Devil May Cry鎮守府   作:しゅんしゅん@よし

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513話です!どうぞ!


Mission513 追放〜侵略 開始〜

クリス・ウィーラー率いる部隊の本部で、ダンテ達デビルハンターとセイファが ぶつかる。

しかし戦闘の混乱の最中、セイファはスペース・ブリッジを作る5本の柱を奪ったまま姿を消し、悪魔として国際指名手配されていたダンテ達は、人間達に包囲されてしまう。

だがダンテとネロ、バージル、トリッシュ、ルシア、ニコの6人は抵抗もせず、大人しく捕まった。まるで何か、そうする事の狙いがあるかのように。

アパートに戻った(たける)は、ワシントンD.C.に旅行に来ていた衣笠と妙高型、フィルに、青葉が帰ってきてないか訊ねる。

青葉と別れそうになってると知った衣笠達が憤慨して呆れるが、彼女達の言葉を聞き、健は青葉を取り戻す決意をする。

健は青葉が向かった、ビジネスパーティーが開かれるディラン・グールドの自宅へと行き、彼女を連れ出そうとする。

そこでディランから、親子2代で人間を裏切り、悪魔に寝返った事を聞かされる。

青葉は そのまま捕まり、彼女を人質にされた健は、デビルハンター達から情報を盗むためのスパイをさせられる事になるのだった。

 

 

*国防総省ペンタゴン 1月16日 12:14*

 

アメリカ国防総省ではクリス・ウィーラーと将軍が、通信越しで様々な政府機関の要人達と会議を行っていた。

 

将軍「防衛警戒態勢は最高のデフコン1だ」

 

クリス「確認できてる悪魔の数は、凡そ200体に増えました。現在、南米や中国でも、悪魔の存在が確認されています」

 

そこへ、将軍の部下が報告に現れた。

 

軍人「いま国連から、音声ファイルが届きました。悪魔を率いるセイファからです」

 

 

*国連本部*

 

その国連では、セイファから届いた音声を再生して聞いていた。

 

セイファ『現文明を護る者達よ、我々は自らの文明を取り戻すために蘇った。資源の輸送が完了すれば我らは静かに去ろう。だが条件がある。諸君が匿ってる邪魔なデビルハンター達を追放すること。交渉には応じない。彼らを追放せよ、諸君の返答を待つ』

 

音声は、そこで終わっていた。

 

 

*飛行場*

 

ディランのリムジンでアパートまで送られた健だったが、そこで政府のエージェントが待っていた。

また車に乗せられて着いたのは、国家情報局長官シャルティア・ハンマリングが居る飛行場だった。

 

ハンマリング「移動しながら説明する」

 

健「いや、力になりたいけど皆さん凄く忙しそうだし、また今度にしよう」

 

健の右腕に有る腕時計、それに擬態する昆虫型悪魔が、ここでの情報を盗み取ろうとし、神経を通じて操られる健の動きが奇妙な事になる。健は それに抵抗しようとするが痛みが走り、ハンマリングも健の様子に怪訝な顔をする。

 

ハンマリング「今まで あなたを過小評価してたわ」

 

健「え、何?」

 

ハンマリング「人間が操られてる事も、セイファがカギだって事も知ってた」

 

分析官「長官」

 

ハンマリングは分析官に呼ばれ、そちらの方に向かう。

 

健「いや、そんな、僕なんて歩く危険人物だし━━ぐあっ・・・!」

 

健は どうにかして、自分を通して敵に情報が渡らないようにと、不自然じゃない形で ここから離れようとするのだが、それを許さない昆虫型悪魔によって再び腕に痛みが走り、神経を通して操られる健は、分析官が使う長机の上をアクロバティックに転がり越えて、ハンマリングの横に立つ。

 

ハンマリング「あなた大丈夫?」

 

健「〜〜〜っ・・・!えぇっ・・・!」

 

顔を真っ赤にして痛みに耐える健は、左手で右腕を掴み、痛みを抑えようとする。

 

ハンマリング「冷や汗 掻いてるじゃない」

 

