Devil May Cry鎮守府   作:しゅんしゅん@よし

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48話です!どうぞ!


Mission48 呉鎮守府~危険な艦隊演習~

*Devil May Cry鎮守府 執務室*

 

ある日の夕食後、ダンテが執務室で平和な時間を過ごしていると、トリッシュが来た。ダンテは元帥から聞いた話も含めて、既にトリッシュに相談していた。トリッシュなりに考えを纏めて話しに来たようだ。

 

トリッシュ「やっぱり悪魔だと思うわ」

 

ダンテ「・・・理由は?」

 

トリッシュの考えでは、人や動物の魂が魔界の瘴気で悪魔に変貌する事がある。元々 船の魂から生まれたのなら、その魂が悪魔化したのではないかと思ったようだ。

 

ダンテ「悪魔の臭いがしない深海棲艦は どう説明するんだ?」

 

トリッシュ「なら、こういう話は どう?」

 

トリッシュの考えは1つではなかった。人の邪な欲望に悪魔が取り憑き、人が悪魔になる事もある。深海棲艦が怒り、怨み、妬み、憎しみの負の感情で動いているなら、そこに悪魔が取り憑いて悪魔になった可能性もある。深海棲艦が艦娘と同じ、或いは似た存在で元々 悪魔ではないのなら、悪魔に取り憑かれて悪魔の臭いがするようになったのかもしれない。トリッシュはダンテに そう話した。

 

トリッシュ「あなただって そういうのを見た事はあるでしょ?」

 

確かにダンテには心当たりがある。脱出 不可能と噂されていた地獄の刑務所『デビルプリズン』。元の世界での依頼で、自分の意思でデビルプリズンに収監された事があった。その刑務所の刑務所長と刑務官は、己の汚い欲望に悪魔が取り憑き、悪魔の力を得ていた。深海棲艦も同じ可能性がある。

 

ダンテ「2つ目の話は説得力があるな。お前に相談したのは正解だったかもな」

 

トリッシュ「どういたしまして」

 

ダンテ「分かってると思うが・・・」

 

トリッシュ「艦娘(あの娘)達には秘密、でしょ?」

 

騎士姿の悪魔の件もあるので、それも相談していたが、トリッシュでもハッキリとした事は分からなかった。

そこへノックもせずに隼鷹が入ってきた。聞かせられない話もあったので、話し終わった後で良かった。

 

隼鷹「提督ー!今から皆で呑むから一緒に呑もうよぉ~!」

 

ダンテ「ノックぐらいしろ」

 

隼鷹「トリッシュも一緒にさぁ~!」

 

隼鷹は全く話を聞いていない。断る理由もないので、ダンテとトリッシュは複数の艦娘と酒を楽しむ事にした。

 

 

・・・・・・

 

*ダンテ自室*

 

赤城「提督、起きてください!寝坊ですよ!」

 

加賀「酒臭いわね・・・」

 

翌日の朝、鎮守府はバタバタと騒がしかった。明日は呉鎮守府で観艦式がある。Devil May Cry鎮守府からは かなり遠いので、前日である今日に出発してホテルにチェックインする手筈だった。だが昨日の夜に、隼鷹や他の者と夜遅くまで浴びる程 酒を呑み、しかも出発の準備もしていない。現在、鳳翔や他の艦娘が慌ててダンテの荷物を纏めている。

 

ダンテ「せっかく楽しい夢の途中だってのに・・・」

 

赤城「早く起きて着替えてください!」

 

ダンテ「・・・今日の朝メシは何だ?」

 

加賀「食べてる時間なんてないわよ!」

 

観艦式は明日だからと言って安心はできない。今日は観艦式を観に来る海軍での顔合わせもあるので、遅刻はできない。だから艦娘達は慌ててるのだ。だがダンテは動かない。

 

加賀「・・・起きないと、鳳翔さんが食堂のメニューからピザを消すって言ってたわよ」

 

赤城「えー!?」

 

ダンテ「すぐ出発するぞ」

 

加賀「・・・やりました」

 

加賀の脅し文句が効き、ダンテは飛び起きた。加賀は作戦が成功して誇らしげだが、何故か赤城が驚いていた。

 

 

・・・・・・

 

*正面ゲート*

 

鳳翔「忘れ物は無いですか?」

 

ダンテ「いや知らねぇよ、荷物 纏めたの そっちだろ」

 

観艦式へはダンテ、赤城、曙、不知火で行く事が決まった。レディとトリッシュ、他の艦娘達は見送りだ。

 

