472話です!どうぞ!
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明かりが点いていない夜の学苑・・・誰も居ないはずの学校で、真っ暗な教員室で2人の教師が残っていた。
彼らは これまで学苑で起きた事件で、ネロが横領や暴力事件を起こしたという文書を作成し、ファックスで どこかに送ると、悪い笑みを浮かべた。
・・・・・・
*校門 9月21日 8:20*
翌日の朝、生徒達が登校すると、学苑に押し寄せたマスコミに教頭が囲まれており、対応に追われていた。
巧はテレビに映るチャンスだと思い、嬉々としながら駆け出すのだが、それを
マスコミはネロの事を追求しており、横領や自殺未遂など、これまで2年4組で起きた話が知られていた。
教頭「私は何も知りません!」
マスコミ「学校側が全て、隠蔽してたんですよね?!」
教頭「な、何も関与してません!」
そこへ、ネロが呑気に出勤してきたのを見て、教頭がネロの名を口にしてしまった。それにより、教頭共々ネロまでマスコミに囲まれる事になった。
当然ながらマスコミは、さっきまで教頭にしていた追求と同じ質問をネロにするのだが、実際にあった事はあったので、ネロは それを肯定した。
教頭「あっ、馬鹿!」
教頭は慌ててネロの口を塞ぎ否定するが、ネロは教頭の腕を掴み自分の口から離すと・・・
ネロ「あとは教頭が全部 説明するから」
教頭に丸投げし、校舎に向かって その場から離れるのだった。
・・・・・・
*教員室 8:30*
教員室に教頭が戻ると、教頭の席に女性教師が用意した雑誌や新聞が置かれており、そこにはマスコミから追求された事が記事にされていた。
教頭「しかし、どうして ここまで、ネロの悪行が知られてるんだ?」
教頭が その疑問を口にすると、2人の男性教師が互いに目を合わせ、悪い笑みを浮かべていた。
教師「あの男を放っておくと、このままでは学校の信用問題に関わり、その責任は・・・」
教頭「クッソォ、ネロ・・・」
すると教頭が突然 悲鳴を上げ、股間を押さえながら教員室から慌てて飛び出していった。
*トイレ*
トイレに駆け込んだ教頭は自分の尿を見ると、驚いた顔をしてから悲しい顔に変わった。
教頭「血尿ーーー!!」
ストレスの影響が表れていた。
・・・・・・
*2年4組 8:40*
ホームルームの時間となり、2年4組の教室にネロと羽黒が来た。
生徒達は既に自分の席に座り、2人が来るのを待っていた。
ネロ「おっはよう!」
羽黒「おはよう」
『おはようございまーす』
ネロ「さぁ、今日も1日・・・」
挨拶から始まるホームルームだったが、ネロは空いてる席があるのに気付き笑みが消える。
ネロ「あれ・・・?
楓だけが投稿しておらず、欠席だった。
生徒達は全員、沈黙したままネロから視線を外して俯いた。
ネロ「何だよ?どうしたんだ?どいつも暗い顔してよぉ」
しかし ゆっくり生徒達と話をする暇もなく、教頭が怒鳴りながらネロを理事長室に呼び出す校内放送が掛かる。
ネロ「・・・何だよ?」
・・・・・・
*理事長室 8:55*
ネロと羽黒が一緒に理事長室に行くと、理事長と教頭が待っていた。
教頭「説明したまえ」
ネロ「何が?」
教頭「生徒の家に不法侵入して、壁を破壊するし!オマケにクラブで横領金を使い込み、それを生徒を使って回収する!等々!この他に君は何をしてくれたのかね?!えぇ?!」
教頭は他にも余罪があるのではないかと追求してくるのだが、どういう訳かネロは、可笑しそうに笑みを浮かべていた。
羽黒「待ってください。ネロ先生は━━」
理事長「教育です」
突然 理事長が割って入ったため、羽黒と教頭は驚いたように彼女を見る。
それでも理事長の言葉は続く。
理事長「ネロ先生は、教師としてやるべき事をしてきただけです」
ネロ「理事長・・・」
教頭「しかし、問題を起こし過ぎです。しかも━━」
教頭の話では、先ほど楓の母親から電話があったらしく、楓が“もう学校には行きたくない”と言ってるそうだ。
教頭「今まで そういう事は1度もなかったそうで、学校で何かあったんじゃないかと言われてるんだ!今度は何をしでかしてくれたんだ?」
ネロ「・・・・・・・・・」
2年4組の全員が抱えていた過去である、楓の親友が亡くなった話。そして
