49話です!どうぞ!
*Devil May Cry鎮守府 食堂*
那珂「お仕事 行ってきまーす!」
金剛「こっちは出撃デース!Follow me! 皆さん、ついて来て下さいネー!」
鈴谷「また猫 居なくなったって!」
大井「またですか!?」
羽黒「漁師さんから護衛の依頼が来てます!」
龍驤「うち行くで!隼鷹、あんたもや!」
隼鷹「え~、行かなきゃダメ?」
龍驤「あと何人か来てー!」
文月「3丁目の蕎麦屋さんの お婆ちゃんが電球交換の依頼 出してるよー」
深雪「それ艦娘の仕事か?」
陽炎「従業員にやらせれば良くない?」
叢雲「兎に角 行くわよ!」
呉鎮守府で観艦式がある日、Devil May Cry鎮守府は忙しかった。遠征、出撃などの艦娘としての役目は勿論だが、ここの鎮守府は便利屋としても活動しているので、依頼も含め忙殺されている。ダンテと違って艦娘達は、小さい仕事も片っ端から引き受けている。忙しくなる日もあるのだ。
レディ「・・・何これ?」
トリッシュ「・・・・・・・・・」
便利屋として活動しているのはレディとトリッシュも聞いていたが、艦娘達が何でも引き受けている状況には呆れていた。
そんな中、大淀が妙な話を持ってきた。
大淀「天龍さん、龍田さん、子供を探す依頼が来てるので お願いできますか?」
天龍「子供?」
最近 子供が消える事件が発生している。共通しているのは、消えた子供は皆 小学生だ。今回 鎮守府に依頼してきたのも、消えた子供達が通う小学校の内の1校からだった。
天龍「どうせ迷子だろ、そんなの ちゃちゃっと終わらせてやるよ」
龍田「行ってきま~す」
天龍は意気揚々と依頼者に会う為に食堂を出て、龍田も それに追従した。
トリッシュ「・・・・・・・・・」
・・・・・・
*街*
天龍「予想と違って全然 見付からねぇな・・・」
天龍と龍田は小学校に着くと、学校側と保護者達から依頼の詳細を聞いた。どの子供も学校終わりに遊びに行ってから帰ってこない。警察に捜索願も出しているが、進展はないそうだ。
龍田「やっぱり公園に行ってみない?」
天龍「そうしてみるか」
1つだけ、保護者が ある事を言っていた。それは紙芝居だ。最近、子供達の間で紙芝居が流行っているらしく、紙芝居は数ある公園を回っているとか。だが その紙芝居が来る公園はランダムで、いつ、どこの公園に来るかまでは分からない。聴き込みを切り上げ、紙芝居をしている男から聴き込みをする為に2人は近場の公園へと向かった。
・・・・・・
*公園*
天龍「・・・あっついし手掛かりも無いし、嫌になってくるな・・・」
龍田「最近 気温も上がっていく一方だからね~」
複数の公園を見て回り、紙芝居が来るのを待っていたが中々 遭遇しない。そして今 居る公園でも、天龍と龍田は公園のベンチに座り、紙芝居が来ないか待っている。だが暑さと、何もせずに ただ待っているだけの退屈な時間に、今日の捜索を諦めそうになっていた。
カラン!カラン!
男「紙芝居だよー」
ベルの音が聴こえ、天龍と龍田は そちらを見た。見ると、ベルを振りながら荷台に紙芝居を載せた自転車を押して男が現れた。公園に居た子供達は、紙芝居を観るために一目散に男の元へ集まる。天龍と龍田は お互いの顔を見合ってから頷き合い、紙芝居へと近付いた。紙芝居は何の変哲もない昔話。子供達の楽しみを邪魔する訳にはいかないので、2人も黙って紙芝居を観ていた。しばらくして紙芝居が終わり、男に聴き込みをしようとしたが、まだ終わりではなかった。最後にアイスを配っているようで、子供達は男に群がっている。
天龍「俺達もアイス買うか・・・」
龍田「それも良いわね~」
少し暑い中で紙芝居を観ていたので、天龍と龍田もアイスが食べたくなった。2人もアイスを買う為に子供達に混ざる。男はアイスが入っているであろう箱の蓋を開けた。
カラン!カラン!