健「いえ、大丈夫、緊張で汗が。僕なんかに情報 教えちゃ駄目でしょ?ツ◯ッター中毒だし、ブログもバンバン書きまくるし━━」

 

ハンマリング「そんな事ないでしょ?」

 

健「いえ、ほんとの話━━」

 

秘書「国防総省から お電話です」

 

ハンマリングは次から次へと対応しなければならない事が多く忙しく、健が どうにか ここから離れられるよう口実を作ろうにも、話が先に進まなかった。

するとテレビでは、国連総会で この世界からデビルハンターを完全に追放する法案が通ったとするニュースが流れていた。

直後、ハンマリングの携帯に着信があり彼女は電話に出る。

 

健「・・・・・・何だって・・・?駄目だよ、追放なんてさせちゃ駄目」

 

健が電話中のハンマリングに そう言うと、丁度 彼女も通話が終わった。

 

ハンマリング「正式にGoが出たわ」

 

健「デビルハンターは僕らのために戦ってくれたのに」

 

ハンマリング「その結果、敵の侵略を受けてる。今や敵は、軍の配備も自由自在なの」

 

 

・・・・・・

 

健はハンマリングに連れられ飛行機に乗り、飛行機は深海棲艦に狙われない航路で飛び、ロケット発射場へ向かっていた。

 

ハンマリング「敵の狙いについて、もし他に何か知ってる事があるなら・・・ここで白状しなさい」

 

腕時計に擬態してる悪魔を通して、ここでの会話も全て敵に筒抜けであり、青葉も人質に取られ迂闊な事は言えないため、健は浮かない顔で俯いていた。だが そんな健でも、1つだけ言える確かな事はあった。

 

健「・・・デビルハンターを追放しちゃ駄目だ」

 

ハンマリング「あなたは間違ってる」

 

 

・・・・・・

 

*ロケット発射場 16:18*

 

ロケット発射場に着き、ハンマリングからロケットについての説明を受けていると、発射準備を進める作業員達が揉めていた。

その言い争いを仲裁してる者を、健は見覚えがあった。それは、呉提督のネイビーシールズ時代の嘗ての仲間、ワージーだった。

 

健「ワージー!ほんとに!?」

 

ワージー「久し振りだな」

 

健「何やってるの?」

 

ワージー「傭兵は引退した・・・おい、手ぇ離せよ」

 

健とワージーは、ルキフェルスとの最終決戦以来となる再会を喜ぶように互いの手を掴んだのだが、腕時計に擬態する悪魔が健の神経を通し操り、手を離せなくなった。その行動を不審に思ったワージーが、健の手を無理矢理 振り解く。

 

ワージー「・・・・・・何なんだ?今はNASAのパイプ役をやってる。もう他の傭兵や悪魔にケツ追われる事もないし、夢の仕事さ。デビルハンター達が追放だなんて・・・お前 信じられるか?」

 

健「・・・どこに行くんだろ?」

 

ワージー「ここ以外の星さ」

 

悪魔と知られ人間達に敵視されるようになったダンテ達は、最早 地球に居場所は無いも同然だった。そのため人間達が下した決定は、地球の外━━つまり宇宙への追放だった。

 

 

・・・・・・

 

ワージーとの話も終わり、健はハンマリングに連れられ格納庫で一緒に居ると、そこに電動車椅子に乗り首にギブスをした呉提督と、その秘書艦の雲龍が現れた。

 

呉「ここの責任者と話したい」

 

呉提督はハンマリングを見付けると、電動車椅子を急停止させた。

 

呉「これは これは これは・・・シャルティア・ハンマリング」

 

ハンマリング「エージェント・ハッピー。()、エージェントだったわね。モロッコの事件を乗り切ったの?」

 

呉「モロッコだろうが、魔界化だろうが失恋だろうが、乗り切るわよ。あんたは5人のデビルハンターを追放すれば、それで全て解決すると思ってるの?!」

 

ハンマリング「私の管轄外」

 

ハンマリングは呉提督と話したくないのか、秘書と共に その場から立ち去る。だが それで諦める呉提督ではないため、秘書艦の雲龍と共に電動車椅子で その後を追い、健も それを追う。

 

