ってアーロンが現れ、呉提督が危険な状況であると聞かされる。呉提督もオリーブ財団から姿を消し、謎の部隊と軍事施設破りをしてロシア当局から目を付けられていた。

夕張は呉提督を救うため、一時的にオリーブ財団のチームに戻る事にし、現地で(たける)刹那(せつな)と合流、モニター越しでステフとも再会する。

謎の部隊と軍事施設破りをする呉提督と一緒に居たのは、内陸国ベラルーシの元独裁者、記録上では死んだとされているローマン・マクレスだった。

呉提督とローマンは、軍事施設の武器庫から武器を盗み出し、大型トラックで逃走していた。

健が その大型トラックが どの道を通ったのか突き止め、夕張とアーロン、健、刹那は追跡を始める。

追跡の途中、乗り捨てられた大型トラックを見付けた。それは呉提督とローマンが逃走に使っていた物と同じトラックだった。

コンテナの中は空で、追跡から逃れるために車を替えたと思われる。木々や原っぱに囲まれた田舎道では監視カメラも無いため、追跡は困難だった。

そんな中、夕張だけは手懸かりを見付けていた。

 

 

*ロシア・田舎道 8月21日 11:41*

 

アーロン「ふむ・・・追跡を逃れるために車を替えたか」

 

健「こんな木と原っぱしか無い場所で車 替えたなら、監視カメラも無いし どこに行ったか判らない」

 

アーロン「もっと よく調べてみよう。どこに行ったか何か手懸かりが残ってるかもしれない」

 

刹那「運転席には何も」

 

健「コンテナだって綺麗なもんだよ。何も残ってないって」

 

夕張「ううん、手懸かりなら見付けた」

 

刹那「何?」

 

夕張「サイドミラー、外側に向いてる」

 

アーロンと健、刹那は、それが手懸かりとは どういう事か理解できず、夕張が おかしな事を言ってるとしか思えず微妙な顔をする。

 

健「ねぇ、疑ってる訳じゃないけど、確かに それだと見れないし、収納するなら内側に向けるだろうから不自然だけど・・・それが手懸かり?」

 

夕張「以前、大佐と決めてた事があるの」

 

任務の状況では、はぐれて別々の場所に居て、しかも連絡も取れない場合もある。夕張は そんな状況下でも、手懸かりや何か重要な物を隠し見付けてもらうために、隠し場所の方角にミラーを向けて指し示す方法を呉提督に教えていた。

 

夕張「わざわざ触るような事もないし、普通はミラーを外側に向ける理由はない」

 

大型トラックのサイドミラーは、普通車の折り畳み式とは違う。物にも選るだろうが、例えば縦軸のパイプに、輪っかにした取り付け金具をネジで締め込み取り付けてあったりする。

ネジさえ緩ませれば、360度 好きな方向にミラーを動かせるのだ。

 

夕張「不自然に外側に向いてるのは、大佐が動かしたから。ミラーが向いてる方向に行けば、何かある」

 

夕張がミラーの向いてる方向に歩き出し、アーロン達も その後ろを付いていき、草むらの中に入っていく。

そのまま少し歩いていくと、衛星電話が捨てられていた。

 

夕張「健、これ調べて」

 

健に衛星電話を調べてもらうと、24時間で数十回も掛けていた。

しかも その通話先は、ウクライナの元特殊工作部隊で、15年前に独立した大物、『セルヒー・ヤロスラヴ』である事も判明する。

 

夕張「私達が来ると見越して、ヒントを置いていってる」

 

健「やっぱり、裏切った訳じゃなかったんだ」

 

刹那「心配事の1つは消えたね」

 

アーロン「夕張君、よくやった」

 

夕張「別に あなたのためにやってる訳じゃない。大佐のため」

 

夕張は冷たく言い放つと、1人で先にトラックの方へ戻っていった。

健と刹那は夕張が怒ってる様子を目の当たりにし、疑問に思いながらアーロンに顔を向けた。

 

健「夕張さん、何で監査に怒ってるの?財団から出ていったのって、ステフが理由だったよね?」

 

刹那「何があったの?」

 

