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468話です!どうぞ!
*銀行 9月13日 13:12*
軍病院に運ばれたネロが、意識不明の状態から目覚めた日の午後、艦娘を人質にした銀行強盗が発生した。
現場には警官達が押し寄せ、左遷組の摩耶と天龍も現場に来ていた。
天龍「左遷組 天龍 参上!」
摩耶「よし、行くぞ」
そして摩耶と天龍が銀行内に突入していく。
天龍「オラ銀行強盗犯!」
摩耶「うちの最上が人質だ」
天龍「何だって!?」
この日 最上は、個人的な用事で銀行に来ていたのだが、そこで銀行強盗が発生し、艦娘なら人間の武器は通じないからと、銀行強盗犯に壁として人質にされていた。
他の人質の人命もあるため、最上は仕方なく従っている状況だ。
天龍「大丈夫か?!」
最上「天龍?」
天龍「うん、天龍だけど?」
最上「うん、あの、いつもみたいに撃たないでね。僕 居るからね」
警察署からは毎日、Devil May Cry鎮守府へ左遷組の報告が行われていたため、摩耶と天龍が犯人に主砲を撃ちまくっているのを最上は知っていた。なので、最上は そっちに巻き込まれたくなかった。
摩耶「いつもみたい?」
天龍「・・・よく分かんないけど、解決すればいいんだよな?とりあえず」
摩耶「そうだ」
最上「2人 居るね、ヤバい奴・・・」
そこに、1人の先輩警官が摩耶と天龍を追って銀行内に突入してきた。
警官「とりあえず解決してくれ」
摩耶「オッケー」
天龍「はい、分かりました。証拠が残らないようにしないとダメだな」
何するつもりだ!?
摩耶「おいおい艦娘なのに人質ってマヌケじゃないか?」
天龍「うん」
摩耶「ダメだな。人質の価値ないな」
天龍「うん」
最上「価値ないとか言われてるんだけど・・・」
天龍「どうする これ?」
摩耶「八方塞がりだ」
天龍「八方塞がりだな」
摩耶「あぁ」
天龍「本当に人質なのか確認した方がいいんじゃないのか?」
摩耶「確かに、それはある」
摩耶と天龍は安全を確保しながら、犯人と人質が居るであろう奥に向かうのだが、最上と犯人の話し声は聞こえるが姿が確認できなかったため、仕方なく引き返す。
天龍「おーい、犯人 出てこーい!」
警官「犯人 何人?艦娘さん逃げれないの?」
最上「何て?」
天龍「上手いこと隙 突いて逃げてくれ!」
最上「いやいやいやいやいや・・・」
犯人「助けてくださーい、人質でーす!」
天龍「あ、何?」
摩耶「あ、何ぃ?」
先に来ていた摩耶は、今の声が犯人のものであると確認が取れていたので混乱し、摩耶から教えられた天龍も混乱した。
これは全て、警察を混乱させるための犯人の作戦だった。
天龍「・・・どういう事だ?」
警官「犯人は艦娘さん?」
最上「違いますー!」
摩耶「なるほど、そういう事か。悪に堕ちたらしい、あの女は」
天龍「なるほど」
この瞬間、勘違いから犯人はDevil May Cry鎮守府の艦娘 最上であると、現場に来ていた警官全員に情報共有され、まんまと犯人の術中に嵌まった。
摩耶「悲しいな」
天龍「畜生。これが汚職ってやつか」
摩耶「畜生、市民に手を出した女は許せねぇ」
天龍「落ちたもんだな、最上」
最上「いや、仲間 仲間!」
犯人「助けてぇ!」
天龍「仲間だったけど、これが公になれば仲間じゃなくなるからな」
摩耶「勿論」
仕方ないので摩耶と天龍は、銀行の外に出て待つ事にした。
警官「艦娘さん犯人ですか?」
摩耶「あぁ、そうだ、犯人だ。指名手配だ」
