Devil May Cry鎮守府   作:しゅんしゅん@よし

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今回は ある不器用な2人を、温かい目で見守っていただけたらと思います。

499話です!どうぞ!


Mission499 1周年記念日(前編)〜あいつら付き合ってたってよ!〜

*Devil May Cry鎮守府 本館 日本時間12月1日 10:12*

 

卯月「大変だぴょーん!!」

 

衣笠「卯月 待ちなさーい!」

 

鎮守府の本館の通路を、卯月が騒ぎながら走り、それを止めるために衣笠が必死に追い掛けていた。

実は卯月、とんでもない事実を知ってしまい、皆に言い触らしたくて走り回っていた。

以前から青葉と(たける)が、たまに いい雰囲気になる事は皆が周知していた事だったのだが、特に健は それを ずっと否定してきた。

そのはずだったのだが、実は この2人、既に付き合っていた事が判明した。しかも1年も前から。

衣笠は それを知っており、本人達が言わない限りは自分も黙っていたのだが、卯月が この事実を知ったと気付き、黙らせるために追い掛けていた。

そして卯月の無責任な頑張りにより、青葉と健が付き合ってるという話が、瞬く間に鎮守府中に知れ渡るのだった。

それから艦娘達は、ロサンゼルス郊外にあるオリーブ財団に向かい、付き合ってから1周年記念日のデートはするのかと問い詰めた。

しかし健は何も考えておらず、デートに行く事すら考えておらず、それでは青葉が可哀想と健にブチギレた艦娘達は、最高のデートができるように お膳立てしようと、健の代わりにデート準備に奔走するのだった。

 

 

・・・・・・

 

*ロサンゼルス・レストランバー アメリカ時間12月5日 19:40*

 

そしてデート当日、ちょっと高級なレストランに、タイトなドレスを着た青葉と、スーツを着た健が来た。ここに来たのは、健が艦娘達から、ディナーは ここでしろと言われたからだ。

因みに、レストランは貸し切りで予約されており、手回しをしたのは陸奥だった。

青葉と健が2階のフロアに通されてると、レストランの出入り口からゾロゾロと艦娘達が、2人にバレないよう身を屈めながら入ってきて、カウンターの陰に隠れた。盗み聞きするつもりだ。

一方2階のフロアでは、健が頗る緊張した様子だった。

 

健「青葉さ〜ん!ききき、綺麗だね、今日も!きょ、てん、天気いい!いい天気!す、座ったら どうだい、青葉さん!?たっ、疲れるだろ、たったっ・・・よし、座ろう!」

 

健のテンパり様に、カウンターの陰に隠れる艦娘達はバレないよう、必死に笑いを堪える。

 

五十鈴「下手クソ・・・下手クソが居る・・・!」ヒソヒソ・・・

 

健「す、すわ、座らないのかい青葉さん!?座らないなら僕が机の上に座っちゃうぞ!」

 

デート中なのに、これから素敵なディナーが始まろうというのに、何で そんな行動に出るのかと、健の理解不能な発言に艦娘達は必死に声を押し殺しながら爆笑する。

 

健「見て!見て!わーい!わーい わーい!綺麗な店だね、青葉さん!あ、すいません、すいません、はい」

 

わざとらしく はしゃいでると従業員が来て、何も言われてないのに健は すぐに謝り、大人しくなった。

 

健「よし、青葉さん座って。お店 貸し切りだからって、あんまデカい声 出したら迷惑だよ青葉さん」

 

まさかの彼女のせいにするバカ彼氏。

従業員が1階に降りてくると、カウンターの陰に隠れていた漣が その従業員の元に行き、何かを伝えると戻ってきた。

 

漣「店のルールで、スーパーシャウトで喋んなきゃいけないってこと、伝えてきてもらうようにしました」ヒソヒソ・・・

 

漣は喋ってる途中で笑ってしまい、話を聞いた艦娘達も笑ってしまった。

 

阿武隈「鬼。鬼が居る」ヒソヒソ・・・

 

