Devil May Cry鎮守府   作:しゅんしゅん@よし

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感想ありがとうございます!

今回は498話の最後に直接 関わる お話で、急展開となります。

502話です!どうぞ!


Mission502 記事〜暴かれた正体〜

*Devil May Cry鎮守府 正面ゲート 12月9日 10:22*

 

この日、鎮守府の正面ゲートの前に市民が押し寄せ、暴動が起きていた。

正面ゲートの門は完全に閉じられており、これは鎮守府の面々の安全を守る意味もあるが、市民が軍事施設に入り、事故に繋がるのを防ぐためでもある。

正面ゲートの門や敷地を囲む壁には落書きがされ、物を投げ付けられ、鎮守府に向かって市民が罵声を浴びせている。

門の裏で警備をする憲兵隊は、その罵声を聞きながら暗い表情をしていた。

 

3号「とんでもねぇ事になっちまった・・・」

 

22号「なぁ、あの記事 本当なのか?」

 

2号「俺達は軍人だ。自分の任務に集中しろ」

 

 

*執務室*

 

執務室ではダンテとネロ、バージル、トリッシュ、ルシア、モリソン、ニコ、加賀、鳳翔、大淀が居たのだが、艦娘3人も どうしたものかと頭を悩ませていた。その理由は、今朝 発売された週刊誌に、ダンテとネロが悪魔であると証明する記事が載っていたからだ。

しかも大本営からは待機を命じられ、出撃や遠征など、一切の行動を制限され、外に出る事も許されなかった。

 

大淀「どうして こんな物が急に・・・」

 

ネロ「すまない、俺達のせいだ・・・」

 

加賀「提督やネロのせいじゃないわ」

 

ダンテとネロも、魔人化を使うのは ここぞという時だ。そんな時は決まって、市民を避難誘導して誰も居ない時か、信用できる者達の前でしか使わない。

しかし、まさかリークするような者に見られていたとは・・・。香取に正体がバレた時も、このような状況の心配はしていたが、結局は何事もなく、これまでも何もなかったため、完全に油断していた。

 

 

*大本営*

 

今回の騒動を すぐに知った大将は、Devil May Cry鎮守府へ向かおうと大本営の通路を歩いていた。

しかし それを見越していたように、目の前に元帥が現れ道を塞いだ。

 

元帥「どこに行くつもりだ?」

 

大将「・・・少し野暮用を思い出しましてな」

 

元帥「惚けるな。Devil May Cry鎮守府に行くつもりだろ」

 

大将「分かっているのなら、なぜ訊くのです?」

 

元帥「お前こそ どういうつもりだ?上層部から関係者は全員、Devil May Cry鎮守府への接触禁止令が通達されただろ」

 

Devil May Cry鎮守府と関わりがある海軍関係者は、上層部から接触を禁じられていた。そのため各鎮守府や基地、泊地の提督達も動けず、大将だけでなく彼らも もどかしさを感じていた。

しかも取り調べも受ける予定にもなっている。

 

大将「元帥も お分かりのはずだ。ダンテが悪魔であろうと、あの男が これまで海軍のために、艦娘のために、人類のために、してきた事を」

 

元帥「分かっている。だが何をしてきたかは関係ない。上層部も政府も、国民も、奴らが何なのかを考える。そこに共通するのは、悪魔への恐怖心だ」

 

ダンテが半分 悪魔である事を知る大将と、何も知らなかった元帥とでは、今回の騒動への反応や考えの違いが顕著に現れ、対立構造が生まれてしまった。

大将は この状況からダンテ達を助けるつもりで動こうとするが、元帥は何が何でも その行動を阻止しようとする姿勢を崩さない。

 

大将「元帥、あなたも他の者達と同じだ。上辺ばかり見て、ダンテ達(あいつら)の本質を見ようとしない。あいつらは、人類の敵などではありません」

 

元帥「口を慎め。敵か どうかは、上層部や政府が決める事だ。我々も一介の軍人に過ぎないというのに、お前が行って何ができる?」

 

大将「何ができるかは私にも分かりません。だが私も老いた。しかし こんな時こそ、ただ退役を待つだけの老兵が一肌 脱がず、何とします?私は行きます。失礼」

 

大将は歩き出そうとしたが、元帥が右手を挙げて合図を出すと、大将が海軍兵に囲まれ、銃口を向けられ足を止める事になった。

 

大将「・・・何のつもりです?」

 

元帥「命令に背くなら、拘束するしかあるまい」

 

大将は手錠を掛けられ、海軍兵達の手で どこかに連行されそうになる。

大将は抵抗もせず歩き出すが、元帥の横を通る時に足を止めた。

 

