494話です!どうぞ!
*シカゴ・ダイナー アメリカ時間10月23日 3:19*
約3週間前、ネロと羽黒が、
彼女は ある人物と会うために、武装した男達を引き連れてダイナーを貸し切りにし、待っていた。
そこに、ハッピーサーカスの団長であり、マフィアのボスでもあるピエロのジャックが、団員達を引き連れ現れた。
ジャック「鹿島さん、お待たせして申し訳ない」
鹿島「いいえ、それほど待ってはいませんから。どうぞ、座ってください」
堂々と武装した男達を見てもジャックは慌てる事もなく、鹿島に促されるまま彼女の対面の席に座った。
すると携帯が鳴り、スマホの画面を確認した団員の1人が慌ててダイナーの外に出ていく。
ジャック「何やってんだ お前はぁー!!!」
突然ジャックが怒鳴った事で、鹿島が引き連れていた男達がスマホを取り出し、マナーモードにしたり電源を切り始めた。
ジャック「あ、すいませんね」
鹿島「いえいえ、お気になさらず。それで・・・頼んでいた物は?」
ジャック「えぇ、勿論ありますよ。ですがねぇ、鹿島さん。こちらとしても ただ渡す訳にはいかないよ」
鹿島「・・・データを渡していただく取引のはずですが?」
ジャック「それは分かってますよ。ただねぇ、物事には順序というものがある。先に出す物を出してもらわないと、これは渡せない」
鹿島は何かを見定めるように鋭い眼光でジャックを見詰め、ジャックは何を考えているか悟られないよう ずっと笑みを浮かべている。
しばらくすると、鹿島が笑みを浮かべ、武装した男の1人に手で合図を出した。すると その男は席に近付き、テーブルにアタッシュケースを置くと下がった。
鹿島「依頼料です。ご確認を」
ジャック「・・・・・・確かに」
アタッシュケースを開けて現金が入ってる事を確認したジャックは、懐からUSBメモリーを取り出し、それを鹿島に渡した。
そのUSBメモリーは、ジャックがDevil May Cry鎮守府に侵入した時に抜き取ったデータだった。
鹿島「では、取引は終わりという事で。これで失礼します」
鹿島は早々に引き上げようと席から立ち、男達と共に立ち去ろうとしたが、ジャックに呼び止められた。
鹿島「まだ何か?」
ジャック「1つ聞かせてくれ」
鹿島「・・・何でしょう?」
ジャック「どうして君は、Devil May Cry鎮守府を裏切った?」
鹿島「あなたには関係ない」
鹿島が そう言うと、武装した男達が一斉にジャックへ銃口を向けた。
しかし それを見ても、ジャックは楽しそうに笑う。
ジャック「ハッハッハッハッハッ!私を殺すつもりか?鹿島さん!私はねぇ、非常に興味があるんですよ!君がDevil May Cry鎮守府を どうするのかを」
鹿島「1度 言っただけでは理解できないんでしょうか?あなたには関係ないと、言いましたが?」
ジャック「言いたくないなら言わなくてもいいよ。だけどねぇ、これだけは覚えておいてもらいたい。Devil May Cry鎮守府が どうなっても私は構わない。しかしだ、それでもだよ。私の可愛い子供達(綾波型)に何かあれば・・・その時は私も黙っていないよ」
鹿島「そうですか。では、ハッピーサーカスを潰す事になりますね」
ジャック「おい鹿島さん!本気で言ってるのか!?本気で うちを潰せると思ってるのか!?」
鹿島「潰せますよ。たかがマフィアの1つ、潰すなんて そう難しい事ではありませんから。そちらは それでもいいんですか?」
ジャック「いいですよ。だって お宅は それがやりたいんでしょ?私達をボコボコにしてください」
鹿島「・・・・・・・・・」
ジャック「やれるっていう自信があるんでしょ?」
鹿島「・・・・・・ボコボコにされるのが楽しいですか?」
ジャック「いやいや。タダでボコボコにされる訳ないでしょ。私 一応、ギャング・マフィアのボスをやってるんですよ」