犯人「艦娘さんが お金 盗ってます!!」
最上「盗ってないです!!」
摩耶「何、盗ってるって!?」
聞き捨てならない言葉が銀行の外にまで聞こえてきて、摩耶は再び銀行内に突入する。
犯人「艦娘さんが一杯お金 盗ってます!」
摩耶「ちょっと見してもらっていい?」
最上「盗ってません!」
奥まで行き、犯行の現場を見に行くと、最上が銀行の お金をカバンに詰めていた。
最上は犯人に脅されカバンに詰めさせられていたのだが、摩耶から見たら最上が盗んでるようにしか見えなかった。
摩耶「ほんとだ、盗ってる!」
最上「いやいや おかしいでしょ、どう考えても」
摩耶「犯人はDevil May Cry鎮守府の最上だ」
犯行の現場を確認して再び警察無線で伝達すると、摩耶は大人しく後ろに下がっていった。
そこに、外に出ていた天龍が再び銀行内に突入してきた。
天龍「お金を置いてったら許すから!置いて帰ってくれ、その お金!」
最上「ふざけんな おい!左遷組 待ってよ!」
現に銀行強盗が発生してるのに、ここで許しちゃ駄目だろと最上は声を荒げるのだが、これが また勘違いを引き起こした。
天龍「何だぁ?これ左遷組に“待てよ”って言ってるって事は、やっぱ犯人だぞ、これ多分」
摩耶「そうだよなぁ。普通 人質は言わないもんな、“助けて”って言うもんな」
天龍「自白したな」
最上「違うでしょうが!何で そうなるの?」
すると奥から、最上と犯人が出てきた。
摩耶「あぁ、やっぱ
天龍「先に出てきたな」
最上「いやいやいやいやいや・・・」
最上は犯人に盾にされてるから先に出てくる事になったのだが、摩耶と天龍は“先に出てくる奴=犯人”という、意味不明な理屈で話を進めようとしていた。
天龍「畜生」
摩耶「おい天龍、見てみろ。人質(犯人)を捕まえてるぞ、ほら最上が」
天龍「ほんとだ」
最上は後ろ手に腕を縛られており、覆面をした犯人は両手を挙げていた。最上が手を挙げてない事で、摩耶と天龍から見れば、最上が犯人を人質にして引き連れてるように見えていた。
犯人「助けてください」
最上「逆に助けてください」
人質(犯人)が居るため、摩耶と天龍は下がって銀行の外に出ると、最上と犯人も外に出てきた。
摩耶「畜生、やっちまったな」
天龍「最上、確かに後ろで腕 組んで偉そうなポーズだ」
最上「いやいやいやいやいや・・・」
摩耶「畜生、どっから どう見ても最上が犯人だ」
そして最上は、犯人に拘束された腕を解かれて逃走用の車の運転席に座らされ、助手席に犯人が乗り込むと、走り出して逃走を始めた。
摩耶「行くぞ天龍!」
天龍「よし、行くぞ!」
そして摩耶と天龍、警官達もパトカーに乗り込み追跡を開始する。
天龍「銀行強盗、逃走しました!犯人はDevil May Cry鎮守府の艦娘 最上!」
天龍が警察無線で間違った情報を流し、助手席で聞いていた摩耶は笑っていた。
摩耶「クソ、許せねぇな、人質 取って」
天龍「犯人は西に逃走中!畜生、こんな時に限ってニトロ積んでねぇや」
摩耶と天龍は普段、自分達が使うパトカーだけ違法改造してニトロまで積んでいたのだが、今日に限って通常仕様のパトカーで来ていた。
因みに改造費は、警察署の経費を勝手に使った。
天龍「前の車 止まれー!もう無線で報告したぞ!犯人は“最上”だとなぁー!」
摩耶「犯人は最上、犯人は最上だ」
天龍「止まれ!」
犯人「応援 来るよ」
天龍「ワレ、コラァ!」
天龍が後ろからパトカーを追突させるが、それでも最上が運転する車は止まらず走り続ける。
