Devil May Cry鎮守府   作:しゅんしゅん@よし

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しばらく投稿できず申し訳ありませんでした!
纏まった時間が取れなかったのと、かなり先の話まで執筆に集中していたもので、投稿できませんでした。

今回は若干コント臭が強い雰囲気ですが、今後の展開にも関わってくる重要な お話にもなります。

505話です!どうぞ!


Mission505 複製〜あきつ丸を救出せよ〜

*ロサンゼルス・ルーケンズ山 アメリカ時間 12月19日 1:08*

 

ダンテ達が姿を消してから数日後、Devil May Cry鎮守府に、別世界から来たというジョージから連絡が入った。

彼は自分と同じ世界から この世界に来た、平行世界のアーロンの行方を追い、Devil May Cry鎮守府から失踪した あきつ丸が監禁されてるラボを探していた。

そのラボの正確な位置が判明したと報告を受け、艦娘達と大将は あきつ丸を救い出すため、オリーブ財団名義で手配したバスに乗り、ロサンゼルスにあるルーケンズ山へと向かっていた。

合流ポイントに着いた一行はバスから降りると、ターバンを巻いて顔を隠すジョージが待っていた。

 

天龍「どこだジョージ?」

 

あきつ丸が どこに居るのか問うと、ジョージは何も言わず歩き出し、皆は その後ろを追従していく。

 

暁「ここ どこ・・・?」

 

衣笠「何かあった時のために、離れないようにしましょ」

 

この先に何が待ち受け、何が起こるのか不明なため、不測の事態に備え、艦娘達と大将は固まって動き、ジョージに付いていく。

すると突然ジョージが走り出し、艦娘達と大将から どんどん離れていく。

 

摩耶「ジョージが走り始めたぞ!」

 

長波「どした どした!?」

 

鬼怒「急げ急げ急げ急げ!」

 

長門「見失うな!」

 

驚きながらも、艦娘達と大将も走り、急ぎジョージを追う。

 

摩耶「あたしらのこと試してるのか?」

 

那珂「付いてこれる人だけ?」

 

那智「篩に掛けてるのかもしれない」

 

秋雲「ハンター試験」

 

深雪「ハンター試験だろ これ!」

 

などと勝手な事を言いながら走っていると、ジョージが小さな川の前で止まり、黙ったまま その川を見詰めて動かなくなった。

ジョージの その行動に、この川に何かあるのかと艦娘達は警戒する。

 

川内「え、何これ?何これ?」

 

陽炎「え、何か見えてる?」

 

ジョージ「これ“川”って言います」ヒソヒソ・・・

 

瑞鶴「ああ、川、うん、そうだね・・・」

 

特に何かある訳ではなかったらしく、艦娘達の質問に対し、川を“川”と呼ぶ事を教えられる結果に、彼女達は拍子抜けして笑ってしまった。

ジョージは また歩き出し、艦娘達も追従していくのだが、何故かジョージは川の中に入りながら、川に沿って山を登っていく。

 

木曾「どこに連れてく気だ?」

 

武蔵「この川は どこに続いてるんだ?」

 

天龍「確かに急な・・・急な川だな これ」

 

摩耶「あんま こっちの方 来ねぇからな」

 

龍驤「むっちゃ入っていくやん川」

 

大潮「そこ、大潮達も そこ歩く必要あります?」

 

ジョージ「勿論です」ヒソヒソ・・・

 

艦娘達は冬の川に入って冷たかったり、足元が濡れる事に文句を言いながらも、ジョージに従い全員 川の中に入りながら川に沿って歩く。

 

ジョージ「すみません、そういえば、事前に言ったと思うんですけど、ボンベって、持ってきました?」ヒソヒソ・・・

 

天龍「え・・・ボンベ持ってきてない俺!」

 

瑞鳳「バスにあるよ」

 

不知火「一応 私 持ってますね」

 

飛龍「私も一応ボンベ持ってる」

 

天龍「えっ!?」

 

ジョージ「私のボンベも誰か用意してもらえたりしますか?」ヒソヒソ・・・

 