青葉と健は恥ずかしいだろうが、これで1階に隠れる艦娘達にも2人の会話が聞こえやすくなるだろう。

そして従業員が、漣の指示通りにするため2階フロアに行く。

 

従業員「お2人のオーダーを正確に お聞き取りするために、スーパーシャウトでの ご案内をしてるのですが、よろしいでしょうか?」

 

それを聞き、青葉と健は爆笑した。

 

健「今日 全部スーパーシャウト?」

 

従業員「はい・・・スーパーシャウトで お願いできますでしょうか?」

 

従業員も、何で こんな事を伝えなければならないのか よく分からず苦笑いを浮かべており、青葉と健は ずっと笑いが止まらなかった。

 

健「分かった」

 

青葉「分かりました」

 

健「これ近所に人 住んでるとかないよね?だい、だい・・・」

 

従業員「近所に、はい、近隣の店舗もございませんので、大丈夫です」

 

青葉「良かった良かった」

 

健「分かったスーパー━━」

 

青葉「はい」

 

健「はい、ありがとう、はい」

 

伊勢「めっちゃ爆笑してる」ヒソヒソ・・・

 

そりゃ そうだろ。スーパーシャウトで喋ってくれと言ってくる店なんて普通は無い。おかしな店のルールに、青葉と健だって笑うしかない。

 

青葉「こんな いいレストランなんだしね、騒いだら申し訳ない」

 

健「そうだね」

 

木曾「聞こえる聞こえる」ヒソヒソ・・・

 

吹雪「いつ渡すんだろ?」ヒソヒソ・・・

 

青葉「確か、今日がぁ━━」

 

健「フゥー」

 

青葉「今日がぁ━━」

 

健「フゥー!」

 

青葉「━━何の日か覚えてる?」

 

青葉もレストランでディナーをする事に緊張してるのか、辿々しく言葉を紡ぎ、健は口から息を吹き出す謎の行動をし、カウンターの陰に隠れる艦娘達は笑っていた。

 

時雨「何あの音?」ヒソヒソ・・・

 

深雪「何なんだよ?!」ヒソヒソ・・・

 

健「ああ、あれでしょ?ドラ◯もんの誕生日!」

 

ちょっと高級なレストランでディナーの予約まで取ってるのだから、どこから どう見ても、どう考えても、付き合って1周年記念と分かるだろうに、今日1番なに1つ関係ないドラ◯もんの名前が出てきて、艦娘達は また笑ってしまった。

しかも健がドラ◯もんの声真似までし始めてしまう。

 

飛龍「最悪」ヒソヒソ・・・

 

長門「最悪だ。最悪だ。最悪。あの男の どこに惹かれたんだ?」ヒソヒソ・・・

 

するとレストランの従業員が気を利かせて、食事と飲み物が必要だったら いつでも言ってくれと、隠れてる艦娘達に申し出てくれた。

 

睦月「ありがとうございます」ヒソヒソ・・・

 

村雨「ありがとうございます」ヒソヒソ・・・

 

青葉「他に、何か こう・・・」

 

健「他に?」

 

青葉「覚えてる事はないかなーって」

 

健「お、おぼ、覚えてること、ですか・・・?」

 

比叡「いいよ いいよ」ヒソヒソ・・・

 

健「あれは確か、10年前の冬の日でした」

 

『(ん・・・?)』

 

10年前なら、青葉と健は まだ会ってもないが、彼は何を言ってるのだろうか?

 

青葉「10年前?」

 

健「はい。あの・・・・・・ん〜何にも思い出せなぁい!」

 

急に健が裏声で喋り、このバカ彼氏のせいで いつまでも いい雰囲気のフラグが立たない事で、艦娘達は このアホさ加減に呆れていた。

 

飛鷹「うざ」ボソッ・・・

 

健「青葉さんこそ、何か覚えていたりするの?」

 

青葉「えっ!?えっと・・・いや・・・どうしたらいいんだろ・・・?」ボソッ・・・

 

実は青葉も健も、今日が付き合って1周年記念のデートだとは分かっていた。だが その事を、お互い恥ずかしさから口に出せず、相手の口から言わせようと勝手に心理戦が始まっていた。