犯人「応援 来るよ これ、応援 来るよ」
天龍「おい、止まれ止まれ!応援も呼んでるぞ!」
犯人に脅され車を運転する事になった最上は、助手席に座る犯人に急かされながら逃走を続ける。
摩耶「悲しいな」
天龍「悲しいよ!」
最上「僕に味方 居ないって・・・」
天龍「多少 尊敬してたっていうのに!止まれぇ!」
警察「艦娘で最上推しだったのに!」
摩耶「どわぁああああ!?」
『うわぁああああ!?』
最上が運転する車が急に左折し、天龍も咄嗟にハンドルを切るが、曲がりきれず街路樹に ぶつかり弾かれながら横転し、それに巻き込まれた後続のパトカーが何台もクラッシュする。
だが摩耶と天龍が乗るパトカーは地面を転がりながら正位置に戻り、追跡を再開する。
摩耶「クソ、やるなぁ!」
天龍「やるな、流石だ」
摩耶「おう、さすが元正義の艦娘なだけはある。絶対に刑務所に送るぞ」
天龍「止まれ汚職艦娘!・・・・・・どこ行った?」
クラッシュしていた間に最上の運転する車は走り去り、既に見失ってしまっていた。
しかし、摩耶だけは冷静だった。
摩耶「大丈夫だ、奴にはGPSがある」
Devil May Cry鎮守府には問題児が多いため、監視の意味でも かなり前にGPSが導入され、位置情報を共有していた。摩耶は それを利用して最上の位置を特定してるので、最上が どれだけ逃げようと逃げ切れないのだ。
摩耶「一生 追えるぞ」
摩耶と天龍からすれば、GPSを切ってないマヌケ過ぎる状況に大爆笑だった。
摩耶「GPSで最上を追うぞ!」
警官『了解!行きます!』
摩耶「勝ちの決まった追いかけっこだ」
天龍「犯人は北上中!懲りねぇ野郎だ」
摩耶「大丈夫だ、何も言わなくても追えるぞ」
警官『艦娘 最上、止まる気配ありません!』
摩耶「みんな安心しろ!一生GPSが点いてる!ずっと追えるぞ!」
警官『了解!』
天龍「あ~面白くなってきやがった」
摩耶「あぁ、勝ちの決まったカーチェイスほど楽しいものはない」
すると そこへ、ヘリで応援に駆け付けた先輩警官から無線が入った。
警官『これ艦娘さんが誘拐されてるってこと?』
天龍「違う、最上がチェイスしてます!」
摩耶「最上が人質 取ってます、最上が犯人です!」
警官『りょうかーい』
天龍「止まれ、前の車ー!止まれーい!」
警官『青い車が犯人?』
天龍「そうです、青です」
摩耶「犯人は青い車に乗って逃走中!」
『了解!』
天龍「止まれ汚職艦娘ー!」
カーチェイスの末、逃走する最上と犯人、そして追跡するパトカーは山の方に来ていた。
最上が運転する車が斜面になってる場所に突っ込み駆け上がり、その後ろから天龍が運転するパトカーが追突すると、パトカーが衝撃の反動で斜面を滑り落ちていく。
天龍「あ~畜生・・・」
摩耶「クッソ手強いな」
天龍「トルクが足りね・・・」
摩耶「よし、あれだ」
ゆっくり斜面を上がって山を越えて下っていくと、目の前を最上の運転する車が横切り、同じく斜面を走り回る応援で駆け付けた何台ものパトカーに追われていた。
最上「何で そうなるの!?」
天龍「おーい止まれー!」
警官「遂に そこまで来たか!」
警官「それでも艦娘か?!」
実はパトカーに乗って応援に駆け付けた警官は皆、艦娘の中では最上が推しだった。だから最上が犯人だと知ったショックから、推しのアイドルに彼氏が居たと知って発狂するファンみたいになっていた。
天龍「悲しいよ俺はー!反省しろー!説明しろー!」
警官「許さんぞ貴様ぁー!」