理事長「理事会から臨時召集の声が掛かりました。全ての理事が一堂に会する会議です。恐らく議題は、今回の件についてでしょう。そのためネロ先生には一連の件を説明してもらいたいと思っています。私からも、ネロ先生の行いは“全て必要な事だった”と申し上げるつもりです」
理事会まで動き出す事態となり、最悪の場合は、ネロも理事長も意図せぬ方向に物事が大きく動く事も考えられる。
想像で話すだけなら何とでも言えるが、理事会での話の流れによっては、もしかしたら学苑が抱える問題を解決するのも、楓の心を救う事も、魔の気配を探るのも時間の猶予がなくなるかもしれなくなる。
教頭「どうして理事長は この男を庇うんですか?」
納得できない教頭であったが、理事長は聞き入れるつもりがなく教頭から顔を逸らす。
教頭「今更 庇ったところで どうにもなりませんよ?ネロ、すぐに責任を取れ!」
ネロ「分かった」
教頭「あん?」
理事長「・・・・・・・・・」
羽黒「ネロ先生!?」
ネロ「でも、それ、明日まで待ってもらえないか?」
教頭「この期に及んで、命乞いかよ」
ネロ「どうしても、やる事があるんだ」
理事長「・・・・・・・・・」
羽黒「・・・・・・・・・」
ネロ「理事長」
理事長「分かりました。明日まで・・・何とか理事会を引き延ばしましょう」
ネロ「ありがとう」
そして理事長は椅子から立ち上がりネロを真っ直ぐ見ると・・・。
理事長「ネロ先生」
ネロ「・・・・・・・・・」
理事長「2年4組を・・・よろしく、お願いします」
ネロ「・・・任してくれ」
最後にネロは、笑みを浮かべた。
・・・・・・
*2年4組 9:20*
そしてネロと羽黒は、楓の事について話すため、生徒達が待つ教室へと戻っていた。
ネロ「楓が学校に行きたくねぇって言ってるんだ。お前ら、何か聞いてねぇか?楓の事で」
楓の事を問われ、生徒達は何も言わず互いの顔を見合わせる。
そんな中、意外にも
明子「楓ちゃん きっと・・・
ネロ「前に一緒だったクラスメイトの事か?」
明子「『
羽黒「どうして?」
明子「文化祭のために集めた、準備費用、無くなったの」
“私はやってない!”
“じゃあ誰?!他に居るなら、誰がやったって言うの?”
藤森は奈南の言い分を聞かず、更に親まで呼び出し、学校には母親が来て三者面談までした。
“本来なら退学ですよ”
輝男「藤森の奴、碌に調べもしなかった」
明子「その後、学苑に落ちてる集金袋を藤森先生が見付けて・・・」
羽黒「皆は、何も言わなかったの?」
輝男「言ったよ。けど藤森の追求が凄すぎて・・・証拠っつうか、そんなんも突き付けられて・・・」
晶人「それに・・・高い金が欲しいとか言ってたから そのためかなって・・・」
奈南が実行委員長をしていた事から、文化祭の準備費用を皆から集める役目も担っていたため、誰よりも盗める場所に居た事になる。
そして何かの目的で大金が欲しいと口にしていたのが、奈南が盗んだと思わせる信憑性を高めていた。
状況証拠だけなら、可能性として盗んだ犯人の予想に奈南が候補に挙がるのは理解できる。だが それでも状況証拠なのだ。本来なら調査に乗り出し裏取りし、事実確認をするべきなのだが、当時の担任は それを怠り、状況証拠だけで決め付けた。
杏子「それから ちょっとして、奈南が飛び下りた・・・」
明子「その後、楓ちゃんの机から、遺書が出てきたの・・・」
“みんな見て!”
明子「奈南ちゃん・・・楓ちゃんと1番 仲が良かったから・・・」
“これって・・・”
その遺書には、『信じてほしかった。藤森先生にだけは。なな』と書かれていた。
輝男「その後、学校に入った泥棒が捕まって・・・」
ネロ「濡れ衣って訳か・・・」
『・・・・・・・・・』
生徒「そこから、俺達の担任外しが始まったんだ。最初は藤森。それからも・・・」
杏子「本格的に、少しずつするようになった・・・」
昂「でも、ネロ先生に会って・・・」
巧「何だか・・・何か間違ってる気がして」
晶人「俺達がやってるのは・・・ただの八つ当たりじゃないかって・・・」
ネロ「・・・だが、楓はやめなかった」
輝男「あぁ。楓が いつも、先頭 切って担任外しやってたから」
*楓の自宅*
その頃 部屋に引き籠る楓は、1年前に奈南から送られてきたメールを見ていた。
そこには、『文化祭の出し物なににしよっか』という文章と共に、絵文字も添えられていた。
楓の脳裏には、もう見る事もできない奈南の笑顔を思い出していた。
“ねぇねぇ楓、今日どこ行く?”