 

鬼怒「“どうしたらいいんだろ”って言った?」ヒソヒソ・・・

 

健「どうしたらいいんだろ?どうしたらいいんだろ?!」

 

青葉「いや・・・特に、いいの。覚えてないなら いいの、大丈夫」

 

健「お、おぼ、覚えてない・・・とは、限らないかもねぇ〜!」

 

急に健がマ◯オさんみたいな口調になり、艦娘達は顔を手で覆い、情けない気持ちになりながらも笑うしかなかった。

 

青葉「えっと まぁ・・・まぁ、いいの」

 

健「うん」

 

青葉「えっと何か まぁ、あの・・・」

 

健「うん」

 

青葉「何だろ?何で こんな事になってしまったのか ちょっと、青葉にも分からなくて」

 

健「僕も本当に もう、家 出て職場 着いた瞬間 誘拐されて!」

 

誘拐した犯人である艦娘達は、その話題が出て めちゃくちゃ悪い笑みを浮かべていた。

 

健「“着替えろ”って言われて。気付いたら、ここに」

 

青葉「1回とりあえず、注文するだけしちゃいましょう」

 

健「そうだね、お腹も!あー、お腹 空いたなー!」

 

健がデカい声で言うので、気を利かせた従業員が階段を使って2階フロアへと向かう。

 

健「従業員、あー来てくれないかなー、丁度 良く!あ〜来た・・・」

 

あれで本当に来るとは思ってなかったのか、従業員が来て健の声が震えた。

その声を聞いて、艦娘達は また笑った。

 

鳥海「空気読み」ヒソヒソ・・・

 

リベッチオ「だって、だってさ、スーパーシャウトだもん」ヒソヒソ・・・

 

健「ねぇ青葉さん、メニューは見た?」

 

青葉「見てないけれど一緒の物で大丈夫」

 

健「あーそうなんだ。じゃあピクルスを、100個」

 

緊張してるにしても、ピクルス単体で、しかも100個も頼むとは思わず、艦娘達は失笑した。

 

武蔵「偏食だな」ヒソヒソ・・・

 

健「ああ違う、あ〜ごめん、ああ そっか!あーごめん ごめん、何か ちょっと、色々テンパってて。流石に100個は食べ切れないか」

 

青葉「そうそう、お腹 壊しちゃうね」

 

健「なっ、これ、コースみたいになってるの?あ、違うか。そういう訳ではない・・・」

 

メニューを見てる健だが、今日が どういう風に予約されてるのか知らず、どう注文するのが正解なのか分からなかった。

 

蒼龍「“何か食べたい?”とか」ヒソヒソ・・・

 

すると従業員が気を利かし、オススメ料理を紹介し、料理の説明もし始めるのだが・・・

 

健「それで!」

 

ビスマルク「聞け、最後まで!」ヒソヒソ・・・

 

アイオワ「最後まで聞け」ヒソヒソ・・・

 

碌に説明も聞かず それに決め、健の奇行に艦娘達は呆れて笑った。

 

青葉「本格的だね」

 

健「本格的だね、ほんとに こんな、こんなイタリアンフレンチー(?)、来た事ないよ僕」

 

その瞬間、隠れて盗み聞きしていた艦娘達に、笑いと共に どよめきが走った。

 

イタリア「イタリアンフレンチ!?」ヒソヒソ・・・

 

サウスダコタ「どっちだよ?!」ヒソヒソ・・・

 

ポーラ「どっち?どっち?」ヒソヒソ・・・

 

プリンツ「どっち?」ヒソヒソ・・・

 

イタリアンとフレンチは全くの別物である。

ちゃんとしたレストランなら、1つのプレートにイタリアンとフレンチが共存してるような訳の分からん料理は出さん。

それが許されるなら、ラーメンに巻き寿司が入ってるのも許される事になる。許せるか?

