515話です!どうぞ!
宇宙に追放されそうになり、乗っていたロケットと共に爆散したはずの魔剣士3人は、気付けば見知らぬ荒野のド真ん中に居た。
ここは どこなのかと戸惑う3人の前に、旅をする少女キリカと、その従者であり、真に“ベルゼ”の名を持つ七騎士と会う。
見知らぬ場所で行く当てもなかった魔剣士3人は、キリカの旅に同行する事になる。
その道中、キリカと真ベルゼから聞かされた話は、魔剣士3人の知る文化や常識とは全く違うものだった。逆に、魔剣士3人の知る事はキリカ達に通じず、話が噛み合わなかった。
*荒野*
旅の疲れを癒すため、野宿する事になったダンテ達。
そんな中、ネロは どうしても真ベルゼに訊きたい事があった。
ネロ「ベルゼ、前に1度、俺と会った事があるか?」
果たして、真ベルゼの返答は如何に?
真ベルゼ「・・・・・・いや、お前達と会うのは これが初めてだ」
真ベルゼの返答に、ネロは難しい顔をしながら考え込む。
ネロ「(じゃあ、学苑の地下で見たのは別人って事なのか・・・?でも七騎士のベルゼって名乗ってるし、何より格好も・・・どうなってるんだ?)」
真ベルゼ「どうかしたのか?」
ネロ「いや、前にアンタに似た奴に助けられた事があって。同じ奴かと思ったんだが、勘違いだったらしい。悪い」
真ベルゼ「・・・・・・聞かせてくれ」
ネロ「え・・・?」
真ベルゼ「俺に似た奴が居るというのに興味が湧いた。その話を聞かせてくれ」
ネロ「あ、あぁ。いいけど・・・」
そしてネロは、
ネロ「俺は その時 力を失ってて、普通の人間と変わらない状態だった。それでも どうにか戦ったんだが・・・」
戦いの中で、悪魔の攻撃が生徒の1人に迫った。ネロは その生徒を助けようとしたが、どう足掻いても間に合いそうにはなかった。
ネロ「そんな時に現れたのが、七騎士のベルゼを名乗る、アンタと同じ格好した奴だった」
キリカは真ベルゼの反応が気になり、彼の方を見た。しかし、話の続きを促すため、彼は ただ沈黙を貫いた。
ネロ「そして その七騎士は、条件付きだったが一時的に俺の力を戻してくれた。お陰で、俺は子供達を守る事ができたんだ」
キリカ「でも、その悪魔って・・・」
ネロが話し終わると、キリカは怪訝な顔で真ベルゼを見た。真ベルゼも、何か含みがある雰囲気でキリカと顔を見合わせる。
ネロ「・・・何?どうかした?」
真ベルゼ「・・・その悪魔なら知っている。俺とキリカ様で、ある場所の地下深くに封印したのだからな」
キリカ「私達は その帰りに、皆さんと出会ったんです」
ネロは驚き、絶句した。
明陽学苑の地下遺跡に現れた七騎士の話では、彼と運命の巫女が共に悪魔を封印したと言っていた。目の前の真ベルゼがキリカと共に封印したというのが嘘でなければ・・・。
ネロ「(やっぱり、ベルゼは学苑の地下に現れたのと同じ奴なのか・・・!?だとしたら、キリカは3000万年前に存在した運命の巫女・・・?まさか、俺達3000万年前の過去に来たって事か!?いやいやいや、流石に そんな ぶっ飛んだ話・・・)」
ネロが混乱してるのを余所に、彼の話を聞いたキリカと真ベルゼは顔を険しくさせていた。
キリカ「まさか、もう あの悪魔が復活を?」
真ベルゼ「いや、有り得ません。奴の力は完全に奪った状態で封印しました。復活には長い時を必要とします。若しくは・・・この男が嘘を吐いているか・・・」
ネロ「俺は嘘なんて言わない」
真ベルゼ「フッ、どうだかな」
ネロ「おい、ケンカ売ってんのかよ?」
キリカ「まぁまぁ、私はネロさんの話を信じますよ。それに、復活した その悪魔は、ネロさん達が もう倒したなら安心じゃないですか。さすが、デビルハンター?ですね」
ネロ「いや、まぁ・・・それ程でもないけど・・・」
するとキリカが、物凄く悪い笑みを浮かべながら真ベルゼに視線を向けた。
キリカ「それにしても、七騎士が1人で“ベルセルクの審議”ですか。ふ〜ん、へ〜」
ベルセルクの審議とは、ベルセルクが他者に力を分け与える時に13人のベルセルクが集まり、力を持つに相応しい資格があるか、その審議を行う事だ。
ネロは たった1人の七騎士から課せられたベルセルクの審議で認められ、力を一時的に取り戻す事ができた。
真ベルゼ「私ではありません。他の誰かでしょう」
キリカ「ふ〜ん。まぁ、そういう事にしておきましょう。ですが、やはり私の見立ては間違いではなかったのですね」
ネロ「ん?どういう意味?」
キリカ「いえ、こちらの話です」
ダンテ「なぁ、お互いの事を知れたのはいいが、目的地までは まだ遠いのか?」
真ベルゼ「ここから歩いて あと5日は掛かる見込みだ。お前達を見付けた事で、予定より大分 遅れてるがな」