呉「随分 出世したもんね。だけど相変わらず、いいケツしてる」

 

呉提督が そう言った瞬間、ハンマリングが立ち止まり振り返った。

ハンマリングは ずっと見ていた自身の秘書を睨み、後ろを向いたのを確認すると、改めて呉提督を見下ろす。

 

ハンマリング「クアンティコでの あの夜の事を誰かに一言でも言ったら、心臓を切り裂いてやる」

 

呉「・・・もう切り裂かれた」

 

 

・・・・・・

 

そして間もなくして、宇宙へ追放される予定のダンテ達デビルハンターが、ロケット発射場へ護送されてきた。

健達は最後だからと短い間だけだが、特別にダンテ達と話す許可が貰えた。

車でロケットまで行くと、ダンテが居た。

 

健「ダンテ提督」

 

ダンテ「俺を“提督”と呼ぶな。もう提督じゃない」

 

健「・・・・・・・・・」

 

ダンテ「政府の言う事は事実だ。半分だけだとしても、悪魔である事には変わらない。俺達が この世界に来たこと自体が、そもそも間違いだったんだ」

 

健「あなたは悪くない。半分だけだとしても、それでも人間でしょ?」

 

ダンテ「忘れるな。俺達への信頼は失っても、自分自身を最後まで信じる心だけは、失うな」

 

ダンテは もう話す事はないと、踵を返しロケットの方へ向かおうとする。

すると健の右腕に、痛みが走った。腕時計に擬態する悪魔が、情報を聞き出せと健を追い込んでいた。

 

健「う"っ・・・!う"ぅ〜、ん"〜っ・・・!どうやって戦う気なの?・・・何か作戦があるんでしょ?援軍を連れて戻ってくるとか、何か・・・・・・教えて、他の人間には言わない」

 

問われたダンテは立ち止まり、首だけを動かし軽く振り返る。

 

ダンテ「作戦なんてない」

 

健「あんた達が居なくなったら この先どうすればいい?」

 

ダンテ「お前は いい仲間だ、健・・・これからも ずっとな。だが政府は決断を下した。この先は・・・お前らだけで戦うんだ。青葉を よろしくな」

 

健「・・・・・・・・・」

 

ダンテは今度こそロケットの方へ向かうと、ネロが歩いて向かってきた。

 

ダンテ「手短にな」

 

そう言われたネロは、泣きそうになっている健の元へ向かう。

 

ネロ「できる事なら、俺も昔に戻りたい。お前は いつまでも友達だ、健。もう行かないと」

 

健は泣いて俯くと、ネロは踵を返しロケットの方へ向かう。

それと入れ替わるように、電動車椅子に乗る呉提督が健の元へ近付いた。

 

呉「何年か後に問われるでしょう。“世界が乗っ取られた時どこに居た?”・・・そして答える。“ただ立ち尽くしていただけ”」

 

呉提督も、これでダンテ達との今生の別れになるのかと思い、涙を堪えていた。

 

 

*ワシントンD.C某所*

 

その頃 青葉は、ディランの会社で軟禁されていた。

ディランの部下は、セイファが持つスペース・ブリッジを作る柱を車に積み、移動の準備をしていた。

 

ディラン「ビジネスパートナーになったと思えばいい。歴史を作りたければ、進捗する側に付けばいい」

 

そして移動の準備が終わると、ディランは青葉を連れてヘリに乗り込んだ。

 

 

*ロケット発射場*

 

間もなく太陽が地平線へと沈もうとする中、ロケット発射場でもダンテ達を乗せたロケットの発射準備が整っていた。

近くの海辺では、アメリカ艦の艦娘達が警備に就いている。

 

川内「提督!!」

 

天龍「師匠!!」

 

睦月「ネロさん!!」

 

そこに、Devil May Cry鎮守府の艦娘達が現れた。

彼女達は、ダンテ達が追放されると知り、ロケット発射を食い止めるため襲撃に現れた。

 

アイオワ「やっぱり現れたわね・・・各艦、迎撃 開始!Devil May Cry鎮守府の艦隊を止めるわよ!」

 

