感想ありがとうございます!
これだけ、これだけ投稿したい・・・!
キリがいいので
469話です!どうぞ!
*港 9月15日 21:30*
港に、横須賀の山城と神通の姿があり、彼女達はDevil May Cry鎮守府の加賀と天龍を待っていた。
裁判にて勝訴した3億円を天龍から既に支払われたのだが、これがブラックマネーであると発覚した。
これを問題視した横須賀鎮守府はDevil May Cry鎮守府の加賀と天龍を呼び出し、こうして向こうが来るのを待っているという訳だ。
遠くから天龍の声と、2人分の人影が こちらに向かってくるのが見えた。どうやら加賀と天龍が来たようだ。
横須賀山城「ジッとしてなさい」
横須賀神通「了解」
横須賀の山城は1人で、こちらに向かってくる加賀と天龍の方に歩き出し、互いに ある程度の距離を空けて足を止める。
天龍「横須賀の山城、久し振りだな!」
天龍の服装が警察服に戻っており、加賀が一緒なので私服で警察勤務してるとバレたら怒られるので、今だけ元に戻していた。
横須賀山城「“さん”を付けなさい、タコ助野郎」
天龍「あ?何だって?」
横須賀山城「“さん”を付けろって言ってるのよタコ助野郎」
天龍「横須賀の山城 久し振りだな
横須賀山城「どこに“さん”付けてんのよ この野郎」
天龍「んぉ?場所は指定されてなかったぞ」
横須賀山城「名前に“さん”を付けるのは普通でしょ」
天龍「おう、じゃあ、横須賀の山城さん」
横須賀山城「うん」
天龍「久し振りだな」
横須賀山城「久し振り?あ~、裁判振りね」
天龍「裁判振りだな。で、何の話だ?」
横須賀山城「何の話だ?あんたは少し黙ってなさい」
天龍「えっ・・・!?じゃあ何で呼んだんだ俺を?」
横須賀山城「あんたは当事者でしょ。あんたが喋ると こんがらがるからね」
天龍「当事者が話して こんがらがるなんて おかしいぞ」
横須賀山城「当事者が こんがらがせているから こうなってるのよ」
天龍「そういう事か、じゃあ黙ってるぜ」
横須賀山城「えぇ、話の分かる奴で助かるわ。ねぇ、加賀」
加賀「何?」
横須賀山城「うちの神通━━」
天龍「加賀“さん”だろうが!」
横須賀山城「うるさいな お前は黙っとれ!」
天龍「“さん”を付けろ!」
天龍が さっきの お返しとばかりに、自分が言われたのを そのまま横須賀の山城に言い、横須賀の山城も一々 反応するので話が始まらなかった。
とりあえず仕切り直しである。
横須賀山城「ねぇ、加賀」
加賀「何?」
天龍「“さん”・・・」ボソッ・・・
さっき うるさいと言われたからか、天龍が小声でボソッと言うので、加賀と横須賀の山城は笑いそうになるのを堪え、話を続ける。
横須賀山城「ブラックマネーの話は聞いてるはずよ」
加賀「えぇ、聞いたわ」
横須賀山城「おかしな話だとは思わないの?」
加賀「もし仮に本当にブラックマネーだったら これは良くない。ちゃんとクリーンな お金で払う」
横須賀山城「しかも裁判では、天龍氏と、そして摩耶氏で半々という話だった。けど天龍氏が、纏めて1人でブラックマネーを持ってきてるという話よ」
加賀「一旦こちらでは、天龍が纏めて払うという話になったの」
横須賀山城「纏めて払うにしても、ブラックマネーというのは犯罪者が得られる お金のはずよ」
加賀「そうね。それが事実であるのならば、ブラックマネーは駄目だから、一旦ここは綺麗な お金で払う」
横須賀山城「じゃあ綺麗な お金で纏めて、こちらの口座に今 振り込んで」
加賀「その前に聞かせて。それがブラックマネーだと どうして判ったの?」
横須賀の山城の話では、日本に帰国した
健は伏せて話したようだが、この政府組織とは間違いなくオリーブ財団の事だろう。
