Devil May Cry鎮守府   作:しゅんしゅん@よし

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460話です!どうぞ!


Mission460 全国総合模試~天才少女の暇潰し~

*Devil May Cryの世界 フォルトゥナ・孤児院 9月2日 14:30*

 

フォルトゥナに残るキリエは、ネロとニコが ずっと戻ってこない間も、1人で孤児院を切り盛りしていた。

そこに、1人の訪問者が来た。次元を越えてきた若い姿のアーロンだ。

 

アーロン「キリエ君、久し振りだね」

 

キリエ「アーロンさん・・・」

 

セリーナがノヴァの軍門に下った事で、孤児院に張られていた結界が消え、キリエは艦娘達が居る世界の事は忘れてしまっていたが、アーロンとは こちらの世界で顔を合わせていたため憶えていた。

 

アーロン「おやおや、元気のない顔をしてるね」

 

キリエ「ネロとニコが心配で・・・」

 

アーロン「実はね、そのネロ君の事で今日は来たんだ」

 

キリエ「何かあったんですか?」

 

アーロン「脈々と受け継いできた魔剣士スパーダの力を失ってね、かなり落ち込んでるんだ。そこで、君に ちょっと励ましてもらいたいんだ」

 

キリエ「・・・行きます。ネロと会えるなら行きます」

 

アーロン「君なら そう言ってくれると思っていた!出発は明日だ」

 

そしてアーロンは、以前セリーナが張っていた結界と同じ物を施しておく事と、ネロが居る場所に繋がる道も残し、孤児院を ずっと留守にする心配もない事を伝えた。

今は次元が不安定で、次元間を移動するのは危険だったのだが、アーロンは どうにか安定した道を繋げる方法を確立する事に成功していた。

 

キリエ「じゃあ、いつでもネロに会えるんですね?」

 

アーロン「その通り」

 

アーロンは力強く頷いたのだが、すぐに申し訳なさそうな表情を見せた。

 

アーロン「序でで悪いんだが、今日は ここに泊めてくれないだろうか?」

 

1度 戻って また迎えに来るのも面倒であり、Devil May Cry鎮守府に戻っても皆から小言を言われたりドストレートな文句を言われたりするので、今日は ここに居たかった。

 

キリエ「・・・・・・まぁ、いいですけど」

 

場所は空いてるので、キリエとしても泊めるのは問題なかったのだが、そこにキリエが面倒を見てる孤児のフリオが来た。

 

フリオ「あーー!!オッサンまた来たのかよ!?」

 

アーロン「うるさいな。相変わらず元気だけは有り余ってるようだ。それと“天才お兄さん”と呼びなさい」

 

フリオ「うるせぇよ!何しに来やがった?!帰れ!」

 

キリエ「フ、フリオ!」

 

フリオは以前、孤児院に勝手に入ってきた不審者のアーロンを追い出そうとしたが、他の子供達と一緒に不思議な力で壁や天井に磔にされた事があった。フリオは その事を忘れておらず、また不審者が来たと思い飛び掛かる。

 

アーロン「仕方ないなぁ~、ちょっと遊んであげよう」

 

アーロンが手を翳すと、フリオが空中で止まってしまった。

フリオは手足をジタバタと振って暴れるが、宙に浮いたまま下りる事はできなかった。

 

アーロン「折角だから、他の子供達の遊び相手にもなってあげよう」

 

アーロンは椅子から立ち上がると、宙に浮くフリオを連れて他の子供達を探しに行く。

 

キリエ「あの、怪我はさせないでくださいね!?」

 

アーロン「心得てるから心配ないよ、ハッハッハッハッハッ!」

 

フリオ「下ろせーー!!!」

 

キリエ「(大丈夫かな・・・?)」

 

 

・・・・・・

 

*艦これの世界 新居 9月3日 18:13*

 

ダンテとネロ、バージルの3人は、鳳翔からの お許しが出て鎮守府に戻れるようになったのだが、ネロだけは賃貸に残っていた。理由は ここからの方が、潜入してる明陽(めいよう)学苑に出勤するのが近いからだ。