男「紙芝居だよー」
男は来た時と同じように、公園を去った。それを、物陰から見ている女が居た。
・・・・・・
*Devil May Cry鎮守府 食堂*
蒼龍「あれ?天龍と龍田は?」
利根「まだ帰っとらんのか?」
時間も進み、鎮守府では夕食の時間なのだが、天龍と龍田は戻っていない。
皐月「2人は今日 何してたっけ?」
大淀「行方不明の子供を探しに行きました」
北上「まだ探してんじゃない?」
熊野「こっちの猫探しは すぐに終わりましたわよ」
大井「猫と人間の子供を一緒にしないでください。子供が消えるなんて普通じゃないですから」
イク「お腹 空いたら戻ってくるのね」
皆は気にせず、先に夕食を済ませる事にした。
・・・・・・
*廃倉庫*
天龍「このっ・・・!」
天龍と龍田、そして公園に居た子供達は廃倉庫の中で縛られていた。紙芝居の男がアイスが入っているであろう箱の蓋を開けると、どういう原理か解らないが箱の中に吸い込まれた。気絶していたようで、気が付くと廃倉庫の中で手足を縛られていた。一緒に公園に居た子供達とは別の子供も居て、同じような状況だった。
天龍「こんなの、俺の刀さえあれば・・・!」
龍田「天龍ちゃん、無理しないで」
天龍「ウガーー!!」
天龍は やけくそになり、力任せに縄を引き千切ろうとするが何も変わらない。
そこへ男が戻ってきた。
男「今日も大量 大量!」
男が箱の蓋を開けると、意識のない子供が数名 出てきた。
天龍「おい、お前!チビ共を拐って どうするつもりだ!」
天龍は囚われている状況でも、勇ましく男に啖呵を切る。テレビでも よくあるような誘拐犯かと思っていたが、男は予想外な言葉を返してきた。
男「食べるに決まってるじゃないか」
天龍「・・・・・・は?」
男「だから食べるんだよ」
龍田「・・・あなた悪魔ね?」
男「・・・もしかして、噂の悪魔を狩りまくってる連中か?」
普通の犯罪者なら悪魔かと問われると、比喩だと思うだろうが、この男は悪魔である事を肯定するように問い返してきた。本当に悪魔なら、非常にマズイ状況だ。
天龍「そうだよ、ビビったか?さっさと全員の縄を解きやがれ!」
男「君は まだ食べ頃じゃないな。恐怖で絶望した人間が美味いんだ」
男は ある場所を指 指した。暗くて気付かなかったが、その場所には人間の骨が無造作に転がっている。既に犠牲者が出ている。子供達は これから自分達が どうなるのか理解し泣き出した。男は そんな子供達を見て喜ぶ。
男「良いよ、その絶望した顔 良いよ!」
天龍「テメェ・・・!」
龍田「やめて!」
男は子供の1人を持ち上げて高く上げると、口を大きく開いた。それも異常な程、子供1人を丸飲みできそうな程 大きく口を開く。
天龍「やめろぉぉぉぉぉ!!!!」
子供が丸飲みされそうになる時、どこからか鎌状の武器が飛んできて男の両腕を斬り落とした。子供は その拍子に落下、尻餅を着いた。鎌はブーメランのように飛んできた方に戻ると、謎の美女がキャッチした。しかも鎌は変形して大剣になる。
天龍「嘘だろぉ!?」
謎の美女は再び武器を鎌状にすると、今度は天龍達に向かって投げた。鎌は器用に天龍達の縄だけを斬った。縄から解放され、龍田は子供達を連れて男から引き離し、天龍は艤装を展開して男に主砲を向ける。
天龍「チビ共の仇だ!」
砲弾は男に直撃した。
天龍と龍田は謎の美女に近付く。
天龍「助けてくれて ありがとな」
龍田「・・・あなたは誰なのかしら~?」
女「ふふっ、秘密よ。悪魔を狩るのが趣味なだけ」
天龍と龍田は、謎の美女が持つ剣を見る。その剣は禍々しい見た目をしており、普通の武器ではないのは明らかだ。助けてくれた事を考えると敵ではなさそうだが・・・。
気になる事もある中、男が居た場所でヘドロが溢れだし、ヘドロは悪魔の姿を形成した。
天龍「また気持ち悪いのが出てきたなぁ・・・」
龍田「やる事は変わらないけどね~」
女「手伝ってあげる」
天龍「あんたマジで誰なんだ?」
女「話は後、行くわよ!」
天龍、龍田、謎の美女は、刀、矛、大剣を手に悪魔に斬り掛かる。謎の美女の大剣は斬るだけでなく、槍のような形に変形して突き刺したりもしている。だが身体がヘドロで出来ているせいか手応えがない。それ処か再生までする。
悪魔『そんなの効かないっての!』
悪魔はヘドロの腕を横凪ぎに振るってくる。3人は後ろに飛び退き腕を回避。
天龍「これでも喰らえ!」
悪魔『ヘドロの身体に そんなの効く訳ないだろ。ごちそうさん』
3人は主砲と2丁の銃を構えて悪魔に撃つが、砲弾と銃弾はヘドロの身体に取り込まれた。
龍田「まさか、砲弾を食べたの?」
天龍「冗談じゃねぇぞ・・・」
刀も主砲も効かないのなら、今の天龍と龍田には打つ手がない。
