510話です!どうぞ!
月へと到達したネロとアーロンは、そこにある遺跡に入り、5本の柱と初老の男を見付け、地球へと帰還するため連れて帰る。しかし その事は、ノヴァ側に知られていた。
白いネロは力を欲して暴走し、ノヴァへ襲い掛かると運命の魔石を奪い、姿を消してしまう。
そんな中、
ジェリーはデビルハンターと艦娘に危機が迫ってると警告し、健に月に関するメモや新聞の切り抜きを託す。
その後、ジェリーはビルから落ちて死に、健も鳥型悪魔に襲われてしまうのだった。
*海 アメリカ時間 1月13日14:28*
大気圏に突入し、ネロとアーロンを乗せたシャトルが海へ着水した。
深海棲艦のアカギと ほっぽが迎えに来る予定になっているため、ネロと老人の姿に戻ったアーロンは扉を開けて外を見ると、どういう訳かアメリカ海軍に囲まれていた。
アメリカ海軍が出動したのは、未確認の飛行物体が地球へ降ってくるのをレーダーで確認したからだった。その未確認の飛行物体は、ネロとアーロンが乗ったロケットであった。
その8日前には、宇宙へ飛び立つのもレーダーで捕捉されていた。
アメリカ海軍は、悪魔として世界的に指名手配されているネロが居ると知るや否や、兵装を向けて投降するよう警告してくる。
アーロン「ここは・・・大人しく従おう」
ネロ「何で こんな事に・・・」
戦い傷付ける訳にもいかず、ネロとアーロンは両手を挙げて抵抗しない意思を見せると、そのまま拘束されてしまった。
2人が乗っていたシャトルと柱、月で眠っていたセイファも一緒に回収され、アメリカへと行く事になるのだった。
そこから少し離れた海面から、アカギと ほっぽが顔を出した。
ほっぽ『・・・・・・ねろ・・・ツレテカレタ・・・』
アカギ『イソイデ モドロウ・・・だんてニ・・・ツタエナケレバ・・・』
その場で助ける事はせず、アカギと ほっぽは海中に潜り、ダンテ達に この事を伝えるため、急いで海底洞窟に戻るのだった。
・・・・・・
*ワシントンD.C. 保険社会福祉省 17:39*
アメリカ軍に投降したネロとアーロンは、その後ワシントンD.C.にある保険社会福祉省へ連行されていた。
ネロは隔離され閉じ込められ、アーロンは今、国家情報局長官であるシャルティア・ハンマリングから尋問を受けていた。
ハンマリング「アーロン監査」
アーロン「
ハンマリング「そうだったわね。あなたには訊きたい事が山程ある」
アーロン「・・・だろうね」
ハンマリング「宇宙計画と悪魔に関する物体の調査をしてたら、どこからか勝手にロケットが打ち上がり、その8日後、また勝手に地球に戻ってきた」
アーロン「ふむ・・・」
ハンマリング「しかも そのロケットに、今回の調査に関する秘密を知る当事者が乗っていた。悪魔として国際指名手配されてる人物と一緒に。どういう事か説明してちょうだい」
アーロン「・・・・・・説明とは?」
ハンマリング「あの柱は何?一緒に乗ってた昏睡状態の男は誰?どうして悪魔であるネロと一緒に居たのか」
アーロン「ああ〜、それが聞きたかったのか。柱は大昔、この世界で悪魔が のさばっていた時代のテクノロジー。彼は そのテクノロジーに関わる私の古い知り合い。ネロ君は、月から あの柱を回収するのを手伝ってもらうために来てもらった。以上だが これで満足かな?」
ハンマリング「・・・ふざけてるの?」
アーロン「ふざけてる?私が?君も国家情報局長官なら、既に理解してるはずだ。悪魔に関わるものは、全て現実だと」
ハンマリング「・・・・・・・・・」
・・・・・・
1度 家に戻った健は、青葉を連れて自分のオンボロ車へと乗り、どういう訳か保健社会福祉省へ来た。
青葉「どうしちゃったの!?」
健「一刻を争うんだ青葉さん、ビックリするだろうけど、落ち着いて。後で説明するから」
ゲートまで行くと、武装した警備に止められ健は車を止める。
すると警備が、ライトで青葉と健の顔を照らしながら近付いてくる。
健「緊急事態だ。ウィーラー大佐を呼んで、悪魔が動き出したんだ、ゲートを開けて」