アーロン「彼女自身が不満に思ってる事に、私が関わってると気付いてるんだよ」

 

刹那「それって、夕張に爆弾処理の技術を叩き込んだ教官のこと?」

 

アーロン「これは夕張君とブラウン本部長の問題だ。君達は詮索しなくていい」

 

そう言って、アーロンもトラックの方へ歩き出し戻っていく。

だが これには、健と刹那も夕張のように不満を抱きそうだった。仲間であるのに、蚊帳の外に置かれてる気分だ。

その後 夕張達はステフに連絡を取り、元特殊工作部隊のヤロスラヴが今回の事に関わってる事を伝える。

 

 

・・・・・・

 

数時間後、夕張と健、刹那は、夕張が去った後の呉提督について話していた。

 

健「夕張さんが居なくなって、大佐 落ち込んでたよ」

 

夕張「でしょうね。私のせいで こうなった。私が一緒に居れば、大佐を止められたのに・・・」

 

刹那「ステフも言ってたけど、夕張のせいじゃない。落ち込んでたけど、財団の監視映像で あなたが元気にしてると知って、凄く喜んでた」

 

夕張「じゃあ・・・何があっても救い出さなきゃね」

 

刹那「私達みんなで」

 

話してると、ステフから折り返し連絡が入った。

ステフは夕張達の連絡を受けた後、現地の諜報員にヤロスラヴを拉致させ、ローマンからの連絡内容を尋問で吐かせていた。

 

ステフ『派遣したチームの話では、どうやらマクレスは、ヤロスラヴの持ってる軍隊を買おうとしてたらしい。3千人の傭兵を派遣する対価に、5千万ドル揃えたら、改めて連絡する事になってたらしいわ』

 

刹那「24時間で数十回も連絡してたのは、取引のためか」

 

夕張「でも待って。3千人の傭兵 雇うにしたって、5千万ドルも すぐに用意できるものなの?」

 

ステフ『マクレスには1つだけ当てがあるからよ。でも もし そうなら、もっと厄介な事になったわ』

 

夕張「どういうこと?」

 

呉提督がCIAの作戦に協力した任務には、マクレスを倒すのとは別に達成条件が付けられていた。そのサブミッションが、マクレスの館から5700万ドル相当のダイヤの原石を盗んで隠す事だった。

そうする事で、呉提督がマクレスを倒せなくても、資金を断ち追い込むのがCIAの作戦だった。

 

アーロン「恐らく大佐は、軍資金を工面するために利用されてるのだろう」

 

マクレスは元独裁者だ。自分を殺そうとした相手を、簡単に仲間に引き入れるというのも おかしな話である。そういう者は、普通なら復讐に殺そうとしてくるものだ。独裁政治を敷く者に、情けなどないのだから。

 

刹那「もしダイヤを手に入れたら、マクレスは一気に3千人の兵士を手に入れる事になる」

 

健「そのための軍事施設破りだった訳か。ベラルーシで また沢山 人が死ぬ・・・」

 

ステフ『それも困るけど、私が言ってる“厄介”は別にあるの』

 

実は呉提督がダイヤの原石を隠した3ヶ月後、CIAの別部隊が回収していた。呉提督は その事を知らないのだ。

それを聞き、夕張達は絶句した。

CIAが既に回収してる事を知らないなら、呉提督は まだ隠し場所にダイヤの原石があると思ってる。だがダイヤの原石が見付からなければ、マクレスは騙されたと思い、すぐにでも呉提督を殺すだろう。

 

健「何やってるんだよ大佐・・・」

 

刹那「ダイヤが無いと気付かれる前に、大佐を連れ戻さないと」

 

アーロン「時間がない、飛行機で向かうぞ」

 

夕張達は車に乗り、飛行場へと急ぎ向かうのだった。

 

 

・・・・・・

 

夕張達は、オリーブ財団の飛行機に乗りベラルーシへ向かっていた。

 

アーロン「ユーラシア大陸でも専用の飛行機を造っておいて正解だった。じゃなきゃ、隠し場所に行くのも間に合わなかっただろうね」

 