 

健「それで!」

 

長月「どっちなんだ?」ヒソヒソ・・・

 

那珂「ヤバァい・・・」ヒソヒソ

 

瑞鶴「イタリアンフレンチ・・・!」ヒソヒソ・・・

 

皐月「新しい言葉 誕生した」ヒソヒソ・・・

 

シロッコ「どっち・・・?」ヒソヒソ・・・

 

艦娘達はツボったらしく、ずっと笑っていた。

すると急に、健がカッコ付け始めた。

 

健「牛ブロには赤ワインだ。こちらの綺麗な女性にも同じ物を頼むよ!」

 

その瞬間、隠れて聞いてる艦娘達に また、笑いと どよめきが走った。

 

妙高「こちらの綺麗な!?」ヒソヒソ・・・

 

スキャンプ「それ知らない女性に使うやつだろ!」ヒソヒソ・・・

 

葛城「自分の彼女に使うやつじゃないって」ヒソヒソ・・・

 

香取「自分の彼女に“こちらの綺麗な女性”って・・・!」ヒソヒソ・・・

 

艦娘達は またツボって、笑い過ぎて腹が痛い。

 

摩耶「でも憎めないな、このカップル。昔から こうなんだよ」ヒソヒソ・・・

 

ウォースパイト「そうなのね」ヒソヒソ・・・

 

天龍「はぁ、腹イテェ・・・」ヒソヒソ・・・

 

従業員「失礼しますね。勿論、本日、どのような日かは・・・言う必要ありませんね」

 

健「・・・ドラ◯もんの誕生日だ!!」

 

川内「おい!」ヒソヒソ・・・

 

ここに来て、忘れ去られていたと思っていたドラ◯もんが復活してしまった。

 

健「今日はドラ◯もんの誕生日を祝って━━」

 

摩耶「あいつ最低だな」ヒソヒソ・・・

 

健「━━パーティーするっていう集まりなんだな!!青葉さん!!」

 

青葉「そ、そ、そうね」

 

健「そんなにドラ◯もん好きだったのか青葉さん。予想外だったな」

 

ムードを一切 作ろうとしない健に、これには艦娘達は少しも笑わなかった。寧ろ軽蔑の眼差しをしていた。

だったのだが、これまでの流れが嘘だったかのように、突然 健が軌道修正に入った。

 

健「ところで今日・・・いい天気だね」

 

由良「先ずはね、先ずは先ずは」ヒソヒソ・・・

 

秋雲「勿体振るなぁ」ヒソヒソ・・・

 

青葉「そうだね、今日は いい天気だね」

 

健「晴れていて、快晴で、雲1つ無くて、まるで、僕達みたいにね、1つも無い!」

 

もう夜だけどね。

いま屋内に居るけどね。

これ軌道修正できてるのか?

 

健「そこには1つも無い!僕達みたいにね」

 

青葉「まぁ まぁ まぁ・・・」

 

青葉も困ってる。

 

白露「今になって“イタリアンフレンチ”がジワジワ来る」ヒソヒソ・・・

 

白露のせいで、阿武隈1人が思い出し笑いで声を出してしまった。

 

白露「イタリアンフレンチ」ボソッ・・・

 

阿武隈「やめて。後ろでボソボソ言うの やめて」ヒソヒソ・・・

 

そこに、刹那(せつな)から電話が掛かってきてしまい、天龍が皆から離れて応対する。

 

 

・・・・・・

 

事情説明すると通話が終わり、天龍が戻ってきた。

 

天龍「刹那と呉の提督も来るぞ多分」ヒソヒソ・・・

 

夕張「大佐も来るの?」ヒソヒソ・・・

 

天龍「あの2人も見守ってたからな、ずっと」ヒソヒソ・・・

 

不知火「1回 大佐に喝を入れてもらった方が・・・」ヒソヒソ・・・

 

健がダメダメ過ぎるので、不知火は そう提案したのだが・・・

 

明石「いや、アレはアレで成り立ってるんだって」ヒソヒソ・・・

 

皆は あんな健にも寛容だった。

しかし、不知火は納得していなかった。

 

不知火「アレでいいんですか?」ヒソヒソ・・・

 