*明陽学苑高校 2年4組*
晶人「俺達は楓の後ろに隠れて、そこから文句ばっかり言ってた感じだし・・・」
ネロ「1人になっても続けようとした楓は、どんどん孤独になっていったって訳か・・・で、お前ら ほんとにいいのか?そんな楓を」
輝男「やり直そうって言ったよ。でも・・・」
“もう1度やり直さないか?きっと皆も そう思ってる”
“無理だよ・・・”
『・・・・・・・・・』
ネロ「・・・どうやら あいつも必要みてぇだな・・・
羽黒「え・・・?“最後”って どういう意味ですか?」
ネロ「羽黒先生、ちょっと手伝ってくれねぇか?」
・・・・・・
*校門 10:30*
校門には まだマスコミが居たのだが、そこに作業着を着た羽黒が、白く大きな袋を乗せた台車を押して現れると、一斉に囲まれた。
マスコミ「すみませーん、ここの用務員の方ですか?」
羽黒「いいえ~、違いますぅ」
そして何故か、羽黒の喋り方が訛っていた。
羽黒「はい どいて どいて。どいて どいてぇ」
羽黒はマスコミの間を割って通ると、校門から そのまま外に出た。
マスコミの死角になる場所まで行くと、羽黒は台車を押す歩みを止めた。
羽黒「いいですよ」
羽黒が合図を出すと、袋がモゾモゾと動いて、中からネロが出てきた。
羽黒「どうするつもりなんですか?最後の授業って いったい・・・」
ネロ「荷物、取っ払ってやりたい」
羽黒「荷物?」
ネロ「楓・・・あいつが軽くなれば、何でもいいんだ。きっと色んな荷物を抱えてる」
羽黒「え・・・?」
ネロ「だから身動き取れなくなってんだよ。だから、俺が その荷物 下ろしてやろうと思って。それが、俺の最後の授業」
そしてネロは笑顔で羽黒を見た後、背を向け走り去った。
羽黒「ネロさん・・・」
・・・・・・
*楓の自宅 11:27*
楓は自室にある自分のパソコンで、1年生の時に撮った集合写真を見詰めていた。
その後、ネットで自殺の方法を調べ始めた。
するとカーテンが閉められ見えない窓が、コンコンと何度もノックされる音がした。
楓の部屋は2階にあるため不審に思い、恐る恐る窓に近付くと、カーテンを開けた。そこにはロープで逆さまで ぶら下がるネロが、笑顔で手を振っていた。
ネロ「どうもーーっ!!スパ◯ダーマンでーーす!!」
楓は一気にカーテンを閉め、何でネロが居るのかと顔を しかめながら椅子に戻った。
ネロ「おーい!ちょっとくらい開けてくれよぉ!」
楓はウンザリしながらも窓の方に行きカーテンを開けると、ネロが1階と2階の間にある屋根に しゃがみながら、笑顔でピースしていた。
楓「何?」
楓が訊くと、ネロは真剣な顔でサムズアップを向けてくる。
ネロ「授業するぞ」
楓「必要ない」
楓は またカーテンを閉めようとするが・・・。
ネロ「おぉい!!ちょっと・・・待ってくれよ。そうもいかねぇんだよ。マスコミがな、俺に責任があるっつって、騒いでんだよ。で、もうすぐ俺クビだ。オメェの望み通り、学校から居なくなる。だからよぉ楓、最後に俺の授業 受けてみないか?」
楓「・・・・・・・・・」
ネロ「いいだろぉ?最後くらい俺に教師らしい事させてくれたってよぉ」
楓「・・・・・・・・・」
・・・・・・
*明陽学苑高校 教員室 12:34*
羽黒が教員室で小テストの採点をしてると、教頭と女性教師が凄い勢いで入ってきて、羽黒に迫った。
教頭「ネロは どこだ?」
羽黒「いや、ちょっと・・・」
ネロが何かしようと楓の所に行ってるのは知ってるが、言えばネロの邪魔をする事になるので、羽黒としても答えようがなかった。
すると女性教師の話では、楓の母親から、家から娘が居なくなったと連絡があったらしい。
教頭「それもネロの仕業に違いない。だから私は言ったんだ。即刻クビにするようにと・・・!」