深雪「持ってきてないのかよ」

 

漣「えっ、ボンベ持ってきてないよ!?」

 

木曾「お前、1回 突入したんじゃねぇのかよ?!」

 

何で1回 突入した奴が必需品 持ってきてないのかと、ジョージのグダグダな準備不足に艦娘達は呆れた。

 

比叡「取ってきますよ じゃあ!」

 

平行世界のアーロンのラボに入るには酸素ボンベが必要らしく、天龍など手ぶらで来た艦娘が大多数であるため、何人かが人数分の酸素ボンベを取りに、1度バスまで戻るため下山する。

 

摩耶「お前ー、ドローンか何かで調べた時に お前、水中に入るとかボンベ要るなって分かんなかったのかよ?」

 

ジョージ「いや何か・・・いいかなって。誰か持ってきてくれるかなって」ヒソヒソ・・・

 

漣「誰1人 持ってきてないよ あのボンベ!」

 

蒼龍「他力本願すぎる・・・!」

 

これから かなり重要な場所に行き、かなり重要な事をするはずなのに、ジョージの他力本願な姿勢に艦娘達は呆れて情けない気持ちになった。

こんな調子で、あきつ丸を救出できるのだろうか?

 

 

・・・・・・

 

酸素ボンベを取りに戻った何人かの艦娘達は、バスから酸素ボンベを降ろしていると、不思議な事が起こった。夜だった空が、突然 明るくなり昼になったのだ。

 

天龍「えぇーっ!?何!?何だ これ!?」

 

吹雪「眩しい!」

 

すると また、一瞬にして夜に戻った。

 

天龍「何だ これ!?おい・・・何だ これ!?」

 

如月「怖〜い!」

 

那珂「これ どういう事ですか霧島さん!?」

 

霧島「これ、多分、平行世界が融合されそうになってるから・・・」

 

白露「始まってる!」

 

那珂「おかしくなってるぅ・・・」

 

天龍「何だ これ?始まってんのかよ・・・」

 

 

・・・・・・

 

ジョージと共に残っていた艦娘達の元に戻り、全員が酸素ボンベを装備して再び山を進むと・・・。

 

皐月「何か明かり見える!」

 

長門「何だ あの明かりは!?」

 

那智「何だアレは!?」

 

天龍「何だアレ!?」

 

秋雲「何かある!」

 

巻雲「何これ〜!?」

 

明かりの方へ近付いていくと、そこには洞窟があった。

洞窟の中に入ると すぐ行き止まりになっており、地面には大きな水溜りがあった。

すると真っ先に、摩耶が飛び込み浮上してこなくなり、艦娘達が阿鼻叫喚となった。

 

漣「大丈夫!?」

 

水溜まりの下は深く、平行世界のアーロンのラボに行くには この中に入るしか道がなかった。

 

長波「だからボンベ必要だったんだ」

 

衣笠「ヤバい、摩耶が飛び込んでったけど真っ先に」

 

ジョージ「この水の中に入ったら、反対側で待機しといてください」ヒソヒソ・・・

 

不知火「迷わないですか?」

 

不安を抱きながらも、艦娘達は続々と水溜りの中に飛び込み、潜水艦と潜水空母は酸素ボンベは必要ないため、素潜りで飛び込んだ。

下へ下へと泳いでいくと、そこには人工的に造られた水路のような物があり、そこに入って道なりに進み浮上すると、広い空間に出た。その場所は、明らかに人工的に造られた場所だった。

 

北上「何ここ!?」

 

比叡「ほんとにあったんだ・・・」

 

満潮「何ここ〜・・・?」

 

まさか山の内部に巨大な施設があるとは思わず、艦娘達は驚くばかりだった。

ジョージが最後に来てから、艦娘達は謎の施設を調査するため、先に続いてる通路へと進むのだった。

 

 

・・・・・・

 

しばらく歩いてると、ジョージが口を開き何か喋った。

 

高雄「何ですかジョージさん?」

 