明石「アレでいいんです」ヒソヒソ・・・

 

不知火「あの男の どこに惹かれたんですか?」ヒソヒソ・・・

 

明石「ああいうところが多分 好き」ヒソヒソ・・・

 

不知火「アレが好きなんですね。アレが好き?」ヒソヒソ・・・

 

やっぱり不知火は納得できないようで、小首を傾げていた。

 

夕張「失礼な」ヒソヒソ・・・

 

衣笠「青葉は放っておけないんだよ」ヒソヒソ・・・

 

不知火「そういう事ですか」ヒソヒソ・・・

 

健「えー、えーっと、青葉サン」

 

鳳翔「リングまだ渡してないですね」ヒソヒソ・・・

 

間宮「確かに」ヒソヒソ・・・

 

健「えー、えーと、服、トテモ似合ッテイルヨ」

 

青葉「ほんと?」

 

健は何かメモでも見て喋っているのか、朗読みたいな声が聞こえてきた。

 

健「エェ、アァ。トテモ可愛イゾ」

 

青葉「ああ本当?」

 

鳳翔「健君さっき、リング1番 高いの買ったんですよ」ヒソヒソ・・・

 

健「アァ。ぐれいっしゅぴんくノ髪ト、凄ク ヨク似合ッテイテ」

 

間宮「2つ、ペアリング、2つ」ヒソヒソ・・・

 

健「その何か・・・」

 

金剛「着けられるんデスヨネ?実際」ヒソヒソ・・・

 

健「その、肩ガ何カイイゾ」

 

間宮「あ〜どうだったかなぁ?」ヒソヒソ・・・

 

健「イイ感ジ!イイ感ジダゾ、アァ!」

 

香取「着けられるんですかアレ?」ヒソヒソ・・・

 

間宮「たぶん着けられる」ヒソヒソ・・・

 

漣「高いっすからね」ヒソヒソ・・・

 

何も考えていなかった健が、青葉へのプレゼントなど用意してないのは分かりきっていたので、健を誘拐して着替えさせた後、鳳翔と香取、間宮が付き添い指輪を買いに行っていた。

因みに、指輪代を払ったのは鳳翔達3人である。

 

青葉「そうなの あの・・・こんなに肩を出したドレスを着るのは少し緊張したの」

 

 

・・・・・・

 

その後も健の下手な褒め言葉と、謙遜する青葉の会話は続き・・・。

 

青葉「別にいいんだよ無理して褒めてくれなくても」

 

健「いや そんな事ないぞ!」

 

アークロイヤル「ムリして?」ヒソヒソ・・・

 

健「めちゃくちゃ似合っているね。笑顔がいいね」

 

鈴谷「記念に写真 撮っとこ」ヒソヒソ・・・

 

健「お洒落だね」

 

如月「撮りましょう撮りましょう」ヒソヒソ・・・

 

隠れてるのを いい事に、艦娘達が隠し撮りを始めてしまった。

それに気付かない健は・・・

 

健「優しいね、気が利くね、頑張っているね、一緒に居て とても楽しいよ青葉さん」

 

ずっと青葉を褒め千切っていたのだが、それを聞いていた艦娘達は笑ってしまっていた。

 

神通「全部 言ってる」ヒソヒソ・・・

 

那智「応酬が・・・」ヒソヒソ・・・

 

神通「全部 言ってる」ヒソヒソ・・・

 

そして当事者である青葉は、褒められ過ぎて恥ずかしくなり、しどろもどろになっていた。

 

青葉「あの、だ、だ、大丈夫だよ、そんなに、ね、ねぇ あの・・・健君も似合ってるよ、その服///////」

 

健「ほんとかい!?」

 

霧島「堅苦しいカップル」ヒソヒソ・・・

 

続けて青葉が健の服を褒めていたようなのだが、艦娘達には聞き取れなかった。

 

健「そ、そうなんだよ僕も、そ、そうなんだよ、そ、そうなんだよ、僕も・・・そう」

 

日向「落ち着け」ヒソヒソ・・・

 

青葉「その、肩に、付いてるのは・・・」

 