鹿島「えぇ」
ジャック「その話の通りになるんだったら この話をする必要ないし、そうならないと私には自信があるから この話をしてるんです」
鹿島「本当に自信あります?」
ジャック「えぇ。ボコボコにはされるかもしれませんけど」
鹿島「・・・・・・ほう・・・」
ジャック「でも いいんじゃないですか、お宅もボコボコにしたいんでしょ、私達を?Mr.Jは1度 利用した相手を長く使う事はしない。だから消す。それが あなた達の やり方でしょ?」
鹿島「・・・・・・・・・」
ジャック「私タダで あのー、伸し上がってきた訳じゃないんですよ。あなた達が知らない やり方で、私も、やはりボスをやってるので、そう簡単にはいかないですよ」
鹿島「・・・・・・分かりました。ではDevil May Cry鎮守府と彼らに関わる者を皆殺しにしたら、次はハッピーサーカスを殺して差し上げます」
ジャック「ハッハッハッハッハッ!えぇ、お待ちしておりますよ、鹿島さん」
鹿島「では、失礼」
鹿島は男達を引き連れダイナーから出ると、車に乗り込み走り去った。
それを窓から見送ったジャックは、団員達の方に顔を向けた。
ジャック「そういう訳だから皆さん、準備しといてね」
団員達は頷きダイナーから出ると、ジャックを残して彼らも車で走り去った。
そして残されたジャックは、冷めたコーヒーを一口 飲むと、物思いに耽るように天井を見上げた。
ジャック「漣ちゃん大丈夫かな?心配だな・・・」
一方 車に乗る鹿島は、ジャックの事を考え苦虫を噛み潰したような表情をしていた。
ハッピーサーカスも取引をしてる以上、Mr.Jと そこに与する者達の力は知ってるはず。それでも尚、抗争を望むジャックの姿勢に、一種の悪寒のようなものを感じていた。
鹿島「(あの男、どこまでも読めない人ですね。しかし あの様子だと、ハッピーサーカスが介入してくる可能性も・・・・・・いえ、あの男も それは無謀だと理解してるはず。私の計算では確率は低い)」
鹿島が聞かされてるMr.Jがやろうとしてる事の先の展開を考えると、彼が動き出せば介入しようとしても、今後シカゴに入るのは自殺行為であり、シカゴに入るのも そもそも難しい話になる。
シカゴに留まったとしても、ハッピーサーカスが動く前に命を落とすというのが鹿島の予測だった。
鹿島「(そこまで理解してるとしたらハッタリ?いや、漁夫の利を狙ってる?)」
どういう状況になろうと、Devil May Cry鎮守府とオリーブ財団は必ず動く。そちらと ぶつかり潰し合うのを待ってる可能性も考えられる。
鹿島「まぁ、どちらでもいいですけどね」
ジャックは色んな意味で面倒な相手ではあるが、組織としての主な活動は詐欺集団であり武闘派ではないので、鹿島からすれば恐れる程の相手ではなかった。
そして鹿島は、取引で受け取ったUSBメモリーをノートパソコンに挿し、データの確認をする。
本来なら受け取った その場で確認するべきだが、ジャックは仕事に関しては裏切らないので、そこは信用して すぐに確認はしなかった。
鹿島は画面に表示されたデータを見て、満足そうにニコニコと笑みを浮かべた。
鹿島「データは確かなようですね。そこだけは あなたの美点ですよ、ジャックさん」
画面をスクロールし、鹿島は一通りデータに目を通していく。
鹿島「あら、あの鎮守府にも やっと海防艦が着任したんですね。それと・・・ふふ、やっぱり。思った通りですね」
Mr.Jや自分を追うのは、基本的にオリーブ財団であると予測していたので、願わくばオリーブ財団から情報を抜き取りたかった。しかし あちらは、鹿島自身の裏切りにより1度 壊滅状態となり、システムや警備も以前よりは強固になっているので難しい話であった。