Devil May Cry鎮守府の艦娘達が現れた事で、アメリカ艦の艦娘達も動き出し、瞬く間に戦場と化す。

 

瑞鶴「管制塔を爆撃してやる!」

 

瑞鶴の艦載機が管制塔を攻撃しようとするが、それを阻止され全機 撃墜されてしまった。

 

摩耶「邪魔すんなボケ!!」

 

サラトガ「これ以上 先へは行かせません!」

 

鈴谷「何で?!何でなの?!」

 

金剛「アイオワ!提督が居なくなってもいいんデスカ?!」

 

アイオワ「これが今のMeの任務なの!」

 

金剛「普段から“ダーリン ダーリン”って呼んでたくせに・・・!あなたの提督へのLOVEは そんなものだったんデスカ?!」

 

アイオワ「Meだって嫌よ!でも・・・でも!艦娘である以上、命令には逆らえない!悪魔として知れ渡ってしまったダーリンを、今のMeには助けられないの!」

 

山城「そんなの・・・何もしない自分は悪くないって言い訳して、逃げてるだけじゃないのよぉ!!」

 

ダンテ達を助けようとするDevil May Cry鎮守府と、任務に従事しようとするアメリカ艦の、意地と意地の ぶつかり合いは、その戦闘の苛烈さを増していく。

だが無常にも、ロケット発射のカウントダウンは始まってしまっていた。

 

7・・・6・・・5・・・4・・・3・・・2・・・1・・・0

 

カウントダウンが0となり、ロケットブースターが点火される。激しい煙を舞い上げ、ロケットが飛び立った。

 

吹雪「司令官!!嫌ぁあああああ!!!!」

 

Devil May Cry鎮守府の艦娘達は間に合わなかったと焦り、その絶望的な状況に動きを止めた事で、アメリカ艦の艦娘達に取り押さえられてしまった。

管制塔では無事に発射できたという安心から、拍手が巻き起こっていた。

そんな中で呉提督は、モニターでロケットが飛び立っていく様子を呆然と見ていた。

健は外で、ロケットが飛び立つのを直接 見れる高い場所に居た。

そこに、ディランから電話が掛かってきた。

 

健「望み通りになっただろ」

 

ディラン『望みは いつも叶える。確かめたかっただけだ』

 

健「確かめるって?」

 

ディラン『奴らが黙って去るか』

 

直後、管制塔が慌ただしくなった。

 

管制官『未確認の物体 発見!』

 

管制官『接近中の物体 有り』

 

管制官『何だ これ?』

 

管制官『問題 発生!』

 

その正体は巨鳥グリフォンで、巨鳥グリフォンはダンテ達が乗るロケットに向かって真っ直ぐ急降下しながら、電撃を放った。電撃は諸にロケットに当たり爆発が起き、ロケットは木っ端微塵になり海に墜ちていった。

ダンテ達の生存が絶望的な その光景に、Devil May Cry鎮守府の艦娘達は膝から崩れ落ちた。

ロケット発射場で鳴るサイレンの音を聴きながら、健も その光景を信じられず、固まっていた。

管制塔でも、こんな結果で終わった事に、ハンマリングも何とも言えない表情を浮かべていた。彼女としても、ダンテ達を死なせたかった訳ではなかったのだから。

直後、健の腕に痛みが走った。腕時計に擬態してた昆虫型悪魔が離れ、逃げようとするのを健が踏み潰そうとしたが、逃げられてしまった。

 

 

*シカゴ・街*

 

ディラン「これで皆 悪魔の下僕だ」

 

青葉とディランを乗せたヘリは、間もなくシカゴの街へ到着しようとしていた。

 

 

・・・・・・

 

*ロケット発射場 17:21*

 

健はスマホを手に、すぐ呉提督と その秘書艦の雲龍と合流した。

 

健「この電話の男を追跡して、敵に寝返った奴だ、青葉さんを人質にしてる」

 

 

*シカゴ・街*

 

ディランは青葉を連れて、Mr.Jが所有するビルにあるペントハウスの階に来ていた。

 

ディラン「座ってろ。動くなよ。始めるぞ」

 