見れば、いつの間にか健の肩に、小さな人形が乗っていた。

 

健「あぁ、これは・・・Virtual(バーチャル)アオバ」

 

それは、青葉の髪色と同じグレイッシュピンクの色をした、ウサギの ぬいぐるみだった。

健の肩に ぬいぐるみが乗ってる意味不明な状況に、艦娘達は声に出して大笑いしそうになり、慌てて自分の口を手で塞いだ。

 

大井「気持ちわる」ヒソヒソ・・・

 

最上「気持ちわる!」ヒソヒソ・・・

 

千代田「気持ちわる・・・!」ヒソヒソ・・・

 

健「いつも、青葉さんが居ない時は、この青葉に語り掛けて、いるんだ」

 

愛宕「それは気持ち悪い・・・!」ヒソヒソ・・・

 

健「ところで、僕達・・・」

 

青葉「ところで?」

 

健「1周年だね」

 

やっと言ったぞ このバカ彼氏。

不意打ちだったため、まさか健から言ってくるとは思わず、青葉は また しどろもどろになった。

 

大淀「ところで?ところで!?」ヒソヒソ・・・

 

川内「本題に入った」ヒソヒソ・・・

 

健「青葉さんは忘れてたのか?」

 

青葉「いや・・・そんな事ないよ。覚えてるに決まってるじゃない///////」

 

健「あぁ、そうだよね」

 

青葉「健君こそ、覚えててくれたってこと?」

 

健「・・・ったりめーだろ」

 

急にイケボで、どっかの名探偵みたいな台詞を吐くので、艦娘達は意味が分からず笑ってしまった。

 

五十鈴「カッコ付けた!」ヒソヒソ・・・

 

青葉「あ、そ、そうなの・・・」

 

龍驤「青葉も困っとるやんけ」ヒソヒソ・・・

 

那智「情緒不安定か」ヒソヒソ・・・

 

青葉「そうだね、良かった。てっきり忘れているのかなーって思って中々 言い出せなかったんだけど。ほんとに覚えていてくれたの?」

 

健「チッチッチッチッチッ、この僕が、忘れる訳ねぇだろ。青葉さん」

 

千歳「イケボ。急にイケボ」ヒソヒソ・・・

 

翔鶴「急に、何で急に・・・」ヒソヒソ・・・

 

青葉と健は何かを喋っていたのだが、艦娘達がヒソヒソと喋っていたせいで また聞き取れなかった。

 

健「あぁ、やっぱり、こういう、いい日には、いい感じで行こうと思って、いい感じモードだ」

 

由良「いい感じモード!?」ヒソヒソ・・・

 

何を言ってるんだと、盗み聞きする艦娘達には理解不能だった。

 

健「いい感じ、タケールだ」

 

青葉「ぁ、まぁ・・・そうだね、じゃあ、折角、こんな いいレストランに、えっと・・・」

 

健「あぁ」

 

青葉「来れ、た、事だし・・・」

 

健「あぁ、これも僕がセッティングした」

 

菊月「嘘だろ」

 

長波「いや嘘だろ。陸奥さんだろ、おい。陸奥さんだろ!」

 

この嘘は許せなかったので、艦娘達は隠れてるのに普通の声で注意した。

 

健「あぁ〜嘘だぁ〜、ごめぇ〜ん、嘘 吐いた ごめぇ〜ん!」

 

思いっきりバラされたので、健は泣きそうな声で自白し、罪を認めた。

 

青葉「怒ってない!怒ってない!」

 

健「うぅぅぅぅ、嘘 吐いて ごめぇん!」

 

青葉「怒ってない!」

 

健「怒らないでぇ〜!」

 

加賀「情緒が」ヒソヒソ・・・

 

陸奥「マジで おかしい」ヒソヒソ・・・

 

加賀「情緒が おかしい」ヒソヒソ・・・

 

陸奥「おかしいって。狂ってる」ヒソヒソ・・・

 

カッコ付けたり喚いたり忙しい健に、艦娘達は爆笑しそうなのを必死に堪えながら床を叩いた。

 