警備「落ち着いて。ここは保険福祉局ですよ?」
健「そんなライフル持って?何の警備だよ?尿瓶?おまる?咳止めドロップ?その帽子なに?ナース用?足の匂い消しパウダーでも守ってんのか?」
青葉「健君」
健「何?」
青葉「ここ違うんじゃない?」
健「ここでいいんだ」
健は知っていた。海外艦が祖国へ帰投命令を受けた後、オリーブ財団が解体される前に、アメリカ艦が どこの所属になったのか調べていた。だからこそ健は、彼女達に助けを求めるために ここへ来た。
健「間違いない、ここだよ、アイオワさんと話したい、今すぐ呼んでくれ」
警備「お間違いでは?何の話やら」
健「だから悪魔だよ、分かんない?」
すると助手席側に立っていた警備が、健の車の天板を叩いた。
警備「おい!偉そうに喚くな」
健「叩くなよ!!これコレクターズ・アイテムだぞ!!」
車を叩いた警備に指を指しながら健が怒鳴り、顔の前に腕が来たのと怒鳴り声に、青葉は目を瞑りジッと動かず大人しくする。
直後、健はギアを入れ車を発進させ、保険社会福祉省の敷地に強行突入しようとする。
青葉「何する気!?」
警備「やめとけって」
それを見ても、警備の者達は誰1人として慌てる事はなく、ゲートの車止めが上がり、健は急ブレーキを掛ける。
更に地面から金属のポールが迫り上がり、車の後輪を浮かせる。これでは、バックで後ろに下がる事もできない。
警備「動いたら撃つぞ!降りろ!降りろ!」
車内で怒り狂う健は大声で ずっと奇声を上げ、近付いてきた警備に青葉は車から降ろされる。
警備「動くな!」
健「何だよ・・・!」
健も車から降ろされたが、彼が激しく抵抗する事で、警備と掴み合いになる。
青葉「やめて!」
健「ふざけんなよ・・・!」
青葉「健君、銃 持ってるんだよ!」
掴み合いの末、車のボンネットの上を健と警備が共に転がり、地面に落ちてからも互いに手を離さず、遂には健が取り押さえられてしまった。
警備「こちらは確保した!」
しかし健は、このまま捕まって終わるつもりはなかった。警備の持つ無線を奪い、スイッチを入れる。
健「ホノルルさん!ホノルルさん居るか?!」
しかし腕を固められた痛みで無線機から手を離してしまい、そのまま腕を拘束されそうになる。
健「分かった、分かった・・・!」
警備「立て!」
警備「自慢の乗り物は?」
警備が皮肉混じりに笑みを浮かべると、轟音と共に艤装を装着したホノルルが現れ、警備達に主砲を向けながら青葉と健から離れるよう警告する。
健「
健は先程の警備の皮肉に対し皮肉で返すが、艦艇だった頃なら まだしも、艦娘となった今のホノルルでは人は乗れない。おんぶか抱っこでもしてもらうか?
ホノルルが困った顔で健を見てると、健は苛立った様子で歩き始める。
健「来て、ホノルルさん。来てって」
ホノルル「ねぇ、健」
健「どうしたんだよ?秘密任務が大事なのは分かるし、責める気はないけど、みんな最近 全然 顔 出さないじゃないか。
ホノルル「健、そんな風に言われたら、こっちもヘコむじゃん」
健「は?少しはヘコめばいいんだ、こっちはオンボロ車でヘコみまくってるんだから」
警備「そこ2人、ウィーラー大佐が お呼びだ」
健「ごめんよ、失礼な連中で」
健は青葉の手を取り、手を繋ぎながら建物へと向かい、その時に青葉はホノルルに手を振り、ホノルルも苦笑いを浮かべながら手を振り返した。
健「車 直しといて。頼んだよ」
警備の人間に車を戻しておくよう頼み、青葉と健は建物の中へ入った。
・・・・・・
少しし、クリス・ウィーラーが建物のロビーに向かって歩いていた。
建物の出入口の方からは、金属探知機で身体検査を受ける健が文句を言う声が響いていた。
健「イカれたハゲタカに殺されそうになった人 居る?それメリケンサック。それはアンクレット、外せっての?足の指輪も?」
オリーブ財団の任務で面識のあるクリスが目の前まで来ると、健は知り合いに会えた事で落ち着きを取り戻し、静かになった。
・・・・・・
