486話です!どうぞ!
そんな時に、校長の息子である
そんな事もありながら、生徒達は文化祭の日が近いという事もあり、楽しそうに その準備を進めていた。
しかし文化祭前日となった日に、圭の妨害を受けて準備していた物をグチャグチャにされる。
それによって
更に校長は、唐突に文化祭を中止にし、ネロの案に乗った2年4組の生徒達は、監視の目を掻い潜りながら暗躍するのだった。
*新居 10月14日 22:01*
賃貸に戻ったネロは、遊びに来た摩耶と天龍と一緒に、ちょっと遅い夕飯でキリエの料理を食べていた。
食べ終わったネロは時間を確認すると、慌てて出掛けようと動く。
ネロ「ごちそうさま!」
天龍「えっ、ネロ!?」
摩耶「おい」
すると、摩耶が立ち塞がりネロを止めた。
結局 金剛は、明石とアーロンから聞いた事を鎮守府の皆に話す事にし、摩耶も今のネロの状態を知っていた。
ネロ「何だよ?」
摩耶「どこ行くんだ こんな時間に?」
ネロ「いや、ちょっとな」
ネロが はぐらかすと、天龍は何を勘違いしたのか、ネロが どこかに遊びに行くのだと思い、急に慌て出した。
天龍「えっ、遊びに行くのか!?えー!俺ペペロンチーノ食っちゃったじゃん!」
ネロ「バカちげぇよ。遊びに繰り出す時は2人も誘うから、そこ どいてくれよ」
ネロは笑いながら摩耶の横を通ろうとしたが、摩耶に腕を掴まれ再び止められてしまった。
摩耶「お前 頭痛 治ってないんだろ?」
ネロ「夜は まだまだ これからだろ?」
それでも出掛けようとするネロに、摩耶は彼の両肩を掴み思い止まらせようする。
摩耶「お前 真剣に ちゃんと自分のこと分かってんのか?」
天龍「・・・摩耶・・・」
摩耶「お前もう無茶できねぇ身体なんだよ」
ネロ「だからだよ」
「「「・・・・・・・・・」」」
ネロ「
摩耶「・・・・・・・・・」
ネロは笑って言うのだが、摩耶はネロの真意を知ろうとするように、真っ直ぐとネロの眼を見る。
ネロ「でもよ、どうしても まだやらなきゃいけねぇ事があるんだよ。それやんないとさ、俺が教師になった意味ねぇんだ」
摩耶「ネロ・・・」
ネロ「フッ・・・俺を誰だと思ってるんだよ?摩耶、一緒にムチャ乗り越えてきただろ?ちょっとや そっとの事で死にやしねぇって」
摩耶「・・・・・・・・・」
天龍「そうだよ。ネロは殺しても、死なねぇ男だよ」
天龍の後押しもあり、ネロは笑みを浮かべた。
ネロ「じゃあ、ちょっくら行ってくる。いってきまーす!」
ネロは そのまま行ってしまい、摩耶はネロが出ていった玄関の方を心配するように見て立ち尽くしていた。
するとキリエが摩耶に近付き、一緒に玄関を見ながら立ち並ぶ。
キリエ「大丈夫だよ」
摩耶「・・・キリエは、心配じゃないのか?お前だって聞いたろ。今のネロが、どういう状態なのか・・・」
キリエ「うん、聞いた・・・でも、不思議だけど、大丈夫だと思うの」
摩耶「どうして・・・どうして そう言えるんだ?」
キリエ「同じ顔してたから」
摩耶「え・・・?」
キリエ「私を助けてくれた時と、同じ顔してたから。きっとネロは、学校の子達を助けようとしてるんだと思う。そんな時のネロは、絶対に負けないから」
天龍「信じてるんだな」
キリエ「うん」
天龍「さっすがネロの嫁」
キリエ「天龍、おかわりする?」
天龍「いや、もう お腹いっぱ━━」
キリエ「沢山 作ったから、2人共 遠慮せず食べてね」
「「お、おう・・・」」
断れず顔を引き攣らせる摩耶と天龍の目の前には、異様な程の料理が並んでいた。
キリエは料理を作り過ぎる癖があり、さっきはネロも居たが、元々4人じゃ食べきれない程の量から夕飯がスタートしていた。
摩耶「つーか天龍!お前も止めなきゃいけない立場なのに何で後押ししてるんだよ?!」
天龍「えっ、俺!?」
摩耶「いい加減にしなさい」
天龍「俺はネロを信じてるから」
摩耶「もしもの時は どうするんだ?」