ベルゼによって普通の人間にされてしまったが、明陽学苑では新学期も始まり潜入は続けていた。

ダンテとバージルが居なくなり広くなった家で寛ぐネロだったが、不意にインターホンが鳴らされた。

 

ネロ「はいはい今 行くよ」

 

執拗に何度もインターホンが鳴らされ、ウンザリするネロが玄関に向かいドアを開けると、そこにはキリエとアーロンが居た。

 

ネロ「なんだキリエか・・・キリエ!?何で ここに!?」

 

アーロン「元気のない君に・・・サプラーーーイズ!!!!」

 

ネロ「うるせぇよ、近所迷惑だろ!」

 

玄関先での立ち話となったが、ネロは一通りキリエが来た理由を聞かされた。

アーロンが繋いだ道は、以前セリーナが繋いだ時と同じで、Devil May Cry鎮守府とフォルトゥナの孤児院とで行き来できるようにしていたため、ダンテや艦娘達は既に、キリエが こちらの世界に来ている事を知っている。

ネロはキリエを家の中に招き、アーロンも中に入ろうとしたのだが、アーロンが入る前にネロの手で玄関が閉められ、閉め出されてしまった。

 

アーロン「・・・・・・おや~?」

 

仕方ないので鎮守府に戻ったアーロンは腹いせで、艦娘達に ちょっかい(研究と称したセクハラ)を仕掛けるのだった。

 

 

・・・・・・

 

*駅 9月4日 7:50*

 

9月になっても まだまだ蒸し暑く、セミの声が聞こえる朝の駅で、出勤や登校する人々が電車を待っていた。

そんな人々に紛れて、明陽学苑でネロが受け持つクラスの生徒、潤羽(うるは)の姿もあった。

そんな潤羽が、突然ホームから線路に降り、駅が騒然とする。

しかも次に駅に止まる予定の電車が近付いてきており、線路に人が居るのに気付いていた車掌は警笛を何度も鳴らしていた。

騒然とする駅には、以前 (かえで)に脅され利用された男性教師も居た。

 

教師「うるさいなーもう、何やってんだ?なんだ うちの生徒か・・・うちの生徒!?」

 

たまたま視線を向けた先に潤羽が居て、男性教師は驚きながら彼女を2度見した。

男性教師は潤羽を助けようと彼女の名前を叫びながら動くが、危険で被害が増える可能性があるため駅員に止められてしまう。

電車が近付いてきて誰もが危ないと思う中、潤羽は薄ら笑いを浮かべていた。

車掌が警笛を鳴らしながらブレーキを掛けると、潤羽と接触するギリギリで止まった。

すると潤羽は、ホームに居る人々に顔を向けた。

 

潤羽「面白かった?いい暇潰しになったでしょ?人生の」

 

 

・・・・・・

 

*明陽学苑高校 2年4組 9:10*

 

この日、2年4組の1限目の授業はネロだった。

だったのだが、青葉のミスで用意された偽造教員免許が社会科だったせいで、ネロ自身が訳も分かってない日本史を教える事になり、授業内容が更に訳の分からない事になっていた。しかも教科書も使わず適当に授業をしてるので、滅茶苦茶になるのも当然である。

黒板には、ネロがチョークで描いた鳥の落書きもあった。

 

ネロ「『鳴くよウグイス平安京』は、きっとウグイスは都が移された事で、恋人と別れる事になっちまったんだな。それで“ホーホケキョ”って泣いちまったんだ」

 

輝男(てるお)「その絵、ウグイスかよ」

 

晶人(あきと)「カラスじゃねぇの?」

 

ネロ「ウグイスと言えばよ、『信長・秀吉・家康』だよな。“鳴かぬなら、鳴くまで待とう”━━」

 

美香(みか)「ホトトギス」

 

ネロ「・・・・・・そっか。だってよ」

 