しばらくし、ハンマリングは国防総省から招いた者達に、ネロとアーロンが月から回収した柱と、謎の男の処遇を説明していた。
ハンマリング「月の遺跡に隠されていた5本の装置を入手しました。悪魔の重要なテクノロジーで、開発に関わったセイファは人間で言うところのアインシュタインです。処置が決まるまでは厳重に保管し、誰のアクセスも許可しません。絶対に」
その頃クリスは、青葉と健と歩きながら、今日 健の身に起きた事を、ジェリーのメモに目を通しながら話を聞いていた。
健「ワンは僕のこと知ってた。月の裏側が どうって言ってたせいで、消されたんだよ」
クリス「おい、月の事を言ってたって?」
健「そう、“
青葉「なぜ悪魔は人間を殺すんです?戦争してる相手はデビルハンターと艦娘でしょ?」
話しながら、3人は指令室へと向かった。
・・・・・・
ハンマリング「これはザッと作成したレポートですけど参考までに・・・・・・あの娘 誰?」
ハンマリングは指令室で、相変わらず国防総省の人間達と話していたのだが、同じく指令室でクリスと話す青葉と健を見て、言葉が止まった。
ハンマリングは話を中断し、すぐに3人の元へ近寄る。
ハンマリング「ちょっと、失礼!ウィーラー大佐」
クリス「ハンマリング長官。タケル・スギヤマです」
ハンマリング「名前は知ってます。誰の許しを得て ここに入れたの?」
健「誰って、アイオワさんです。彼女は僕と一緒に働いてたんだから」
クリス「こちらは国家情報局長官だ、因みに」
健「・・・どうも」
目の前に現れたハンマリングが、政府関係者の中でも高い位の人物だと知り、健の顔が固まる。
ハンマリング「役人への敬意がないわね。まったく、損するわよ。そちらは?」
健「僕の彼女」
紹介され、青葉は愛想のいい笑みを浮かべハンマリングと目を合わす。
ハンマリング「で、今日は何?デート?」
クリス「彼女は元艦娘で、身元は固い。Devil May Cry鎮守府の所属だったので、悪魔の事も知ってます」
健「ねぇ、提案があるんだけど、本題に戻らない?今日 僕は悪魔に顔を切られそうになったんだ。一納税者として政府の見解を聞きたいね」
クリス「あー、いえ、つまりですね、スギヤマの職場のエンジニアが殺されたんです、月面観測衛星の担当を」
ハンマリングはクリスが持っていたメモを奪い取ると、後ろに控えていた秘書に渡した。
ハンマリング「いいですか大佐?国家の機密をティーンエイジャーに託す訳にはいかないんです。規則が変わっていれば別だけど。変更があった?ない?結構」
ハンマリングは秘書に訊いたが、秘書は首を横に振り否定する。健もクリスも、口を挟む隙さえない。
ハンマリング「あなたが何者だろうと、ここで見た事を口外したら、反逆罪ですから。どう分かった?」
健「艦娘の指示なら聞くけど、あなたは知らない人だ」
ハンマリング「・・・直に分かる」
それは単に、ハンマリングの命令には従わないという健の確固たる意思であり、ハンマリングも それを理解したが、眉1つ動かす事はなかった。
・・・・・・
そして しばらくし、ハンマリングと部隊は、ネロとアーロンが連れ帰ったセイファを起こそうとし、アーロンに協力させていた。ネロが拘束されてしまっているため、アーロンは政府に従うしかなかった。
武装した部隊が取り囲む中、セイファは背凭れが倒れる椅子に横になっており、背凭れが ゆっくりと起き上がる。
クリスはハンマリングに説明するため、上の階で一緒に見守っていた。
クリス「どうやら仮死状態のようです」
アーロン「では始めるぞ」
アーロンは黄金に輝くゴールドオーブを取り出し、セイファに近付いていく。
クリス「ゴールドオーブです。あらゆる生命を復活させる事ができる、謎 多き物体」
青葉と健も隊員の見張り付きを条件に、アーロンがセイファを復活させようとする様子を一緒に見学していた。
アーロン「セイファ・・・どうか蘇ってくれ」
アーロンがセイファの胸にゴールドオーブを押し当てると、彼は目覚めたのだが、混乱してるのかアーロンを押し倒し、瞬時に双刃剣を手に取り刃をアーロンの首に押し当てる。