天龍「その時は・・・責任 取る」
摩耶「責任 取るのか?偉いな」
天龍「うん、責任 取って・・・摩耶を沈める」
摩耶「おい、何で あたしが沈められるんだよ?おかしいだろ!」
天龍「重巡(摩耶)は軽巡(自分)より大人だから、やっぱり大人(摩耶)が責任 取らないと」
摩耶「おい、ふざけんなよテメェ!」
天龍「何だよ?!」
キリエ「2人共ケンカしない!」
摩耶と天龍の掴み合いの喧嘩により、まだあったキリエの料理が全て ひっくり返り、それ以上は食べずに済むのであった。
・・・・・・
*明陽学苑高校 校門 22:55*
出掛けたネロは、羽黒と共に学苑の校門前で誰かを待っていた。
ネロが腕を組むのを見た羽黒は、真似して自分も腕を組み誰かを待つ。
すると、ネロと羽黒の左右から沢山の足音がし、通学鞄を持つ2年4組と、各学年、各クラスの文化祭実行委員の生徒達が現れた。
ネロと羽黒が校門の門扉を開けると、生徒達は止まらず学苑の敷地内に入っていく。
ネロ「よーし」
生徒達の背中を見ながら、ネロは気合いの入った笑みを浮かべた。
・・・・・・
翌朝、校長が出勤してくると、校門には文化祭用のゲートが立っており、飲食をやるクラスの屋台も設置され、校舎には文化祭の看板が吊り下げられていた。
校長は顔色1つ変えず、冷静に敷地内に入っていった直後、圭も登校してきたのだが、彼は様変わりした学校を見て驚き、足を止めた。
見ると、沢山の生徒達が楽しそうに、屋台の準備に勤しんでいる。
校長「何なの これ・・・?」
善之「ネロだ」
登校してきた善之の声に、圭と校長は振り返る。
善之「あいつが仕組んだんだ。昨日こんな紙 貰ったよ」
善之はズボンのポケットから、2年4組が渡していた小さな紙を取り出し、校長に渡した。そこには、『明日、明陽学苑文化祭 決行!!』と書かれていた。
校長「何よ これ?」
そのタイミングで校内放送が掛かり、学苑中にネロの声が響く。
ネロ『間もなく、体育館にて、スーパーアイドル、
問題であるネロの ふざけた声を聞き、校長は鋭い目付きで紙から顔を上げた。
・・・・・・
*体育館 10月15日 8:30*
体育館ではアイドル服を着た明子のライブが始まり、数人の2年4組の生徒が楽器を演奏したり、バックダンサーを務めていた。
ステージの前には多くの生徒達が うちわを振って盛り上がり、そこに交ざりネロと羽黒も応援していた。
校長「やめなさい!!」
体育館に来た校長の怒声に音楽は止まり、ステージの前に居た生徒達は校長を見て後退り、左右に分かれる。
校長「ふざけないで あなた達!!こんな事が許されると思うの?!文化祭は中止にしたはずよ!!それに従わないなら、全員 退学よ!!・・・それが嫌なら今すぐ撤収して!」
すると2年4組の生徒達が、校長の前に立ち塞がった。
そう言って、楓は校長の目の前で黒いタブレットを床に叩き付けるように捨てた。
校長「・・・・・・・・・」
楓「この文化祭は、私達が ずっとやりたかった事なんです」
そして楓は、ステージの後ろに掛けられた、『ALL FOR ONE・ONE FOR ALL』の文字が浮かぶモザイクアートに振り返った。
それは、文化祭をやるというのは、2年4組にとって、死に追いやってしまった
楓「仲間の存在を、1番 実感できるのが こういう時だと、ネロ先生が教えてくれました。それに これには、皆の想いが詰まってます」
校長「くだらない。ふざけないで!」
すると2年4組の生徒達は、次々とタブレットを床に叩き付けるように捨てていく。
輝男「帰れぇ!」
『かーえーれ!かーえーれ!かーえーれ!かーえーれ!かーえーれ!』
2年4組の生徒達が、手拍子しながら帰れコールすると、それは他の生徒達にも拡がり、その場に居た全ての生徒が手拍子しながら帰れコールに加わる。
すると校長は、体育館に居た教師達に振り向いた。
校長「何してるの あなた達?!この場を すぐに収めなさい!!でないとクビにするわよ!!」