てな感じで、逆に生徒達から教えてもらう体たらくだった。

 

 

*理事長室*

 

その頃 潤羽は、駅での事を男性教師に見られていた事もあり、理事長室で理事長と教頭も交え話をしていた。

 

教頭「君は自分のやった事が分かっているのか?朝の電車を止めるという事は、何万人にも影響が━━」

 

潤羽「正確には3千人。電車が遅れたのは5分でしょ?5分なら通常時でも よくある話。それで影響が出るのは3千人くらい」

 

教頭「もし事故にでもなっていた場合は それこそ━━」

 

潤羽「あの電車がホームに入ってくる速度は40キロ。車両製造スペックと重量から計算して、ブレーキを掛けて私が轢かれる確率は0.000001%、つまり有り得ない」

 

このように教頭達からの注意に、潤羽が冷静に計算などを用いて反論する事で、話にならなかった。

 

 

*2年4組*

 

ネロ「で、信長・秀吉・家康は3人で狩りに行ってホトトギスを捕まえたんだ。それで“どうしよっか?食っちゃおうか?”なんて話になったんだな」

 

その頃2年4組の教室では、黒板にネロがチョークで描いたホトトギスと、信長・秀吉・家康の絵まで加わり、生徒から注意されたのにネロは そのまま話を進めていた。そのせいで、生徒からのネロの授業の評判は最悪だった。

 

(たくみ)「デタラメ教えてんじゃねぇよ」

 

遥香(はるか)「平安京から戦国時代に飛んでるし」

 

ネロ「時代を越える、それが“人の道”ってもんだ」

 

こんな風に生徒が注意しても、ネロがポジティブな反論をするせいで、授業の軌道修正は ほぼ不可能だった。

 

 

*理事長室*

 

理事長室では潤羽への注意が まだ続いていたが、状況は変わらずであった。

 

教頭「いくら成績優秀の待遇児とはいえ、やっていい事と悪い事がある!」

 

潤羽「その件なら大丈夫。私ビッド・レートやってて お金なら幾らでもあるんです」

 

そう言って、潤羽は鞄からスマホを取り出し、自分の口座にある残高が映る画面を見せる。教頭と男性教師は そこに映る金額の0の数を見て、顔を引き攣らせて絶句した。

潤羽は まだ高校生だが、とんでもない大金持ちだった。だから損害賠償が発生しても、一括で簡単に払う事もでき、潤羽にとって今回の事は どうなろうが、大した問題ではなかった。

 

潤羽「それじゃ、私 授業があるので」

 

これ以上は潤羽から何か話す事もないため、彼女は鞄を手にソファーから立ち上がる。

そして教頭に、1枚の名刺を渡した。

 

潤羽「まだ何かありましたら、私の弁護士に お願いします。国際派の遣り手なんで」

 

軽く会釈した潤羽は、教頭達が何も言えない中そのまま退室した。

その後 理事長と教頭、男性教師は潤羽について話していたのだが、教頭の潤羽に対しての・・・というか、2年4組に対する愚痴が止まらなかった。

 

教頭「彼女も彼女なら、それに加え あの疫病神のネロ。問題ばかり起こすクラスでありながら、成績優秀者の待遇児となれば、我々には どうする事もできませんよ!」

 

理事長「認定した私の判断が間違っていたと?」

 

教頭「いえいえ、そういう訳では・・・」

 

そんな中、男性教師はタブレットを見ながらブツブツと何か呟いていた。

彼もビッド・レートで外国為替をやってるのだが、盛大に失敗しており、潤羽がビッド・レートで大金を稼げてる事に理解できない様子だった。

 

教師「誰も予想してなかった株価の暴落で、誰もが損失を出してるのに あんなに稼げてるなんて・・・神なのか・・・?」

 

理事長「神に対抗できるのは、神だけね」

 

教頭「理事長?」

 

理事長「疫病神も、神よね?」

 