逃走する最上を追跡して斜面から道に戻ると、目の前で警官が怨嗟の言葉を叫びながら、斜面から道を飛び越えて崖からパトカーと一緒に落ちていった。
それを見て、摩耶は何か飛んでったと笑ってしまった。
摩耶「捌けた!」
天龍「誰だ?クッソ~・・・」
摩耶「畜生・・・」
笑ってたが、勝手に自滅しただけだが、仲間の警官が倒され摩耶と天龍は悔しがっていた。
天龍「何人から逃げてんだ?」
摩耶「
天龍は道から外れ、また斜面を上がっていく。
摩耶「お、いいぞ、回り込めるぞ」
GPSを確認すると、最上の信号が停止していた。
天龍「止まってるな」
摩耶「ほんとだ」
警官『木に引っ掛かってます!』
摩耶「あっ、バカァアアア!」
天龍がフルスピードで斜面を下ってると、段差になってる場所で大ジャンプし、摩耶と天龍が乗るパトカーが更に下の斜面を転がり落ちた。
止まって ひっくり返ったパトカーから這い出て、斜面に生える木を見上げると、最上と犯人の乗る車が木の上に引っ掛かっていた。
天龍「観念しろ!テメェ、お前は完全に挟まっている!」
犯人「助けてくださーい!」
摩耶「クソォ、人質(犯人)を解放しろ!」
警官「降りてこーい!」
降りろと皆で怒鳴り続けていると、木に引っ掛かる車から最上と犯人が飛び降りてきた。
最上「おかしいでしょ・・・」
警官「そんなに人間のために戦うのが嫌だったんですか?!」
最上「違うってばぁ!」
摩耶「あたしは悲しいぞ!この、バカ女!バカ!バカ!」
地面に倒れる最上に、摩耶は汚職で裏切られたという怒りを ぶつけて何度も蹴りを入れていく。
最上「痛ーい!ふざけんな・・・!」
摩耶「何で悪に手を染めたんだ?!」
警官「人質(犯人)どこ行った?」
最上の事は摩耶と天龍に任せ、警官達は現場の保存と、犯人の保護に動いていた。
摩耶「このバカ女!反省しろ」
犯人「ほんとに、何も持ってないです」
最上「僕に対しての警察官 多すぎじゃん・・・」
摩耶「よし、先ずは公務執行妨害だ」
最上「ふざけんな・・・!」
犯人「多分、ヤバい
摩耶「その人質(犯人)を解放してあげなさい」
最上「いやいやいやいやいや・・・」
摩耶「悲しい事件だったぜ」
警官「一緒に帰ろう、人質(犯人)」
警官「メンタルケアしよう」
警官「よし、帰ろう」
最上「僕のメンタルケア優先してよ・・・!」
摩耶「この野郎、この期に及んで何を言ってるんだ、凶悪犯め」
最上「おーい・・・!」
・・・・・・
*警察署 取調室 16:28*
その後、最上は警察署に連行され、警察署長から直接 取り調べを受けていた。
そこに、摩耶も遅れて取調室に入室した
最上「人質にされたの」
署長「うん」
最上「犯人がね、“僕が人質です”、“この人が犯人です”って言ったらね、警察全員 信じたんだよ!拘束されてるのに!」
署長「えぇ~、可哀想!おい!何だって そんな不憫な!」
警官「よう、こうもツラツラと嘘 述べれたなぁ、おいぃ!!」
最上「おい!」
警官「この嘘吐きがよぉ!」
最上は ふざけるなと椅子から立ち上がり、扉の前に立つ警官に詰め寄る。
警官「おい、逃げるな犯罪者、逃げようとするな、椅子に座れ」
摩耶「おいおいおい、やめてくれよ、仲間に手を出さないでくれ、犯罪者」
最上「犯罪者!?」
摩耶が間に入って止めるのだが、どう言っても署長以外からは“犯罪者”と呼ばれ、最上は艤装を装着して砲撃したくなった。
署長「1回、1回 落ち着け、全員 落ち着け」
唯一 話を理解してくれる署長が止めるので、最上は椅子に座り直した。