そう言っても、教頭達は1歩も動かなかった。
『かーえーれ!かーえーれ!』
校長「あなた達 黙りなさい!!」
『かーえーれ!かーえーれ!』
校長「黙れって言ってるのよ、このクズ共が!!分かった、そんなに退学になりたいならしてあげるわよ!調子に乗ってんじゃないわよ、クズのくせに!」
すると教頭が、恐る恐る校長の前に出た。
教頭「あのぉ、教師が、クズクズと、言い過ぎではないですか・・・?」
校長「私に口答えする気?」
教頭「いや、生徒達が悪い訳では━━」
校長「うるさい。あなた達が全部こんな風にしたのよ。それを棚に上げて口答えするなんて、あなた達はクズよ、クズ」
クズと言われ、教頭がピクッと反応した。
校長「あなた達は私の言う通りに動けばいいのよ、生徒も教師もね。このクズ」
教頭「・・・・・・いい加減にしろぉ!!」
教頭が怒鳴りタブレットを床に叩き付けて捨てると、生徒達の帰れコールと手拍子が止まった。
そしてネロは、教頭が校長にキレたのを見て感心したような顔をした。
教頭「私は何と言われようと構わない。生徒はクズなんかじゃないよ!!」
ネロが初めて教頭と出会った日、教頭に退学処分にされ お礼参りに来て学苑で暴れた元生徒達の事を、教頭は“クズ”と呼んでいた。
そんな教頭だったが、生徒はクズじゃないと否定した そんな彼にも、教師としての矜持が、誇りが まだ残っていたんだと分かり、ネロは嬉しそうに笑みを浮かべた。
校長「私に楯突くのね。クビよ、クビ!」
そして校長は、他の教師達の方を再び見た。
校長「何してるの?早く この場を━━」
すると1人の女性教師が前に出ると、タブレットを床に捨てた。
女性教師「誰のための学校か、当たり前の事を、忘れてました」
そう言って、女性教師は憎たらしい笑みを校長に向けた。
それに続き、以前 楓に利用された男性教師も前に出ると、タブレットを床に捨てた。
男性教師「私達にだって、生徒を想う魂ぐらいはあります」
校長「あなた達、自分が何をやってるか分かってるの?」
すると他の教師達も、次々とタブレットを床に捨て始めた。
保険医「いつの間にか、生徒より、自分を守るようになってた」
女性教師「教師になって、何がしたかったんだろうって」
女性教師「もう、周りに合わせるだけの、適当な生き方は卒業します」
女性教師「私は、子供達に頼られる教師になりたい」
男性教師「あなたのように歪んだ人を見たのは初めてだ。反面教師にさせてもらいます」
生徒も教師も、全てが敵となり何も言い返せなくなった校長に、ネロが前に出た。
ネロ「これ、
そして羽黒も前に出ると、タブレットを思いっきり床に叩き付けて捨てた。
羽黒「私達が聞くべきなのは、世間の評価の声じゃなくて、生徒の声だと思います」
すると楽器を持っていた生徒達が唐突に演奏を始め、生徒達はネロや羽黒、教頭達 教師陣をステージに引っ張ると、校長を放置して皆で踊り始めた。
そこへ、校長の背後から理事長が現れた。
理事長「負けですね、あなたの」
校長「・・・・・・・・・」
理事長「学校や教師のために、生徒が居るんじゃありません。生徒のために、私達 教師や学校があるんです。彼らのように」
校長「そんなの、綺麗事なだけよ」
理事長「そうかもしれない。でも、もう少し、生徒に寄り添ってもいいんじゃないですか?」
校長「・・・私 間違ってない・・・私は自分の信念のために、全てを犠牲にしてきたのよ」
善之「・・・・・・・・・」
目の前に見える光景が、結果として全てを物語っているのに、それを頑なに認めようとしない校長の背中を、善之は見詰めていた。
校長「私の人生を、誰にも消させはしない」
理事長「・・・・・・・・・」
校長は その場から立ち去るが、理事長はステージの上で踊る皆を見詰めていた。
ステージでは踊っていた教頭が急に冷静になり、上司である校長に逆らってしまった事に動きを止めた。