そしてダンテ達デビルハンターが消えた今、このシカゴでディランだけでなく、セリーナとベルゼ、セイファ、有象無象の悪魔も、Mr.Jの元に集結していた。

 

 

*ロケット発射場*

 

ディランとの通話の追跡は、呉提督の代わりに秘書艦の雲龍が行っていた。

 

呉雲龍「通話は あちこち経由してます。今その携帯のカメラをハッキング中」

 

するとパソコンの画面に、どこかの街の風景が映った。

 

呉雲龍「行けた、これが今現在の映像。携帯の位置を割り出してみます・・・オーケー、シカゴの基地局、出ました」

 

シカゴの基地局を通し携帯の位置を割り出すと、あるビルのペントハウスである事が判明した。

更にビルの所有者を特定すると、それはMr.Jこと桐生 十三(きりゅう じゅうぞう)である事も判明した。

健はスマホで、ディランが居るとされるビルの位置をマーキングする。

 

健「行ってくる」

 

呉「本気?」

 

健「青葉さんは、僕のせいで あんな目に遭ってるんだ」

 

?「1人じゃ行かせないぜ」

 

声がし振り向くと、そこにはワージーが居た。

 

呉「ワージー、あんた傭兵は辞めたでしょ」

 

ワージー「車椅子に乗ってる奴が助けになれるのか?今の お前より俺の方が助けになれる」

 

呉「・・・言ってくれるじゃない。でも確かに」

 

 

・・・・・・

 

ワージーは、健を連れて自分の車を停めてる場所まで来た。

 

ワージー「シールズ時代の仲間に連絡しよう。お前の彼女を見付け、裏切り者野郎を取っ捕まえる」

 

健「何で一緒に?」

 

ワージー「俺だって仲間を殺されてるからな」

 

ワージーは軍を退役し、傭兵も辞めたが、軍属時代の仲間は まだ現役の者も居た。しかし悪魔が現れるようになり、アメリカ軍も悪魔と戦闘するようになってから、当時の仲間で命を落としている者も居た。つまりワージーにとっても、これは他人事ではなかった。

 

 

*シカゴ・街*

 

Mr.Jが所有するビルの向かいのビルに、スペース・ブリッジを作り出す柱が運び込まれた。

その内のコントローラーの柱と共に、青葉とディランはエレベーターに乗った。

 

青葉「文明を再建する資源を求めてるって・・・」

 

ディラン「あぁ。ある1つの資源をね。今の文明にしか無い物だよ」

 

青葉は それが何なのか考え、とんでもない答えに行き着き血の気が引いてしまう。

 

青葉「・・・・・・人間・・・?」

 

エレベーターが最上階に着くと、そのままテラスの方へ連れていかれ外へ出る。

 

ディラン「君は鋭いね。そう、再建には労働力が必要だ。80億もの下僕を提供できる文明があるか?」

 

青葉「何を言ってるの?まさか人間界を悪魔に売り渡す気?」

 

ディラン「悪魔も所詮は彼らに使われる雑兵に過ぎない。これを望んでるのは大いなる目的を持った者達。真の王国の再建だよ」

 

そう、ノヴァの目的は、3000万年前に この世界で栄華を極めた、自分の王国を今の この世界に取り戻す事だった。

ディランに腕を掴まれ連れていかれると、青葉が見たのはセイファが柱の準備をしようとするところだった。

 

青葉「そんな・・・セイファは何をしようとしてるの?」

 

ディラン「見ろ。いま世界中、何百もの柱が配置されている。数時間後にアレを軌道に打ち上げたら、嘗て海の底に沈んだ彼らの大陸に、地球上の人間達を転送できる。あの赤い奴がコントローラーだ。アレを起動させれば、全てが始まる」

 

ベルゼ「失せろ、虫けらめ。お前の役目は終わった」

 

ディラン「ベルゼ様」

 

ディランは頭を下げると、青葉を連れて その場から離れる。

 

ディラン「嫌な奴だよ」ヒソヒソ・・・

 

シカゴの街では悪魔が現れた事で混乱が起き、シカゴ警察が市民を避難させ、消防も何台も出動していた。

 

青葉「地球を乗っ取られていいの?」

 