アーロンが呑気に言ってるが、健と刹那には1つ懸念があった。それはベラルーシに入るだけで死に直結するからだ。

マクレスが失脚した後、新たな独裁者がベラルーシを治め支配しており、国の内情は今も昔も変わっていない。

ベラルーシに入国するための陸路は軍の検問が敷かれおり、簡単には通してもらえない。場合によっては その場で射殺される。

だからアーロンは、足止めされないよう空路で向かう事にしたのだが、空路も問題しかなかった。ベラルーシは領空に入る許可は出さないので、飛行機で近付けば問答無用で対空砲火で撃ち墜とそうとしてくるのだ。早い話が、着陸できる場所なんて どこにもない。

 

健「飛行機で行くの間違ってない?陸路なら まだ走って逃げれるけど、飛行機が撃墜されたら逃げ場なんて どこにもないよ」

 

アーロン「間違いなく撃ってくるだろうな」

 

刹那「どうやって着陸するつもり?」

 

アーロン「着陸はしない」

 

健「はい?」

 

アーロン「パイロットには、対空砲火が届かない高度を飛ぶように言ってあるから、この飛行機が撃ち墜とされる事はない」

 

健「だから どうやってベラルーシに入るのさ?!」

 

アーロン「パラシュートで降下する」

 

健と刹那には、アーロンの考えが意味不明だった。

アーロンが言ってる方法は、対空砲火が飛んでくる中をパラシュートで降下する事になるため、飛行機で着陸しようとするのと大して変わらない。

もし撃たれて直撃すれば即死。パラシュートに穴が空いたり燃えたりすれば、真っ逆さまに落下して お陀仏になる。

健と刹那は、よく そんな作戦をやろうと思えたなと絶句し、すぐに反論できなかった。

 

健「ぁ・・・・・・自殺行為にも程があるよ!」

 

アーロン「自由落下の間は、身1つなら的が小さく対空砲火も当てにくいはずだ」

 

健「パラシュート開いた後は!?ゆっくり降下してたら狙い撃ちされる!」

 

アーロン「運任せ」

 

刹那「ダンテ提督やバージルなら兎も角、私達には無理!」

 

アーロン「君達に飛べとは言ってない。行くのは私と夕張君だけだ。2人は飛行機に残り、援護してくれ」

 

健「援護って どうやって!?この飛行機 武装なんて1つも無いのに!」

 

刹那「夕張からも何か言って!こんな作戦 有り得ない!」

 

夕張「ごめん、私は行く」

 

刹那「夕張!?」

 

呉提督を助けるには時間がない。もう手段を選んでる暇はないため、どんな作戦だろうと夕張は もうやるつもりだった。

健と刹那は必死に考え直すように止めるが、夕張とアーロンは聞く耳を持たず、アーロンに至っては夕張にパラシュートの説明を始めていた。

 

アーロン「パラシュートは予備を入れて2つ内蔵されている。被弾してダメになっても、1つ目を切り離せば2つ目が開けるようになる」

 

夕張「分かった」

 

するとベラルーシの領空に入ったようで、対空砲火の轟音と共に飛行機が激しく揺れた。

 

アーロン「もう引き返すのはムリだ、私達は行ってくる!2人も頼んだよ!」

 

健「待ってよ!」

 

止める間もなく、夕張とアーロンは貨物室へと行ってしまった。

健と刹那は、何を どうすればいいのか分からず、互いの顔を見合うのだった。

 

 

*ベラルーシ*

 

飛行機から飛び降りた夕張とアーロンは、対空砲火が飛んでくる中を猛スピードで落下していた。

周囲は対空砲火で撃たれた砲弾が爆ぜ、黒煙が幾つも空に浮いている。

ある程度の高度まで下がると、夕張とアーロンはパラシュートを開いた。

ゆっくりと降下してるため、そこを狙われないようにと祈るばかりだ。

しかし軍の対空砲火が、アーロンのパラシュートに命中してして穴を空ける。コントロールが利かず、アーロンは錐揉み回転しながら落下していく。

アーロンはパラシュートを切り離し、2つ目のパラシュートを開くレバーを引くが、不具合が起こり、レバーが動かずパラシュートが出ない。

 