ブラックマネーが入ったアタッシュケースには念のため発信器が付けられており、その信号が出てるのが横須賀鎮守府だったので、健が訪れた訳だ。
健は横須賀提督に返してくれるように頼んだが、横須賀提督は これを拒否した。その お金は裁判で勝訴した事でDevil May Cry鎮守府の天龍から支払われた物であり、本当にブラックマネーであるのなら、Devil May Cry鎮守府と話す必要があるため すぐに返す事はできなかった。
天龍「俺はキャッシュで払いましたけど、ブラックマネーか どうかは分かりませんでした。証拠がありませんから」
加賀「それは本当にブラックマネーという事なのね?」
横須賀山城「健君が言うにはね。うちの提督は彼の言葉を信じてる」
加賀「えぇ、彼が そう言ってるなら間違いないでしょう。そういう事なら ちゃんとした お金で払うわ。天龍、ここは穏便に済ますために払うわよ」
天龍「悪に屈するんですか?!」
横須賀山城「あんたがやっている事が悪だという話ではないの、天龍?」
天龍「それを証明してみせろ!」
横須賀山城「証明なんてする必要あるのかしら?」
天龍「あるぜ!」
横須賀山城「どうして?」
天龍「どうして!?こっちは もう払ったぞ」
横須賀山城「けど それはブラックマネーで、違法な物であるから最初から使う事もできない お金よ。あなたは そんな物を私達に渡してきた。どちらに非があるかは明確でしょ?であれば、私達は まだ、正当な お金を受け取ってないという話にならない?」
天龍「分かった、じゃあ それを確認するために一旦 返してくれ それを」
横須賀山城「それは無理よ」
天龍「詐欺罪、詐欺罪です これは!」
横須賀山城「何が?先ずは払ってもらう」
天龍「こいつ詐欺だ、詐欺師だ あいつは!詐欺師、詐欺師だ!」
横須賀山城「そっちのミスなんだから先ずは払って」
天龍「ミスってるか どうか分からないだろ!」
加賀「けどブラックマネーは返してもらわないと━━」
天龍「水掛け論開始!」
加賀「天龍!」
真剣な話をしてるはずなのに、すぐ天龍が ふざけるので加賀も ついつい声を荒げてしまう。
天龍「寄越せ、先にブラックマネーを」
横須賀山城「いいから振り込みなさい」
天龍「いいから寄越せ、ブラックマネーを」
横須賀山城「いいから振り込め、話は それからよ。埒が明かないでしょ。天龍、あなたの艦娘としてのランクは幾つ?」
天龍「左遷させられて0だ!」
横須賀山城「じゃあ黙っとれ下っ端!」
天龍「何だとテメェ」
横須賀山城「何よ この野郎」
天龍「ランク0だから俺は責任を取らずに好き勝手 言えるんだよ」
横須賀山城「逆でしょ。上艦命令には聞く必要があるでしょ」
横須賀神通「(これ本当に埒が明かないやつ・・・)」
天龍「補佐艦、ブラックマネーか どうか確認しない事には話が進みませんよ」
加賀「天龍、多分ブラックマネーよ」
加賀の見解としては、横須賀提督が元暴走族とは聞いてるが、それでもブラックマネーと偽って更に3億円を搾取しようと不正をするような人間には思えない。
長年 提督を務め、正しい方法で功績を上げている事からも考えられなかった。
天龍「でも情報の出所が全部 奴ですよ」
加賀「情報の出所は全部 向こうだけど、向こうの話を聞いていて私も合点がいったわ」
健やオリーブ財団から直接 聞いていた訳ではないが、健が日本に帰国してるのは青葉からの情報でDevil May Cry鎮守府も掴んでいた。
だから健が帰国していたのが今回のブラックマネーと関係があるのなら、横須賀の山城が言っていた事の辻褄は合うのだ。
加賀「天龍、向こうに元々の条件だった条件を果たさないと、また裁判になるかもしれないから、ここは片付けましょう」
天龍「じゃあ3億 払うんですか補佐艦?自腹で」
加賀「自腹・・・?」
横須賀山城「自腹?」
ん・・・?