ディラン「あと40年は生きたいんでね。好きでやってるんじゃない。親の代からのクライアントだ」

 

青葉「でも人類を奴隷にして管理するには、人間のリーダーが必要よね?」

 

ディラン「ケチ付けるな。生き延びたければ、言う通りにしろ」

 

シカゴ警察の特殊部隊がビルの中に突入し、それと入れ替わるようにディランは青葉を連れて外へ出ると、Mr.Jのビルへと向かった。

 

セイファ「この文明の虫けら共に誰が主人か教える時が来た。街を封鎖しろ」

 

セイファの指示で集まっていた有象無象の悪魔と、Mr.Jの配下である強化人間達、テイラー・ドローンが一斉に動き出し、シカゴの街へと無差別に攻撃を開始した。人々は絶望と恐怖の中で、悲鳴を上げながら逃げ惑い、殺され、食われていく。

Mr.Jのビルへと着いたディランはテラスに出て、街を破壊し尽くしていく光景を見て戸惑っていた。

そんな中で、近くで爆発が起きた。

 

青葉「きゃあっ!」

 

ディラン「危ない・・・!こっちだ」

 

ディランは青葉を連れて中に戻り、メイドなど召使い達に簡単な指示だけをしていく。

 

ディラン「犬は中に入れておけ!」

 

青葉「ここまでするって聞いてなかったんじゃないの?」

 

ディラン「出てない会議だってある。僕は安全だ・・・安全なはずだ」

 

 

*アメリカ軍基地*

 

ロケット発射場を襲撃した罪で、Devil May Cry鎮守府の艦娘達は艤装との繋がりを断たれ、軍基地の牢屋に入れられていた。

ダンテ達の死に、誰もが意気消沈してると、見張りの兵士の呻く声が聞こえた。

何事かと艦娘達が顔を上げると、牢屋の扉が開いた。そこに居たのは、若い姿のアーロンだった。

 

加賀「アーロン・・・」

 

アーロン「行くぞ、戦いが待っている」

 

皐月「でも、司令官やネロは もう・・・」

 

アーロン「えーい、何をウジウジしている?!いま私達が戦わなければ、人間達は皆殺しにされ、この世界の全てが、悪魔や我が母ノヴァの手に落ちるんだぞ!」

 

武蔵「今更 戦って何になる・・・?」

 

アーロン「・・・何?」

 

武蔵「護りたかった提督は死に、襲撃した私達はテロリストのレッテルを張られ、鎮守府にも戻れはしないというのに・・・」

 

アーロン「・・・・・・君達は本当に腑抜けだな」

 

武蔵「なん、だと・・・?!」

 

大和「武蔵、やめて!」

 

武蔵「貴様、もう1度 言ってみろ!」

 

アーロン「あぁ、何度だって言ってやろう!君達はダンテ君が居ないと何もできない、役立たずで腰抜けの、ガラクタ同然の粗大ゴミだ!」

 

武蔵「貴様 殺してやる!!」

 

大和「やめて武蔵!!」

 

武蔵がアーロンに掴み掛かろうとし、それを大和が後ろから羽交い締めにして止める。

だが、武蔵のようにアーロンに対して怒りを抱いたのは、他の艦娘達も同じだった。

駆逐艦や海防艦は、怒りより悲しみの方が勝り、涙を流し泣いていた。

 

如月「そこまで・・・言わなくたっていいじゃない・・・!」

 

天龍「俺達の気持ちも分からねぇで、勝手なこと言ってんじゃねぇよ・・・」

 

アーロン「君達が敬愛するダンテ君は、今この状況で何を望むと思う?」

 

比叡「司令が、望むこと・・・?」

 

アーロン「彼なら、どんな絶望的な状況の中でも、愛するものを護るため、最後まで戦い抜くんじゃないのか?君達にも、それを望むんじゃないのか?愛するものを護れと」

 

『・・・・・・・・・』

 

アーロン「嘗て、異世界で伝説となったスパーダは愛を知り、人間界を護った。その誇りはデビルハンター達に受け継がれ、今は君達が受け継いでいるはずだろ。思い出せ!誇りを!君達が真に、戦う理由を!嘆くのも悲しむのも、全て その後にしろ!」