しかし それでも、最低限はDevil May Cry鎮守府と情報を共有してる可能性は大きかったため、ジャックを使ってオリーブ財団より警備の緩いDevil May Cry鎮守府から、情報を抜き取る事にしていた。
そして その予測は見事に当たり、ジャックが盗んだデータには、ある程度 掴まれてるMr.Jと彼に関する情報が記載されていた。それは、鹿島が裏切った後の最新のものばかりである。
鹿島「そろそろ彼らも動きそうですね。さて このゲーム、どう駒を動かしましょうか?・・・提督さん、私をガッカリさせないでくださいね。あなたもゲームの駒の1つなのですから。ふふ・・・」
・・・・・・
*Devil May Cry鎮守府 執務室 日本時間11月10日 12:24*
そして現在の ある日、魔女ハンターのコナーが鎮守府を訪れた。
憲兵の1人が彼を執務室まで連れて通したが、コナーは再会の挨拶だけすると、ソファーで黙ったまま座っていた。
迎えたダンテと加賀は、来たと思ったら何も話さないコナーに、怪訝な顔をしたり不思議そうにした。
ダンテ「おい、用件があって来たんじゃないのか?それとも暇潰しか?」
コナーは重苦しく息を吐き出すと、ゆっくりと口を開いた。
コナー「お前達に渡す物がある」
加賀「渡す物?」
コナー「招待状だ」
コナーが取り出した封筒を加賀が受け取り、執務椅子に座るダンテの所まで持っていき渡した。
ダンテは封筒の表・裏を見るが、差出人の名前はなかった。
ダンテ「何の招待状だ?」
コナー「怪盗伯爵とは会ったな。奴から預かった」
以前、足柄が結婚詐欺の被害に遭ったが、その犯人の正体が盗みの世界では有名らしい、怪盗伯爵と名乗る人物だった。
ただ、奴はセリーナと同じ転移陣を使っていた事から、魔術師の可能性があった。
ダンテ「あの手品師からの招待状なら お断りだ」
コナー「差出人はセリーナだ」
加賀「セリーナ!?」
ダンテ「・・・どういう事だ?」
コナー「さぁ?俺も詳しい事は知らん」
ダンテ「中身は見たのか?」
コナー「罠の可能性も考えて、先に確認はさせてもらった。心配するな、ただの招待状だった」
ダンテ「それで、どこへ招待してもらえるんだ?」
コナー「魔女の里だ。一緒に来てもらうぞ。デビルハンター」
「「・・・・・・・・・」」
・・・・・・
*森 ヨーロッパ時間11月13日 14:28*
突然のコナーの来訪により、ダンテは彼の案内で、“魔女の里”と呼ばれる集落へ赴く事となった。
魔女の里は欧州にある森の隠れ里となっているらしく、ダンテはコナーと交友のある神通と、セリーナと仲の良かった初雪、その姉妹艦である吹雪型を連れて、ヨーロッパへと足を踏み入れた。
コナーに付いていき森の中を歩いていたが、かなり歩いても まだ着かず、見る物 全てが同じ風景ばかりで飽きも来て、吹雪型は疲れた顔をしていた。
初雪「疲れた・・・しんどい・・・飽きた・・・帰る・・・」
コナー「もう少しで着く」
叢雲「着くって言うけど、本当に こんな所にあるの?魔女の里なんて聞いた事ないけど」
コナー「知らないのも当然だ。魔女の里は隠れ里だ。里の周囲の森には人を寄せ付けない魔術が張られ、一般人には気付かれる事はない」
深雪「そう言う割りには・・・」
周りを見てみるが、いま歩いてる森には地元民の往来もあり、人の出入りがある状態で集落を形成する場所が気付かれないなどあるのかと、吹雪型からすれば俄には信じられなかった。
神通「人の意識に干渉する魔術、とかですか?」
コナー「その通りだ」
神通が指摘した通り、魔女の里は周囲に その魔術を張り、近付いた人間の意識に干渉し、その人間は無意識の内に、魔女の里がある場所を避けようとするようになる。そのため直接 人払いしたりと手荒な真似をする必要もなく、里は長年 隠され続けてきた。