天龍「補佐艦が そう言うなら俺は止めませんよ」
加賀「あ、あな・・・あなた・・・てん・・・!」
何故か加賀が自腹で3億円を払う方向で天龍が話を持っていこうとするので、加賀は今、天龍に嵌められそうになってるんだと気付いた。
天龍がブラックマネーで払ったのなら、天龍は自分で一銭も出してない事になる。そこで加賀が払えば、結果的に加賀が損して、摩耶と天龍の懐事情がノーダメージで終わる事になる。
横須賀山城「何なら もっと請求してやりたいぐらいだけどね」
加賀「分かった!分かった!天龍、分かった。私が あなたに借金する、今から」
横須賀山城「えっ・・・!?」
加賀「1億5000万あなたに借金する」
横須賀山城「あなたに借金する・・・?」
横須賀の山城からすれば、ちゃんとした お金で払ってくれるなら何でもいいのだが、悪いのは摩耶と天龍なのに どうして加賀が天龍に借金して自腹で払う事になるのか、理屈が分からず意味不明だった。
加賀「私の口座に、1億5000万 送って」
天龍「これ もしかして一緒に詐欺してますか?」
加賀「違う、違う違う違う違う違う、違う」
横須賀山城「何で こっちとグルなのよ」
加賀「天龍、これは ちゃんと あなたに返す」
天龍「分かりました」
横須賀山城「加賀、あなた頭 大丈夫?」
加賀「えぇ、大丈夫よ」
横須賀山城「あなたが天龍に借金するではないでしょ」
加賀「天龍に私が1回 借金して、で、私が自腹で3億 払う」
加賀が自腹で払うなど おかしな話だとは思うが、加賀は加賀なりに理由があった。もう面倒臭いので、自分が損してでも さっさと この話を片付けたかった。
天龍「でも補佐艦から1億5000万もう貰ってるくらい世話になってるから、返す気持ちで」
加賀「良かった、じゃあ返してくれるって事ね?」
天龍「はい、返すぜ」
加賀「山城、ただブラックマネーは返してよ」
横須賀山城「先ずは送りなさい」
天龍「補佐艦 送っちゃうんですか3億?」
天龍が訊いてる間に、加賀は横須賀鎮守府の口座に3億円を送金した。
加賀「送ったわよ山城」
横須賀山城「確認した」
加賀「さぁ、ブラックマネーを返して」
横須賀山城「ブラックマネーねぇ・・・」
3億円の送金が済み、あとはブラックマネーを返してもらうだけだったのだが、横須賀の山城が纏う雰囲気が変わり、雲行きが怪しくなる。
加賀「ここで返さないと、あなた達が不正に儲ける事になるでしょ」
横須賀山城「それは そうかもしれないけどねぇ・・・」
横須賀の山城とて、ブラックマネーを懐に入れて儲けようというつもりはない。
しかし、作戦での損害や裁判での火事、今回のブラックマネーも含め、迷惑を掛けてきたDevil May Cry鎮守府に返すのは癪なので、そちらはブラックマネーの回収に来た健に渡すつもりだった。だから何が何でもDevil May Cry鎮守府には渡したくない。
横須賀山城「ブラックマネーを こちらが払うという理由が、あると思う?」
加賀「あるわよ!儲けるのは おかしいでしょ!」
天龍「そうだ そうだ!」
次の瞬間、横須賀の山城が艤装を装着し、間髪入れずに砲撃して着弾した。
横須賀提督の意向で、やられた分はキッチリ返そうという事で、最後に意趣返ししてやろうと砲弾を撃ち込むのは予め決めていた。
横須賀山城「行くわよ!」
着弾した瞬間、横須賀の山城は背を向け立ち去ろうとしたから気付けなかったが、まだ これで終わった訳ではなかった。
横須賀神通「生きてる生きてる!きゃああああっ!!!」
横須賀山城「うわぁああああっ!!!」
後ろからミサイルが飛んできて着弾し、横須賀の2人は一緒に吹き飛びダウンした。
倒れる2人が加賀達の居た場所を見ると、加賀は吹き飛びダウンしてるのだが、天龍がダンテから借りたカリーナ=アンⅡを構えて無傷で立っていた。
横須賀神通「生きてる!」
横須賀山城「何でよー?!」
横須賀神通「何で生きてるの!?」
天龍「読めてんだよ お前らの魂胆はよぉ!」
横須賀山城「何で お前 生きてんのよ?!」