大将「あなたには失望しました」

 

元帥「できる事なら、私もダンテを信じたい。しかし軍人である以上、命令は絶対なのだ。分かってくれ・・・」

 

大将「理解はできます。私も軍人なのですから。ですが納得はできませんな」

 

元帥「・・・連れていけ」

 

大将は連行されていき、残された元帥は俯き立ち尽くしていた。ダンテ達の正体を暴露する記事も含め、こんな事になってしまった事を元帥も残念に思っていた。

 

 

・・・・・・

 

*Devil May Cry鎮守府 軍港 12月10日 8:23*

 

翌日、鎮守府に所属する海外艦の艦娘全員が、最低限の荷物を持って軍港に集まっていた。

ダンテや日本艦の艦娘達は、それを見送る形で一緒に居た。

 

アイオワ「ダーリン、離れたくない!」

 

ビスマルク「何で私達が鎮守府から離れなきゃいけないのよ?!」

 

プリンツ「ビスマルク姉さま、そう言いましても・・・」

 

鎮守府に所属していた海外艦の艦娘は全員、祖国からオリーブ財団経由で帰還命令が出され、それぞれの国に戻らなくてはならなくなったのだ。

 

サラ「提督・・・」

 

ダンテ「世話になったな。元気でな」

 

アイオワ「嫌だぁ〜〜〜!!!」

 

サウスダコタ「仕方ないだろ、行くぞ」

 

アイオワ「Nо〜〜〜!!!」

 

ビスマルク「だから何で祖国から帰還命令が出るのよ!私は戻らないわよ!」

 

グラーフ「提督、また会おう」

 

ダンテ「あぁ、また どこかでな」

 

レーベ「座り込んじゃった」

 

グラーフ「ビスマルク、立て!さっさと来い!」

 

ウォースパイト「バージル・・・また、会えるといいわね・・・」

 

バージル「達者でな」

 

ウォースパイト「バージル、その・・・しばらく会えなくなるから・・・///////」

 

間宮「なっ・・・!?」

 

ウォースパイトは そこで言葉を区切ると目を瞑り、口を突き出した。キスを求めている。

それを見て間宮が絶句し、ウォースパイトを止めようとするが、他のイギリス艦達に邪魔され、ウォースパイトに近付けなくなる。

ウォースパイトは ずっとキス顔でバージルを待っていたが、いつまでも口に触れられる事がなく、痺れを切らして目を開けると、目の前からバージルが消えていた。

ウォースパイトは辺りをキョロキョロと見回すと、軍港から立ち去っていくバージルの背中が見えた。

 

ウォースパイト「ちょっとバージル!?」

 

思い通りにならなかったウォースパイトを見て、間宮は勝ち誇ったような笑みを浮かべており、その顔を見たウォースパイトは間宮を睨み、その顔を見た間宮もウォースパイトを睨んだ。

 

アークロイヤル「ウォースパイト、バージルの事は もう諦めろ」

 

シェフィールド「私達も帰りましょうか」

 

ウォースパイト「何でなのよー!!バージルゥウウウウウ!!!!!間宮も そのムカつく顔やめなさいよ!」

 

ポーラ「それじゃあ、ポーラ達も そろそろ行きますね〜」

 

ローマ「お世話になりました」

 

愚図る者を引っ張りながら、海外艦の艦娘達は海へと飛び出し、鎮守府から去っていってしまった。

それを日本艦の艦娘は、名残り惜しそうな顔で、海外艦の艦娘達が見えなくなるまで見ていた。

 

北上「また、私達だけになっちゃったね」

 

大井「鎮守府も狭くなってましたから、これで少しはスッキリするというものですよ」

 

多摩「強がるんじゃないにゃ。大井だって本当は寂しいと思ってるにゃ」

 

大井「私は、別に・・・」

 

鈴谷「これから、どうなっちゃうんだろうね?鈴谷達・・・」

 

ダンテ「なるようにしかならねぇよ。戻るぞ」

 

艦娘達とは違い、ダンテは気丈な振る舞いで本館に戻っていき、艦娘達は暗い表情のまま、重い足取りで遅れて解散するのだった。

 

 

・・・・・・

 

*執務室 21:00*

 

夜、執務室にはダンテ1人だけで居た。

目を瞑りながら執務椅子に座り、手を頭の後ろで組んで、静かに時間だけが経過していた。

そこに、執務室の扉がノックされる音がし、ダンテは目を開けた。

 

ダンテ「・・・開いてる」

 

ダンテからの許可を得て、ノックした者が執務室の扉を開けると、入ってきたのは鳳翔だった。

 