叢雲「悪魔の話に巻き込まれるだけじゃなく、魔女の話まで出てくると、いよいよファンタジーって感じね」
初雪「でも、ファンタジーはRPGゲームの定番・・・理解力はあるつもり・・・」
磯波「初雪ちゃん、帰りたいって言ってたのに、こういう話は受け入れられるんだね」
初雪「ファンタジーゲームは・・・一通り網羅した・・・!」
磯波「そ、そっか・・・」
初雪「でも疲れたから帰りたい・・・」
深雪「そこはブレねぇな」
話しながらも歩いてると、岩肌に囲まれた行き止まりに辿り着き、そこには古びた石碑が建っていた。
コナー「着いた」
着いたと言われ、辺りを見渡すが、どこにも集落があるようには見えない。そうなると、やはりダンテ達も怪訝な顔を隠す事もできない。
叢雲「着いたって、どこがよ?何もないじゃない」
コナー「そう思うか?」
コナーは挑発的な笑みを浮かべながらダンテ達を見た後、石碑を指差し、それが魔女の里への入り口だと言った。
里と外界での行き来では、石碑を媒介にした魔術で移動するらしい。
コナー「ダンテ、石碑にセリーナからの手紙を翳してみろ」
言われた通り、ダンテは懐から手紙を取り出し、石碑に向かって掲げる。すると石碑が青く光り、石碑を中心に大きな転移陣が地面に現れた。
コナー「全員 転移陣の中に入れ」
ダンテと神通、コナーは躊躇う事なく転移陣の上に乗り、吹雪型は恐る恐る乗った。すると、ダンテ達の身体が光り、一瞬にして姿が消えた。
*魔女の里*
気付くと、小さな集落の中心にある池の、十字になった足場に居た。
ダンテ達は無意識に、視覚から少しでも情報を得ようと辺りを見渡していると、集落の住人達もダンテ達に気付き、奇異の目で集まり始め、ダンテ達を囲んだ。
互いに黙ったまま膠着してると、住人の人垣を割るように1人の老婆が現れた。コナーは その老婆を、“村長”と呼んだ。
村長「魔女ハンター、ここへは干渉しない盟約を忘れたか?」
コナー「取り決めを破るつもりはない」
村長「里の中にまで入ってきて何を言うか」
歓迎されてない雰囲気に、神通と吹雪型は不安そうな表情を浮かべ、ダンテは ここに来なければならなかった具体的な理由を知らないため、成り行き任せで顔色1つ変えない。
村長「この里の者は皆、誰1人として法に背いてはいない。魔女ハンターが ここに来る理由はないはずだよ」
コナー「狩りのために来たんじゃない。招待を受けて ここに来た」
村長「この集落の存在は外界に知られてはならない。誰も招待する事はない」
コナー「俺達が ここに居るのが真実を証明してる」
村長「・・・お出し」
コナー「ダンテ、招待状を」
ダンテが再び、セリーナからの手紙を取り出すと、村長は歩み寄り手紙を受け取る。
すると村長は、手紙を しばらく見詰め、次に匂いを嗅いで何かを確認すると、ギロリとダンテを見た。
村長「この刻印と匂い・・・始祖セリーナ様か」
ダンテ「そこの魔女ハンターが言うには そうらしい」
村長は嬉しそうにシワシワの顔で、気味の悪い笑みをダンテに向けた。
それを見てもダンテは無反応だったが、村長の顔面の破壊力に、神通と吹雪型は顔を青くした。
村長「そうか そうか。遂に この日が来たか・・・お前さんがセリーナ様の言っていた、デビルハンター・ダンテだね?」
ダンテ「セリーナから どう聞いてるかは知らんが、デビルハンターのダンテなら俺だろうな」
村長「ヒッヒッヒッ・・・聞いていた通り、生意気な口を利くねぇ。おいで。私の家で話そう」
村長は自分の家に戻るため踵を返し、それに合わせて住人達も方々に散っていく。
それを見た後、ダンテはコナーに視線を向けた。
ダンテ「俺が来るのを待ってたような口振りだ。ここで何が始まる?」
コナー「俺も知らん。行くぞ」
コナーは村長を追って歩き出し、ダンテ達も それを追った。
*村長宅*
