Devil May Cry鎮守府   作:しゅんしゅん@よし

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50話です!どうぞ!


Mission50 濃霧~霧に映る影~

*Devil May Cry鎮守府 執務室*

 

?「ぱんぱかぱーん!」

 

ダンテ「・・・・・・・・・」

 

?「ぱんぱかぱーん!」

 

ダンテ「・・・・・・・・・」

 

ダンテは困っていた。朝にダンテは2人分の建造を明石に頼み、出てきた艦娘が挨拶に来たのだが、一通り挨拶をした後、1人の艦娘が万歳しながら同じ言葉をダンテに向かって何度も発してくる。

 

ダンテ「愛宕だったか?」

 

愛宕「はい、そうですよ。はい、ぱんぱかぱーん!」

 

ダンテ「・・・・・・・・・」

 

彼女は高雄型 重巡洋艦2番艦 愛宕。鳥海や横須賀鎮守府に居る摩耶の姉である姉妹艦。

ダンテは この愛宕に困らされている。

 

愛宕「提督も ご一緒に、ぱんぱかぱーん!」

 

ダンテ「・・・・・・・・・」

 

恐らく“ぱんぱかぱーん”を やるまで続くのだろう。気のせいかもしれないが、ダンテは この“ぱんぱかぱーん”に とてつもない抵抗感を感じて頑なに やろうとはしなかった。

 

愛宕「提督、ぱんぱかぱーん!」

 

ダンテ「・・・そっちは朝潮だったか?」

 

朝潮「そうです。司令官、ご命令を」

 

こちらは朝潮型 駆逐艦1番艦 朝潮。Devil May Cry鎮守府には現在 姉妹艦は居ない。

 

ダンテ「じゃあ その ぱんぱか姉ちゃんを外に出してくれ」

 

朝潮「了解しました。愛宕さん、外に出てください」

 

愛宕「えっ!?ちょっと、押さないでよ~!」

 

朝潮は愛宕を執務室から押し出し扉を閉めた。そこまでは良かった。ダンテの予想と言うか予定では、朝潮も出ていく算段だった。だが朝潮は執務室から出る処か中で じっと待機している。ダンテを見ながら。それだけでダンテは分かった。朝潮は、不知火と似た考えで行動していると。

 

ダンテ「・・・お前は出ないのか?」

 

朝潮「ご命令がないので」

 

ダンテ「(やっぱりか・・・)」

 

朝潮「・・・・・・・・・」

 

ダンテ「命令がない時は自由にしてて良いぞ」

 

朝潮「了解しました」

 

“了解しました”と言いながら朝潮は出ない。流れが不知火と完全に同じでダンテは頭を悩ませた。四六時中 見られていると落ち着かない。

 

大淀「失礼します。次の出撃と遠征ですが・・・」

 

大淀は執務室に入室して固まった。ダンテと朝潮が見詰め合っている。いや、睨み合っている?ダンテは難しい顔をしながら朝潮を見ている。異様な雰囲気に大淀は、またダンテが おかしな事でも始めたのかと呆れた目を向けた。

 

大淀「何してるんですか?」

 

ダンテ「・・・・・・ん?大淀か、どうした?」

 

大淀「次の出撃と遠征の話です」

 

ダンテ「行きたい奴に行かせろ」

 

大淀「・・・分かりました」

 

もう少し真面目に考えてほしいと思いながら、大淀は溜め息混じりに返事した。

そこで執務室の電話が鳴る。電話で一通りの話を聞いた後、ダンテは電話を切った。

 

大淀「悪魔ですか?」

 

ダンテ「いや、人と会う」

 

朝潮「司令官、ご一緒します」

 

ダンテにとっては艦娘を連れて行けない用事である為、一緒に来られると正直 困る。ダンテは断るが、朝潮は“1人にできない”など色々と理由を付けて頑なに一緒に行こうとする。ダンテは大声で不知火を呼んだ。すると颯爽と不知火が参上した。

 

不知火「お呼びですか?司令」

 

ダンテ「朝潮の足止めをしろ。俺は出掛ける」

 

不知火「出掛けるのですか?司令、ご一緒します」

 

