511話です!どうぞ!
月から戻ったネロとアーロンだったが、戻った途端にアメリカ軍に囲まれ、2人は拘束される。
ネロが隔離され、彼を人質に取られてるも同然のアーロンは、アメリカ政府に協力する事となり、月から連れ帰った3000万年前の男、セイファを目覚めさせる事になる。
職場で悪魔に襲われた
納得できない健は自力で今回の事件を調べるため、日本に居る呉提督に協力を仰ぐのだった。
*ワシントンD.C. 街 1月15日 11:45*
呉提督と彼の秘書艦である雲龍、ホノルル、健は、アポロ計画に関わる情報を集め、整理していた。
呉「この一連の事件を分析して。宇宙飛行士達が次々と死んでる。失踪、死亡、交通事故、死亡、事故死、交通事故、こいつら運転 下手なの?宇宙船は操縦するくせに」
すると自宅の戸がノックされ、健が防犯チェーンを掛けた玄関を開ける。そこに居たのは、健の今の職場であるアキュレッタ・システムズの、ブルース・ブラドスCEOだった。
職場で同僚のジェリー・ワンが殺され、アキュレッタ・システムズ自体が航空宇宙産業である事から、確実に今回の事件に関係する情報があるはずであるため、健はCEOであるブラドスにも協力を仰いでいた。
ブラドス「情報を持ってきたぞ、スギヤマ」
健「ありがと、ブルース」
健が玄関を閉めようとすると、ブラドスは隙間に足を入れ、どういう訳か閉めるのを阻止してきた。
ブラドス「待てよ」
健「・・・・・・・・・」
ブラドス「本物を見せてくれ、一目でいい」
健「一目ね?」
ブラドス「分かった」
健は1度ドアを閉め、防犯チェーンを外して再びドアを開けると、ブラドスを中に招いた。
事件を調べてる現状で部外者を中に入れる事に、呉提督と呉の雲龍は いい顔をしなかったが、健は気にせず、ブラドスが持ってきた資料に目を通していく。
健「月の無人観測機・・・NASAが2009年に打ち上げた。ワンは このプログラムを弄って、月の裏側、ダークサイドを観測できないようにしたらしい」
ブラドス「こいつは ぶっ飛んでる」
ブラドスは艤装を装着するホノルルに近付き、初めて直接 目にする艦娘に ご満悦の様子だった。
呉「人間社会に紛れ人間を脅し、汚い仕事をやらせ、用が済んだら・・・ドカーン。脳ミソを吹き飛ばすのよ」
健「人が悪魔の手先に?」
呉「悪魔は月の裏側にある物を探してる訳じゃないわね。そこにある何かを、隠したいのよ」
ブラドス「こっち おいで。ほら やるか?」
真面目な話をしてる後ろで、艦娘であるホノルルに構ってほしいブラドスはファイティングポーズを取り挑発する。
その声に呉提督は怪訝な顔で振り向く。
ホノルル「子供の頃、シンナーやってた?」
呉「イカれてる・・・」
ブラドス「ほら、どうだ!」
ブラドスは挑発を続けていたが、面倒くさくなったホノルルは少し懲らしめてやろうと思い、眼前に主砲を突き付ける。
それに驚き倒れたブラドスは、主砲を突き付けられたまま動けなくなったが、主砲の砲身をペチペチと叩きながら、楽しそうに笑っていた。
ブラドス「くすぐったい・・・!」
しかし、呉提督にも我慢の限界というものがある。
呉「あんた!いま悪魔に関する重要な会議をやってるとこなの。悪いけど ちょっと席を外してもらえる?使いっパシり」
ブラドス「あぁ、そうだな。カッコいい艦娘だ」
健「悪いけど、今日は━━」
ブラドス「いや〜、どうも ありがと。もし、何かあれば━━」