村長の家に入ると、1人の少女が椅子に座り、テーブルの上にある水晶に手を翳しながら何かしていた。
村長「この子は私の孫だよ。《ケイト》、お客さんだよ」
ケイト「あ、はい!」
ケイトと呼ばれた少女は、慌てて こちらに駆け寄ると挨拶を始める。
ケイト「えっと、村長をやってる お婆ちゃんの孫の、ケイトです。まだ修行中の見習い魔女です。皆さんは・・・外からの お客様ですか?」
神通「はい」
神通が肯定すると、ケイトは とびっきりの笑顔で眼を輝かせ、ダンテ達を見る。
どうやらケイトは、集落の外にある人間の世界に行くのが夢らしく、今は修行中の身ではあるが、課題をクリアし、外に行く許可を貰えるよう頑張ってるそうだ。
神通「そうなんですね」
ケイト「でも、私おっちょこちょいで失敗も多くて・・・」
コナー「魔女は誰しも、魔力の宿った血が その身に流れている。自分の中にある力を信じればいい」
ケイト「あなたは・・・もしかして魔女ハンターさん!?」
コナー「初めましてだな」
ケイト「あの・・・魔女ハンターさんから見て、こんな私でも、外の世界に行けると思いますか?」
コナー「あぁ。諦めなければ、行けるさ」
ケイト「本当ですか!?」
コナー「忘れるな。世界は いつも、君の中にある。諦めさえしなければ、どこへだって行ける」
村長「魔女ハンター、修行中の魔女に適当なこと言うんじゃないよ。ケイト、アンタは修行に戻りな」
ケイト「少しぐらい、外の話を聞いてもいいでしょ?」
村長「口答えする気かい?そういうのは魔術の1つでも使えるようになってから言いな。アンタは どの魔術を使っても爆発しか起こさないんだからね。苗を成長させる魔術で爆発を起こすなんて前代未聞だよ」
ケイト「ひ~ん・・・!」
村長に叱られ、ケイトは泣きながら 椅子に戻り、修行を再開した。
修行中の身ではあるが、彼女が一人前になる道程は長いようだ。
コナー「弟子に厳しいな」
村長「うるさい、話は2階でするよ。さっさと おいで!」
村長に言われるまま2階へ上がると、広い部屋に通された。
いま知りたいのは、魔女の里に来なければならなかった理由だ。セリーナからの手紙には、自分が居なくなったら魔女の里に行くようにだけしか書かれておらず、何を どうすればいいのか不明なままだった。
村長に促され、ダンテ達はテーブルを挟んで椅子に座った。
ダンテ「それで、俺達は何の話を聞かせてもらえるんだ?」
村長「これだよ」
村長がテーブルに置いたのは、小さな金属の箱だった。
村長「開けてみな」
ダンテが代表して箱を開けてみると、そこには1枚のDVDが保管されていた。
話を聞くと、これはセリーナが残した物で、ある日 白いフクロウが魔女の里に現れ、これを届けてくれたらしい。
時期としてはセリーナがノヴァ側に付いた後、ダンテとネロ、バージルが自力で この世界に戻ってきた頃のようだ。
初雪「これ・・・見れる?」
村長「見れるよ」
村長が視聴準備を始め、それが終わるとDVDを再生する。するとテレビ画面に、セリーナが映った。
深雪「セリーナ!?」
セリーナ『これは・・・これでいいのか?ちゃんと映ってるか?』
吹雪「う、映ってますよ!」
叢雲「吹雪、これ録画だから。返事しても向こうに伝わらないから」
吹雪「あ、そっか・・・」
セリーナ『半魔、運命の魔石を・・・いや、赤城を元に戻す方法を これで伝えておく』
そこから画面のセリーナは、運命の魔石を取り戻した後、分離した身体である深海棲艦アカギに魔石を入れ、赤城を元に戻す方法の説明を始めた。
その話を、ダンテだけではなく、艦娘達も真剣に耳を傾け聞いている。
セリーナ『━━方法としては以上になる。これができるのは、魔界医学に精通してる者だけだ。魔界医学に詳しい者を探すといいだろう』
神通「魔界医学なら、確かアーロンさんが そのような事を言ってましたね」