女「なら、これなら どう?」
そう思っていると、謎の美女の手がバチバチと放電し始めた。異様な光景に、天龍と龍田の顔が引きつる。本能的に危険を察知して、悪魔と謎の美女から離れると、謎の美女の手から稲妻が放たれる。
悪魔『あびゃびゃびゃびゃびゃびゃ!?』
効果があったようで、悪魔はマヌケな悲鳴を上げながら感電している。稲妻は更に 勢いを増していく。
「わぁーー!?/きゃーー!?」
稲妻に堪えきれなくなった悪魔は爆発した。天龍と龍田は その余波で吹き飛び、辺りには悪魔の残骸であるヘドロが飛び散り蒸発した。
・・・・・・
報酬は後日 貰う事にし、天龍と龍田は警察に通報した。もう夜であり、子供達も人数が居るので、あとの事は警察に任せる為だ。
2人は廃倉庫から少し離れた場所で謎の美女と話していた。
天龍「助けてもらったが、結局あんたは何者なんだ?」
女「さぁ、誰だって構わないでしょ?」
龍田「手から稲妻を出すなんて普通じゃないけど、もしかして悪魔なのかしら~?」
2人の問いに対して、謎の美女は笑みを浮かべるだけで答えない。その場から立ち去ろうとして、跳躍して建物の屋根に着地する。
天龍「おい、待てよ!」
女「1つ忠告しといてあげる。あんまり悪魔を舐めてると、命を落とすわよ」
謎の美女は そのまま建物の屋根から屋根へと飛び移り、夜の闇へと姿を消した。
天龍「やっぱり普通じゃねぇ」
龍田「提督が戻ったら報告も兼ねて訊いてみましょうか~」
天龍「それが良いな、俺達も鎮守府に戻るぞ」
・・・・・・
*Devil May Cry鎮守府*
鎮守府を囲む壁の外で、天龍達を助けた謎の美女が壁を見上げている。跳躍して壁を飛び越えて、簡単に鎮守府の敷地内に侵入した。そして自分の服に手を掛けると、一瞬で姿が変わった。
トリッシュ「ふぅ、久し振りに暴れたから少し楽しかったわね」
謎の美女の正体は、変装したトリッシュだった。自分が楽しむ為もあったが、悪魔絡みの事件を艦娘に任せて本当に大丈夫か心配でもあった。だからトリッシュは、今日1日 天龍と龍田を尾行して陰ながら見守っていたのだ。変装していたのは“目立つな”と言われていたからだ。
・・・・・・
*食堂*
しばらくして天龍と龍田も戻った。
大淀「やっと戻りましたか」
鳳翔「心配したんですよ」
天龍「実は悪魔に捕まっちまってよ」
『悪魔に捕まった!?』
“悪魔に捕まった”と聞き、他の艦娘達は驚き心配した。それから天龍と龍田は、今日あった事の一部始終を話した。
間宮「難しい話は後にして、早く夕飯を食べてね」
天龍「そういや、腹 減った~」
レディ「あんたも今日は どこに行ってたのよ?」
トリッシュ「散歩よ。私も夕飯まだなのよ、お願いできるかしら?」
間宮「はーい!」
レディ「(稲妻・・・?もしかして・・・)」
夕飯を食べていないのは天龍、龍田、トリッシュの3人だけなので、3人は遅めの夕飯を食べ始めた。その横では、天龍の話に出てくる謎の美女がトリッシュで、1人で楽しんだのかと思ったレディが ずっとトリッシュを睨んでいた。
・・・・・・
*執務室*
翌日の昼過ぎにダンテ達は戻ってきた。執務室では天龍と龍田が、昨日の話をダンテにしている。後ろではトリッシュが それを楽しそうに見ている。
天龍「でな、その女の武器が剣から鎌になったり槍になったりするんだよ」
龍田「手から稲妻も出してたのよ~」
その説明だけでダンテは全てを理解した。天龍が話している武器は、父の形見であり、トリッシュに渡した魔剣『スパーダ』。龍田が話している稲妻を出す女など、自分の知る限りでは1人しか居ない。ダンテはトリッシュを見た。ダンテの視線に気付いたトリッシュは笑顔でウインクを返してくる。ダンテは溜め息を吐いた。
天龍「提督は どう思う?」
ダンテ「どうって言われてもな」
天龍「悪魔だと思うか?」
ダンテ「あー・・・悪魔なんじゃねぇか?」
歯切れの悪いダンテに、何か知ってるのではと思った天龍と龍田。トリッシュも、そんなダンテの様子に必死に笑いを堪えている。
天龍「・・・何か知ってるのか?」
ダンテ「・・・いや、知らないな」
天龍「・・・・・・おい、どこ行くんだよ?待てよ!」
龍田「逃がさないわよ~」
面倒になったダンテは執務室から逃亡、天龍と龍田はダンテを追い掛けた。天龍と龍田、ダンテの様子を見て、Devil May Cryの事務所にパティが来ている時のような騒がしさを思い出し、トリッシュは元の世界を懐かしく感じた。その後、ダンテは1日中 逃げ回りながら質問攻めされる事になった。
天龍「何か知ってるだろ!教えてくれよ!」
ダンテ「もう勘弁してくれよ・・・」
次回も よろしく お願いいたします!