健「じゃ、バイバイ」
ブラドスに帰ってもらうと、呉の雲龍が新たな情報を手に入れていた。
呉雲龍「情報をダウンロードしました。行方不明のロシア人 宇宙飛行士。ロシアは月への有人宇宙飛行を中止しました。72年に2人、ロシア人 宇宙飛行士がアメリカに逃げました。彼らの居場所を見付けました」
呉「さすが雲龍ね。財団が まだあったらスカウトされてたわよ」
呉雲龍「恐縮です」
すると そこへ、出掛けていた青葉が扉を開けて戻り、それに驚いたホノルルが天井に向かって砲撃。シャンデリアが落下し、呉提督と雲龍、健は唖然としてホノルルを見る。
ホノルル「やっちゃった、大変・・・」
ホノルルは気まずそうに、ソファーのクッションを手に取り自分の顔を隠した。
ただ、青葉の顔は どう見ても不機嫌で、それを理解していた健の顔は強張っていた。
健「・・・・・・やぁ」
青葉「何が どうなってるのか説明して」
呉「久し振り、青葉ちゃん」
青葉「どうも。健君?」
健「僕の天使。あー、仕事してた。ごめん、こんな・・・」
青葉は健が今回の事件に首を突っ込もうとしてると気付き、呆れて上の階に黙って行ってしまう。
青葉が艦娘を辞めたのは、悪魔や深海棲艦と関わらない生き方で、健と2人で普通の人生を送りたかったからだ。健も同じ気持ちだと思っていたが、彼は自分とは逆の考えなのだと知り、青葉の心は怒りと失望で一杯だった。
ホノルル「追い出される」
呉「同棲中?わお」
健が青葉を追って上の階に行くと、青葉は青いドレスに着替えていた。
青葉「今日はディランのパーティーだよ、覚えてる?」
健「覚えてるよ、でも皆と捜査中なんだ、行けない」
青葉「艦娘と軍だけじゃ手に負えないって言うの?健君の活躍は知ってて好きだけど、それは過去の話だからだよ」
青葉は ゆっくり話すつもりがないようで、バッグとウサギの ぬいぐるみを持って自宅から出てしまう。
それを健は、慌てて追い掛けて一緒に外へ出る。
健「そりゃ悪魔と関わると、命懸けになるから不安になるのは分かるけど、そんなこと言ってる場合じゃない」
青葉「そう?」
健「あぁ」
青葉「どうして?どうしてよ健君?!」
健「・・・・・・・・・」
青葉「勲章 貰うより生きててくれた方が ずっといい」
健「ぁ・・・言いたい事は分かるよ。それ僕のウサギ、待ってよ!」
青葉は自分の車の方へ歩いていき、健が彼女の腕を掴み引き止めると、その拍子に青葉はバッグを落とした。
健「ちょっと待ってくれよ」
青葉「昨夜 眠れなかったんだよ!分かったのは結局 健君は、危険の中に飛び込むのが好きなんだって━━」
健「役に立ちたいんだ」
青葉「・・・傍に居てくれるだけでいい」
そこへ、ホノルルの要請を受けていたワシントンとサウスダコタが、それぞれ車に乗って現れた。
それを見て、青葉は更に顔を険しくさせる。
健「心配するのは分かってる。でも約束する、僕は大丈夫だから」
青葉「ほんとに?約束できる?」
健「約束する」
だが、青葉は健の その言葉を信じていない顔をしていた。
悪魔が関わる事件の核心に迫るより、一緒にビジネスパーティーに来てくれる方が余程 安心できる。
青葉「あなたを失いたくない。そんな思いは嫌。とても耐えられない。私と一緒に来て」
健「ごめん行けない」
青葉「・・・分かった」
青葉はバッグを拾うと車に乗り込む。
健「ねぇ・・・」
このままでは青葉との関係がマズい事になると理解してる健は、何か話そうとするが、気の利いた言葉が見付からず言葉に詰まる。