ジョージ「よく聞いてください。万が一なにかあったら、私の身に何かがあったら、先程 出てきた あの水の中に潜って、何とか生き延びてください」ヒソヒソ・・・

 

文月「え・・・」

 

摩耶「逃げろって事か」

 

ジョージの話から、そこまで ここが危険な場所なのかと、艦娘達の間で緊張が走り、何人かの艦娘は怖がった。

 

天龍「ジョージも狙われてるからか」

 

ジョージ「いま私は、とても大きな声で喋ってますから、アーロンに見付かる可能性が高いです」ヒソヒソ・・・

 

『・・・・・・・・・』

 

どう考えても艦娘達の声の方がデカいため、それには同意できず艦娘達は沈黙した。返す言葉が見付からない。

暗い通路を進んでると、吹き抜けになった場所に出て、通路は橋のように変わり続いていた。

 

川内「これ、下、見えないよ」

 

那珂「ほんとだ・・・」

 

黒潮「相当 深いんやね」

 

加賀「落ちたら一溜まりもないわ」

 

天龍「帰ってこれんのか・・・?」

 

愛宕「待って皆!」

 

比叡「奥に人が居る!」

 

『えっ!?』

 

自分達以外で こんな場所に居るなんて、艦娘達は何者かと警戒して咄嗟に立ち止まる。

 

鬼怒「奥に人!?」

 

天龍「誰だ あいつ?」

 

北上「武装してない?」

 

阿賀野「ほんとだ」

 

蒼龍「銃 向けてきてない?」

 

『え・・・え・・・?』

 

どんな人物が立ってるのか確認するため、艦娘達は双眼鏡で その人物を見るのだが・・・

 

青葉「何か《GA○TZ》みたいな格好した人 居るんですけど!」

 

双眼鏡で謎の人物の姿を確認しても、フルフェイスのヘルメットで顔も判別できず、結局 正体不明だった。

するとジョージが歩き出し、1人で謎の人物の方へ行ってしまう。

 

摩耶「あっ、ジョージ!」

 

漣「危ないよ!」

 

ジョージは謎の人物と話してるようで、話が終わったのか艦娘達に手招きした。

艦娘達は歩を進め、ジョージと謎の人物の所まで行く。

 

ジョージ「信じてください、彼は・・・私と同じ組織に所属していますから、今日は特別に、ここの中の施設に通してくれる、そして、今日 救いに来た あきつ丸を、解放してくれるとの事でしたので」ヒソヒソ・・・

 

それを聞き、艦娘達は やっと あきつ丸を助けられるという安心感と、早く会いたいという焦燥感を同時に抱いた。

ジョージと その仲間の案内で、ガラス張りの自動ドアを通ると、そこは何かの研究施設のようになっていた。

そして部屋の中心には、人型の獣のような化物が、台に拘束されて横になっていた。

 

秋雲「何これ!?」

 

衣笠「これ あきつ丸!?」

 

摩耶「顎 出過ぎだろ!」

 

『あきつ丸〜!/あきつ丸さ〜ん!』

 

あきつ丸が既に化物に改造され、手遅れだったのだと思い、艦娘達は全員 泣いて悲しんだ。

 

天龍「えっへぇ〜・・・」

 

天龍だけ悲しむのではなく、ドン引きしていた。

 

衣笠「何か鳴き声みたいなの聞こえない?」

 

『えっ?』

 

衣笠「何か鳴き声 聞こえない?こっちから」

 

摩耶「何だって?」

 

鳴き声とやらは衣笠だけしか聞いておらず、気のせいという結論に至った。

 

ジョージ「こちらへ どうぞ」ヒソヒソ・・・

 

ジョージの案内で隣の部屋に入ると、そこには沢山のモニターが置かれた、まるで監視室のような部屋があった。

 

長門「何だ ここは?」

 

武蔵「何を見てるんだ この部屋で?」

 

監視室のような部屋を通り抜けて奥の通路に出ると、左右に人間の姿に近い化物が入れられた、丸いカプセルが沢山 並んでいた。

しかも突き当たりには、3メートル級の化物が壁に磔にされていた。

 