夕張「(早く・・・早く2つ目のパラシュートを・・・!)」

 

その様子を見ていた夕張は、いつまでもアーロンが次のパラシュートを開かない事に異変を感じ取り、自身もパラシュートを切り離して再び自由落下に入る。

空気抵抗をなくすために身体をピンと伸ばし、頭から落下しながらアーロンを追う。

追い付くと、腕を伸ばしアーロンを掴もうとするが手が空振る。

何度もトライし、どうにかアーロンを掴む事に成功した。

 

夕張「どうしてパラシュート開かないの?!」

 

アーロン「レバーが動かん!!」

 

夕張はアーロンのパラシュートを開くレバーを引くが、アーロンの言う通り確かにレバーが動かない。

 

アーロン「私はいい!!君こそパラシュートを開け!!私と一緒に落ちる必要はない!!」

 

夕張「うるさい!!!」

 

ステフが教官の事を調べていた事や、それを秘密にしていた事は、監査であるアーロンも知っていたはずだ。だからこそアーロンの事も気に入らない。

しかし、このままアーロンが死ぬのを見過ごし自分だけ助かる気もない。

夕張は この状況で何か手はないか考えてると、アーロンが自分に渡そうとしていたアーミーナイフを思い出す。

アーロンの懐からアーミーナイフを抜き取ると、それを使ってパラシュートの留め具を破壊する。それにより、アーロンのパラシュートが無事に開いた。

夕張も続けて自身のパラシュートを開き、再び降下していく。

その後は被弾する事もなく、無事に森の中へと降り立つのだった。

 

 

*森*

 

パラシュートを落ち葉などで隠し、夕張とアーロンはダイヤの原石の隠し場所を目指し歩いていた。

着くまで まだ時間があるため、アーロンは この機会に、夕張にオリーブ財団に戻ってくるよう説得しようとした。しかし、夕張はアーロンを無視して歩き続ける。

いつまでも拗ねた子供のような態度を取る夕張に、アーロンも声を荒げる。

 

アーロン「言っておくが、ブラウン本部長は悪くないぞ!」

 

すると、夕張は足を止めてアーロンに振り返った。

 

夕張「・・・だから?」

 

アーロン「君の教官の事で彼女に詰め寄ったらしいが、何も話してくれなかったから怒ったのだろ?だから財団から去った」

 

夕張「・・・・・・・・・」

 

アーロン「彼女の立場も考えろ!彼女は諜報員で、その組織を束ねる本部長だ。易々と機密を話す事ができる訳ないだろ」

 

夕張「そんなの分かってる」

 

アーロン「分かってる?分かってるのに彼女を責めたのか?!自分勝手なのも いい加減にしろ!それで鎮守府にも戻らず、ダンテ君達にも背を向けるのか?!」

 

夕張「怒ってるのは あなたにもよ!アーロンは知ってたんでしょ?ステフが教官を調べてたのを」

 

アーロン「・・・あぁ、知っていた。だが それは、彼女が まだCIAに居た時の話だ」

 

夕張「知ってるなら教えて。ステフが教官を調べてた理由」

 

アーロン「悪いが、私の口からは言えない。それを話す権利があるのは彼女だけだ。彼女から聞け」

 

夕張「(何なのよ それ・・・!)」

 

ステフは話してくれない。アーロンも事情を知ってるのに、話してくれないステフから聞けと言う。これでは堂々巡りで夕張は嫌気が差し、怒って先に進んだ。

 

 

・・・・・・

 

*廃教会 17:13*

 

ダイヤの原石の隠し場所である教会の近くに着き、夕張とアーロンは物陰に隠れながら教会の方を見ると、複数の車やトラックがあり、既に呉提督とマクレスは到着してるようだ。

教会の前には、武装したマクレスの部下が見張りに立っている。

 

夕張「来たのはいいけど、ここから どうするの?」

 

アーロン「私は脱出地点の確保に向かう。君は大佐を連れ出せ」

 

夕張「二手に分かれるの?危険すぎる」

 