すると、青葉はウサギの ぬいぐるみの脚を千切り、窓から健に差し出し、健は それを受け取る。
青葉「脚あげる」
それは2人で話していた、ウサギの脚が幸運の お守りであるという話に因んだ、健を大切に想う青葉の気持ちではあったが、自分達の関係は これで終わりだという意味が、遠回しに込められていた。
そして健も その意味を理解しており、ウサギの脚という別れの餞別を手に、涙をグッと堪えていた。
青葉は車のエンジンを掛けて行ってしまい、健が車の後ろを ずっと見詰めてると、様子を見に外へ出てきた呉提督が現れ肩を組んできた。
呉「戦う男は孤独なものよ。よく あんな車が買えたわね」
健「
呉「成り金め」
・・・・・・
それから呉提督と雲龍、ワシントン、サウスダコタ、ホノルル、健は、掴んだ2人のロシア人 宇宙飛行士が潜伏する場所に行き、2人が現れるのを待った。
サウスダコタ「ワシントンは元NSAで、サイバーテクを駆使して2人の居場所を突き止めた。こいつらが身を隠してるのは何故か」
すると、2人の男性が1人の女性と共に現れ、ロシア人マフィア御用達のバーの中へと入っていった。
ワシントン「ビンゴ、一致したわ」
呉「あんたはジャーマンシェパード並みね」
バーに入る前に、歩道を歩いてる時に顔は確認できたため、男性2人がアメリカに亡命したロシア人 宇宙飛行士である事は間違いなかった。
呉提督は銃を携帯し、秘書艦の雲龍と健だけを連れてバーへ向かった。
ワシントンとサウスダコタ、ホノルルは車で待機である。
*バー*
バーの扉は、鋼鉄の扉で固く閉ざされており、武力行使で入るのは少々 難しかった。やるとなると爆弾が必要になるが、話をするだけで穏便に行きたいので、今回は使えない。
呉「ロシア人は中々 口を割らない。インターナショナル・トークが必要よ」
鋼鉄の扉をノックすると、扉の一部がスライドし、その覗き窓の隙間から男の眼が こちらを覗き込んでくる。
呉「ダスビダーニャ」
男「それ“バイバイ”の意味」
呉「見てなさい」ヒソヒソ・・・
覗き窓が閉められるが、呉提督が再びノックすると、覗き窓がスライドして また男が覗き込んでくる。
すると呉提督は、男に見えるように数枚の札の現金を見せる。
呉「元気?」
男「よし」
覗き窓から現金を受け取ると、男は扉を開放して呉提督達を中に招いた。
奥へ行くと、中は高級そうなインテリアに囲まれており、そこで目当ての元宇宙飛行士達が楽しそうに、酒を呑みながら話していた。
しかし、彼らは呉提督達が現れたのを見るや、その顔から笑みが消えた。
呉「雲龍、決め台詞を頂戴」
呉の雲龍はロシア語の辞書を開きながら、あんまり よく分かっていないまま必死に言葉を選ぶ。
呉雲龍「ぁ、あ〜・・・バリシニコフ」
元宇宙飛行士「英語でいい」
“バリシニコフ”はロシア人の姓で使われるもので、決め台詞でも何でもなく、呉提督が思ったような格好が付かなかった。
呉「締まらないわね」
呉雲龍「文字が読めなくて!アルファベットが違うんです!訳分かんない電卓の記号みたいで!仕方ないでしょ」
呉の雲龍が必死に言い訳するが、呉提督は それをスルーし、元宇宙飛行士達のテーブルに勝手に相席する。
呉「日本海軍 大佐、元アメリカ諜報機関のエージェント。“ハッピー”とでも呼んで。あなた達2人は、元宇宙飛行士だにゃ?」
・・・・・・だにゃ?