ダンテ「(お前もかよ・・・!)」

 

朝潮の足止めを命じたのに一緒に来ると言い出した。

これにはダンテも、心の中で愚痴を溢す。まだ不知火の扱いに慣れていないダンテ。つぶらな瞳で見詰めてくる不知火と朝潮、よっぽど一緒に行きたいらしい。そんな2人の様子に困ったが、ダンテは機転を利かせる事にした。ダンテは駆逐艦が たまに遊んでいる かくれんぼを思い出し、それを利用する。

 

ダンテ「今から かくれんぼをする」

 

朝潮「かくれんぼですか?」

 

不知火「・・・遊ぶのですか?」

 

ダンテ「遊びじゃない、訓練だ。素早く相手を索敵する訓練だ」

 

朝潮「なるほど!」

 

不知火「了解しました」

 

ダンテ「お前らが鬼で俺が隠れる。100数えろ」

 

大淀はダンテの魂胆を見抜いていたので、ジト目でダンテを見る。それっぽい事は言っているが、普通に純粋な駆逐艦を騙しているだけだ。

不知火と朝潮はダンテに背を向けてから数え始め、それを確認したダンテは、その隙に逃げた。執務室を出ると愛宕が待ち伏せしており、“ぱんぱかぱーん”を強要してきたが振り切って逃走した。

 

 

・・・・・・

 

元帥は1人で人気のない場所に居た。しばらく そこに居ると、1台の車が来た。車から降りてきたのはダンテだ。

 

元帥「随分 遅かったのう」

 

ダンテ「艦娘に苦労したのさ」

 

それだけで元帥には察する事ができ笑った。

その後すぐに、元帥は手に持っていた封筒をダンテに渡した。ダンテは封筒を受け取ると、中身を確認する。中には元帥に極秘に頼んでいた物。

 

元帥「まさか おぬしの世界から他にも来ている者が居たとはな・・・」

 

ダンテ「俺だって驚いたさ。じーさんこそ大丈夫か?バレたらクビじゃ済まないぜ」

 

元帥「どうせバレても、老い先短い年寄りを どうこうできんわい」

 

ダンテ「・・・そうかもな」

 

元帥「信用はできるのか?」

 

ダンテ「腕は確かだ。そっちの様子は?」

 

元帥「今までと変わらん。内通者も分からん」

 

ダンテ「まぁ、後は任せてくれ」

 

 

・・・・・・

 

*中庭*

 

夜になり艦娘達が寝静まった頃、ダンテはレディとトリッシュを中庭に呼び出した。

 

ダンテ「これが前に言ってたのだ。失くすなよ」

 

ダンテは元帥から貰った封筒を2人に渡した。2人も中身は把握しているようで、封筒の中を見ないまま受け取った。

 

レディ「よく準備できたわね」

 

トリッシュ「私達は いつから行けば?」

 

ダンテ「朝になったら すぐに行け。しくじるなよ」

 

レディ「誰に言ってるのよ」

 

トリッシュ「任せて」

 

3人は そのまま解散した。そして、翌朝からレディとトリッシュの姿を、鎮守府で誰も見なくなった。

 

 

・・・・・・

 

*執務室*

 

それから2日後、やはりレディとトリッシュの姿がない事を不思議に思う者は出てきた。

 

加賀「提督」

 

ダンテ「ん?」

 

加賀「レディさんとトリッシュさんは どうしたの?」

 

ダンテ「・・・仕事を頼んだ」

 

赤城「仕事って、デビルハンターのですか?」

 

ダンテ「まぁ、そんな感じだ」

 

書類仕事を手伝っていた赤城、加賀も気になったようで、レディとトリッシュの所在を訊いてきたが、ダンテは適当に はぐらかした。

 

 

*北方泊地海域*

 

同じ頃、夕張、暁、雷、電、曙、叢雲は北方漁場警備の任務で遠征に出ていた。任務内容は同方面を警備し、漁船群の安全を図るのが目的だ。

 

曙「平和ね」

 

叢雲「そうね」

 

雷「深海棲艦も そこまで出てこないしね」

 

電「でも警備は重要なのです」

 