教頭「私は、何て事をしてしまったんだろ・・・」
すると理事長に呼ばれ、教頭は振り返ると、理事長は優しい笑みを浮かべていた。
理事長「お見事でしたよ、教頭先生!さぁ、踊りなさい!」
校長に逆らった事を逆に褒められ、教頭は気にしない事にし、言われるまま踊り続けた。
そんな様子を、体育館の2階から圭が見ており・・・
圭「許さない・・・」
爪を噛みながら何かを企んでいた。
・・・・・・
しばらくし、ネロは外で、勝手に作った明子のグッズを売って商売をしていた。
そこに、羽黒が来た。
ネロは また勝手な事をして怒られると思い言い訳を始めるのだが、羽黒は怒ってなどいなかった。
羽黒「本当にやれましたね、文化祭。やっぱり・・・凄い人ですね、ネロ先生は」
ネロ「何だよ急に?」
羽黒「今だから言いますけど・・・最初の頃は、面倒臭いなって思ってました」
学苑に来た当初から、ネロは教師らしからぬ行動を取り、学苑に潜入してるのに騒ぎに首を突っ込み目立つので、正直、羽黒は何度も頭を抱えていたので、面倒臭いと思われても仕方のない事なのかもしれない。
ネロ「え~、ショックー・・・。あっ、じゃあ今は?」
羽黒「えっ・・・今ですか・・・?今は・・・」
ネロ「何だよ?」
羽黒「・・・今・・・は・・・・・・」
今は尊敬してると言いたかったが、恥ずかしくて中々 言い出せず、羽黒は俯いてしまった。
それでも ちゃんと伝えようと、意を決して羽黒は顔を上げるのだが・・・
ネロ「おう、善之ー。明子のグッズ要るかぁ?」
ネロは立ち寄ってきた善之の方に意識が向いて、明子の写真が印刷された うちわを渡そうとしており、羽黒は出鼻を挫かれてしまった。
善之「やってくれるよな、ほんとに・・・」
ネロ「お?」
善之「・・・どういうつもりだ?あんたのせいで他の教師が全員クビになるかもしれないのに。他の生徒だって」
ネロ「だーいじょうぶだよ」
善之「・・・適当なこと言いやがって。考えた事あんのかよ?自分以外の誰かのせいで人生 滅茶苦茶になる事を」
ネロ「お前が そうだって言いたいのか?」
善之「俺も俺の母さんもだよ!母さんは自分の信念のために全てを捧げてきた、家族もな!それを あんたが全て滅茶苦茶にした。俺も母さんも信じてきたものはな!」
羽黒「善之君・・・」
ネロ「・・・お前が信じてきた事って何だ?」
善之「・・・・・・・・・」
ネロ「それ、笑顔を忘れてまで、守り抜くもんなのか?」
善之「・・・・・・・・・」
ネロ「お前も見ただろ。仲間の顔を。いい顔してたぜ」
ネロの脳裏には、明子のライブを楽しむ生徒達の笑顔が思い浮かんでいた。
ネロ「あれが人生 滅茶苦茶になっちまうって顔だと思うか?お前と、校長と、あの加賀美ってガキだけだぞ。そんな顔してるのは。人生 楽しむんじゃねぇのかよ?」
善之「うるさい・・・!俺達に入り込んでくんなよ!また人生 滅茶苦茶にされたくないんだよ!!」
ネロ「人のせいばっかしてんじゃねぇぞ善之!」
善之「・・・・・・・・・」
ネロ「
善之「・・・・・・・・・」
ネロ達が話してる真上では、圭が吊り下げられてる文化祭の看板を支えるロープを、ナイフで切ろうとしていた。
圭「許さない。生かしておかないぞ・・・」
ネロを殺すために圭がロープを切ると、看板がネロと善之の真上から落ちてくる。
羽黒「危ない!」
それに気付いた羽黒の声に、ネロと善之も上を見上げた。
そして2人は看板の下敷きになり、周囲から悲鳴が上がった。
羽黒「ネロ先生!善之君!」
慌てて羽黒が駆け寄り看板を少し持ち上げると、善之はネロが庇い無傷だった。
善之は、ネロが自分を庇った理由が理解できない顔で彼を見た。
そのネロは、痛みに顔を歪めながらも、笑って善之を見ていた。
ネロ「ヘヘッ、そう簡単には死なせないってね、ヘッヘッヘッ。お前には まだやらなきゃいけない事があるんだからよ・・・笑顔の人生が最っ高に楽しいってことを、お前の母ちゃんと、加賀美に、教えてやってほしいんだ・・・お前の口からなぁ」