元宇宙飛行士「だから?」
呉「月の裏側に行くはずが突然あなた達のミッションは・・・取り止めになった。その理由を、聞きたい」
呉提督はテーブルに置かれていたグラスを勝手に取り、そこにウイスキーを注ぐ。
そんな事をしてる間に、相席していた女性がロシア語で何か話し始め、更にカウンターの中に居る女性に大声で何か言い始めた。
そんな中、カウンター席に座る呉の雲龍は、辞書を見ながら頑張って翻訳しようとする。
呉雲龍「“子供が煙草 吸っていいですか?”」
絶対 翻訳 間違ってる。
2人の女性は徐々に声を荒げていき、雲行きが怪しくなってくる。
すると、相席していた女性が銃を抜き、呉提督に銃口を向ける。
同時に、カウンターの中に居た女性がショットガンを手に取り銃口を呉の雲龍に向け、呉の雲龍は席から立ちながら両手を挙げた。
更に健も、近くに居た男に押し倒されるような形で椅子に座らされ、銃口を向けられ動けなくなる。
健「OK、あ、大丈夫、OK」
健は落ち着いてもらうために言うが、言葉が通じてるかは怪しい。
そして呉提督は鼻に、元宇宙飛行士達と相席していた女性に銃口を押し当てられながらも、席から立ち上がる。
呉「あ?撃てよ。祖国のためなら喜んで死ぬ」
女性はロシア語で何か言ってくるが、呉提督は英語で話し、互いに違う言語で話すため会話が噛み合わない。
そんな中、呉の雲龍の様子が おかしかった。彼女はカウンターの中の女性にショットガンを向けられながらも、ゆっくりと背を向け、更に目付きも鋭く変わっていた。
呉「別嬪ね。よく言われない?かなりの美人よ」
呉提督が無駄話を繰り広げてると、呉の雲龍は向けられるショットガンを掴み、カウンターの上に叩き付けると、その拍子に暴発する。
ショットガンを押さえ付けたまま、持っていた女性の顔を殴り、更に女性を掴むと、捻るようにしながらカウンターの上に叩き付け、女性は転がるようにカウンターの向こう側へ落ちて倒れた。
呉の雲龍の突然の暴挙に、ロシア人達だけでなく、呉提督や健も驚いた。
呉「おーい!?」
ショットガンを奪った呉の雲龍は、近くに居たボーイに銃口を向けて動きを止める。
ボーイは両手を挙げながら、降伏に ゆっくりと膝を突くが、その動きに合わせ、呉の雲龍もショットガンを構えたまま膝を突く。
呉「雲龍、檻に戻りなさい」
更に呉の雲龍は、呉提督に銃口を向ける女性にショットガンの照準を合わせ、代わりにボーイには、ハンドガンの銃口を向けた。
呉「雲龍!」
健「うわぁ!?おい、飼い主だろ、止めてよ」
呉「雲龍、やめい!」
呉雲龍「・・・・・・すみません、つい昔の癖で・・・」
呉の雲龍は我に返り、ハンドガンを床に落とす形で手を離し、ボーイに謝罪した。
呉「いい?ここは1つ冷静に。銃を下ろして、第二次世界大戦は もう終わったの」
呉提督の、飽くまで話し合おうとする姿勢に、2人の元宇宙飛行士達は互いの顔を見やり、自分達の思っていた連中とは違うと気付き、話し合いに応じる事にした。
・・・・・・
そして呉提督達は、元宇宙飛行士達に連れられ、バーの奥にある隠し通路の先、彼らの隠れ家に案内された。
元宇宙飛行士「これから見せるのは、ソビエト最大の秘密だ」
2人の元宇宙飛行士達は そこで金庫を開け、鞄を取り出す。そして自分達が抱える秘密に関する資料を そこから取り出した。
元宇宙飛行士「月に人間を送ったのは、アメリカが先だが、カメラを送ったのはソビエトが先だ。1959年、ルナ3号が、月の向こう側、裏側を撮影した・・・何も、見えなかった。だが、63年にルナ4号は、見た」
