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478話です!どうぞ!
不祥事騒ぎにより、学校再建を図る理事会の差し金で、
校長が推し進める“絶対的管理教育”なる教育プログラムにより、明陽学苑は監視体制が敷かれ、大きく変わろうとしていた。
普通の人間となり、教師も辞めたネロは暇を持て余す生活をしていたが、そこに校長が訪ねてきた。
ネロは校長から悪影響と見なされ、今後 生徒達や教師達に近付くなと忠告される。さもなくば、2年4組の生徒全員を退学にすると脅され。
ネロは自分には何もできないとし、生徒達と関わらない事を決める。
明陽学苑で監視体制が着実に拡がっていく中、
そこで理事長は、善之が校長の息子であるという事実と共に、自分が考案した“絶対的管理教育”の被害者なのだと知るのだった。
*ボクシングジム 9月24日 17:47*
陽も落ち、空が殆んど暗くなった頃、ボクシングジムに2年4組の生徒である
彼は、プロボクサーを目指していた。
リングでミット打ちをして今日の練習が終わり、帰り支度をしてると鞄に入れてあった携帯が鳴った。画面を見ると、相手はクラスメイトであり恋人でもある
剛「もしもし」
剛は嬉しそうに電話に出るが、電話越しに聞こえてきたのは、芽依ではない違う女性の声だった。それは、芽依の母親だった。
剛「え・・・?お母さん!?」
*マンション*
芽依の自宅であるマンションでは、母親がリビングで剛と話していたが、そこには芽依も一緒に居た。
ただ、芽依は俯き、様子が おかしい。
母親「芽依とは、今後 関わらないでもらいたいんです。あなた、大学進学もせずボクサー目指すんですって?」
芽依の自宅には、1枚のファックスが送られてきていた。そこには、芽依の彼氏である剛が、『大学進学もせずプロボクサーを目指すドロップアウト組の筆頭』と書かれていた。
それを見た芽依の母親は納得せず、別れるよう迫るために剛に電話を掛けていた。
母親「困るんです、そんな人に付き纏われては」
剛『別に、俺は付き纏ってなんか━━』
母親「兎に角、芽依とは2度と会わないでください!うちの娘に、あなたのような男は、釣り合いません!」
一緒に居て話を聞いていた芽依は、俯いたまま悔しそうに下唇を噛んでいた。この様子だと、芽依は母親に逆らえないのだろう。
*ボクシングジム*
剛「ちょっと待ってください。もしもし?もしもし?」
剛は誠実に向き合い、話を聞いてもらおうとしたが、通話が切れてしまった。
剛「・・・・・・何で・・・?」
剛の様子を、ボクシングジムから少し離れた場所から善之が見ていた。もしかすると、こうなるように仕向けたのは彼なのかもしれない。
善之は誰かが来た事に気付き そちらを見ると、それはネロだった。
ネロは大きな保冷バッグを肩に掛け、配達の仕事でボクシングジムの敷居を跨いだ。
聞き覚えのある声に剛は振り返り、彼もネロが来た事に気付いた。
剛「先生・・・」
ネロ「剛!?お前、ボクシングやってたのか?」
剛がボクシングジムに通ってるのは知らなかったため、彼が居た事にネロは驚いていた。
すると剛は、ネロの胸ぐらを掴み、縋るように彼の胸で泣いた。
ネロ「・・・・・・おい・・・お前どうした?」
・・・・・・
*アパート 18:49*
剛は話を聞いてもらうため、自分が住むアパートにネロを招いた。
アパートに入ると、剛の父親は寝ており、剛は乱れた布団を掛け直してあげた。
その間ネロは、居間で飾られていた写真立てを見ていた。
ネロ「へー、お前の親父さんもボクシングやってたのか」
剛「・・・ふっ、全然 弱かったけどな。新人のまま夢を諦めた。けど、俺は そんな夢を継いだ。俺はボクサーになりたい。それでチャンピオンになって、親父が果たせなかった夢を俺が叶えるんだ」
ネロは いい話だと思いながら笑みを浮かべていたが、剛が本当に話したいのは そういう事ではなかった。