暁「一人前のレディなら、これぐらいできて当然よ」

 

夕張「ちょっと皆、油断しないでよ」

 

任務は滞りなく進み、漁船も問題なく作業を行っている。何もなさ過ぎて艦隊は緩み切っていた。だが異変は突如として起きる。艦隊と漁船群が居る周辺が、濃霧に包まれた。

 

夕張「・・・何?」

 

雷「霧?」

 

曙「どうして霧なんか・・・」

 

突然の濃霧の発生に戸惑っていると、砲撃音と共に砲弾が漁船群に襲い掛かった。漁船群の漁師達はパニックだ。

 

暁「敵!?」

 

夕張「どうして気付かなかったの!?」

 

曙「敵は どこ!?」

 

電探には何の反応もなかった。そのせいで襲撃に気付けなかった。索敵するが濃霧で何も見えない。

 

夕張「皆さん、海域から退避してください!」

 

任務の目的は漁船群の安全確保だ。兎に角 漁師達を安全な海域に避難させる。

 

夕張「反応は!?」

 

叢雲「ない!」

 

砲撃は まだ続いている。正体不明の敵の攻撃に手の打ちようがなく、このままでは漁船群が危険だ。艦隊は鎮守府に打電する。

 

 

・・・・・・

 

*Devil May Cry鎮守府 司令室*

 

ダンテは大淀に、内線で司令室まで呼び出された。大淀が艦隊からの入電を読み上げる。

 

大淀「第3艦隊 旗艦、夕張より入電。我、正体不明の敵の襲撃を受け、同海域から退避。支援を要請する」

 

ダンテ「正体不明?深海棲艦か悪魔じゃないのか?」

 

大淀「分かりません。ただ、今から出撃しても間に合うか どうか・・・」

 

ダンテ「第2艦隊は どうなってる?」

 

大淀「北方海峡警備を終え、鎮守府に帰投する途中です」

 

 

・・・・・・

 

*北方泊地海域*

 

叢雲「何で電探に反応しないのよ!」

 

曙「壊れてるんでしょ!」

 

叢雲「そんな訳ないでしょ!」

 

相変わらず電探に反応はない。出撃の前に明石に点検に出し、確認もしている。壊れているはずがないのだ。それでも電探に反応はなく、敵影を確認する事もできない。

 

電「あれを見るのです!」

 

暁「な、何あれ・・・?」

 

電の言う方角を見ると、濃霧に巨大な影が映り込んでいた。影は艦隊と漁船群に近付いてきているのか、更に大きくなっていく。砲撃は巨大な影からだ。敵の正体が何であれ、反撃しなければ被害が拡大する。艦隊は影に砲雷撃で反撃を開始した。

 

 

・・・・・・

 

夕張「このままじゃマズイわね・・・!」

 

艦隊と影は しばらく撃ち合っていた。艦隊の砲雷撃は当たっているはずだが、影は中々 沈まない。艦隊は ともかく、漁船群に砲撃は一溜まりもない。このまま交戦が続けばジリ貧だ。

 

鳥海「左舷、砲雷撃戦、用意ーっ!!」

 

熊野「とぉぉおう!」

 

天龍「うっしゃー!」

 

北方海峡警備に出撃していた艦隊、鳥海、熊野、利根、天龍、龍田、如月の第2艦隊が到着し、第3艦隊と漁船群を援護する為に交戦を開始した。海域で最も近かった第2艦隊は鎮守府に帰投する途中、鎮守府から連絡を受け、反転して救援に向かったのだった。

 

如月「皆 無事!?」

 

龍田「うふふ、死にたい船は どこかしら?」

 

利根「・・・いや、あれは本当に船ではないか?」

 

艦娘達の砲雷撃を受けながらも、影は砲撃をしながら更に接近、近付いた事で影の正体が明らかになってきた。それは大型帆船。帆はボロボロで、黒い旗を掲げている。

 

夕張「うそーん・・・」

 

利根「あれは まさか・・・」

 

天龍「海賊船かー!?」

 