元宇宙飛行士「奇妙な、岩だ」
元宇宙飛行士「あぁ」
元宇宙飛行士「遺跡の周りに、何百とあった。写真を」
差し出された写真を健が受け取り、呉提督と呉の雲龍と一緒に見てみる。
呉「何か、引き摺った跡がある」
その写真には、月面に何かを引き摺ったような跡が幾つも写っており、2枚目の写真には、柱のような物が何本も積み重なっていた。
健「これ知ってる、岩じゃない、柱だ。スペース・ブリッジを作る柱。艦娘が同じのを5本 持ってる」
呉「悪魔は、アポロが月に来る前に、月にある遺跡を荒らし、柱を奪って、隠したのね」
健「ちょっと待ってよ。唯一その柱を操れるのはアーロンさんとセイファだけだ、悪魔が放っておくと思う?」
呉「つまり・・・」
健「狙いは彼らだ。セイファと合流しよう。艦娘に護らせる」
・・・・・・
*街 15:07*
悪魔が人間を操った挙句、殺し回っていた真の目的に気付いた健は、セイファと合流してから、ハンマリングの携帯に電話を掛けた。
健「ハンマリング、セイファと一緒に部隊の司令部に向かう。アーロンさんも後から来る」
ハンマリング『Mr.スギヤマ、ハッキリ言ったはずよね?この電話に掛けてこないで』
健「初めから全部 悪魔の罠だったんだ。わざとアーロンさんにセイファを見付けさせたんだ、彼を蘇らせるために」
ハンマリング『柱は我々が持ってるのよ?』
健「こっちに有るのは たった5本だろ。元は何百本と有ったんだ、このままじゃ敵の思う壺だってば、分かんないの?奴らの狙いはセイファだよ」
健の話で嫌な予感がしたハンマリングは、すぐに部隊の司令部へ向かう。
一方 呉提督達は、呉提督と呉の雲龍、健とホノルルとセイファ、ワシントンとサウスダコタが それぞれ分かれて車に乗り、セイファを護衛しながら同じく向かっていた。
そこへ、真っ黒な体色をした悪魔が3体も現れ、彼らを追ってくる。
呉提督は、呉の雲龍が運転するオープンカーの後部座席から悪魔を見てると、いきなり掴まれ後ろへ投げ捨てられた。
悪魔は呉の雲龍の車を飛び越え前に出ると、道路標識に ぶち当たって倒し、道を塞いでしまう。
健「ホノルルさん、セイファを護れ、護るんだ」
ワシントン達は先を走っていたので そのまま走り続けるが、呉の雲龍は これ以上 進めないため、急ブレーキを掛けた。
呉「・・・・・・・・・」
呉雲龍「あ〜マズい!解体される!」
呉提督は道路で大の字で倒れたまま動かず、呉の雲龍は自分の提督を守れなかった事に焦っていた。
悪魔達は一般車両を巻き込み破壊しながら、尚も追ってくる。
健「危ない危ない危ない!!」
3体の悪魔が飛び掛かってくるが、ワシントン達はブレーキを掛けて減速し、飛び掛かってきた悪魔の下を抜けて躱す。
そしてサウスダコタとホノルルが艤装を装着しながら外に身を乗り出し、後ろから悪魔に砲撃を開始する。
サウスダコタ「いただきだ!ハッハッハッ!」
健「撃って!撃って!撃てホノルルさん!」
サウスダコタとホノルルの猛攻撃により、悪魔の1体が木っ端微塵に粉砕された。
だが残る2体は、道路を走る車に危害を加えて横転させ、ワシントン達が走る邪魔をする。だがワシントンと健は、どうにか横転する車を避け、悪魔を追い続ける。
健「ホノルルさん殺せ、早く早くホノルルさん殺せ!」
すると悪魔は、大量のプロパンガスを載せたトラックを横転させ、トラックとプロパンガスが転がりながらワシントン達に迫る。
健「ホノルルさん!うわぁっ!?」