摩耶「ちょっと凶暴な犯罪者だ」
署長「いやいやいや、いま最上さんの話 聞いてたら、最上さんが人質になっただけじゃないのか、これ?」
警官「嘘が得意のようだな犯罪者は」
最上「クソ警察がよぉ、おい」
警官「殴れねぇよな~?暴行罪も付いちゃうし」
摩耶「クソ、艦娘 辞めた瞬間 口が悪くなりやがったぜ」
などと言ってると、ずっと煽ってきた警官を最上が殴った。
摩耶「この野郎、何をやっとんだ うちの部下に!」
最上「何なんだよ お前も!」
それを見て、止めるために摩耶は最上を殴るのだが、反撃に殴り返された。
警官「ヤバいヤバいヤバいヤバい!」
摩耶「ヤバい凶悪犯だ・・・!ちょっとアレだな、手錠しとかないと、落ち着け」
最上「あ~!痛い~・・・」
摩耶に手錠された最上は椅子に座らされ、ずっと犯人扱いされるので遂に泣いちゃった。
署長「ちょっと最上さん、次の話を・・・何で皆は こうしてまで、君を疑うのだ?」
最上「いやいやいや、えっ?僕 恨み買ってたのかな?」
署長「いやいやいやいや・・・どうなんだ?」
警官「全部 聞いてからじゃないっすか?“言い訳”ってやつを」
最上「言い訳じゃないって言ってるだろ!真実だよ!」
署長「いや、それで?そっから先は?」
最上「いや、それでね、何か、あの、犯人側が人質になって、人質であるはずの僕が犯人ってなっちゃったの。皆が信じてるから。腕を拘束されてるのに。そしたら犯人に運転席に座らされて、カーチェイスするのが僕になっちゃったんだよ」
署長「それでチェイスが始まったって事か」
最上「そう。そしたら、もう何か、摩耶達が無線か何かで言ったんだろうね、僕が闇堕ちしたみたいな」
すると、説明していた最上が またポロポロと涙を流して泣き始めた。
最上「そしたらさぁ、警察官みんなで僕のこと追いに来てさぁ・・・もう絵面が凄いよぉ・・・」
署長「う~ん・・・」
最上「用事で銀行に来て1分で人質にされたんだよ、僕」
署長「なるほどね。因みに銀行強盗した犯人ってのは誰か判らないのか?」
最上「あれはー、どうなの?顔が隠れてたけど」
署長「あ~、じゃあ判らないか」
警官「銀行強盗した犯人は最上さんでしょ?今は人質にされた人の話でしょ?」
摩耶「あぁ、話が おかしいな」
最上「いやいやいやいやいや」
警官「すぐ話を拗らせやがって」
摩耶「あぁ、平行線だぜ」
最上「いやいやいやいやいやいやいやいやいやいや」
署長「不運にも ここに居るのは署長と左遷組と左遷組の部下だ」
最上「終わってるよメンツが」
署長「話がマトモに進まないかもしれない」
最上「誰もマトモに喋れないじゃん」
摩耶「ん?」
警官「は?」
署長「お、お、俺も!?」
最上「え?」
摩耶「ほら」
署長「やっぱ こいつ犯人かもしれねぇな!」
最上が失言した事で、唯一 味方だった署長までも敵に回った。
摩耶「ちょっとダメだなぁ」
最上「もう うるさいよ!」
摩耶「埒が明かねぇな」
最上「え、どういうこと?」
署長「つまり最上さん、こうだ。多分、君は犯罪はしてないんだけどな、左遷組の恨みを買っちゃったってところだな」
摩耶「いや、違うぞ!普通に犯罪してたぞ」
最上「してないって言ってるだろ!」
いつまでも言うので、最上は艤装を装着して手錠を引き千切ると、摩耶に殴り掛かった。
署長「うわぁ、ちょちょちょっ!」
警官「エグいエグいエグいエグいエグい・・・」
摩耶「怖いな」
その頃 天龍は、摩耶が取調室に行ってしまったので暇を持て余していた。