男性教師が潤羽を神と例え、教頭がネロを疫病神と揶揄した事から、理事長は今回も、潤羽にネロを ぶつけて問題の対処をしようと画策していた。

 

 

*2年4組*

 

気合い充分でネロが授業を続ける中、(のぼる)杏子(あんず)はネロの ある噂について、ヒソヒソと楽しそうに話していた。

 

杏子「教師の採用試験、替え玉受験で合格したって ほんとみたいだね」

 

昂「うん。みたいだね」

 

実はネロの授業が今のように滅茶苦茶であるため、誰の目から見ても実力で教員免許を取得したとは思えず、ネロが替え玉受験で教員免許を取得したという風に噂が広まっていた。

ネロが持ってるのは青葉が造った偽造教員免許であるため、実際には替え玉受験よりも もっと質が悪いのは内緒。

そもそも、青葉がミスして社会科ではなく英語か体育にしてれば、こんな噂が広まる事もなかったのだが・・・。

ネロが元気良く訳の分からない授業を続けてると、突然 楓が鞄を持ち、席から立ち上がった。

 

ネロ「おう、どうした?トイレか?そんなの休み時間に行っとけよぉ~」

 

楓「こんな お遊びみたいな授業 受けるくらいなら、自習してた方がマシです」

 

ネロ「んぉ?何が不服だってんだ?」

 

楓「皆も そう思うでしょ?」

 

『・・・・・・・・・』

 

楓の問い掛けに教室は静まり返り、流石にネロに心を開いてる生徒も、確かにネロの授業が滅茶苦茶であるため援護ができない。

 

明子(あきこ)「楓ちゃん・・・」

 

帰ろうとする楓を呼び止める明子だったが、楓は教室の扉の方まで行ってしまう。

そこに、理事長室から戻ってきた潤羽が現れ、楓は足を止める事になる。

 

潤羽「イメージを利用して記憶する方法は有効だと思うんだけどなー」

 

楓の言っていた事が聞こえていたのか、潤羽は そう言って楓の横を通り過ぎ、自分の席に向かう。

そんな中、ネロは よく分からないという顔で潤羽を見ていた。

 

ネロ「・・・潤羽、何だ?」

 

潤羽「先生の授業は“意外にタメになる”って言ったんです」

 

ネロ「だろ・・・?だろ?!ほれ見ろ お前ら!」

 

潤羽に褒められ ご機嫌になったネロは、反応の悪かった他の生徒達に向かって調子に乗る。

ただ、潤羽の後ろの席に座る善之(よしゆき)は、潤羽がネロの味方をするような言動を不思議に思っていた。

 

善之「どういうつもりだ?」

 

潤羽「暇潰しだから、ただの」

 

大した事じゃないと潤羽は笑みを浮かべ、そんな彼女を、楓は敵意の籠った眼で睨んでいた。

 

 

*マンション 16:27*

 

夕方、潤羽は自宅であるマンションに帰ってきた。

そこは自宅でもあるが、母親のオフィスにもなっており、母親はパソコンの画面に表示される為替のデータを見ながら電話で誰かと話し、3人の女性部下に指示を出し仕事をしていた。

潤羽は自室に行こうとしたが、母親に声を掛けられ すぐに足を止める事になった。

 

母親「電車 止めたんだって?学校から連絡 来た。そんな余計な事に頭 使わない。使うなら私のために使って。そのために あなたを選んだんだから」

 

潤羽「・・・・・・分かった」

 

母親「なら こっち手伝って。はい、これ。利益が最大限 出るアルゴリズムを構築してほしいの。1時間で お願い」

 

母親はデータが書かれた1枚の紙を手渡し、潤羽は それに何かを書き込んでいく。

そして母親は部下の1人に雑用を言い付け、その部下が言われた物を取りに行こうとすると、潤羽が母親に渡された紙を その部下に渡し、その場から立ち去った。

 

母親「ちょっと どこ行くの?1時間でって言ったじゃない」

 

母親は潤羽を咎めるが、その横で潤羽に紙を渡された部下は それを見て、驚いていた。

 