『うわぁーっ!?』

 

酒匂「まだ居る!」

 

武蔵「こっちが あきつ丸なのか?」

 

天龍「何だ これ?」

 

摩耶「こっちは顎が出てない・・・」

 

大将「エイリアンか これは?」

 

如月「何ここ・・・?」

 

その場所を見渡してると、監視カメラを見付けた。

 

漣「見られてるじゃん!」

 

皐月「監視されてる!」

 

摩耶「後ろが大分、遅れてる」

 

龍田「後ろが まだ付いてきてない」

 

すると、まだ来ていなかった艦娘達がゾロゾロと通路の方に来た。

 

『きゃあああああ!?』

 

陽炎「あきつ丸さんは!?」

 

葛城「あれが あきつ丸!?」

 

龍驤「うちらの あきつ丸が!」

 

ここでも また、あきつ丸が既に化物に改造され、手遅れだったと思い、遅れて来た艦娘達が再び悲しむ。

 

ジョージ「大丈夫です。これは あきつ丸の複製体なので」ヒソヒソ・・・

 

『複製体!?』

 

摩耶「だとしたら下手クソだろ!」

 

あきつ丸の複製体にしては、似ても似つかない。

 

阿賀野「っていうか、もっと早く言ってくれない?」

 

青葉「涙と悲しむ時間 返してください!」

 

陸奥「あきつ丸、誘拐されて複製されてるってこと?」

 

ジョージ「一先ずは焼却処分予定らしいです」ヒソヒソ・・・

 

天龍「これ、全部 生きてんのか?」

 

摩耶「物資の輸送できないよ、これじゃあ絶対」

 

陽炎「そんな問題じゃないですよ摩耶さん!」

 

摩耶「あ、そっか そっか」

 

木曾「寧ろ輸送して こんな姿になった可能性も」

 

文月「だから腰 曲がってるの〜?」

 

望月「重いもんね」

 

艦娘達は磔にされた3メートル級の化物の方に近付くが、やはり他に道らしき物は見当たらない。

 

漣「でも行き止まりですよ」

 

武蔵「あきつ丸・・・あきつ丸、私だ。武蔵だ」

 

大和「“武蔵だ”じゃないでしょ!」

 

もし この化物が本当の あきつ丸だった時の場合を考え、武蔵は磔にされた化物に語り掛けるのだが、やはり化物から返事は返ってこなかった。

 

木曾「おい、ビン持ってきたのか?」

 

天龍「ビン持ってきた」

 

『ビン?』

 

天龍「いや あきつ丸が灰になってた時は、それに詰めて、家族に渡せってジョージに言われてたから」

 

加賀「どういう事よ!?」

 

あきつ丸が死んでる前提で知らない所で勝手に話が進んでたようで、それを知った艦娘の大多数から文句が噴出した。

 

木曾「大和さんに、ビン渡しといた方がいいんじゃないか?」

 

天龍「じゃあ、渡しとくね」

 

大和は嫌々ながらも、差し出されたビンを受け取った。

この流れだと、もし あきつ丸が灰になってた場合、ビンを持つ大和が あきつ丸をビン詰めする事になるだろう。そりゃ大和だって嫌々になる。

 

木曾「もう1個 部屋あったよな?あっち どうなってんだ?」

 

朝潮「何かありましたね」

 

大和「あきつ丸が灰になっちゃったよ〜・・・!」

 

加賀「なってない、まだなってない!」

 

武蔵「まだ死んでるか分かんないぞ」

 

ここに来る途中に、別の部屋があったのを思い出し、艦娘達は そこへ行くため引き返す。

台に拘束された化け物が居る部屋まで戻ると、衣笠に聞こえた何かが皆にも聞こえた。

 

不知火「こっちの奥から聞こえます」

 

夕立「ドンドコいってるっぽい!」

 

足柄「誰か居るの?」

 

飛龍「あきつ丸の声がする!」

 

別のガラス張りの自動ドアまで行くと、そこは開かなかったのだが、その向こう側から あきつ丸の声がハッキリと聞こえた。

 