すると そこへ、天龍を呼ぶ警察無線が入った。
警官『天龍さん いらっしゃいますか?』
天龍「居るぞー、どうした?」
警官『いま取調室に、別の艦娘が居るんですけど対応 願えますか?』
天龍「オッケー」
警官『えっと、幼女を拉致った可能性があって、そのまま連行してきました』
天龍「分かった、すぐ行くぞ」
警官『誘拐・拉致・監禁罪が適用されるか お願いします』
天龍「了解だ」
相手が艦娘なら面白い事になると思い、天龍は すぐに取調室に向かった。
そして幼女を拉致したと思われる犯人が居る取調室に入ると、そこにはDevil May Cry鎮守府の長門が扮する長門仮面が居た。
天龍「よう、自首艦 長門仮面」
長門「自首してない!」
事情聴取のため、天龍は長門仮面の対面へと座る。
ここから天龍の、天龍による、天龍のための、おちょくりが開始される。
天龍「まぁ言ってみろ」
天龍が来るまでに2人の警官に何度も説明していたのに、また一から説明しないといけないのかと、長門仮面はウンザリしながら話し始めた。
長門「だからぁ、車を直しに行ったんだ」
天龍「誰がだ?」
長門「私だよ!」
天龍「なるほどな、どこに居た?」
長門「車の整備工場に。それで外で待ってる間 可愛い幼女が居たから、“クイズやらないか”って。そしたら━━」
天龍「言われたのか?」
長門「違う違う違う、言われてない、私が言うんだ」
天龍「言われてないのか?」
長門「私が言う側だろ、風貌 見て」
天龍「そうなのか?いや分からん、それは」
警官「分からんよ、それは」
長門「分からんのか?」
天龍「見た目で人を判断しちゃダメだ」
長門「プログラミングか、お前ら。何で1個ずつ教えなきゃならんのだ?だから━━」
天龍「教えてくれ、全部な」
長門「分かった、えっと・・・私が、“一緒に遊びませんか”って━━」
天龍「待ってくれ、ここで言う“私”とは、長門仮面を指してるという認識で合ってるか?」
長門「そりゃ そうだろ!!何で1回 置き換えるんだ?!」
天龍「分からん、そこ明確にしておかないとな」
長門「もう明確だろ・・・」
天龍「じゃあ“甲”としてくれ。長門仮面を“甲”としてくれ」
長門「何で契約書みたいに・・・甲は~・・・えっと、車の整備工場の前に居た幼女2人に━━」
天龍「あぁ、以下“乙”とする」
警官「あぁ、“乙”としてくれ、そこ」
あまりの面倒臭さに、長門仮面はイライラした奇声を上げたが、とりあえず従い話を続ける。
長門「甲が、乙に・・・えっと、甲が乙に“遊びませんか”って言ったら乙がぁ━━」
天龍「ちょっと待て。分かりづらいから1回 元に戻そう」
長門「何で分かりづらいんだ?!分かりやすいように置き換えたんだろ!」
その後も話を続け、どうやら幼女の片方は遊びたくないと長門仮面に言ったそうだ。
だが もう片方の幼女は長門仮面を可哀想に思ったのか、自分が遊んであげると言ってくれたそうなのだ。
警官「お前 登場人物 増やしてゴチャゴチャにしようとしてんな」
長門「してないぞ!まだ3人しか出てない!」
天龍「それが乙だな?」
長門「もぉおおおおお!!置き換え廃止したんじゃないのか?!」
天龍「分かった、廃止はした、廃止はした」
長門「誘って、その子が“遊ぼ”って言って、助手席 乗って━━」
天龍「何のだ?」
長門「私の!車の!助手席に!」
警官「あぁ・・・」
天龍「あぁ、そういう事か。最初から そう言ってくれ」
長門「はぁっ・・・!で、車 乗って、ちょっとドライブして、“私と一緒にクイズしませんか”って言ったんだ」