アーロン「よせ!」
クリス「待て、撃つな!」
無線で部隊に射撃を禁じ、クリスは急いで下の階に向かう。
アーロン「やめろセイファ!」
隊員「待機しろ!」
アーロン「やめろ!私だ!アーロンだ!大丈夫、もう安全だ。何も恐れる事はない。私が居る。よく戻った、セイファ。今の人間達は我々の味方だ」
アーロンの説得もあってか、セイファは自分が眠りに就く前の状況と違う事に気付き、徐々に落ち着いていき、アーロンの首から刃を引いて立ち上がると、周囲を見渡す。
セイファ「戦争は・・・戦争は?」
アーロン「戦争は最悪な結末となった。文明も滅び、3000万年の時が過ぎた」
セイファ「柱は、あの柱は どこへ行った?」
アーロン「あなたは5本 守った。コントローラーの柱もな」
セイファ「たったの5本だけか?何百本とあったのに」
ハンマリング「ちょっと失礼、訊いていい?どういうテクノロジーの柱なの?」
セイファ「世界を変える力を持った技術だ。柱を組み立て空間に橋を架ける。儂の設計だ、装置を使えるのは儂とアーロンのみ。物理の法則も飛び越え、時空を越えて物質を運べる」
ハンマリング「それって要するにテレポーテーション装置のような物?」
アーロン「そうだ、物資や避難する民を運べる」
ハンマリング「それだけじゃなく、軍隊や兵器なども運べるわよね?爆弾も。瞬時に攻撃を仕掛けられる。軍事用じゃないの?」
セイファ「アレは我らのテクノロジーだ。返してもらおう すぐに!」
ハンマリング「えぇ、人間がOKと言えばね。テレポーテーションで大量破壊兵器を持ち込まれたんじゃ敵わないわ。ちゃんと税関を通してちょうだい、手続きを踏むところが人間と動物の違いでしょ!」
セイファ「お前の見下すような態度は大目に見てやろう、今後 儂を重んじるならな。《スペース・ブリッジ》がある事を敵に知られてはいかん!奪われれば、その時、お前らの世界は滅びる」
・・・・・・
*国家情報局 21:39*
セイファの面倒は、クリスの部隊の見張り付きだが一旦アーロンに任せ、ハンマリングは青葉と健と話すため、2人を連れて国家情報局にある自分の執務室に来ていた。
ハンマリング「調査を開始させたわ、職場に捜査官を送った。もう帰っていい、護衛に艦娘を付ける」
ハンマリングとしては、このまま首を突っ込まず大人しくしておいてほしいがための処置だったのだが、健としてはオリーブ財団での日々が忘れられず、最後まで この件に関わりたいと考えていた。
健「あぁ、ねぇ、誰に話を通せばいい?僕だって力になれるよ。役に立てる。僕どうすればいい?職場に戻って、何か探る?それとも━━」
ハンマリング「この件はベテラン情報部員と特殊部隊が担当します。子供のスポーツカー遊びとは違うのよ」
青葉「失礼マダム、酷すぎません?」
ハンマリング「私はマダムじゃありません」
青葉「でも女性でしょ?」
青葉の切り返しが予想外だったのか、ハンマリングは感心した様子で青葉を見詰めた。
そんな中、このままでは艦娘達と一緒に仕事ができないため、健はハンマリングの執務室を見渡し、どうにか機嫌を取れそうな話題を探す。すると、壁に勲章が飾られてるのを見付けた。
健「ねぇ、アレあなたの?」
ハンマリング「えぇ、CIAよ」
健「実は僕もメダル貰ったんだ。大統領に」
ハンマリング「へぇ」
健は愛想のいい笑顔で話し、それに対しハンマリングも優しい笑みを浮かべるため、健は このまま自分の狙い通りの展開になると思った。しかし、ハンマリングは そこまで甘くはなかった。彼女は、健の思惑に気付いていた。
ハンマリング「そう、じゃあ もう1度ハッキリと言うわ。艦娘と仕事する許可を出すのは私、横槍を入れてもムダよ」
どう足掻いても艦娘達と一緒に仕事ができそうにないため、健は気落ちして俯いた。
青葉「帰りましょ?もう用は済んだから」
ハンマリング「これでも あなたの功績は、認めてるの。でも あなたは兵士じゃない、メッセンジャー。ただの使いっパシり」
青葉「・・・彼はヒーローよ」
・・・・・・