部下「えっ!?完璧じゃないですか!1分も掛かってないですよ。凄い お嬢さんですね。IQ、200でしたっけ?」

 

母親「IQ200かぁ。そんなもんだったかしら?あなた達も考えといた方がいいわよ。金さえあれば男なんかに頼らなくても生きていけるんだから。金だけで女は幸せになれるのよ」

 

そんな母親の言葉を、立ち去ったはずの潤羽が盗み聞きしていた。

潤羽は天才少女であり、母親は そんな娘の頭脳を利用して金儲けをしていた。つまり、母親にとって潤羽は金儲けの道具だったのだ。

 

 

・・・・・・

 

*明陽学苑高校 正門 9月5日 15:51*

 

翌日の放課後、正門近くで体育教師がダンベルで筋トレしてると、生徒の保護者達が押し寄せてきた。

 

教師「おぉ~っ・・・!?」

 

体育教師は保護者達の形相と人数にビビり縮こまるが、保護者達は体育教師を通り過ぎて校舎に入っていった。

 

 

*教員室*

 

その頃ネロは、教員室で羽黒と話していた。

ネロの脳裏にあるのは、潤羽だった。

 

ネロ「潤羽って面白いよな?」

 

羽黒「面白い?」

 

ネロ「うん」

 

羽黒もネロと共に学苑に潜入してるため、潤羽の事について詳しくなかったので よく分かってない顔をしていたが、他の教師達は違った。ネロが潤羽の名前を口にした途端、顔が強張っていた。

すると口の軽い女性教師達が口を開き・・・。

 

教師「あの子には関わらない方がいいんじゃないですか?」

 

教師「何でも知ってるんだもん。授業もやりづらくて しょうがない」

 

教師「私達から教わる事なんて何もないって感じだもん」

 

保険医「悪魔の転生児だもんねー」

 

“悪魔の転生児”と聞き、どういう事なのかとネロが口を開きかけるが、そこに怒り心頭の教頭と別の女性教師が教員室に入ってきた。

 

教頭「ネロ先生、何なんですか これは?」

 

そして教頭は、ファックスで送られてきた1枚の文書を、ネロの席の机に置いた。

そこにはネロの写真が載っており、その下には これまで明陽学苑で起きた様々な事件が、ネロが起こした悪事として書かれていた。

 

教頭「先程ファックスで、匿名で送られてきたんです」

 

ネロ「あっ、俺!?」

 

教頭「理事長が不在の こんな時に・・・!」

 

羽黒「ネロ先生・・・」

 

事実を捻じ曲げていても、こんなのが公になれば潜入任務も続けられなくなるため、羽黒は どうするのかとネロを心配する。

 

ネロ「いや、どうしよって言われても事実だな、これ」

 

確かに書かれてる事件内容は実際に起きた話ではあるのだが、その発端が全てネロのせいにされてるのは、ネロ自身は気にしてない様子だった。

 

教頭「兎に角 来なさい!」

 

教師「早く!」

 

教頭に腕を引っ張られ、椅子から立ち上がったネロは後ろからも女性教師に押され、教員室の外に連れ出されてしまった。

そんな様子を背に、羽黒のストーカーでもある眼鏡の教師は、怪しい笑みを浮かべていた。犯人は こいつか?

 

 

・・・・・・

 

*会議室 16:35*

 

ネロが会議室に連れてこられると、そこには保護者達が椅子に座り待っていた。

その後 羽黒と、楓に脅され利用された男性教師、眼鏡の教師も立ち会う中、保護者達から ずっと怒りのクレームを浴びせられていた。

それなのにネロは、まるで他人事のように眠そうに欠伸をしていた。

 

保護者「教員採用試験で替え玉受験!そんな人間が、勉強を教えられるんですか?!」

 

保護者の怒声が響く会議室の外では、ネロに心を開いてる生徒達が様子を見に、盗み聞きしていた。

 

輝男「ヤッベェな、こりゃ・・・」

 

更に少し離れた場所では、楓と潤羽、善之も様子を見に来ており、楓に至っては不敵な笑みを浮かべていた。犯人は こいつか?