 

『・・・・・・・・・』

 

アーロン「・・・・・・頼む・・・助けてくれ・・・」

 

鈴谷「ア、アーロン・・・?」

 

アーロン「本来なら、母の思惑を止めるべきは、息子の私がしなければならない事だ。だが、今の私では・・・1人では母を止める力すらない・・・だから頼む・・・私に力を貸してくれ・・・もう、君達しか頼れないんだ・・・」

 

艦娘達は驚いた。今までアーロンが、素直に助けを、協力を乞う事など1度もなかったのだから。あっても、それは上から目線の命令に近かった。

 

摩耶「お、おい、何だよ、調子 狂っちまうな・・・」

 

加賀「アーロン、提督達が居ない今、私達が戦って勝てる勝率は?」

 

アーロン「ほぼゼロだ。だが私は、その勝率が逆転する予感がしてる」

 

ダンテ達がクリスの部隊に捕まった時、ダンテが余裕の笑みを浮かべていたのをアーロンは見逃さなかった。そのためダンテ達の死も、全てダンテの狙い通りだったのではと考えていた。

 

アーロン「一先ず作戦会議だ。ここから出るぞ」

 

千歳「でも、どこに行くの?私達は もう、鎮守府には戻れないし・・・」

 

アーロン「質問ばっかりで うるさいな!私の秘密研究所に行くから心配するな!黙れ!静かにしろ!私に質問するな!」

 

秋雲「横暴だ・・・」

 

北上「てか、“秘密研究所”って何?」

 

アーロン「話 聞いてたか?!質問をするな!!」

 

艦娘達は首を傾げていたのだが、アーロンは問答無用で転移陣を発動させ、艦娘達と共に一瞬にして消えるのだった。

 

 

・・・・・・

 

*3000万年前 荒野*

 

3000万年前の時代、空は暗雲に覆われ、枯れた大地の荒野を、2人の男女が歩いていた。

1人は、ネロが明陽(めいよう)学苑の地下遺跡で見た真のベルゼと同じ容姿をした、フルフェイスのヘルメットに黒い衣服を着た男。

もう1人は黒髪に、白い衣服を着て煌びやかなアクセサリーを身に着けた、“キリカ”と呼ばれる少女だった。

キリカは突然 立ち止まり、空を見上げる。

 

真ベルゼ「どうされました、キリカ様?」

 

キリカは何も言わず、彼女が見続ける空に真ベルゼも視線を向ける。そこには流れ星が、地上へと落下するのが見えた。

 

キリカ「・・・行ってみましょう」

 

真ベルゼ「キリカ様、危険です。それに我々は、王国へ行く途中です。寄り道をしてる暇はありません」

 

キリカ「ベルゼ、行きますよ。私達は あの場所に行かなければなりません」

 

真ベルゼ「何故です?」

 

キリカ「だって・・・未来の希望が降ってきたんですもの♪」

 

キリカは悪戯っぽい笑顔を向け、そう答えた。

 

キリカ「ほら行きますよ。早く来ないと置いていっちゃいますからね」

 

真ベルゼ「お待ちを」

 

キリカ「むぅ〜。止めても私は行きますからね」

 

真ベルゼ「いえ、私が先行します。キリカ様は後ろに」

 

キリカ「はいはい♪ベルゼは相変わらず心配性ですね」

 

キリカと真ベルゼは行き先を変え、流れ星が落ちた場所へと向かうのだった。




次回は また急展開となります。
今回の最後に、Mission386の最後にも登場したキリカが再登場した訳ですが、彼女が何者なのかは次回から徐々に明かしていきます。
そして3000万年前の過去について、これまでキャラの台詞などから軽くしか話しておりませんでしたが、いったい3000万年前の文明に何があったのか、ここで過去を舞台に少しやっていこうと思います。あんまり詳しくやると、またストーリーが長くなって進まなくなるので、数話だけに留めておきます。
同時に、これまで単語は出てきても それが何なのか謎だった伏線も、少しは回収する見込みです。

次回も宜しく お願い致します!
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