剛「だけど、だけど・・・芽依の親は それが駄目みたいなんだ。大学に進学しなきゃ、付き合っちゃいけないのかよ?夢を諦めなくちゃいけないのかよ?適当に将来 考えてるんじゃないのに・・・このままだと、俺達 別れさせられちまう・・・」
剛は立ち上がり、居間に居るネロに駆け寄ると、泣きながら彼の腕を掴んだ。
剛「先生、教えてくれよ・・・!」
ネロ「・・・・・・・・・」
“あの子達が可愛ければ言う事を聞きなさい”
校長に言われた事を思い出し、ネロは顔を逸らして自分の腕を掴む剛の手を下ろした。
剛「・・・・・・先生・・・?どうしたんだよ?いつもみたいに教えてくれないのかよ?」
ネロ「・・・・・・色々、事情があってな・・・」
剛「・・・・・・先生・・・」
ネロ「・・・・・・剛・・・悪い。力になれなくて」
剛は何も言わず、ただ立ち尽くしたまま涙を流していた。
そんな彼を そのままに、アパートから出たネロはキャバリエーレに跨がると、アパートの方に1度 振り返ってから、その場を後にするのだった。
・・・・・・
*明陽学苑高校 校舎 9月25日 8:29*
翌朝、明陽学苑のロビーにある掲示板の前に、2年4組の生徒達が集まり、貼り出されていた物を見ていた。そこには、生徒に迷惑行為をしたという理由で、剛を無期限の停学処分にするという事が書かれていた。
剛「何もしてねぇよ・・・」
これには剛だけでなく、2年4組のクラスメイト達も戸惑っていた。
そんな様子を、階段の上から不敵な笑みを浮かべる善之が見ていた。
・・・・・・
*2年4組 8:41*
ホームルームの時間になり、2年4組の生徒達は剛の停学処分に納得できず、羽黒と教頭に問い質していた。
そこで教頭が語ったのは、剛が芽依に付き纏っていたと、彼女の親御さんから連絡を受けたからとした。
それを聞き剛は芽依の席の方を咄嗟に見るが、彼女は今日、学校を休んでいた。
そして理由を聞いた生徒達は騒然とした。
晶人「あのなぁ、剛が そんな事する訳ねぇだろ!」
教頭「校長の判断です。私も困ってるんだよ!!私が担当するクラスから、停学者が出るなんて・・・」
輝男「全然 納得いかねぇぞ!」
輝男の声に続き、生徒達から不満が噴出して野次が飛ぶ。
すると教室の後ろの扉が開き、校長と彼女の部下であるスタッフ4人が入ってきた。
校長「納得する必要はないわ!!」
校長の声に、生徒達は静まり返った。
校長「学苑のルールは、私達 教師が決定して執行する。あなた達 生徒は黙って それに従えばいいの」
そう言いながら、校長は教壇の前まで歩き生徒達に振り返る。
生徒達からすれば、ラスボスみたいな校長が出てきた事で何も言い返せなかったが、大人である羽黒は違った。
羽黒「校長。いくら何でも やり過ぎではないでしょうか?剛君と芽依さんから、きちんと話を聞くべき━━」
校長「事の生徒が問題ではありません。そもそも こういう話が出てくること自体が問題あるのです」
校長「何なら他の子を槍玉に上げてもいいのよ」
そして校長は、2年4組の生徒を名指しで、駅前で喫煙の疑い、援交の疑いなどを持ち出し、言われた生徒は動揺して目が泳いだ。
校長「他にもあるわよ、沢山」
ただ今回は剛に白羽の矢が立っただけで、校長からすれば誰を停学にしても良かった。監視システムにより、生徒の弱味を握り全員 停学にする事もできたのだから。
校長「現場は いつでも押さえられる」
輝男「・・・ボイコットだ!」
教頭「なっ・・・!?何を言い出すんだ?!」
そして輝男は席から立ち上がり、校長を真っ直ぐと睨むと・・・。
輝男「剛を停学にするなら、俺達は この学校をボイコットする!そうだろ皆?!」
輝男の声に賛同し、意思を示すため生徒達が次々と席から立ち上がると、最後には善之と剛以外の全員が立っていた。
それを見て、剛は自分のために戦おうとする皆に驚き、目を見開く。
すると校長は、不敵な笑みを浮かべながら何度も頷いた。
校長「そんな事すれば内申点に響くわよぉ!いい大学には行けず、いい職にも就けず、人生を駄目にするわよ!それでも良かったら、ボイコットでも何でもしなさい!」