あきつ丸「あの!ちょっと あの!」

 

大和「あきつ丸!」

 

自動ドアを挟んで見える部屋には あきつ丸の姿は見当たらないが、声が聞こえる事から確かに彼女は そこに居るようだ。

ドンドコ音がしてたのは、あきつ丸が金属の何かを叩く音だった。

 

妙高「鍵が掛かってて開かない!」

 

長月「行けない!」

 

加賀「誰か開けて!」

 

自動ドアを突破しようと、機銃を積んでる艦娘が掃射するのだが、艦娘の兵装を以てしても、自動ドアのガラスが割れる事はなかった。

 

北上「開かない?」

 

摩耶「クソッ、開かない」

 

あきつ丸「おーい!!」

 

天龍「あきつ丸が何か言ってるぞ」

 

武蔵「聞こえるか あきつ丸?!」

 

ジョージ「いま開ける方法 聞いてます」ヒソヒソ・・・

 

ジョージは仲間から、この自動ドアを開ける方法がないか話し合い、それを待ってる間、艦娘達と あきつ丸は扉を挟んで言葉を交わす。

 

あきつ丸「大和殿〜!」

 

大潮「“大和殿”って言ってます!」

 

大和「あきつ丸、大和よ!」

 

あきつ丸「アイオワ殿!」

 

あきつ丸がアイオワの名を呼んだ瞬間、艦娘達は爆笑した。

 

蒼龍「アイオワは居ない」

 

夕張「誰と間違えた!?」

 

ジョージと その仲間が、自動ドアのロックを解除すると、ドアが開いた。

やっと あきつ丸と直接 対面できると、艦娘達は喜びながら部屋へと入る。

 

天龍「えっ、まだ奥もあるぞ・・・」

 

左手側には奥へ続く場所があり、まるで刑務所の独房が並んでるかのように、左右に幾つもの金属製の扉があった。

 

漣「あきつ丸さん どこー?!どれに居るのー?!」

 

あきつ丸「ここでありまーす!」

 

奥の方へ向かっていくと、左手側の奥から2番目に あきつ丸が閉じ込められており、扉にある小さな窓から彼女の顔が見えた。

 

あきつ丸「閉じ込められてるでありまーす!」

 

摩耶「居る居る」

 

白雪「あきつ丸さん!」

 

大将「大丈夫か!?」

 

あきつ丸「早く開けてほしいであります!」

 

大和「あきつ丸〜!」

 

あきつ丸「開けてほしいであります、あの!」

 

大和「こんな所に ずっと・・・」

 

武蔵「いま開けてやるからな」

 

あきつ丸「何を皆 見てるでありますか?!」

 

夕張「パスコードが、掛かってて、開かない」

 

あきつ丸「自分は見世物でありますか?!」

 

摩耶「お前もう、たぶん灰になる、あきつ丸」

 

あきつ丸「どういう事でありますか!?」

 

夕張「あ、開いた」

 

明石「開いた・・・」

 

ジョージの仲間がパスコードのロックを解除し、あきつ丸が出てきやすいように艦娘達は1歩 後ろへ下がる。

 

吹雪「あきつ丸さん開きましたよ!」

 

あきつ丸「出れないであります!」

 

蒼龍「あきつ丸?」

 

比叡「あきつ丸?」

 

あきつ丸は扉を押して外に出ようとしたのだが、扉はビクともせず動かなかった。パスコードは解除したのは確かであるため、開くはずなのだが・・・。

そんな様子に、何をやってるんだと艦娘達は失笑した。

 

天龍「何やってんだ お前?」

 

あきつ丸「これ重いであります」

 

大将「これ内開きだぞ」

 

あきつ丸「内開きでありますか!」

 

“押して駄目なら引いてみろ”と言うが、まさに それだった。

外から摩耶が扉を押して開け、何も隔てる事なく直接あきつ丸と対面でき、艦娘達は大層 喜んだ。

 

あきつ「皆!何でありますか これは?!」

 