アーロン「大佐を確保したら すぐに脱出する必要がある。大佐を確保してから脱出準備していては時間がない。平行して動く必要がある」

 

夕張「じゃあ、これ返す」

 

夕張はアーロンの懐から抜き取ったアーミーナイフを返そうとしたが、アーロンは受け取らなかった。

 

アーロン「それは君が持っていろ。それで私は助けられた。君が持ってる方が役に立つ」

 

夕張「アーロン・・・!」

 

一方的に話すと、アーロンは物陰から移動して先に脱出地点へ向かった。

引き止める事もできなかった夕張は、改めて教会の方を見て、マクレスの部下も居る中で どうやって呉提督を確保するか考えるのだった。

一方 教会の中では、呉提督とマクレスが見守る中、マクレスの部下達がダイヤの原石を探し回っていた。

 

マクレス「本当にあるんだろうな?!」

 

呉「あるわよ。私が隠したんだから間違いない」

 

マクレス「じゃあ どこにあるんだ?!」

 

呉「もう かなり昔の事だから正確な場所まで憶えてないけど、ここで間違いないわよ。どうせ すぐ見付かるから、このまま あんたの部下に任せて待ってましょ」

 

廃墟となってる教会はボロボロで、どこも朽ちており物も散乱し、探し物を見付けるには かなり面倒な状況であった。

しかし、いつまで経ってもダイヤの原石が見付からない事で、マクレスは苛立っていた。グズグズしていてはベラルーシの軍に見付かる。

すると、呉提督は出口の方に向かおうとし、それに気付いたマクレスが止める。

 

マクレス「どこに行く?」

 

呉「外を偵察してくる。ここは あんたの部下に任せれば見付かるし、他の仕事してくる」

 

それを信じたのか、マクレスは それ以上 引き止める事はしなかった。

 

 

*脱出地点*

 

アーロンは、無線で健と刹那に脱出地点のポイントと、そこに来るよう伝えながら脱出地点に到着した。

そこは嘗ては農場だったのか、今は使われてない馬小屋などがある。

念のために問題がないか確認しようと動いた途端、隠れていたベラルーシの軍に包囲され、銃口を向けられてしまう。

そこに、ベラルーシの現独裁者『オレグ・ヴァティム』が現れた。

 

ヴァティム「逃げるなら ここを使うと思っていた。逃げられると思ったのか?」

 

アーロン「待ってくれ、誤解なんだ」

 

ヴァティム「誤解なものか。貴様らは領空侵犯し、我が国に不当に侵入した。死刑は免れんぞ。もう1人は どこだ?」

 

アーロン「・・・・・・・・・」

 

答えないアーロンに、兵士の1人が後ろから膝を蹴り、跪かせる。

 

ヴァティム「答えろ!」

 

アーロン「・・・・・・・・・」

 

 

*廃教会*

 

呉提督が教会の外に出ると、何かが幾つも投げ込まれた。投げ込まれた物から煙が噴き出し、辺りが包まれ何も見えなくなる。

 

呉「な、何よ・・・!?」

 

煙に咳込んでると、誰かにトラックの陰に引っ張り込まれた。

敵と思った呉提督は相手を殴ろうとしたが・・・

 

夕張「大佐、私、私、夕張!」

 

ずっと会っていなかった夕張の顔を見て、とびっきりの笑顔で喜んだ。

 

呉「夕張ちゃん!まさか本当に来てくれるとは思わなかった!あんた財団に戻ったの?」

 

夕張「一時的に。大佐を助けるまでの間だけ。ほら、早く逃げよう」

 

呉「それは無理。マクレスがダイヤを探してる。逃げたら殺される」

 

夕張「探したって見付からないから、どっち道 殺される」

 

呉「見付からないって どういう事よ?」

 

そこで夕張は、呉提督がダイヤの原石を隠した3ヶ月後に、CIAが回収して もう ここには無い事を教える。

 

呉「・・・マジ?」

 

夕張「マジ。どうせ見付からないから、マクレスは騙されたと思って大佐を殺す。いま逃げないと、ほんとに殺されるわよ」

 