*街 22:27*
青葉は まだ仕事があるらしく、健は護衛のホノルルと共に先に自宅に戻った。
ホノルルは護衛任務のため、何もなくても艤装の兵装の点検をしている。
健「僕が使いっパシりだって、あの女。あれだけの事をやったのに」
ホノルル「分かる分かる。私達も全く同じ気持ち、侮辱もいいとこ、犯罪だよ」
健「ジッとしてらんないよ。ホノルルさん」
ホノルル「何?」
健「奴ら何故 人間を殺すの?」
悪魔からすれば、人間は下等な種族として見ており、取るに足らない存在と考えてる。そんな悪魔が、特定の人間を狙って殺してるのは疑問ではあった。しかし、ホノルルには その答えは分からない。
健「エキスパートに訊こう」
健が今 接触できて、映画や都市伝説のような展開に食い付き、危険の中でも自力で行動できる人物は1人しか居ない。そこで健は、日本に居る呉提督に連絡を取る事にした。
・・・・・・
*呉鎮守府 執務室 日本時間1月14日 12:48*
呉提督が食堂から執務室に戻ると、秘書艦である雲龍が書類仕事をしていた。
呉雲龍「提督、昼食に行ってる間に健から5回も電話が」
呉「健?・・・何かしら?」
呉提督は執務机に置きっ放しにしていたスマホを手に取り、折り返し電話を掛けた。
健『悪魔が戻ってきた、その理由が知りたいんだ』
呉「戻った・・・?勘弁してよ、財団は もう無くなったのよ。私だって海軍としての仕事があるし、あなたも一般人として生きる事にしたんでしょ?わざわざ首を突っ込む事ない」
健『あんたも知らない50年前の悪魔の秘密、知りたくない?』
呉「誘惑しないで、興味津々だけど。私は もう、縁を切ったの。雲龍、盗聴防止は?」ヒソヒソ・・・
呉雲龍「まだ」ヒソヒソ・・・
呉提督からスマホを受け取った雲龍は、通話を暗号化するための機械にセットする。
その間、盗聴されている前提で無関係を装うため、独り言で健からの誘いを拒絶する演技をする。
呉「やめておけ・・・今は ただの軍人。もう危険は冒すな。手を出すな。悪魔の囁きに負けるな」
呉雲龍「完了」
通話の暗号化が完了し、スマホは機械から外せないので、呉提督は無線で繋がったイヤホン型マイクを雲龍から受け取り、それを耳に装着する。
呉「で、何?秘密とは」
健『アポロ、月、悪魔、隠蔽、未来のテクノロジーと、暗殺』
呉「お〜、アポロ・・・」
呉提督のロマンを追い求める心に火が点き、彼はワシントンに行く準備を早速 始めるのだった。
・・・・・・
*ワシントンD.C. 街 アメリカ時間1月15日 9:15*
健が呉提督に電話をした33時間後の朝、呉提督が秘書艦の雲龍を連れて健の自宅に着いた。
健「こういう時だけ来るの早いね」
呉「悪魔に伝えなさい。
健「なに言ってんの?」
呉雲龍「気にしないでもらえれば・・・」
*荒野*
その頃 若い姿になったアーロンは、セイファを連れて車に乗り、3000万年前とは違う今の この世界を彼に見せようと、広大なアメリカにある荒野を走っていた。
車を停めて降りると、セイファは一面に広がる荒野を見渡し、アーロンは そんな彼を後ろから見守っていた。
セイファ「壮大で穏やかだな今の この世界は。我々の時代の最後と違って」
アーロン「ずっと気に掛かっていた。私達 王族の愚かな過ちで戦争を起こし、あなたにも迷惑を掛けた」
アーロンとセイファは、3000万年前の研究者仲間だった。そのため当時は、発明品で競うライバルでもあり、共に開発する良き友の間柄で、アーロンは王族で立場は上だったが、研究者としては対等な関係を築いていた。
セイファ「過去を嘆くな、若き王子よ。お前の お陰で我らが種族は生き残った」
アーロン「あなたは聡明な頭脳で、我ら王族を導いてくれた。そして私の師でもあった。再び あなたに教えを乞いたい」
セイファ「ここは儂の知らぬ世界だ。もう儂が お前を導く事はない。お前が導け」
月で眠りに就いていた3000万年前の人間セイファ。目覚めた今、彼は この世界に何を齎すのだろうか?
次回も宜しく お願い致します!