黒い旗は共通して海賊を示す物だ。今の時代で帆船の海賊船を見る日が来るとは思わず、艦隊は驚いた。だが艦娘達の砲雷撃を受けて沈まないのは おかしい。これまでに数え切れない程の砲弾と魚雷を受けている。そして船は どう見ても木造だ。沈まないはずがないのだ。

 

天龍「ひっ・・・!?」

 

交戦の最中、帆船は突如 反転、交戦海域から離脱していく。帆船が離れていくと、霧も晴れていった。だが艦娘達は見た。見てしまった。帆船の乗組員を・・・。離れていく時に、甲板に立っていた乗組員は人ならざる者だった。

 

暁「うっ・・・ひぐ・・・」

 

如月「う、嘘でしょ・・・まさか幽霊船!?」

 

熊野「凄い物を見てしまいましたわ・・・」

 

天龍「い、急いで鎮守府に戻るぞ!」

 

鳥海「その前に、漁船群を港まで護衛していきましょう」

 

まさかの幽霊船に艦娘達の顔は青ざめた。

兎に角 漁船群を港まで送り、艦隊は鎮守府に戻る事にした。

 

 

・・・・・・

 

*Devil May Cry鎮守府 執務室*

 

ダンテと大淀は執務室で、第2、第3艦隊のメンバーから報告を受けていたが、艦隊は冷静さを失い、全員で同時に喋り出すので何を言ってるか分からない。艦娘達の様子から、とんでもない物を見たのはダンテにも理解はできた。

 

ダンテ「お前ら1回 黙れ。何 言ってるか分かんねぇよ」

 

それでも艦娘達は喋るのを やめない。同時に喋っているのも そのままだ。ダンテは銃を手に取り、天井に向かって1発だけ撃つ。発砲音に驚き艦娘達は やっと静かになった。

 

ダンテ「全員で喋るな。うるさくて仕方ねぇ」

 

天龍「が、がが、がい、骸骨が・・・!」

 

ダンテ「お前は落ち着いてから喋れ」

 

ダンテは艦娘達の顔を順に見ていく。今 執務室に居る中で、最も落ち着いて話せそうな艦娘を探す。選ばれたのは鳥海だ。鳥海は代表して事の あらましを話した。更に最初から状況を知っている夕張が補足説明する。

 

ダンテ「深海棲艦に悪魔の次は幽霊船か・・・飽きさせないな」

 

天龍「何で楽しそうなんだよ!?」

 

大淀「どう思いますか?」

 

ダンテ「どうって言われてもな・・・何でもかんでも分かる訳じゃないんだぜ」

 

大淀「悪魔と関係がないとも言えませんし・・・」

 

ダンテ「どっちにしろ、向こうから仕掛けてくるなら相手するしかねぇな」

 

如月「私、行きたくない・・・」

 

そう言っても誰かが対処しなければならない。海の平和を守るのは艦娘の使命だ。行かざる終えないだろう。勿論この男も じっとはしていない。

 

ダンテ「海賊退治に行こうか」

 

暁「他の鎮守府に任せない?」

 

ダンテ「何 言ってんだ?こんな おもしろそうな事、他人に譲る気はない」

 

艦娘達は思った。そこまで言うならダンテ1人で全てを解決してほしいと。撃たれても刺されても簡単には死なず、悪魔とも喜んで戦うのだ。1人で平気だろうと。だが思い通りにはならない。

 

ダンテ「天龍、行くぞ」

 

天龍「い、行くって どこにだよ?」

 

ダンテ「幽霊船を探しにだ」

 

天龍「何で俺!?」

 

ダンテ「どうした、ビビったか?」

 

天龍「ビビってねぇよ!」

 

ダンテ「なら平気だよな?」

 

天龍「うっ・・・」

 

素直に答えればダンテも無理に連れて行かないのだが、プライドが邪魔して素直になれない。プライドが高い者は こんな時に苦労する。

結局 天龍はダンテと共に出撃する事になった。他の数名の艦娘も連れて幽霊船を探し回ったが、中々 遭遇する事はできなかった。

その後、各鎮守府でも幽霊船による被害が拡大する事になる。




長くなりそうな予感がしたので次回に持ち越しです。

次回も よろしく お願いいたします!
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