鳳翔「失礼しますね」

 

ダンテ「お前が わざわざ1人で来たって事は、いい話じゃなさそうだ」

 

鳳翔「人を厄介者みたいに言うのは やめてください」

 

ダンテ「だが いい話じゃないんだろ?」

 

鳳翔「まぁ、それは そうですけど・・・」

 

鳳翔は改まって、ちゃんと話がしたいと申し出て、ダンテは真剣に話を聞くため、ソファーの方へ移った。

 

ダンテ「で、話ってのは?」

 

鳳翔「以前、ネロさんが提督代理をしていた時にも話していたのですが、もしもの時は、鎮守府から逃げてください」

 

ダンテ「・・・逃げる?」

 

鳳翔「今回は、今までのトラブルとは訳が違います。これまでは、トラブルの元凶となる存在だけに対処すれば済みました」

 

いま思えば、これまでDevil May Cry鎮守府の面々がトラブルに巻き込まれたり、自ら首を突っ込んだ時は、トラブルの元凶となる悪意ある存在、悪魔や深海棲艦、犯罪者を討てば解決する、単純明快な話だった。

 

鳳翔「しかし今回は、世間を相手にしなくてはいけません。このタイミングで海外艦の娘達に帰還命令が出たのも考えると、日本だけでなく世界中で、提督やネロさんが悪魔だと知れ渡った可能性があります。それは つまり、世界中の人間を相手にする事になるという事にもなります」

 

ダンテ「1人残らず全員から嫌われるような事をしたつもりはないんだけどな」

 

ダンテ達が悪魔でもあると知ってる者は、僅かだが確かに居る。知っていながらも、排除しようとしたり、距離を置いたりしない者達が居る事から、そういう意味では人間全てが敵になる訳ではないだろう。しかし、ダンテ達の正体を知らなかった者の方が圧倒的に多いのだ。

今の この世界では、悪魔は神話や お伽噺に出てくる架空の存在ではなく、現実に存在して混乱に陥れる恐怖の象徴となっている。記事で正体が暴かれた今、その世界中の人々の恐怖が、ダンテ達を対象に一方向へ向かう事になる。その流れを変えるには、世界中の人々の意識を変える必要があるが、そう簡単な話でもない。

 

鳳翔「海軍にも、世間のヘイトが向くでしょう。世界各国からも、日本という国に対してヘイトが向くでしょう。そうなれば、海軍は組織を守るため、国は国を守るために、提督達や私達 艦娘に対して、何か行動を起こすはずです」

 

考えられる事となると、ダンテ達を拘束し、世間が安心できるよう処刑しようとするか、人間にとって謎の多い悪魔を解明するために、研究素材にされたりする可能性もある。

艦娘達も、ダンテ達の正体を知っていたのかと尋問されるだろう。責任を取らされ、解体だって考えられる。

 

ダンテ「だから逃げろって?」

 

鳳翔「もしもの時は、私は あなたを裏切るつもりです」

 

ダンテ「・・・・・・・・・」

 

鳳翔の裏切り宣言に、彼女を見るダンテの目が鋭くなった。だが それは、鳳翔の言葉を不快に思い、怒ったからではない。鳳翔の真意を確かめようとしてだ。

 

鳳翔「今の私達には、この状況を変える手段もなければ、方法も思い付きません。ですが私達は、解体される訳にはいきません。深海棲艦から、全ての海の制海権を取り戻すという悲願も、何も成し遂げられていない」

 

ダンテ「自分達のために、俺達を売るつもりって事か」

 

鳳翔「いいえ、あなたのためでもあるんです」

 

ダンテ「何・・・?どういう意味だ?」

 

鳳翔「きっと逃げた先で、提督達は孤立します。そんな時に私達が解体されてしまえば、誰が あなた達を陰ながらサポートできるんですか?」

 

鳳翔の真意を理解したダンテは、鼻で笑った。

要は、この状況を打開する手段や方法が見付かるまで、互いに生き残るための一芝居を打とうという話だった。

表向きにはダンテ達を裏切る振りをして、裏では手助けしようとするのは、今の状況では海軍への、人間達への最大の裏切りとも言える。そんな事を考える鳳翔に、ダンテは大きく出たものだと呆れた笑みを浮かべた。

 

ダンテ「いつから そんな策士になったんだ?」

 

鳳翔「私は皆の お母さんですからね。子を護るためなら、少しぐらいズルくもなってみせます」

 

ダンテ「少し処の話じゃ・・・ん?」

 