陽炎「不知火、あっちで迷惑 掛けちゃダメよ」

 

不知火「うるさいです」

 

陽炎「私お姉ちゃんなんだけど!」

 

陽炎は姉らしく振る舞って言ったが、不知火はゴミを見るような眼で“うるさい”と言ってきた。これには陽炎も反論するが、不知火の方が陽炎の面倒を見ている事が多いので、この対応も仕方がない。

 

叢雲「気を付けて行ってきなさい」

 

曙「分かってるわよ」

 

加賀「赤城さんも気を付けて行ってきてください」

 

赤城「はい、提督も居ますから大丈夫ですよ」

 

加賀「それが一番 心配です」

 

その後も それぞれ言葉を交わしていく。そんな中、明石が疑問を口にした。

 

明石「提督、艤装なんて持って、どうするんですか?」

 

ダンテ「必要な気がしただけだ」

 

ダンテは荷物の中に艤装を入れていた。ダンテは直感で艤装が必要になる気がしていた。理由が よく分からない艦娘達は首を傾げた。

 

ダンテ「レディ、トリッシュ、悪魔が出た時は艦娘に任せろ」

 

トリッシュ「分かってる。でも必要に駆られた場合は動くわよ」

 

ダンテ「その時は仕方ない」

 

レディ「・・・・・・気持ち悪い・・・」

 

レディとトリッシュには念押しで目立たないよう注意したのだが、レディの顔色は優れない。レディも昨晩の酒の席に同席したのだが、隼鷹が次から次へと呑ませたので二日酔いになっていた。ダンテは自分が留守の間の事を考えると不安になったが、トリッシュも居るので大丈夫だと思う事にして、気にしない事にした。

そしてダンテ、赤城、曙、不知火は出発した。

 

 

・・・・・・

 

*執務室*

 

ダンテが出発してから天龍と龍田は、気になる事があり執務室へと来た。それはダンテが管理している魔具だ。トリッシュがダンテに渡した魔具の中には、艦娘達も知らない魔具があった。天龍は それが気になり執務室へ来た。龍田は ただの付き添いだ。天龍が気になる魔具、それは雷の力を宿す魔剣『アラストル』だった。天龍はアラストルに触れようとする。

 

トリッシュ「下手に触らない方が良いわよ」

 

この場に居ないはずのトリッシュに いきなり声を掛けられ、天龍は驚きで心臓が一瞬 止まった。驚いた理由は、執務室に入ってきた気配が まるでなかったからだ。

 

天龍「・・・ど、どうしてだよ?」

 

トリッシュ「その魔剣は、ダンテが持つ魔具の中でも かなり気難しいの」

 

魔具は使い手を選び、意思もある。アラストルはマレット島で手に入れた物だが、ダンテに試練を与え、ダンテの胸を貫いた。だがダンテは命を落とす事はなく、試練を乗り越えた。そんなダンテを認め、ダンテの所有物となった。アラストルは誇り高い悪魔が魔具になった物だ。手荒に扱えば、怒った魔具に感電させられるか刃で貫かれる恐れがある。

 

トリッシュ「だから下手に触ると、大怪我するわよ」

 

天龍「マジかよ・・・」

 

龍田「天龍ちゃん、危なかったわね~」

 

聞かされた天龍にとっては冷や汗ものだ。軽い気持ちで触っただけで、そんな目に遭うのは不本意だ。止めてくれたトリッシュに感謝しかない。

 

 

・・・・・・

 

*ホテル レストラン*

 

数時間 掛けて、ダンテ達は目的地に着いた。ホテルにチェックインし、部屋に荷物を置いて顔合わせの時間まで それぞれ時間を潰した。部屋は艦娘3人とダンテ1人で用意されている。

時間も進み顔合わせの後、元帥が国の防衛を担う提督達と夜に会食したいとの事で、ダンテも出席する事になった。呉提督と横須賀提督は欠席だ。明日の準備や考える事もあるだろうと、元帥が気を使って出席させなかった。テーブルは元帥、大将、出席した提督達と、秘書艦などの艦娘達で分かれている。

 

元帥「ダンテ提督には改めて皆を紹介しよう。儂の孫でもある佐世保の提督じゃ」

 

佐世保「久しぶりだな」

 

ダンテ「そうだな、今でも堅物らしいな」

 

佐世保「余計な お世話だ」

 

ダンテ「父親に よく似て、相変わらず愛想がない奴だな」

 

大将「おい、どういう意味だ?」

 