横須賀神通「避けたってこと!?」
天龍「俺の1人勝ちだぁ!!」
横須賀山城「クソがぁ!」
天龍「天龍、裁判編、ジ・エンド!」
横須賀山城「ふざけんな・・・ふざけんなゴラァ!」
天龍が勝手に話を終わらせようとするので、横須賀の山城は ご立腹だった。
横須賀神通「何で あなた生きてるの・・・?」
横須賀山城「天龍ぅ!」
天龍「よーし」
横須賀山城「何で お前 生きてんのよ?!クソが!」
天龍「いま衛生兵 呼んでやるからな、待ってろ」
横須賀山城「クソが・・・何故あの距離で死んでないの?!」
天龍「悪いな」
加賀「何よ これはー?!」
先にダウンした加賀も、倒れたまま どうして こうなったのかと不満を叫んでいた。
横須賀山城「畜生、おかしいでしょ お前」
天龍「じゃあブラックマネーは持ってねぇのか、今は?」
横須賀山城「持ってる訳ないでしょ。悪いけどブラックマネーは1円たりとも返さないわ!」
加賀「何ですって?!」
天龍「ズルいー!」
横須賀山城「当たり前でしょうが!」
天龍「おい、ズルいぞ!」
横須賀山城「バカ共が!」
天龍「俺、いま警察だから逮捕だ逮捕♪」
そう言って、天龍は倒れる横須賀の山城に手錠を掛け、拘束した。
横須賀山城「クソがぁ、天龍ぅ、お前ぇ・・・!何で あの距離で死んでないのよ?」
天龍「すまんな、構えた瞬間もう避ける準備をしていた」
横須賀山城「意味が分かんないでしょ お前・・・」
天龍「まぁいいよ。その3億円は持っていきな」
横須賀山城「持っていきなじゃないでしょ、当たり前でしょ」
天龍「持っていきな、手間賃だ」
・・・・・・
そして しばらく待つと、海軍の衛生兵がヘリで到着し、加賀と横須賀の2人が手当てされ起こされた。
ただし、横須賀の2人は手錠されたままだった。
そして そのままヘリで、Devil May Cry鎮守府まで送ってもらう話にもなった。
天龍「送ってやるよ。乗っていきな」
横須賀山城「クソッタレが」
加賀「天龍とりあえず、2人 引っ張ってくわよ」
横須賀山城「この野郎、ふざけやがって天龍」
天龍「思わぬ幕引きだったな」
横須賀山城「お前 忘れないからな。何で生きてんのよ・・・」
天龍「避けちゃったぜ☆」
横須賀山城「避けるな」
加賀「さすが天龍ね」
横須賀神通「何で避けれるの?あの距離の砲撃を・・・」
天龍「いつも師匠にボコボコにされてるから、反射神経が鍛えられてるのかもしれない。罰金も切らないとな」
横須賀山城「ちゃんと正しく罰金 切れるの天龍?」
話しながら、加賀達は海軍のヘリに乗り込み、ヘリは鎮守府に向かうため離陸した。
だがヘリの中でも話が終わらず、天龍と横須賀の2人で また言い合いになってしまっていた。
横須賀山城「また裁判かしら?」
加賀「天龍、天龍、無限ループしてる」
横須賀神通「またやるんですか?」
横須賀山城「やるの?」
天龍「ホラーだ、ホラーだ、この無限ループ ホラーだ」
横須賀山城「こいつ殺そうかな・・・天龍、私は一方的に殺るのは嫌だけど、理由があれば殺るつもりだから。今回は理由になり得る。因縁になり得る。なり得るでしょ」
天龍「どっちかって言うと俺も因縁だぞ、3億 持ってかれてるんだから」
横須賀山城「それは自分が悪いんでしょうが。持ってかれたんじゃなくて お前が自分で持ってきたんでしょうが。使ってはいけない お金を自分で持ってきたんでしょ」
天龍「使ってはいけないか分かんねぇだろ まだ」
横須賀山城「普通に考えてブラックマネーだっつって出していい訳ないでしょ。押収品でしょ」
天龍「それは違うぞ」
横須賀山城「押収品でしょ。じゃあ どうやって手に入れたのよ?」
*Devil May Cry鎮守府 グラウンド*
言い合いしながらDevil May Cry鎮守府に到着してグラウンドに着陸したのだが、それでも天龍と横須賀の山城の言い合いは終わらなかった。
子供のように言い合う2人に対し、加賀も もう面倒臭くてウンザリしていた。
加賀「もういいでしょ終わったんだから!」