急には避けられず、このまま ぶつかり死んでしまうと健が焦る中、ホノルルは車のボンネットに移り、艦娘の腕力で飛んでくるプロパンガスを弾き飛ばし、転がってくるトラックを砲撃で粉砕し、爆発が起きる。
ホノルルの機転でトラックに押し潰されずに済んだ健は、急ブレーキを掛けて咄嗟に止まる。
健「本部に戻ろう」
・・・・・・
ワシントン達が特殊部隊の本部の近くまで来ると、アイオワがピックアップトラックに乗り出撃する。
ワシントン達が角を曲がって真っ直ぐ本部に向かってると・・・
サウスダコタ「ワシントン、任せろ!」
ワシントン達が無事に本部に辿り着けるよう、サウスダコタが殿を務めるために車から飛び降り、援護射撃する。
健「アイオワさん!」
アイオワが乗るピックアップトラックがワシントン達と擦れ違い、2体の悪魔に正面から向かっていき、ぶつかる前にアイオワはピックアップトラックから飛び降りた。
ピックアップトラックは粉砕され、2体の悪魔も ぶつかった衝撃に吹き飛び、路上駐車された車の上に落ちる。
起き上がった悪魔は斧を手に攻撃に転じようと構えるが、アイオワとサウスダコタも兵装を構えて膠着状態となり、両者 迂闊に攻撃できなくなる。
サウスダコタ「おっと、どうかしたか?こいつは また綺麗に頭数が揃ってしまったな」
アイオワ「武器を下ろしなさい」
サウスダコタ「そうすれば、命だけは助けてやってもいいぞ」
2体の悪魔は互いに顔を見合わせ、この種族特有の言葉で何かを相談するように話す。
アイオワ「下ろせ」
アイオワの合図と共に、彼女とサウスダコタは艤装を外し、2体の悪魔は斧を地面に捨てた。
サウスダコタ「それでいい」
だが次の瞬間、悪魔の背中から槍が生え、それを掴みアイオワに投げた。
サウスダコタ「アイオワ、危ない!」
アイオワ「ぐあっ!」
槍がアイオワの肩に突き刺さり、もう1体の悪魔がサウスダコタを狙い槍を投げるが、サウスダコタは槍を避けると、自身が使っていた艤装をアイオワに向かって蹴り飛ばす。
サウスダコタ「アイオワ、受け取れ!」
アイオワは艤装が飛ぶ軌道を見極め、その位置に移動しながら背中を向けると、艤装を装着した。
その瞬間、悪魔の1体が飛び掛かってくるが、アイオワは至近距離で砲撃し、悪魔の頭部を吹き飛ばす。
サウスダコタ「後ろだ!」
サウスダコタが もう1体の悪魔の相手をしていたが、蹴り飛ばされてしまう。
アイオワが残る悪魔の背後から砲撃し、更に拾った悪魔の槍を顔面に突き刺すと、持ち上げて放置された車の上に叩き落とす。
アイオワ「下っ端悪魔め!」
そして悪魔を載せた車を蹴ると、車は街角の店に突っ込み、悪魔諸共 爆発して炎上した。
アイオワ「レッスンは終わりよ」
*保険社会福祉省*
クリス「中に入れ!」
隊員「行くぞ!急げ、急ぐんだ!」
ワシントンとホノルル、健、セイファが先に保険社会福祉省の敷地内に入り、悪魔を倒したアイオワとサウスダコタも遅れて敷地内に入る。
健は車から降りると、すぐにクリス・ウィーラーの元へ駆け寄る。
健「ウィーラー!」
クリス「行け行け行け!!」
健「悪魔だらけだ」
クリス「チームを配備して探してる!サウスダコタ!!セイファを護れ!外に出すなよ!」
サウスダコタ「よし、任せておけ」
健「絶対 護って、彼がカギなんだ」
セイファ「あぁ、その通りだ。まだ分からんか人間達よ。敗北は最初から決まっていた。我が種族を滅ぼさぬためには、取引するしかなかった・・・ノヴァと」