初めて会ったのはダンテが潮干狩りの後に遭難した時だ。佐世保の提督はダンテを嫌っている。理由はダンテが好き勝手するからだ。それはダンテも同じで、ルールが多く、融通の利かない堅物なので、一緒に居ると居心地が悪く嫌っている。既に険悪なムードが漂っている。元帥は佐世保の孫が当時、かなり怒っていたのを知っているので何とも言えない顔になった。

 

元帥「・・・次に舞鶴の提督じゃ」

 

舞鶴「よろしく お願いします」

 

舞鶴の提督は笑顔で挨拶してくる。笑顔と言うより、にやけ面に近い。かなりのマヌケ顔だ。あとサングラスもしているのだが、元帥や大将という上官の前でも外さないのは どういう訳か?元帥と大将は気にした様子はないが・・・。

 

ダンテ「うちの艦娘共が世話になったみたいだな」

 

舞鶴「何か言ってました?」

 

 

“舞鶴の提督、たまに頭おかしいから”

 

“あと情緒不安定”

 

“死ねばいいのに~”

 

 

ダンテ「・・・ボロカス言ってたぞ」

 

舞鶴「え~、気になるなぁ」

 

ノリが軽い。会話だけ聞けば何て事はないが、ダンテは舞鶴提督から変人オーラを嫌という程 感じ取っていた。艦娘達が言っていた事も含め、舞鶴の提督とは あまり関わらない方が良いかもしれないと、ダンテは考え始めていた。

 

元帥「それから大湊警備府の提督じゃ」

 

大湊「・・・・・・どうも」

 

ダンテ「・・・あぁ」

 

口数が少なく愛想が全くない。見た目もヒョロヒョロで、根暗な感じだ。そんな大湊警備府の提督に、ダンテも口数 少なく言葉を交わすだけだった。

 

元帥「そして皆にもダンテ提督を改めて紹介しておこう。彼は便利屋で、悪魔絡みの事件を得意としておる。今は我々の協力者として、鎮守府に提督として身を置いてもらっている。悪魔に関する事は彼に頼みなさい」

 

その後は他愛のない話などをして会食は進んだ。艦娘達のテーブルも特に問題はなく、お喋りをしながら食事を楽しんでいた。

 

 

・・・・・・

 

*呉鎮守府*

 

赤城「かなり賑わってますね」

 

曙「人 多過ぎ・・・」

 

不知火「迷子にならないよう、気を付けましょう」

 

観艦式 当日になり、ダンテ達は呉鎮守府へと赴いた。鎮守府は人で溢れ、様々な関係者の人間が居る。

オープニングセレモニーから始まり、観艦式は滞りなく進んだ。そして いよいよ、今回のメインイベントである呉と横須賀での艦隊演習が始まる。演習場には大規模な客席が設けられ、ダンテ達も空いている席に腰を落ち着けた。そして客席から演習の様子が観れるように、巨大なモニターが設置されている。演習場に設置されたカメラと、艦載機に取り付けられたカメラで撮った物がモニターに映される。

 

横須賀「いい?今まで やってきた事を忘れないで。そして勝ちに行くわよ」

 

『はい!』

 

呉「いつも通り潰せ」

 

それぞれの場所で、横須賀提督と呉提督が最後の言葉を掛けていた。横須賀提督は艦娘達を鼓舞し、呉提督は邪悪な笑みで、艦娘達に物騒な事を伝えている。

両艦隊は少し離れた沖に出てから、艦隊演習が始まった。

 

赤城「どちらが勝つと思いますか?」

 

ダンテ「・・・さぁな」

 

曙「もう ちょっと言う事ないわけ?」

 

ダンテ「勝とうが負けようが、何かある訳じゃないだろ?」

 

艦隊演習は、どちらも良い勝負をしていた。だが、横須賀の艦娘が被弾した時に異変は起きた。

 

摩耶「なっ・・・!?まさか、あいつら・・・!」

 

横須賀の艦隊は何かに動揺し動きが悪くなる。その隙を突いて、そこからは呉の艦隊の一方的な蹂躙が始まった。客席から観ている軍関係者ではない者は誰も気付かなかったが、元帥や大将、各鎮守府の提督や その艦娘、ダンテ達は気付いた。そして横須賀の提督も。

 

横須賀「まさか、実弾を使ってるの・・・?」

 