輝男「・・・・・・・・・」
校長「まぁボイコットしてくれれば、学校に逆らった反抗組として退学処分にするけど」
剛の停学よりも重い退学処分をチラつかされ、立っていた生徒達は動揺して互いの顔を見合わせる。
羽黒「待ってください!そんな事すればクラスは崩壊です!」
校長「ルールを守れない生徒に、学苑に居てもらう必要はありません」
すると何人かの生徒は、反抗の意思を引っ込め席に座り、善之は鼻で笑っていた。
そして羽黒は、悔しそうに顔を険しくさせていた。
・・・・・・
*喫茶店 13:10*
昼、ネロは金剛が働く喫茶店で働いていたが、客が居ないのでテーブル席に座り、腕を組んで考え事をしていた。
そんなネロを、金剛と警官服を着た天龍が見ていた。
そこに、2人の女性客が来店したのだが、ネロはボーッとして動かなかった。
金剛「ネロ・・・ちょっとネロ!早く水 持っていってくだサーイ」
ネロ「お、おう」
ネロは慌てて席から立ち、金剛から お冷やを受け取りテーブル席に持っていった。
天龍「何だかネロ、心ここにあらずだよな?」
金剛「何だかんだで、辞めた学校が気になってるんだヨ」
すると今度は、慌てた様子の
美香「先生 大変!」
ネロ「何だよ?俺は もう教師なんかじゃねぇぞ」
美香「剛が・・・剛が無期限の停学処分になったんだよ!」
ネロ「・・・え・・・?」
・・・・・・
*明陽学苑高校 校長室 13:31*
美香から剛の事を聞いたネロは、流石に黙ってられず明陽学苑に行き、校長室へと乗り込んだ。
ネロ「おい、剛が無期限の停学って どういう事だ?」
校長「ルール違反のペナルティよ。あなたのせいでね」
ネロ「俺のせい?」
校長「あなた、昨日、彼の家に行ったわよね?言ったはずよ。生徒達に2度と関わるなと!」
ネロ「・・・・・・・・・」
それはネロも、剛と会った時に危惧していた事で、それが引き金となった結果であると知り、ネロは動揺した。
校長「あなたが生徒と会いさえしなければ、今回のような結果にはならなかった。アルバイトもしていたようだけど、今回の事を省みて、退学にはしないでおいてあげたわ。でも、あなたが約束を破った。あなたが あの子を停学に追い込んだのよ!」
ネロ「・・・・・・・・・」
更に校長は、美香まで処分の対象だと言い出し、ネロは焦った。
ネロ「おい、あいつは俺とは関係ねぇだろ!」
校長「そんな理由、知った事じゃないわ。あなたが生徒達と関わったという事がペナルティになるの!」
ネロ「・・・テメェ・・・」
校長「あなたの存在がある限り、常に生徒達は処罰の対象となる!」
ネロ「・・・・・・・・・」
*校門*
どうにもできないまま、ネロはトボトボと歩き、校門から出ていこうとしていた。
すると後ろから名前を呼ばれ、校舎から羽黒と生徒達が走ってきた。
羽黒「剛君の件、校長に話してくれたって」
輝男「で、どうなったんだよ?剛の停学 取り消されるのかよ?」
ネロ「・・・・・・ムリだったよ・・・俺に そんな力もうねぇよ」
『・・・・・・・・・』
どんな困難があっても、それを打ち砕いて助けてくれたのがネロだった。だが その時の覇気がなくなった今のネロに、生徒達は少なからずショックを受け、何も言えなかった。
羽黒「だったら、私も一緒に━━」
ネロ「俺、教師 辞めたんだ。俺にできる事は もう何もねぇよ」
羽黒「ネロ先生・・・」
ネロ「それに俺、もう ここには来れねぇんだ。だから お前ら、もう俺には頼るな」
輝男「見損なったぞネロ。テメェは他の大人達とは違うと思ってたのによ」
ネロ「・・・悪いな」
羽黒「・・・・・・ネロ先生が言ってた“ダチ”って・・・この程度の関係なんですか?」
ネロ「・・・・・・・・・」
羽黒「・・・・・・・・・・・・分かりました・・・私達だけで解決します。皆・・・行きましょ」
羽黒は校舎の方へ歩いていき、生徒達も それに続いて戻っていった。
その背中をネロは見詰めていたが、少しして立ち去ろうとし、すると今度は、すぐに理事長に呼び止められた。