天龍「クソ、埒が明かねぇな」
横須賀山城「こっちのセリフよバカ野郎」
天龍「畜生」
加賀「もう終わったんだから!いつまでも ほんとにぃ!」
そして言い合いの決着は付かぬまま、加賀と天龍は横須賀の2人を鎮守府の牢屋に監禁した。
・・・・・・
*艦娘寮 9月17日 11:36*
2日後、まだ左遷の期限が終わっていないのに、警察服を着た摩耶と天龍が鎮守府に戻り、艦娘寮に来ていた。
摩耶「誰だ これ?おぉ、タコ補佐艦じゃねぇか!」
天龍「おはようございます」
天龍は先々と1人で艦娘寮の奥へ行ってしまい、摩耶は加賀の元に残った。
加賀「摩耶、おはよう」
摩耶「あぁ、限界だ、そろそろ。ノイローゼ、ノイローゼが凄い」
加賀「約束が違うでしょ、2週間よ2週間」
摩耶「誰も限界だって言っただけで、やめるとは言ってないぜ」
2人で艦娘寮の奥に向かって歩きながら、しっかり禊を続けてるようだと加賀は満足そうな顔をした。
加賀「よしよし、じゃあいいわよ。いや あなた達が この格好に そこまでの苦痛を感じるとは私も思わなかったからね」
摩耶「あぁ、ずっと出オチをさせられてる気分だ、いい加減にしなさい」
加賀「一定の効果があったようで私も嬉しいわ」
そこに、先に奥に行っていた天龍が戻り合流した。
そのタイミングで、摩耶が ある艦娘の事で加賀に文句があり、再び口を開く。
摩耶「テメェあれらしいな。しかも うちの木曾にも同じような枷をやったらしいな。左遷組を玩具にしてんじゃねぇぜテメェ」
加賀「してない してない」
摩耶「調子に乗ってるのも今の内だぜ」
天龍「はぁい」
どうやら摩耶と天龍が警察に左遷させられてる間に、木曾も別件で裁判沙汰になりそうになり、加賀が未然に防いだらしい。
その禊として、木曾も左遷組として今は どこかに働きに行かされてるのだ。
摩耶「因みに左遷組はな、もう決めてるんだ。これからテメェの説教を1分以内に終わらせるってな」
加賀「1分?」
そんなの可能なのかと、加賀は現実的ではない話に思わず鼻で笑ってしまう。
摩耶「曙のチャンネルでミッドロール広告 挟めないようにしてやるぜ、覚悟しろ」
天龍「可哀想に」
摩耶と天龍が左遷させられた最初の時、漣が2人を動画で撮っていたが、それがネットアイドルとして活動させられてる曙のチャンネルで公開されてしまっていた。
艦娘が警察勤務してる物珍しさと、左遷させられたという事実への冷やかしに、そこそこの再生回数が回っている。
摩耶「鎮守府のリアルマネーに打撃を与えてやるぜ」
加賀「纏めて10分にしてやるわ」
それを聞き、摩耶は爆笑した。
摩耶「クッソォ、狡猾な補佐艦だぜ」
加賀「えぇ、1分だろうが何分だろうが、纏めてやるわ」
摩耶「クソやるな補佐艦」
加賀「『左遷組 説教集』で出してやるわ」
摩耶「あ゛あ゛クソッ!10万 行きそうじゃねぇか。やるじゃねぇか補佐艦!」
加賀「えぇ、私も狡猾なのよ」
摩耶「クッソォ、やるなぁ」
加賀「私も いつまでも、あなた達に1本 喰わされてる訳じゃないわよ」
摩耶「クソ、しかし これ大ダメージだぜ。なぁ、見ろ、補佐艦。天龍を見たまえ。足元を見ろ」
加賀「天龍ー!」
摩耶「徐々に戻ってるんだ」
加賀「あなたー!」
摩耶「気付いたか」
天龍は警察服は着ているが、足は革靴ではなくサンダルを履いていた。
加賀「サンダルを履いてるじゃないの!」
天龍「はい、そりゃ履きますよ。じゃあ履かないんですか、補佐艦はサンダルを?」
天龍が堂々と反論するので、加賀と摩耶は思わず笑ってしまった。
加賀「革靴でって言ったでしょ、最初の約束は」
天龍「はぁい、最初の約束は そうでした」
加賀「あなた禊の格好を━━」
摩耶「天龍、あと30秒だ」
天龍「はい、すいません。じゃあ、もう以上で」
さっきの加賀の説教を1分以内に終わらせるという話があったので、天龍は話の途中で立ち去っていく。
その天龍の強気な態度と有言実行力に、摩耶は大爆笑していた。
摩耶「30秒!」
加賀「30秒は短いわよ!」