演習では本来 模擬弾を使う。模擬弾でも被弾すれば艦娘は傷付くが、轟沈する事はない。だが呉の艦隊は実弾を使用している。下手をすれば轟沈する者が出てくる危険もある。呉は横須賀の艦隊を文字通り潰しに来ていた。横須賀提督は、離れた場所に居る呉提督に無線を入れる。

 

横須賀「どういうつもり!?演習で実弾を使うなんて・・・今すぐ やめさせて!」

 

呉『間違えて実弾を積んでいたのだろう。それに・・・こんな中途半端な状況で中止にはできないぞ』

 

客席でも抗議する者が居た。

 

曙「あんなの反則じゃない!」

 

不知火「どうして元帥は止めないのでしょう?」

 

赤城「・・・止めないのではなく、止めれないのだと思います」

 

曙「どうしてよ?」

 

赤城「ここには政治的な関係者も居ます。決着が着いていない状況で止めて、ましてや演習で実弾を使っていたと知れると、海軍の恥になります」

 

曙「・・・ちょっと、どこに行くつもり?」

 

ダンテ「便所だ」

 

ダンテは客席から立ち上がり、どこかへ行こうとしている。赤城は すぐに理解した。ダンテは何かをするつもりだと。3人の艦娘は黙ってダンテを見送った。

 

横須賀「誰か・・・助けて・・・」

 

一方 横須賀の艦隊は、動揺から連携を崩して大破する者も出てきた。横須賀提督は泣いた。ボロボロになっていく艦娘達、だが自分には止められない。泣いて誰かに助けを求める事しかできなかった。大破する者が続出し、元帥も止めようとした。たが それよりも早く、呉の艦隊に編成されている軽巡 川内が魚雷を発射した。

 

摩耶「扶桑!」

 

魚雷は横須賀の大破している扶桑に向かっている。演習を止めても もう間に合わない。その時、何者かが扶桑を守るように立ち塞がり、その者を中心に水蒸気爆発が起きた。魚雷は扶桑に到達する前に、水蒸気爆発に煽られ誘爆した。

 

扶桑「あなたは・・・」

 

摩耶「あいつ・・・!」

 

水蒸気と煙が晴れると、扶桑は無事だった。

そして呉の艦隊に立ち塞がる者は、艤装を装着したダンテだった。ダンテの腕には、炎の力を宿した籠手、『イフリート』が装着されていた。イフリートもアラストルと同じで、マレット島で入手した魔具だ。先程の水蒸気爆発は、炎の力を宿すイフリートを海面に叩き付けて発生したものだった。

 

ダンテ「一応 艤装を持ってきてたが、俺の勘も まだまだ捨てたもんじゃないな」

 

摩耶「どうして あんたが・・・?」

 

ダンテ「借りを返しに来ただけだ」

 

ダンテと艦娘の会話は、客席に設置されたモニター越しに聴こえていた。ダンテの言葉に横須賀提督は、今度は嬉し涙を流した。これまで横須賀提督は“貸しを返せ”と言ってきたが、本気で言っていた訳ではなく、親睦を深める為の口実に言っていただけだ。それでもダンテは、“借りを返す為”と言って身を挺して艦娘達を守ってくれた。

元帥を始めとする海軍関係者も、最悪の事態にならずに安心した。だが これに黙っていないのが呉だ。

 

川内「ねぇ、今 演習中だから邪魔しないでくれる?そこに居ると危ないよ」

 

ダンテ「もう勝負は着いてるだろ」

 

川内「まだ終了の合図が出てないよ」

 

ダンテ「これ以上やったら轟沈するぞ。それとも、そんな事も気付かない程バカなのか?」

 

川内「偉そうに・・・あんたが噂の提督でしょ?“悪魔と深海棲艦と戦う紅い男”ってのは」

 

川内の言葉に、客席には感嘆の声が上がった。悪魔と戦う者が居るという噂は広く広まっていたが、その正体まで知っている者は少なかった。今モニターに映っている男が、その噂の張本人だと知り、客席は様々な反応を見せた。

 

川内「どれだけ強いか知らないけど、邪魔するなら沈めるよ」

 

ダンテ「俺を沈めるだって・・・?そいつは興味深いな」

 

川内は魚雷を手に取り構え、ダンテも腕を伸ばすと回転しながらリベリオンが飛んできた。川内が魚雷をダンテに向かって発射しようとしたが動きが止まった。川内の顔は険しく、悔しそうな表情でダンテを睨んだ。呉の艦隊に、呉提督から無線が入り やめるよう指示されたからだ。今 演習の風景は多くの者が観ている。呉提督も、人を相手に魚雷や主砲を向けるのは後々 面倒になると判断したからだ。直後、演習終了の合図が出た。