善之「ネロ・・・」
ネロは唸り声を上げると、まだ自分の上に乗っかる看板を弾き飛ばした。
羽黒「善之君!」
ネロはフラつきながらも立ち上がり、善之も羽黒に手を貸してもらいながら立ち上がったのだが、ネロは仰向けに倒れてしまった。
羽黒「ネロ先生!」
・・・・・・
*保健室 22:55*
保健室へと運ばれたネロは、そこのベッドで横になっていた。
しかし、左手に違和感を感じ握ろうとするのだが、上手く手を握る事ができなかった。看板が落下した時の衝撃が頭に加わり、脳動脈瘤の影響が別の場所にも出始めていた。
ネロ「・・・・・・クッソォ、手まで痺れてきやがって・・・」
すると、ベッドのカーテンがシャッと開けられ、羽黒が現れた。
羽黒「何か言いました?」
ネロ「あ、いや・・・」
羽黒「大丈夫なんですか、病院 行かなくて?」
ネロ「大丈夫だよ。ただ寝不足なだけだから。ほら」
ネロは起き上がってベッドから立ち上がるのだが、頭痛に襲われ頭を押さえ、呻き声と共に崩れるように膝を突いた。
羽黒「ネロ先生!?」
ネロ「ハァ・・・ハァ・・・ウッソー」
羽黒「嘘!?」
ネロ「大丈夫だよ」
ネロは おどけながら笑って誤魔化し、今の自分の状態を隠した。
その頃 善之は1人、文化祭を楽しむ生徒達を見ながら、クラスメイト達が楽しそうに文化祭の準備をしていた光景を思い出し、ネロに言われた言葉を考えていた。
善之「・・・・・・・・・」
・・・・・・
*多目的室 11:20*
そして善之は多目的室へと行き、明かりも点けずに1台だけしかないパソコンで何かをしていた。
*校長室*
その頃 校長室では、校長と圭が居たのだが、校長は今の状況を どうにかしようと、ネットで『反発』・『立て直し』のワードで調べていた。
圭「任せて母さん」
校長「あんた黙ってて」
圭「・・・・・・・・・」
母親である校長の冷たい言葉に、圭は どこか動揺したような様子を見せる。
そこに部下であるスタッフが慌てて駆け込み、タブレットでネット記事を見せた。それは何者かが明陽学苑の管理システムを外部に公表し、生徒のプライバシーを監視してると暴露するネット記事だった。
校長「誰が洩らしたの・・・?」
狼狽える校長を尻目に、圭は校長室から出ると、どこかに電話を掛け始めた。
圭「人を集めてくれ今すぐだ」
・・・・・・
*多目的室 11:45*
善之が相変わらずパソコンを操作していると、多目的室の扉が開き圭が入ってきた。
圭「お前が流したんだろ?あの情報を」
善之は圭と向き合うために席から立ち上がり、圭の前に出る。
圭「母さんに この学苑から手を引いてもらうためだ」
すると圭も歩を進め、善之の目の前まで行く。
圭「どうして そんな事する?」
善之「母さんを救うためだ」
圭「ふざけるな!」
善之「母さんの やり方は、間違ってたんだよ」
圭「はぁ?」
善之「それを信じた俺も、お前も」
圭「違う。母さんは間違ってない」
善之「目を覚ませよ!俺は お前と母さんを救いたくて━━」
すると、圭は善之の目の前で突然ナイフを取り出すと、善之の左太ももを切り付けた。
善之は痛みで呻きを上げ、切られた足を押さえながら崩れ落ちるように膝を突いた。
善之「加賀美・・・!」
圭「母さんを邪魔する奴は僕が許さない。決して1人残らずだ」
善之の血が付いたナイフの刃を見ながら圭が そう言うと、多目的室の出入り口からゾロゾロと、武器を持った半グレ達が現れた。それは圭が電話で呼び寄せた者達だった。
?『(さぁ、始めよう。全て壊しちゃえ!)』
圭「さぁ、始めよう。風紀を乱す奴らへの制裁をなぁ」
そう言い残した圭は、半グレ達を引き連れ多目的室から立ち去った。
圭に取り憑いていた邪悪な意思と、彼が元々 抱えていた狂気が結び付き、遂には彼自身の暴走を引き起こしていた。
次回も宜しく お願い致します!