摩耶「おぉ、那珂・・・誰これ!?」
ふと後ろを見ると那珂が通り掛かったのだが、髪の毛が全て逆立って変な髪型になっており、摩耶は大笑いした。
加賀も何故そんな事になってるのか知らず、困惑していた。
加賀「何で?髪の毛そんな・・・」
摩耶「ちょっと待て、スーパーサ◯ヤ人みたいな奴が出てきた、何だ こいつ!?」
話を聞くと、どうやら罰ゲームで この髪型にされたらしい。
そこに、立ち去ったはずの天龍が戻ってきた。
天龍「バージル師匠、何か声 変わった?」
摩耶「バージル師匠!」
那珂「バージルさんじゃなぁい・・・ヤダァ、バージルさんはヤダァ・・・」
天龍「違うのか?」
摩耶「これ那珂だ多分。声的に」
天龍「那珂!?那珂とんでもない事になってんな!?」
摩耶「お前 補佐艦にやられたんだろ?」
加賀「違う」
天龍「補佐艦~」
摩耶「最近 艦娘の尊厳 奪い過ぎじゃね?」
加賀「いや、そんな事しないわよ」
摩耶「いい加減にしなさいよ」
加賀「いや、私は、別に、あなた達は罰ゲームって言うとアレだけど、罰則だけどね」
「「クソォ・・・/はぁい・・・」」
そこで那珂に、どうして そんな罰ゲームをする事になったのか訊いてみると、どうやら横須賀の島風と艤装を用いた水上レースをして負けちゃったらしい。
それを聞いて また横須賀鎮守府かと、加賀は驚き天龍は憤慨した。
天龍「これから3億 回収しなきゃいけねぇんだ!」
摩耶「3億?何で?えっ、お前 渡したんじゃねぇの3億?」
加賀「あ、回収したの?これから回収するの?」
天龍「いや、しないといけないんですよ」
摩耶「えっ、回収って何だ?お前 払ったんじゃないのか天龍?」
摩耶はブラックマネーの話は聞いていないため、なぜ横須賀鎮守府から また3億円を回収しないといけないのか分からなかった。
天龍「横須賀鎮守府が何かゴネて、何か言ってて、こっちが一旦 大人になった」
摩耶「ゴネって事はアレか、向こうのオバハン提督か」
天龍「大元は そこかもしれねぇけど、とりあえず横須賀の山城だな」
摩耶「あ~、うちの山城さんも よくゴネるからな」
加賀「けど、摩耶 痛快だったわよ。最後は天龍がしてやったから」
摩耶「カマしたのか?」
加賀「カマした」
天龍「向こうの山城と神通をミサイルで ぶっ飛ばしてやった」
すると摩耶が思い出したように、スマホを取り出した。
摩耶「そうだ、1億5000万お前に借金してるからな」
加賀「え、1億5000万 借金・・・?」
那珂「みんな借金」
結局 敗訴した お金の半分は加賀が自腹で払ったが、摩耶は自分の分も天龍が一括で払ってくれるというところまでしか知らないため、天龍に借金してる状態だと認識していた。
ただ加賀は、それとは別件で借金の話をしてるのだと思い込み、何も言わなかった。
そして摩耶は、天龍の口座に1000万円を振り込んだ。
摩耶「これ、貧乏だから1000万ずつ返す」
天龍「じゃあリボルビング払いで」
加賀「リボ払い?増えてく・・・」
摩耶「リボ払い!?何だと!?」
天龍「毎日1000万ずつでいいぞ」
摩耶「クソ、しくじったな、終わった」
天龍「毎日1000万ずつで行こう」
加賀「終わらないじゃない、じゃあ」
天龍「終わらないですよ」
加賀「手数料が・・・」
天龍「終わらないのが終わりですよ。補佐艦も1億5000万、リボ払いでいいですよ」
加賀「え、待って、私、え?」
横須賀鎮守府側にクリーンな お金を渡す時、加賀が天龍に借金して自腹でという風になりかけたが、結局あれは、天龍が色々と世話になってるから逆に恩返しするつもりで加賀に お金を渡したので、借金をした事にはなっていないはずだったのだが・・・。
加賀「え、私もアレ借金?」
天龍「借金、はい」
加賀「え、嘘、こいつ、え?」
摩耶「那珂、いつまで その髪型なんだ?」
那珂「明後日まで」
摩耶「明後日まで!?」
天龍「那珂も、何か販売するならリボ払いした方がいいぞ」
那珂「リボ払い お勧め?」
天龍「何かグッズとか売ってるだろ?」