 

 

・・・・・・

 

人気のない場所で、横須賀提督と舞鶴提督は呉提督を問い詰めていた。ダンテは少し離れた位置で見守っている。

 

横須賀「演習で実弾を使うなんて どういうつもりなのよ!」

 

呉「だから言っただろう、()()()だと」

 

舞鶴「間違いで済む話じゃないぞ!下手をすれば轟沈していた!」

 

舞鶴提督も真剣そのものだ。だが呉提督は気にした様子もない。

 

横須賀「わざと実弾を使ったわね?あなたが艦隊演習で いつも卑怯な手を使うのは知ってるのよ!」

 

呉「本当の殺し合いでも そう言うのか?首席だか何だか知らないが、あの程度のトラブルで動揺したのを見ると、君も大した事はないな」

 

呉提督は2人を押し退けて その場から去ろうとする。ダンテの横を通り過ぎるかと思われたが、ダンテの横で立ち止まった。ダンテは横目で呉提督を見る。

 

呉「あなたも つくづく甘いな。わざわざ身を挺して兵器を守るなんて」

 

ダンテ「俺の事を知ってるって口振りだな」

 

呉「噂ぐらいは・・・横須賀(彼女)に何か弱味でも握られているのか?」

 

ダンテ「お前には関係ない。さっさと行きな」

 

呉「いつか あなたの艦隊とも演習を お願いしたいものだ」

 

ダンテ「その時は お前の性根を叩き直してやるよ」

 

呉提督は嫌な笑みを浮かべながら、今度こそ その場を去った。

 

横須賀「悔しい・・・!」

 

横須賀提督は演習の事や呉提督の態度に、また悔し涙を流しそうになっていた。

 

舞鶴「泣くな、あいつは卑怯な手を使ったんだ。フェアにやっていれば━━」

 

横須賀「うるさい!」

 

舞鶴「ぶへっ!?」

 

舞鶴提督は横須賀提督に殴られて倒れた。慰めていたのに いきなり鉄拳を喰らわされて、頬を押さえながら目を白黒させている。

 

横須賀「私が負けたって言うの?フェアにやっていれば私が勝っていたわ!」

 

舞鶴「え・・・?いや、今そう言おうとしてたよね・・・?何で?」

 

横須賀提督は舞鶴提督を無視して立ち去る。ダンテの横を通り過ぎる時に、“ありがとう”と言って その場を後にした。別の意味で面倒臭そうな流れになったので、ダンテも黙って その場から去る。

放置された舞鶴提督は頬を押さえながら ずっと呆けていた。

 

 

・・・・・・

 

*居酒屋*

 

その夜、横須賀提督が憂さ晴らしに呑みたい気分だと言って、何故かダンテと舞鶴提督が それに付き合わされる事になった。横須賀提督は店で ずっと愚痴を撒き散らしている。

 

舞鶴「いや何で俺 殴られた?」

 

横須賀「うっさい!」

 

舞鶴「そんなんだから いつまでも結婚できないんだ!このメスゴリラ!」

 

横須賀「・・・・・・表に出ろ腐れサングラス」

 

口論が始まり、そんな様子を黙って見ていたダンテが ちょっとした感想を漏らした。

 

ダンテ「仲 良いな」

 

「「良くない!」」

 

ダンテ「息ピッタリじゃねぇか」

 

横須賀「こいつとは士官学校での同期なのよ」

 

横須賀提督と舞鶴提督は士官学校での同期であり、今では腐れ縁のような間柄らしい。舞鶴提督は横須賀提督と違って落ちこぼれで、士官学校では それを見兼ねた横須賀提督が色々と助けてあげてたのだ。横須賀提督は若くして提督となったが、舞鶴提督は遅咲きで、提督になるのは かなり遅かったようだ。横須賀提督には、寧ろ落ちこぼれが よく提督になれたものだと言われる始末。

 

横須賀「こんな奴と同期とか不本意なんだけど」

 

舞鶴「俺も お前に そう言いたい」

 

横須賀「そのダサいメガネ叩き割るわよ!」

 

舞鶴「弁償してくれるなら やっても良いぞ!」

 

何だかんだ言いながら仲の良い2人。そんな2人を見ながらダンテは、付き合うか結婚してしまえば似合いのカップルだと思った。

それからダンテと舞鶴提督は、横須賀提督の愚痴を延々と聞かされる事となった。




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