「「・・・・・・・・・」」
・・・・・・
*公園 14:12*
ネロと理事長は場所を移し、公園のブランコに座りながら2人で話していた。
理事長「学苑が こんな風になったのは、私の責任です。ネロ先生、ごめんなさい。何があっても生徒達を守るっていう、あなたとの約束を・・・果たせなかった」
ネロ「理事長」
ネロは そんな事はないと、小さく首を横に振った。
理事長「校長が推し進めてる管理教育、元々は、私の教育方針だったの。何も疑う事はなかったわ、結果も出ていたし。でも、1年前の・・・あの事件があって・・・私は思い悩み始めました。生徒を死に追いやってしまう教育って何なんだって。そんな時に、ネロ先生に、あなたと出会ったの。お陰で私は、本物の教育というのは何か、見えてきた気がする。仲間と一緒に笑い、泣き、怒り、感動したこと。そんな ちょっとした事が、人生の糧にできる。生徒と教師が共に成長できる。そんな教育の仕方を」
ネロ「・・・・・・・・・」
理事長「・・・・・・はぁ・・・そうよね。あなたの お陰で、芽生え出した新しい可能性を潰してはいけないわね」
ネロは何も言わなかったが、自分は そこまでの事はしていないと否定するように、理事長から顔を背けた。
理事長「もう1度やってみるわ。この学苑と、皆を守るために。私も まだまだ、ジャーマン決めないとね」
そう言って、理事長はブランコから腰を上げ、ネロの前を通り その場を後にした。
残されたネロは悩み、頭を抱え、八つ当たり紛いに自分の膝を叩いた。
・・・・・・
*喫茶店 15:17*
金剛が働く喫茶店へと戻ったネロは、天龍と一緒にカウンター席に座っており、黙々と考え事をしていた。
金剛「ネロ。あの生徒達の事が心配じゃないんデスカ?」
ネロ「・・・なに言ってんだよ」
金剛「自分の気持ちに嘘 吐かないでくだサーイ。ずっと気になってるんデショ?だったら行くべきデス。そして、あなたの気持ちを伝えてあげて━━」
ネロ「うるせぇよ!!」
天龍「・・・・・・・・・」
ネロ「俺は もう教師じゃねぇんだ。俺が あいつらに関わると滅茶苦茶になっちまうんだよ!もう関係ねぇんだよ!!・・・お前と話してるとイライラする」
天龍「ネロ!」
ネロはエプロンを外して席に叩き付けると、店から出ていこうとする。
すると金剛の目付きが鋭く変わり、カウンターの中から出るとネロの前に立ち塞がり、全力で殴り飛ばした。
ネロ「ッテェな・・・何すんだ金剛!!」
金剛「ネロこそ いい加減にするデース!!甘ったれたこと言うんじゃないヨ。今のネロは、1番くだらない大人デース」
ネロ「・・・・・・・・・」
金剛「あの子達 生徒は あなたのダチなんじゃないんデスカ?そんな簡単に切れるものなんデスカ?そんなもんなんデスカ?!」
ネロ「・・・・・・・・・」
金剛「ほんとのダチってのは、その人のために命 張れる。死ぬまで とことん付き合える!そういうものじゃないんデスカ?私達は、そうやって生きてきたんじゃないんデスカ?!」
ネロ「・・・・・・・・・」
天龍「普通の人間になって、力を失ったのも関係してるんだろ?今のままじゃ、今までみたいに満足に悪魔と戦えない。魔の気配とかに対処しようにも、自分には何もできないと思ってるんだろ?だからって、全部 羽黒1人に任せていいのか?このまま引き下がっていいのかよ?もしアーロンの言ってる魔の気配とやらが現れたら、あの学校の生徒も どうなるか分かんねぇんだぞ」
金剛「それでいいんデスカ?あなたのダチがピンチなんデスヨ・・・いま助けないで どうするんデスカ?!」
ネロ「・・・・・・・・・」
ネロの脳裏には、2年4組の生徒達の、笑ってた顔や泣いてた顔が、次々とフラッシュバックしていた。
ベルゼのせいで普通の人間となってしまったが、元の世界でバージルに右腕を奪われた時とは違い、あの時よりも肉体は弱ってしまっていた。だからネロは、アーロンが警戒するほど強大な魔の気配に対処しようにも、自分では役に立たないと思った。