天龍「あぁ、そうだな」
警官「うん」
長門「で、“3問 正解したら お小遣いあげる”」
警官「うん」
天龍「はいはいはい、そこまでは分かったぞ」
長門「で、“1問でも失敗したら、私の お願いを聞いてもらいます”っていう風に言ったんだ」
警官「お願い・・・?」
天龍「分かった、挑戦する、挑戦するぞ」
長門「あ?んん?は?は?挑戦する?は?」
取り調べ中であるのに、天龍がクイズに挑戦すると言い出し、今そんな時間ではないはずなので長門仮面は困惑した。
警官「3問だな?」
天龍「3問、正解すればいいんだな?」
長門「お~~~~~、え?え?嘘、話どこで区切れた今?」
天龍「ん?どういう事だ?」
警官「1問目 頼む、1問目」
長門「えっと、得意ジャンルは何だ?」
天龍「えっとな・・・あれ、何かあるか?何か」
警官「ん~、得意ジャンルか・・・ん~食べ物だな」
天龍「食べ物」
長門「ん~じゃあ、行くぞ。問題です。『森のバター』とも呼ばれている食べ物を何と言うでしょうか?」
天龍「森のバター?これ簡単だぞ」
長門「どうぞ」
天龍「し・・・生姜?」
警官「ちょっと待って・・・」
全力で外してきたので、長門仮面は失笑してしまい、警官の1人はドン引きした。
天龍「違うのか?畜生、やられたぜ・・・」
長門「バターにしては辛すぎるだろ」
天龍「あぁ、そうなのか」
警官「天龍さん、もしかして・・・あれですか?学がないですね」
長門「ふふっ・・・」
天龍が警官の1人からストレートに馬鹿にされてるので、長門仮面は普通に笑ってしまった。
天龍「学?“学”って何だ?」
警官「これ、俺が正解したら許してもらえませんか?」
長門「いいぞ」
警官「ニラだ」
警官の1人も全力で外してきたので、長門仮面は また失笑してしまった。
長門「何で“森のバター”で草が出てくるんだ?」
天龍「もう1人、頼む」
警官「ほうれん草」
もう1人の警官も全力で外してきた。
というか、誰も正解するつもりはない。つまり わざと外してるのだ。
天龍「違うのか・・・」
警官「違うのか・・・」
天龍「因みに正解は何だ?」
長門「答えは『アボカド』」
天龍「アボカド!なるほどな。アボカドってアレじゃねぇか?“森のバター”で調べるやつじゃないか?」
長門「知ってるじゃないか じゃあ!最初から そう言ってるだろ!」
天龍「そういう事か、逆方向も成り立つのか これ」
長門「はぁ!?成り立つぞ!」
警官「一方通行だと思ってたしな、俺ら」
天龍「“逆に”ってやつだな」
長門「いいえ!いいえ!いいえ!」
天龍「何の集まりだっけ?これで解散か?」
長門「解散じゃないわ!」
天龍「違うのか」
長門「私が有罪か どうかの話だろ!私に言わせるな!」
天龍「よし、分かった。じゃあ頼む・・・最初から」
長門「うううう最初から!?最初から!?」
取り調べが一からとなり、長門仮面は最初から何があったのか また説明をするのだが・・・。
天龍「そこは聞いたぞ」
長門「最初からって言うから!」
天龍「すまない、認識の齟齬があったな」
長門「ないわ!!」
天龍「じゃあ その子にクイズを出したんだな?」
長門「で、出す前に、その子が何かを恐れて車から飛び降りたんだ」
警官「うん」
天龍「そういう事か」
長門「で、怪我して全然 立てなくなって」
天龍「大丈夫か、怪我は?治ったか、もう?」
長門「私の話じゃない、幼女の話、幼女の話」
天龍「幼女の方か。クッソ、主語がねぇんだよな、さっきから。分かった、幼女が怪我したんだな?」