あんまり那珂に悪知恵を仕込まないでほしい・・・。ファンクラブやってる憲兵隊が心配だ。
天龍「補佐艦、罰ゲームいつまでですか俺らは?」
摩耶「そうだ、解放してくれ」
加賀「裁判日は、開廷が いつだった?」
天龍「そうですね、そういう意味では、9月1日ですね」
加賀「つい、え?え?違うんじゃない?“そういう意味”って どういう意味?」
天龍「俺が裁判に挑むぞっていう決意表明したのが9月1日なので」
加賀「違う違う違う違う違う、判決が下った日よ」
天龍「あ~いや憶えてないです」
加賀「判決が下った日は いつよ?」
天龍「大体2週間前っすね、大体」
摩耶「あぁ、アバウトなら そういう事だ」
天龍「大体2週間前ですね」
加賀「1日から2週間なら終わりだけど、そんな、もうちょっとあるんじゃない?あと3日でしょ、多分」
摩耶「・・・・・・ん?」
天龍「摩耶、大体2週間前だったよな?」
摩耶「あぁ、大体2週間前だったな」
加賀「いや・・・」
摩耶「何月何日とは・・・言われてなかった気がするぜ、補佐艦」
加賀「いや、私は ちゃんと“2週間”と・・・あなた達、“大体”で煙に撒こうとしてるわね?」
天龍「大体じゃ駄目なんですか?」
加賀「あと3日あるはずじゃない」
天龍「いや・・・・・・あの、あれですよ、完全週休2日制なんで」
摩耶「1週間ってアレだろ、5営業日だろ」
加賀「ご、え、5営業日!?」
天龍「1週間って一般的には5営業日じゃないですか?」
加賀「5営業日だとしたら2週間で あなた達10日は行った?」
天龍「はい、行きました!」
摩耶「あぁ、行ったぜ」
那珂「おぉ!」
加賀は納得できない様子だったのだが、摩耶が警察勤務した日数を指を折って数え始めた。
摩耶「おいおい、1日オーバーしてるぜ」
加賀「そうか、土日返上で あなた達は その格好で仕事に挑んだのね」
摩耶「あぁ、勿論だ」
天龍「はい、そういう事です!」
那珂「素晴らしい」
加賀「じゃあ今日で10営業日目、禊 最終日」
摩耶「だから1日オーバーしてるって」
天龍「そういう事なら今日1日 有給 取るんで。受理してください、有給申請」
摩耶「頼むぜ」
加賀「受理・・・受理、します、はい」
加賀が受理した瞬間、摩耶と天龍は それぞれ走って自室に入り、それを見て加賀は驚いた。
加賀「え、ちょっと待って!もう終わり!?」
加賀が2人を追い掛けるが、余程 嫌だったのか2人は早着替えで いつもの艦娘としての格好に戻っていた。
加賀「あ~!戻ってきたー!」
摩耶「ただいまぁっ!!」
そして摩耶は、今までの鬱憤を晴らすために加賀に殴り掛かった。
加賀「痛い!痛い!やめて!殺される!」
天龍「よーし」
逃げる加賀をバットを持った天龍が追い掛け、加賀も陽炎型の部屋からバットを持ち出し出てくると、2人はバットでの殴り合いを始めた。
那珂「何してるの!?」
加賀「よし掛かってきなさい!」
天龍「おいコラァ!テメェ!テメェ何してくれてんだ、さっきから!この・・・!」
加賀「この・・・!」
天龍「ぐああああああ!!!」
加賀「あとは
天龍「マズい摩耶!」
バットでの殴り合いの末、天龍が殴り倒されダウンした。
そして摩耶は その場から逃げるように走り、その後ろを加賀が追う。しかし、加賀は摩耶を見失った。
加賀「逃げやがったわ」
仕方なく、加賀は倒れる天龍の元に戻ると、摩耶の分も追撃してバットを振り下ろす。
そして加賀から逃げ切った摩耶が、艤装を装着して戻ってきた。
天龍「助けてー!」
摩耶「どうした?那珂どきな」
那珂「えっ!?」
加賀「ヤバい!ヤバい!やめなさい!」
那珂「ヤバい!」
加賀を狙い摩耶が砲撃し、倒れる天龍も巻き込み爆発が起きた。
天龍「摩耶ー!!」
摩耶「サーチ&デストロイ━━アチャチャチャチャチャチャチャ!!!那珂 助けて!!」
天龍「摩耶ー!!」
摩耶の1人勝ちで終わるかと思ったが、近付き過ぎたために摩耶は自分の砲撃で発生した火災に巻き込まれ、弾薬に引火からの誘爆で大破してダウンした。