明陽学苑でも、マスコミや理事会が動き、自分のせいで理事長が解任されそうになったから身を引いた。
そして今回も同じだ。自分が関わると生徒達が退学になると脅され、あの子達の未来が潰えないようにと手を貸さなかった。
ちゃんと話すべきだったかもしれない。だが その事を誰にも話さなかったのは、話せば羽黒や生徒達が校長に抗議していただろう。そうなれば、どの道 退学処分にされていたかもしれないのを恐れたからだ。
いや、話さなかったのは、助けたいという気持ちと助けてはならないという気持ちの間で、揺れ動く迷いの表れだったのかもしれない。
だが、今になってネロは、自分の中にある確かな想いに気が付いた。何があろうと、何が待ち受けていようと、生徒達を見捨てる事はできないと。1度 守ると決めた彼らのために、自分が校長と戦わなければならいのだと。
ネロ「・・・・・・だよな・・・あのクソ校長に・・・俺達・・・好き勝手させる訳にはいかねぇよな・・・」
すると床に座り込むネロの前で、金剛が しゃがんで目線を合わせる。
金剛「あなたの心と、拳で乗り切るデース」
そう言って、金剛はネロに手を差し出した。
ネロは笑みを浮かべて その手を掴み、手を貸してもらいながら立ち上がった。
天龍「それでこそ、ネロだぜ」
天龍が拳を突き出すと、金剛も拳を突き出し、そこにネロも拳を合わせ、3人でグータッチを交わすのだった。
・・・・・・
*マンション 16:07*
放課後、羽黒と
羽黒「芽依さんの ご両親と会って、ちゃんと話をしないと。何か誤解があるかもしれないわ」
輝男「そんな正面から行ったってマトモに取り合ってもらえねぇよ」
輝男の言う事も一理あり、皆は どうしたものかと その場で考え込む。
すると・・・
?「じゃあ、こっちの言うこと聞くようにすればいいんじゃねぇのか?」
声がし振り返ると、ネロが立っていた。
羽黒「ネロさ・・・!?ネロ先生!」
ネロ「よう、剛。待たせちまったな」
剛「・・・先生・・・」
ネロ「よーし、もうガタガタ言うのはやめだ!俺は お前らのダチだ。一緒にやるぞ」
いつもの知ってるネロの調子に戻っており、羽黒や生徒達は、嬉しそうに笑みを浮かべた。
ネロ「芽依の母ちゃんに分かってもらう作戦。名付けて、『剛君 大問題大作戦』だ」
何故こんな作戦名なのか説明すると、ここまで色々と既に問題視されているため、なら もっと問題行動を起こしてやろうと、校長への反抗心と皮肉が込められている。
・・・・・・
そしてネロはロープを用意し、羽黒達とマンションの屋上に来た。
ネロ「よし、そろそろ始めるか」
楓「ほんとに こんなロープで大丈夫なの?」
ネロ「やるしかねぇだろぉ」
ネロはロープを結びながら、作戦を説明する。
ネロの作戦では、屋上から芽依の自宅の階のベランダに下り、強盗の振りをしたネロが乗り込む。それを剛が撃退してヒーローになるという一芝居を打つ事だった。
そうすれば、芽依の母親も考えを改めてくれると考えていた。
美香「何か簡単すぎない・・・?」
ネロ「任せとけって」
そしてネロは早速 行動に移し、垂らしたロープを伝って ゆっくり下り、音を出さないよう気を付けながら、目的の階の部屋のベランダに立った。
ネロ「さてと、サクッとやっちまうか~」ボソッ・・・
ネロは目出し帽を被りブルーローズをホルスターから抜くと、ベランダのガラス戸を開けて中に乗り込んだ。
ネロ「オラ、動くな!床に膝を突け!」
ブルーローズを構えながら脅しに掛かるが、そこに居たのは、ヤクザとロシアンマフィアだった。どうやら取引中のようだ。
ネロ「あれ・・・?芽依さんの お宅、では・・・?」
マフィア「お前 何者だ?」
ネロ「アッハハ。あれ?間違えたな これ・・・」
下りる階を間違えた事を誤魔化すように、ネロは笑いながら頭をポリポリと掻くのだが、ロシアンマフィアの1人がナイフを手に取った。
マフィア「殺すぞ」
ネロ「ま、待て・・・は、話せば分かる・・・」
『剛君 大問題大作戦』、どうなる!?
次回も宜しく お願い致します!