長門「幼女がぁ!車から飛び降りて、幼女がぁ!怪我して、私がぁ!幼女のぉ!所に行って、幼女がぁ!えーっと、“痛い痛い”って言って━━」
警官「肩の力 抜け お前」
長門「幼女がぁ・・・」
警官「そうそうそう」
長門「で、私が幼女の所に行って、“大丈夫か”って言ってたら大泣きしてて、“クイズやる”って訊いてクイズ出して、じゃあ“森のバターは”って“アボカド”って答えて、じゃあ“畑のミルクは”って訊いて答えられなくてクイズ間違えて私は帰ったってだけ」
「「畑のミルクは何だ、因みに?/畑のミルクって何だ?」」
警官「畑のミルク・・・?」
事件の詳細より、クイズの方が気になる天龍と警官2人。また振り出しに戻りそうな予感だ。
長門「畑のミルクだ。んで━━」
天龍「ニラ?」
長門「ニラじゃない!」
警官「ニラだろ」
長門「ニラから離れろ!んで お前 生姜担当だろ!何でニラ取っちゃうんだ!」
天龍「す、すまん・・・」
長門「謝るなよ!いいんだよ謝んなくて!」
警官「俺も嫌な気持ちになってたんで謝ってくれて嬉しかったです」
天龍「すまん、ニラ取っちゃって」
警官「大丈夫です」
天龍「で、ニラが どうしたって?」
長門「ニラの話はしてないわ!!」
天龍「してないのか、じゃあニラの話はするな」
長門「してないわ!言い出したの お前らの方だ、ニラ!」
警官「いや、甲が最初に話し出しただろ」
長門「また“甲”持ってきた!廃止したんじゃないのか そのシステム?!」
天龍「水掛け論だな、これな。クソッ、何かアレだな。別の話して誤魔化そうとするんじゃねぇぞ、論点がズレてるぞ」
長門「してない!してない!ずっと軌道に乗ってる!」
警官「論破が怖いか そんなに?」
長門「だから軌道に乗ってる ずっと!ずっと同じ山手線に乗ってる!」
警官「山手線・・・?」
天龍「山手線には・・・乗ってないぞ」
警官「ここ取調室だぞ、今ここに居るのは」
長門「例え~~!!例えー!!例え!」
天龍「例え、そういう事か」
警官「じゃあ例えてくれ」
長門「たっ・・・例えた、山手線で今!」
警官「なるほど」
長門「もう私が悪かった!刑務所 送ってくれ!いい!」
天龍「何でだ?諦めるな」
警官「諦めるな、頑張れ」
天龍「諦めるな、無実を証明しろ」
長門仮面の脳を破壊しながら話をゴチャゴチャにしたのは天龍達の方なのに、長門仮面が諦めた途端に応援を始め、一生 終わりそうにない会話を続けようとする。
長門「いい、もう!いい!」
天龍「諦めるな、頑張れ、俺達は応援してるぜ」
長門「もう私が連れ去った!もういい!切符 切ってくれ!」
天龍「認めたな」
警官「よし、認めやがったな」
こうして長いようで短い取り調べが終わり、天龍と警官2人は取調室から出て、隣の最上を取り調べてる取調室に向かうと、中から摩耶が出てきた。
摩耶「お前ら長門仮面 切ったのか?」
天龍「論破した」
摩耶「因みに、あたしも20分前に切符 切ってるぞ あいつに。えらい事になったな」
天龍「二重請求になっちまう これ」
その後、Devil May Cry鎮守府にヘトヘトになった長門と最上が帰ってくるのだった。
私事ではありますが、現在 生活面と仕事面 両方においてトラブルに陥っておりまして、執筆の時間も殆んど取れない状況にあります
なので投稿頻度が かなり落ちる事になる事を、ここで ご報告させていただきます
ただ完結させるまで執筆と投稿は続けていくつもりですので、気長に お付き合いいただければ幸いです