摩耶「那珂 助けて!」
那珂「どうしたらいいの!?」
那珂としても助けたいが、3人を囲む炎が激しく近付く事さえできない。
天龍「那珂 逃げろ!燃えちまう!逃げろ!避難して救助 呼んでくれ!」
加賀「みんな鎮守府が火の海よ、また!やってしまったわね、摩耶、天龍」
那珂は助けを呼びに走り去ったが、勝手に鎮火したのか加賀達の周りから火が消えた。
加賀「左遷組VS補佐艦、裁判 後始末編」
天龍「話 終わらせやがった!」
摩耶「クソッ!」
加賀「今回は痛み分けね」
摩耶「やるじゃねぇか。クソやっと戻ったぜ」
天龍「戻ってこれた」
加賀「帰ってきたわね、クソ野郎共」
口では怒っていたが、バカの2人が居ないと居ないで寂しくもあったので、実は嬉しかったりもする加賀だった。
摩耶「犯罪者にも言われてたんだ、“そろそろ戻ってくれ”って。良かったぜ」
加賀「気分は どう?」
天龍「今までは最悪な気分だったけど、今は最高だな」
加賀「解放された?」
摩耶「やっぱ これじゃないとな」
天龍「先ず木曾 救わないと」
摩耶「確かに」
加賀「木曾に関しては、ちゃんと私が“3営業日”っていう事を明言してあるから」
摩耶「あ、終わったな あいつ」
加賀「だから逃げようがない」
天龍「今まで有給1日も取ってないなら、だいぶ余ってるんじゃないのか?」
摩耶「確かに」
と、思うかもしれないが、木曾は有給休暇が取れるとなった途端に すぐ消費するので、現状では有給休暇が貯まってない状態である。
加賀「だから有給 取れないし、そもそも次の有給を取るのに出勤日数が足りてないから」
天龍「何だって?そう言うと俺も まだ足りてない気がしてきたな」
摩耶「やめろ やめろ、バカやめろ!」
今更 有給を取り消しにされても困るので、余計な事を言われては困る。
加賀「有給休暇にはならないわね」
天龍「まぁいいや。無給休暇で経過してやるぜ俺は」
加賀「無給休暇は、それ無断欠勤じゃないの?」
天龍「いや、断った上で、無給休暇ちゃんとやる。ちゃんと一言 入れてから」
加賀達3人は、倒れたまま助けが来るのを待って喋っていたのだが、消えたはずの火が再び燃焼して炎に囲まれた。
実は消えたのではなく、火は艦娘寮を回り回って加賀達の所に戻ってきただけだった。
摩耶「クソッ、ずっと燃えてやがる!」
天龍「改めて火の手が!改めて火の手が!熱い熱い熱い熱い熱い!!」
摩耶「アチチチチチチチ!!」
加賀「炎症が止まらないわ」
摩耶「これじゃ助けが来れないぜ」
天龍「助けて~!」
すると遠くから、誰かの声が聞こえてきた。そちらを見ると、加賀達を救出するために比叡と霧島、川内が駆け付けた。
比叡「何で こんな事になってるの!?」
摩耶「補佐艦が暴れた」
霧島「補佐艦が暴れた・・・?」
川内「何してんの?」
加賀「お互い暴れたって事よ」
霧島「お互い暴れた・・・?」
川内「蠱毒じゃん」
加賀「えぇ、最強の毒を作っていたのよ」
比叡「3名 確保。マズい・・・!マズいマズいマズいマズい・・・!」
比叡と霧島、川内は加賀達を担いで、来た道から引き返して外に出ようとしたのだが、そちらは炎に遮られて通れなくなっていた。
比叡「危ない危ない危ない危ない!」
川内「ヤバいヤバいヤバいヤバい!」
霧島「出口が・・・!」
天龍「また火の手が!」
加賀「まだ燃えるの!?」
摩耶「クソッ、洋画みたいになりやがる」
天龍「無限に燃えやがる」
比叡「地下から行こう!」
天龍「もっと燃えにくい素材で造ってくれ」
摩耶「消火器どこだ?買わないとな」
そして地下を通って外に出たのだが、外から見た艦娘寮は あちこち燃えており、最終的には全焼して崩れ落ちた。
こうして、摩耶と天龍の左遷という禊は、艦娘寮の火事で終わった。
そして その後、Devil May Cry鎮守府は健が回収して無いはずのブラックマネーを取り返すために、横須賀鎮守府は監禁されてる2人の艦娘を取り戻すために、今度は裁判ではなく武力で戦争を始めるのだった。
次回も宜しく お願い致します!