話の途中で、鳳翔の言った“皆のお母さん”と、“子を護るためなら”という言葉が引っ掛かり、ダンテの言葉が途切れた。

そして その言葉の中に、自分も含まれてると気付いたダンテは、ウンザリした様子で溜め息を吐いた。

 

ダンテ「また お前は・・・いつになったら俺は子供扱いされなくなるんだ?」

 

鳳翔「もうちょっと自分の置かれた状況を真剣に考えてくれるようになったら、ですかね」

 

ダンテ「考えて どうにかなるなら俺だって そうしてる」

 

鳳翔「はいはい♪」

 

馬鹿な事を言う息子の言い訳を聞き流す母のような態度を取る鳳翔に、ダンテは また溜め息を吐いた。

穏やかな時間のように見えたが、ダンテが突然ソファーから立ち上がった事で、それは終わりを告げた。

 

鳳翔「・・・・・・提督?」

 

ダンテ「・・・・・・・・・」

 

そして鎮守府内の、別の場所に居たネロとバージル、トリッシュ、ルシアも、ダンテと同じ瞬間に何かに気付き、動きを止めていた。

 

 

*正面ゲート*

 

正面ゲートの外では、夜になっても市民は帰らず、相変わらずデモを続けていた。

その後ろから、ガラガラと音を鳴らす何かが近付いてきていた。市民が振り返ると、日本陸軍の部隊が戦車と共に現れた。

陸軍は即座に市民を追い払うと、戦車の1台が正面ゲートに砲撃し、門を吹き飛ばした。

日本政府は、ダンテ達デビルハンターを敵である悪魔と認め、拘束または排除するため、陸軍を派遣して武力行使に出る事を決めた。

正面ゲートから陸軍が雪崩込み、警備で近くに居た憲兵隊は銃口を向けられ、両手を挙げて大人しく投降した。

 

 

*軍港*

 

一方 軍港では、既に艦娘達が行動に移していた。

艦娘達は、今晩にでもダンテ達を逃がすよう鳳翔に言われ、食料などの必要な物資をアマ・デトワール号へ運び込んでいた。

 

加賀「時間がないわ!急ぐのよ!」

 

そこに、駆逐艦達に連れられて、ネロとバージル、トリッシュ、ルシア、モリソン、ニコも軍港に来た。

 

ネロ「おいおい、皆なにやってるんだ!?」

 

加賀「ネロ、あなた達を ここから逃がす」

 

ネロ「逃がす?逃がすって どういう事だよ?」

 

そこに遅れて、ダンテと鳳翔も現れた。

 

トリッシュ「ダンテ、どうなってるの?艦娘達が私達を逃がすって言って・・・」

 

ダンテ「聞いた通りだ。準備しろ」

 

ダンテは さっさとアマ・デトワール号に乗り込もうと歩を進めるが、理解も納得もできないネロは彼の肩を掴んだ。

 

ネロ「どういう事だよ?!こんな時に逃げるなんて!」

 

ダンテ「艦娘達(こいつら)のためだ!」

 

ネロ「・・・・・・・・・」

 

ダンテ「俺達と一緒に居れば、艦娘達(こいつら)も一緒に罪に問われる。分かったら準備しろ」

 

ネロ「・・・・・・何なんだよ、それ・・・」

 

ニコ「ちょ、私のバンは!?」

 

天龍「もうバンまで載せてる時間ねぇよ!諦めろ!」

 

ニコ「私の作業場でもあるんだぞ!」

 

五十鈴「アマ・デトワール号が今日から作業場だから、それで我慢して!」

 

ニコ「いや工具とか置きっぱ!」

 

夕張「持ってきてあげてるから!ほら これ持って乗って乗って乗って!」

 

纏められた工具や材料一式を持たされたニコは、背中を押されながらアマ・デトワール号に乗せられた。

 

間宮「バージルさん、時間もなかったので大層な物は作れませんでしたが、お弁当 用意しておきました。皆で食べてください」

 

バージル「お前には世話になった。感謝している」

 

まさかバージルから礼を言われるとは思わず、間宮は驚いた表情をしたが、すぐに笑みを浮かべた。

 

間宮「私も・・・バージルさんに助けられた時がありました。ありがとうございます・・・」

 

バージルは それ以上は何も言わず、間宮から受け取った弁当を手にアマ・デトワール号へ乗り込んだ。

ネロとトリッシュ、ルシア、モリソンも、それぞれ艦娘達と言葉を交わしてからアマ・デトワール号に乗り込む。

そしてダンテとアカギ、ほっぽは、艦娘達と向き合いながら沈黙していた。

 

加賀「ダンテ提督に、敬礼!」

 