羽黒「・・・・・・・・・」
*楓の自宅*
その頃 楓の家には警官が3人も来ており、楓の母親が娘の写真を見せながら玄関で騒いでいた。
しかも警官の1人は、警察署長を砲撃で吹き飛ばした禊で また左遷させられた天龍だった。
天龍は楓の母親の話に全く興味がなく、玄関から見える家の中を見渡していたのだが・・・
天龍「うわぁーお!?」
母親が手に持つ写真に写る楓を見て、ネロの生徒だと気付いて驚きの声を上げた。
警官「どうした?知り合いか?」
天龍「いや、知り合いの初恋の人に似てるなって・・・」
適当に誤魔化し顔を背けた天龍は、また面倒な事が起きてると気付き顔を しかめた。
天龍「ネロ・・・また・・・?」ボソッ・・・
*街*
ネロ「ホォーゥ!」
そのネロは、楓を連れてキャバリエーレに乗り、街を疾走していた。
ネロの後ろに乗る楓は、バイクに乗るのが初めてだからか、怖そうに顔を引き攣らせていた。
*明陽学苑高校 教員室*
学苑の教員室では、教頭達が見守る中、羽黒がネロの携帯に電話を掛けていたが、電源が入っておらず繋がらなかった。
羽黒「電話に出ません」
ネロの足取りが掴めず、教頭は目眩がしてフラつく。
すると他の教師達が、娘が居なくなったのは親の責任で、学校には責任はないと言い出し、教頭も それに納得して話が終わろうとした。
しかし羽黒だけは、その物言いに納得できなかった。
羽黒「あの・・・どうして いつも そうなんですか?」
羽黒の問いに教師達は沈黙し、動きを止めた。
羽黒「どうして いつも親の責任ばかり気にするんですか?!自分の責任じゃなきゃ それでいいんですか?!本当に気にしなければいけないのは・・・生徒の心の方です!私・・・楓さんを探してきます」
教頭「羽黒先生!」
教頭が呼び止めるが、羽黒は止まらず教員室から出ていった。
*街*
ネロ「おーし、着いたぞー」
その頃 目的地へ着いたネロは、ある建物の前でキャバリエーレを止めた。
そして楓が連れられたのは、その建物の脇にある地下へ続く階段だった。
楓「何なの ここ?」
ネロ「いいから来い」
楓「ちょっと!」
ネロは楓の背中を押し、一緒に階段を下りていく。
階段の先にある扉を開けると、薄暗い中から大音量の音楽が聴こえてきた。そこは、まだ営業前のライブハウスだった。
ネロ「おーい!」
ネロが呼び掛けると音楽が止まり、振り返ったのは大量のチンピラ風の男達で、楓は彼らを見て固まった。
そして男達の間から、摩耶が現れ前に出た。
摩耶「ネロ、言ってた生徒って、その お嬢ちゃんの事か?」
ネロ「あぁ。たっぷり教えてやってくれよ。この お嬢ちゃんによぉ」
ネロは楓の背中を押し、摩耶達の前に差し出す。
摩耶「お前ら、そういう事らしいぞ」
『ウェーイ!』
そしてチンピラ風の男達は一斉に楓に詰め寄り、彼女を囲んだ。
・・・・・・
*喫茶店 17:47*
羽黒は金剛が働く喫茶店に行くと、そこには仕事をサボってる警官の格好をした天龍も居た。
羽黒「ネロさん来てませんか!?」
金剛「今日は1度も来てないデスネ」
直後、チンピラ風の男2人が店に来て、天龍に挨拶した。
男「あれ?天龍さん集会に行かないんすか?」
天龍「集会?」
男「あれ?聞いてないですか?摩耶さんから、皆で女子高生 囲むって連絡あったんすよ」
羽黒「女子高生!?」
天龍「あのバカ・・・」
集会場所を聞いた天龍は急いで店から飛び出し、羽黒も その後に続いた。
・・・・・・
*ライブハウス 18:18*
羽黒と天龍がライブハウスに着き扉を開けると、チンピラ風の男達の盛り上がる声が聞こえてきた。
ネロと摩耶、楓はステージの上に座り、男達はステージの下に座っていた。