潤羽は読書をしてるのだが、今の状況が楽しいのかニコニコと笑っていた。犯人は こいつか?

 

保護者「ネロ先生には辞職してもらうか、即刻 解雇していただきます!」

 

ネロ「解雇?」

 

ずっと話を聞いてなかったのか、“解雇”と聞いて どうして そんな話になってるのかとネロは不思議そうにし、羽黒は どうするのかと変顔みたいな顔でネロを見る。

すると意外にも、眼鏡の教師が間に入った。

 

教師「お待ちください。皆さんは、ネロ先生を誤解してます。ネロ先生、あなたも教師なら、ここで生徒や保護者の皆さんの信頼を得るべきだ。大人なら、それが筋ってものでしょ?」

 

ネロ「あー、はぁ、まぁ筋ってもんだ」

 

話を聞いてなかったせいで、眼鏡の教師が何を言いたいのか よく分かっておらず、ネロの反応は微妙だった。

だがネロの意思とは関係なく、話は更に進んでしまう。

 

教師「そこで私から提案があります。1週間後に行われる全国総合模試で、ネロ先生の実力を、皆さんに知っていただくのが1番ではないですか?」

 

ネロ「は?全国模試?」

 

教師「そこで、全国1位を獲ってもらうのが、残留の条件です」

 

そう言って、眼鏡の教師はチラリと教頭を見ると、教頭や同席していた他の教師達まで、ここぞとばかりに それに同調し、いい提案だと口々に言い始めた。

これは罠だ。ネロが全国総合模試で1位になれないと見越して、ネロに恥を掻かせた上でクビになるようにしているのだ。

 

羽黒「全国模試で1位?それを1週間で・・・!?」ボソッ・・・

 

羽黒は そんなの無理だと顔を引き攣らせるのだが、ネロは自信があるのか何も考えてないだけなのか、余裕の笑みを浮かべていた。

そして会議室の外で話を盗み聞きしていた生徒達も、その条件に顔を しかめていた。

 

美香「無理だよぉ~、1位なんて獲れる訳ないよ・・・」

 

教頭「そういう訳で、いかがでしょう?」

 

賛成は挙手を お願いすると、保護者の全員が手を挙げ、ネロが生徒に混じって全国総合模試を受ける事が決まってしまった。

 

羽黒「ネロ先生・・・!」ヒソヒソ・・・

 

ネロ「まぁ任せろよ。売られたケンカなら負けねぇからよ」

 

羽黒「これは喧嘩じゃありません、ご自分の進退が掛かってる問題で━━」

 

ネロ「あーそれなら意地でも実力 見せてやらねぇとなぁ。男ネロ、必ず頭 獲ってやるよ、へへっ」

 

ネロは これを、喧嘩を売られてると受け取り、そういう勝負なら必ず勝ってやると笑いながら息巻いていた。本当に大丈夫か・・・?

 

 

・・・・・・

 

教師「これで奴を淘汰してみせますよ」

 

保護者達が帰った後、廊下では教頭と教師達が話しており、これで学苑からネロを追い出せると気持ちの悪い笑い声を上げていた。

その上の階では、読書をする潤羽が盗み聞きしていた。

全国総合模試で1位を獲らなければ、明陽学苑に潜入するネロはクビになってしまう。

その状況が気になる様子の潤羽は何を思い、どう動くつもりなのだろうか?

次回に続く。




ネロがテストを受ける事になってしまいました
当然 日本で実施されるテストですから解答は日本語で書かなければならない訳で、言葉の壁というか、国境の壁というか、文化の違いというか、そういう意味ではネロにとって ある意味 最大のピンチとも言えますね
しかも全国で1位が条件ですからね
これが どうなっていくのか、楽しみにしていただけたらと思います

次回も宜しく お願い致します!
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