加賀の号令と共に、艦娘達がダンテに敬礼した。それには これまでの感謝や、最後まで一緒に行けない事への謝罪など、様々な意味が込められていた。

 

アカギ『ワタシタチモ イッショダ。だんてノコトハ マカセロ

 

ほっぽ『マカセロー

 

深海棲艦であるアカギと ほっぽも、この状況で このまま鎮守府に残る訳にもいかないため、ダンテ達と一緒に行く事になっていた。

 

ダンテ「あとは任せる」

 

それだけ言い残し、ダンテもアカギと ほっぽを伴いアマ・デトワール号に乗り込んだ。

敬礼したまま艦娘達が見守る中、すぐに帆が下り、アマ・デトワール号が出港して遠ざかっていく。

そこへ陸軍の部隊が現れ、艦娘達が包囲された。

艦娘達も憲兵隊と同じく抵抗する意思はなく、両手を挙げて大人しく投降した。

 

陸軍「悪魔は どこだ?」

 

加賀「逃げられました」

 

 

*鎮守府近海海域*

 

アマ・デトワール号が夜の海を駆ける中、ネロは船尾から、遠ざかっていく鎮守府を ずっと見詰めていた。

 

ネロ「何なんだよ畜生ぉおおおお!!!うわっ!?」

 

こんな事になってしまった事に納得できないネロが叫ぶが、突然アマ・デトワール号が大きく揺れた。

 

モリソン「おいおい、今度は何だ!?」

 

トリッシュ「ダンテ、あれ!」

 

ダンテ「どうやら、こっちの動きは読まれてたみたいだな」

 

見ると、右舷側から艦娘の大艦隊が接近してきており、それは横須賀艦隊と舞鶴艦隊、呉艦隊、佐世保艦隊、大湊艦隊、鹿屋艦隊、岩川艦隊からなり、アマ・デトワール号に向かって撃ってきていた。

日本海軍も政府の意向に従い、ダンテ達が海から逃げた場合に備え、拘束か排除のために、出撃命令が下っていた。

 

横須賀扶桑「どうして こんな事に・・・」

 

横須賀摩耶「人間が深海棲艦と戦えるなんて おかしいとは思ってたが・・・つまりは そういう事だろ?」

 

呉雲龍「五十鈴も、とんでもない所に転属したものね」

 

舞鶴漣「Devil May Cry鎮守府の ご主人様が・・・悪魔だったなんて・・・」

 

舞鶴の漣は、悪魔によって姉妹艦を喪っている。ダンテやネロが悪者とは思えなかったが、それでも悪魔だと知り、その胸中には複雑なものがあった。

 

ルシア「ダンテ、どうするの?!艦娘が相手じゃ、武器だって下手に使えない!」

 

ダンテ「轟沈させなきゃ一応 大丈夫だろ!」

 

バージル「逃げ切れるのか?!」

 

ダンテ「この船なら逃げ切れるが、こうバカみたいに撃たれてたら、下手に逃げ回る方が危ねぇ!」

 

トリッシュ「じゃあ どうする?!」

 

ダンテ「艤装を狙え!中破まで追い込んで機動力を奪うぞ!」

 

アマ・デトワール号の右舷側の大砲が砲撃し、艦娘の大艦隊を牽制する。

それによって生じた隙を狙い、ダンテとネロ、トリッシュは銃を撃ち、バージルは閻魔刀から斬撃を飛ばし、ルシアはダガーを投げる。5人の攻撃は見事に、艦娘達の足の艤装や兵装を破壊し、追撃不可能にする。

 

横須賀摩耶「おいおい!こんな一瞬で全員やられたのか!?」

 

まだ動ける艦娘も居たが、大多数が動けなくなった事と、ダンテ達の実力を考慮し、艦娘達は追跡を諦めた。

艦娘達の視線の先には、遠ざかり夜の闇に消えていくアマ・デトワール号だけが見えていた。

そんなアマ・デトワール号と艦娘達を、海上で1人で立つ鹿島が、離れた所から見ていた。

 

鹿島「結局は逃げるだけですか。随分と お粗末な結果ですね・・・・・・勿論、これで終わる訳ないですよね?提督さん。あなた達には、私が動かせる最強のポーンで居てもらわないといけないんですから」

 

チェスでポーンの駒は、最弱と思われがちだが、決して そうではない。ポーンは他の、キング以外の どんな駒にも変われる。勿論、チェスで最強と言われるクイーンの駒にもだ。

鹿島はダンテ達すら、自身が動かせる駒の1つと考えているが、チェスの駒に例えた その真意は いったい・・・?




次回も宜しく お願い致します!
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