セイファは魔銃を手に取り攻撃し、状況が更に混乱する。
クリス「下がれ!」
サウスダコタ「何故こんな真似を!?」
セイファ「お前達の役目は終わった。楽になれ」
サウスダコタ「よせ!」
クリス「下がれ、下がれ!」
健「ホノルルさん!皆!」
クリス「下がれ!」
艦娘達は応戦するが、セイファの持つ魔銃の破壊力に防戦一方となり、後退せざるを得なくなる。
部隊も退避するが、セイファの攻撃に巻き込まれ吹き飛ばされてしまう。
クリス「こっちだ!」
クリスは健を引っ張り退避すると、残ってる隊員達に怒号に近い指示を飛ばす。
クリス「全兵力、一旦 本部に戻れ!!」
隊長であるクリスの指示を受け、隊員達は速やかに行動する。
クリス「来い!」
健「嫌だ!」
クリス「来い!」
健は戦ってる艦娘達を放っておけず、その場に残ろうとしたが、クリスは健の安全も守るため、彼を無理矢理 引っ張り、部下達を追った。
艦娘達を戦闘不能にまで追い込んだセイファは、保険社会福祉省の壁を破壊しながら中に入ると、格納庫へと向かった。
クリス「今は人員が足りない!セイファと交戦するな!」
部隊は負傷者を運び込み、安全を確保しながら傷の手当てを優先する。
そこに、健から電話を受けて こちらに向かっていたハンマリングが到着した。
ハンマリング「裏のゲートに回って」
隊員「隠れろー!」
ハンマリングは部下と共に格納庫へ向かうと、開いたままの格納庫の入口から隊員の声がし、直後、爆発して炎上する軍用車が飛んできた。ハンマリングと部下は咄嗟に地面に伏せ、危うく巻き込まれずに済んだ。
ハンマリング「行くわよ!付いてきて!」
格納庫の中へと入ると、そこではセイファが格納庫を破壊し尽くし、クリスの部隊が応戦する光景だった。
隊員「退却だ!退却!」
部下「長官、いけません!」
ハンマリング「どきなさい!ねぇ、セイファ!」
部下「長官!」
部下の制止も聞かず、ハンマリングは臆せず、暴れ回るセイファに近付いていく。
ハンマリング「どうなってるの?いったい何のつもり?!」
その瞬間、残っていた隊員がロケットランチャーを撃つが、セイファは盾を出して防ぎ、ハンマリングに振り返る。
セイファ「儂はセイファ。お前如きに指図は受けんぞ」
そこに、健とクリスが駆け付けた。
クリス「長官、こっちに。今はムリです、退却を」
セイファ「さぁ、儂から奪った物を返せ!」
ハンマリング「ああ、なんてこと・・・!」
セイファを止められず、5本の柱も奪われ退却するしかない状況に、ハンマリングは嘆いた。
柱を奪ったセイファは その場を後にしようとした。
だが そこに、バルログとベオウルフを装備したダンテとバージルが現れ、セイファを殴り飛ばした。
遅れてトリッシュとルシアも現れ、ダンテとバージルと並び立つ。
彼らはアカギと ほっぽから、ネロとアーロンが捕まったと聞かされ、助けるために駆け付けたのだった。
セイファ「貴様らは・・・」
ダンテ「チッ。ネロが捕まったって聞いて来てみれば・・・どういう状況だ これは?」
バージル「貴様、何者だ?」
セイファ「貴様(ダンテ)と貴様(バージル)、知っているぞ。3000万年前、運命の巫女と共に居た者共だな」
ダンテ「あ?なに言ってやがる?」
ダンテとバージルは、確かに運命の巫女と呼ばれている赤城と共に居た。だがセイファとは初対面で、3000万年前には この世界に居なければ、生まれてすらいない。セイファが言っているのは どういう事なのだろうか?
次回に続く!
次回も宜しく お願い致します!