夕張「閉じ込められてたんだよ」

 

あきつ丸「どういう事でありますか?!」

 

摩耶「待て、待て、あきつ丸。いま何日だ?」

 

あきつ丸「今、えっと、1998年の・・・」

 

鈴谷「えっぐ・・・」

 

鳥海「前すぎて・・・」

 

鬼怒「どうしちゃった?」

 

扶桑「何人か建造されてない艦娘 居るわよ」

 

どうやら あきつ丸は、記憶が混乱しているようだ。

 

摩耶「待て あきつ丸、お前、深海運河の最終防衛線海域の後から見てないけど」

 

あきつ丸「その作戦は参加したであります。あれが1963年の・・・」

 

潮「え〜っ!?」

 

山城「違う違う違う違う違う」

 

天龍「全然ちげぇよ」

 

加賀「うちの鎮守府 発足してないわよ」

 

飛龍「何で更に遡った?」

 

注)作戦に参加したのは今年である。

 

あきつ丸「どういう事であります?どういう━━皆、そんなボンベを背負って何をやってるであります いったい?!揃いも揃って!」

 

大和「あきつ丸を救いに来たのよ」

 

あきつ丸「救いに来た?」

 

秋雲「ジョージさん、これ どういうこと?」

 

天龍「いや、だから━━」

 

ジョージ「彼女は私の世界のアーロンに囚われていた。恐らく この場所自体の、時空が歪んでるのでしょう」ヒソヒソ・・・

 

白露「どういうこと?」

 

天龍「俺達にとってはさ、いや俺達にとっては あきつ丸を8ヶ月 見てないけど、あきつ丸にとっては1日しか経ってない可能性あるぞ」

 

あきつ丸「分からない、全く分からないであります!」

 

ジョージの言う通り、この場所自体の時空が歪んでるのだとしたら、これまで艦娘達が過ごしてきた時間の流れと、ここに閉じ込められていた あきつ丸の時間の流れが違う可能性がある。そうなると、深海運河 最終防衛線海域での作戦から8ヶ月もの時が経っているが、あきつ丸にとっては昨日の話である事も有り得るのだ。

 

あきつ丸「目が覚めたら ここに居たであります。でも何か、せまい・・・“狭い膀胱”が始まったとか・・・」

 

明石「膀胱・・・?」

 

山城「膀胱が狭い・・・?」

 

あきつ丸「えっと、何でありましたかな・・・?狭い、“狭い膀胱”?が、始まったとか」

 

何を言ってるのか全く意味が分からず、艦娘達は苦笑いを浮かべた。

 

最上「狭い膀胱?」

 

川内「“世界融合”じゃなくて?」

 

摩耶「“世界融合”だろ」

 

阿武隈「“世界融合”のこと?」

 

あきつ丸「あえ・・・?」

 

武蔵「あきつ丸たぶん、もっと他にあったぞ」

 

聞き間違えるにしても、もっと他に何かあっただろうと、武蔵のツッコミに艦娘達は爆笑した。

笑い話は兎も角、囚われていた間の事を あきつ丸に問うと、彼女は酷く怯えた。

 

あきつ丸「うぅ〜、脳裏に過るであります・・・!他の人の、不気味な悲鳴が・・・。自分の脳ミソの中に残ってるであります・・・。とりあえず皆、助けに来てくれたでありますね」

 

『良かった〜!/良かったよ〜!』

 

漣「帰ろう」

 

あきつ丸「ありがとうございます、皆さん!」

 

吹雪「帰りましょう、あきつ丸さん」

 

あきつ丸「うん!帰るであります!」

 

摩耶「あ、ジョージが」

 

摩耶が後ろを振り返ると、ジョージと彼の仲間は一足 早く動き出し、その場を立ち去っていく。置いていかれても困るので、艦娘達は あきつ丸を救い出せた嬉しさを胸に、彼らに付いていく。

しかし、これで安心するのは まだ早い。あきつ丸が囚われる事になった元凶は、まだ残っているのだから。




次回も宜しく お願い致します!
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