コナー「セリーナの兄貴か」
神通「はい」
セリーナ『半魔、人は誰しも役目がある。妾は この世界の因果律における役目に縛られ、自分の意思で お前達の元に戻る事はできない。だから、このような形で最後の手助けをする事にした』
白雪「最後・・・?」
ダンテ「・・・・・・・・・」
画面に映るセリーナは、儚く悲しげな笑みを浮かべた。
セリーナ『折角だから初雪などにもメッセージを残そうと思ったが、いざ言おうとすると、何を言えばいいか分からないものだな・・・』
初雪「セリーナ・・・」
セリーナ『どういう形であっても、妾が お前達の敵になったのは変わらない。次に相見える時は躊躇う事なく妾を殺せ。お前達の━━』
ベルゼ『何やってるんだテメェ?!』
突然ベルゼの声がしたと思ったら、焦った様子のセリーナがカメラを掴んだのか、映像が酷く乱れた。
セリーナ『お前達の望みを果たすには、そうするしかない!』
ベルゼ『そいつを寄越せ!』
映像は そこで途切れ、画面には何も映らなくなった。
きっとセリーナは、ベルゼに見付かり奪われそうになりながらも、この記録映像を守り、白いフクロウに届けさせたのだろう。
しばらくの沈黙の後、吹雪が気の急いた様子で口を開く。
吹雪「やっぱり、セリーナさんは私達を裏切ってなかったんだよ!」
だが、あの映像を見たからと、誰もが吹雪と同じ考えとは限らなかった。
叢雲「そんなの分からない。私達の味方をする振りをして、油断させる罠かも」
初雪「私は・・・セリーナを信じたい・・・」
叢雲「もう甘い考えは捨てるべきよ。敵は容赦なく こっちに仕掛けてくる。何の根拠もなく情に流されてたら、私達が撃たれるのよ!」
初雪「叢雲の分からず屋・・・!」
叢雲「何ですって?!」
深雪「おい、2人共 落ち着けよ」
白雪「そうだよ。まだ司令官の考えだって聞いてないのに」
白雪の言葉に、吹雪型はダンテを見るが、彼は何も映らなくなった画面を見詰めながら沈黙していた。
神通「提督、セリーナさんが言っていた“因果律”というのが気になります。それも含め、1度 話を整理する必要があると具申します」
ダンテ「・・・コナー、お前は何か知らないのか?」
コナー「因果律には様々な説がある。俺も詳しい訳じゃない。セリーナが どういう意味で言ってるのかは分からん」
ダンテ「・・・・・・よし、鎮守府に戻るぞ」
ダンテは椅子から立ち上がり、その場を後にしようとするので、艦娘達も慌てて椅子から立った。
叢雲「ちょっと、どうするつもりよ!?」
ダンテ「この手の話は、知り合いでアーロンが1番 詳しい。だから鎮守府に戻る」
深雪「ま、待ってくれよ!置いてくなって!」
神通「ありがとうございました。失礼します」
挨拶もなく、善は急げと言うようにダンテが さっさと出ていってしまい、艦娘達は急いで彼を追い掛けた。
コナー「世話になったな。必要になれば また来る」
村長「次に来る時は土産の1つでも持ってきな。そしたら歓迎してやるよ」
コナー「覚えとく」
村長「DVD忘れんじゃないよ」
コナーの目的は、ダンテを この魔女の里に案内する事で、話も終わり あとは解散するだけだったが、ダンテ達が置いていったDVD片手に、彼らを追い掛ける事になった。
・・・・・・
*シカゴ・街 アメリカ時間11月13日 1:10*
時間を戻し、ダンテ達がヨーロッパへ渡航してるのと同時刻、川内と五十鈴は、ミスター・Jが本拠地としてるシカゴ入りを果たし、
五十鈴「健、このドアを開けられる?」
健『今やってる。連中は防犯ドアに、暗号を使ってる。遠隔で破るのは難しい。でも いいアイディアを思い付いた。そのドアの電力を落とせば、一瞬だけ初期設定の基本コードに戻る』
そんな彼女達は、ギャングのアジトに侵入しようとしていたのだった。
次回も宜しく お願い致します!