羽黒「ネロさん、何やってるんですか?!」
羽黒はネロ達の方に駆け出そうとしたが、天龍に腕を掴まれ止められた。
振り返ると、天龍は首を横に振っていた。
摩耶「こいつ高校の時に家の会社が倒産してよぉ。そしたら親父さんが包丁 持って、心中だーつって。そりゃ凄い騒ぎだったんだ。なぁ?」
男「はい。これ その時の傷ッス」
男の1人がシャツを捲ると、脇腹に傷痕があった。
実は摩耶と天龍は昔から、喧嘩っ早い事から よく不良やチンピラ、半グレと喧嘩する事もあり、手下にする時もあった。
そんな縁で複雑な家庭環境にある者には真っ当な仕事を紹介したり、社会復帰させたりもしており、ここに集まる男達は皆、摩耶と天龍に恩があった。
そこでネロは、それを利用しようと摩耶に頼んで彼らを召集し、壮絶な過去を抱える彼らの不幸話を聞かせ、そんな彼らでも前向きに生きてるんだと楓に教えようとしていた。
そんな不幸話でも、彼らは笑って話していた。
男「俺なんか もっと酷いっすよ。ガキの頃 夜 寝てたら、ガス栓 捻られてたんすよ。俺以外あとは死んじゃって・・・親父も妹も、弟も」
摩耶「でもよぉ、お前スゲー目標あるだろ?」
男「はい。俺 社長になりたいんすよ」
摩耶「でよぉ、後ろに居る あいつ。結婚の約束した彼女、事故で喪ってる。皆そんな奴らばっかりだよ。みんな重いもん
ネロ「何故だか分かるか?いつまでも過去に縛られてたら、笑顔なんて戻んねぇからだ」
摩耶「皆、過去より、今と未来を見てんだ」
ネロ「だから、お前もニカッと笑っていこうぜ。これからの お前のために。そうだろ、皆?」
『オーイ!/フゥ~!/イエーイ!』
楓「・・・・・・そんな事が言いたかったの?」
ネロ「・・・ん?」
楓「・・・私は笑えない」
ネロ「・・・・・・・・・」
楓「だって・・・奈南の未来を奪ったのは・・・私だから」
しかし、楓の心には響かなかった。
楓は立ち上がり、出口の方に向かっていく。
ネロ「おい、楓!」
羽黒「楓さん・・・」
ネロと摩耶も立ち上がり、羽黒も楓を呼び止めるが、彼女は そのまま出ていってしまった。
すると男の1人がステージに上がり、腹立たしそうに出口を見た。
男「何なんすか、あの態度は?!ヤッちゃいますか?」
空気の読めない男の発言に、摩耶の裏拳が入り気絶して ぶっ倒れた。
そしてネロは すぐに、
潤羽『どうしたの先生?』
ネロ「楓が奈南の未来 奪ったって、どういう事だ?」
潤羽『え・・・?』
ネロ「あいつ俺に言ったんだ。奈南の未来 奪ったって」
潤羽『・・・・・・・・・』
ネロ「担任のせいで死んだんじゃねぇのか?」
奈南が死んだ時、潤羽も その場に居た。
潤羽は当時の事を振り返り、奈南が楓に何かを言っていた事を思い出す。
潤羽『もしかして・・・』
・・・・・・
*奈南の自宅 19:21*
日も暮れ暗くなってから、潤羽と合流したネロは奈南の家に到着した。
奈南の母親に事情を説明し、奈南の部屋に入れてもらうと、部屋は亡くなった当時のまま残されていた。
母親は何かの箱をネロに手渡すと、部屋から出ていった。
ネロは その箱を潤羽に渡し、部屋に飾られた写真を見て奈南の顔を確認する。
その間に箱の中身を見ていた潤羽は、手帳を見付けて中を確認する。すると、潤羽の顔色が変わった。
潤羽「先生」
ネロ「ん?」
潤羽「これ」
ネロも潤羽が開いたまま渡してきた手帳を見ると・・・
ネロ「・・・・・・そういう事か・・・」
そこには生徒達から聞いた話と、楓の発言で生じた矛盾の疑問を、解消する答えが記されていた。
*明陽学苑高校 校門*
その頃 学苑の前に、楓が来ていた。
楓は校門から見える校舎を しばらく見詰めると、敷地内へと入っていくのだった。
次回も宜しく お願い致します!