呉「あんな奴に付き合ってられるか、行こ行こ行こ行こ行こ。あんたに また会えて超嬉しい!」

 

夕張「はいはい、私も。ほら行くよ!」

 

煙で見張りが混乱する中、夕張と呉提督は見張りを気絶させながら その場から逃走し、脱出地点へと急ぐ。

しばらくし、戻ってこない呉提督に不審に思ったマクレスは、外の様子を見に出る。すると、外で見張りに立っていた部下が倒されてるのを見て激怒した。

 

マクレス「あの野郎!やっぱり裏切りやがった!」

 

呉提督に騙されたと思ったマクレスは ここにダイヤの原石が無いと判断し、今のベラルーシに長居できないので残った部下と共に、脱出するため車に乗り込むのだった。

 

 

*森*

 

夕張と呉提督は森の中に逃げ込み、夕張は無線でアーロンに、呉提督を確保した事を伝える。しかし、アーロンから返事が返ってこず不審に思う。

 

夕張「アーロン?どうしたの?返事して」

 

?『残念ながら、お仲間は拘束させてもらった。この国からは逃げられないぞ。隠れてないで出てこい』

 

夕張「・・・あんた誰?」

 

ヴァティム『私はベラルーシの元首、オレグ・ヴァティムだ』

 

アーロンが この国で とんでもなく厄介な人物に捕まった事実に、夕張と呉提督は思わず足を止める。

 

ヴァティム『この男にも言ったが、貴様らは領空侵犯し、我が国に不当に侵入した。処刑は免れん。どちらか選べ。私の部下に無惨に殺されるか、お仲間と一緒に処刑されるか』

 

今のアーロンは不老不死の力を失っているため、人間でも彼を殺そうと思えば殺せる。これはマズい事になった。

 

夕張「・・・取引したい」

 

ヴァティム『取引には応じん。もし貴様が姿を見せなければ、この男を先に処刑する。どこに隠れようとも、私の部下からは逃げられんぞ』

 

呉「どうすんのよ?」

 

このままトンズラできると思っていた呉提督だったが、思わぬ事態に黙ってられなかった。

それを夕張は任せろと手で制止し、ヴァティムに心理戦を仕掛ける。

 

夕張「いいのかな?もし私の仲間を殺したら、あなたは今の地位を失う事になる」

 

そう言うと、ヴァティムは何を馬鹿なと笑った。

 

ヴァティム『私の地位は確固たるものだ。誰にも脅かす事はできん』

 

夕張「ローマン・マクレスが生きていたとしても?」

 

ヴァティム『・・・・・・そんなはずはない。ローマン・マクレスは死んだ。そんな嘘で私を騙せると思っているのか?今すぐ この男を処刑してやる!』

 

夕張「待って!マクレスは今、このベラルーシに居る!奴は あなたの命と地位を脅かすために、傭兵の軍隊を差し向け独裁者に返り咲こうとしてる!」

 

ヴァティム『それが真実であったとしても、我が軍が返り討ちにする』

 

夕張「それは無理よ。マクレスは3千人の傭兵を雇おうとしてる。しかもロシアの軍事施設から盗んだ武器を持たせてね。もし戦争になれば、あなたの軍に勝ち目はない」

 

ヴァティム『・・・・・・取引の条件は?』

 

夕張「私がマクレスを捕まえて、あなたに差し出す。私の仲間と交換条件よ」

 

ヴァティム『・・・・・・・・・』

 

夕張「どうするの?私の仲間を殺したら、復讐に燃えるマクレスに あなたの国が滅茶苦茶にされるわよ?」

 

ヴァティム『・・・ローマン・マクレスを連れてこい。そうすれば お仲間は解放してやる』

 

夕張「ありがとう」

 

ヴァティム『だが日が暮れるまでだ。時間が過ぎれば、貴様が奴を連れてきたとしても この男は処刑する』

 

夕張「分かった」

 

無線を切ると、夕張と呉提督は すぐに移動するのだった。




呉提督を救出したと思ったら今度はアーロンが捕まり、足の引っ張り合いが酷いですね

次回も宜しく お願い致します!
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