青葉「もう1度 乾杯しましょう」

 

健「あぁ、そうだね。改めて!1周年を じゃあ、祝して」

 

改めて乾杯し、赤ワインを飲んだ青葉と健は、深く息を吐き出した。

そのタイミングで、夕張のスマホにステフからの着信が入った。

 

夕張「おはようございます」ヒソヒソ・・・

 

ステフ『何で元気ないの?!』

 

ヒソヒソ声が元気のない声に聞こえたらしく、ステフから問い詰められた。

 

夕張「誰か説明して」ヒソヒソ・・・

 

ホノルル「OK了解」ヒソヒソ・・・

 

健「ちょっと もう、消費カロリーがね、リ◯グフィ◯ト、1時間分だね」

 

食事してカロリーは摂取してるはずだが、テンパり過ぎて疲れていた。

 

健「うーん・・・」

 

青葉「相当なカロリー消費だね」

 

雪風「いや頑張ってますよ、健さんカッコいい、自信 持って」ヒソヒソ・・・

 

健「色々あったね、1年間」

 

高雄「いいよ いいよ、いいよ いいよ」ヒソヒソ・・・

 

青葉「色々・・・」

 

健「あったなー!」

 

青葉「あったね、あったね、あったね!そういえば、そうだね」

 

大してデートらしい事もしてこず、思い出も少ないため、実は言うほど何もない。

 

 

・・・・・・

 

それから しばらく時間が経過し、レストランの出入り口が開いた。

艦娘達が そちらの方を見ると、全員 笑った。変装のつもりなのか、刹那は どこかの ご当地キャラの着ぐるみを着て堂々と歩き、呉提督はオリーブ財団の特殊部隊の格好で、匍匐前進しながら入店した。

恐らく呉提督と刹那は、青葉と健のデートを邪魔しないよう目立たないようにと思って この格好をしてるのだろうが、逆に悪目立ちしていた。

 

摩耶「忍ぶつもりない・・・!」ヒソヒソ・・・

 

天龍「忍んでくれ・・・!」ヒソヒソ・・・

 

 

・・・・・・

 

夕張「来た来た」ヒソヒソ・・・

 

ホノルル「来た?」ヒソヒソ・・・

 

プリンツ「ステフ来た」ヒソヒソ・・・

 

そこから更に遅れてステフが到着したのだが、彼女は いつものスーツ姿で、ちゃんと空気を読んで身を屈めながら入店してきた。さすが諜報機関の本部長である。

 

初雪「そこ隠れて・・・」

 

 

・・・・・・

 

野次馬も揃い、しばらく青葉と健を見守っていると、2人は酒も入ったからか話も盛り上がり、その後は これまでの自分達について話してる様子だった。

 

健「いやいやアレは、Joking joking(ジョーキング ジョーキング)it's joking(イッツ ジョーキング) !」

 

刹那「ちょっとムカつくな・・・」ボソッ・・・

 

五十鈴「“ムカつく”とか言うな」ヒソヒソ・・・

 

青葉「ちょっと、こう・・・青葉の中では、別れた方がいいのかなって、思った事もあるの」

 

健「青葉さん!!僕と別れた方がいいなんて、思ってたの!?うぇーはっはっはぁ〜!!うぅ〜・・・」

 

健が悲しみの奇声を上げ、後から来たステフ達も、艦娘達のように笑いそうになっていた。

 

ステフ「情緒」ヒソヒソ・・・

 

呉「情緒が おかしい」ヒソヒソ・・・

 

刹那「情緒 滅茶苦茶」ヒソヒソ・・・

 

健「ヒッヒッフー!ヒッヒッフー!って これはラマーズ法やないかーい!」

 

呉「今日のテンション ヤバッ!?」ヒソヒソ・・・

 

刹那「ヤァバァいぃ」ヒソヒソ・・・

 

この先行きが心配になるデート、後編に続く!




健には もっと落ち着いて、頑張ってもらいたいものですね。
こんなのでも見守ってあげてください。

次回も宜しく お願い致します!
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