ネロ「どんだけ歩くんだよ・・・」
真ベルゼ「先は長い。今は休むといい」
キリカ「そろそろ寝ましょうか」
真ベルゼ「貴様らに忠告しておく。もしキリカ様の寝込みを襲おうものなら━━」
キリカ「ベルゼー?うるさくて寝られませんよー」
一先ず就寝となり、ダンテとバージルは気にしていなかったが、焚き火の番と見張りに起きている真ベルゼに ずっと殺気を向けられ、ネロは中々 寝付けなかった。
・・・・・・
*王国*
5日後、キリカの旅に同行したダンテ達は やっと、目的地となる王国へ着いた。
その街並みを見て、ダンテ達は驚く事となった。その街並みは、ダンテ達や艦娘達の世界とは全く違う物だった。そこは中世と未来的な雰囲気が合わさったような光景が広がっており、地面は全て金属で、街の至る所には金属のみで出来ているようなビルらしき建造物が建ち、所々に中世の古臭い感じの場所も見受けられた。
そして街の中心部には、如何にも城と呼べる大きな建造物もあった。
その直後、悪魔が現れた。
ネロは咄嗟にレッドクイーンを背中から抜こうとしたが、キリカに手で制止された。
キリカ「手を出してはいけません」
ネロ「なに言ってるんだ?!悪魔だぞ!」
キリカ「分かっています。ですが手を出してはいけません。よく見てください」
キリカに促され、改めて悪魔の方を見ると、四足歩行の悪魔が荷車を引いていた。
そこに乗る男性は、不思議そうな顔でダンテ達を見ていた。
ネロ「どういう事だよ これ・・・?」
話によると、この王国では悪魔を使役し、その力を生活の労働力としていた。そうして、この文明は発展して繁栄してきたのだとか。
ダンテ「(そういえば昔、セリーナが見せた記憶の風景も こんな感じだったな)」
真ベルゼ「決して ここの悪魔には手を出すな。況してや お前達は半人半魔。大罪人として処刑は免れん」
・・・・・・
キリカは王家との謁見の予定があるとの事で、その後ダンテ達も城まで付いていったのだが、城まで行くと魔剣士3人だけが衛兵に止められてしまった。
ネロ「おい、何だよ?俺達キリカの連れだぞ」
兵士「お前達は誰だ?彼女と その従者の七騎士以外は、立ち入りは許可されていない」
ネロ「ケチケチすんなよ」
キリカに どうにかしてもらおうと彼女を見たのだが・・・
キリカ「ごめんなさい、すぐ戻ってきますから」
一緒には連れて行ってもらえず、真ベルゼもダンテ達を無視して城の中へ入っていってしまった。
ネロ「俺達どうしたらいいんだよ・・・?」
見知らぬ場所で放置されても、不安しかない。
仕方なく、魔剣士3人は退屈しながらも、キリカ達が戻ってくるのを待つしかなかった。
・・・・・・
かなりの時間を待ったが、キリカ達は未だに戻ってこない。何を そんなに長話をする事があるのだろうか?
ネロ「俺達こんな事してる場合じゃないのに。早く皆の所に戻らないと・・・」
ダンテ「帰り方も分からないんじゃ焦っても仕方ないだろ。なるようにしかならないさ」
のんびりしてるように見えるかもしれないが、魔剣士3人とて、艦娘達の世界の今の状況を忘れた訳ではない。
戻れるなら早く戻るべきだが、先ずは帰る方法を見付けなければ話にならない。
ダンテ「それより・・・あいつら いつまで待たせる気だ?」
流石に待ち草臥れ、魔剣士3人が揃ってイライラしながら待っていると、やっとキリカと真ベルゼが出てきた。
キリカ「お待たせしました」
バージル「どれだけ待たせる気だ?」
キリカ「すみません、話してたら お茶を ご馳走になってしまって。姫様にも遊び相手を せがまれ遅くなっちゃいました」
ダンテ「俺達を待たせてたの忘れてたんじゃないのか?」
ダンテが そう指摘すると、キリカは とてつもない冷や汗を掻きながら眼を泳がした。
キリカ「え〜?そ、そんなこと・・・そんな、話が盛り上がって楽しくなった挙げ句、3人の事を忘れて姫様と遊び回ってたなんて、そんなこと、て、天地が ひっくり返ってもあるはずないじゃないですか〜、オホホホホホ〜・・・」
ダンテ「・・・つまり俺達を忘れるぐらい楽しかったと」
ネロ「(嘘だろ、マジかよ・・・)」
バージル「キリカ、お前は いったい何だ?」
キリカ「いえ、その・・・白状すると忘れちゃってました!ごめんなさい!」
バージル「そんな事は最早どうでもいい」
ダンテ「どうでも良かないだろ、忘れられてたんだぞ」
バージル「ここが王政権で統治された場所であるなら、その城に自由に出入りできる者は関係者か、限られた者だけのはずだ。だが貴様は、そこの七騎士と共に当たり前のように城の中に通された。つまり ただの小娘という訳ではないという事だ。貴様は いったい何者だ?」
話が聞こえていたのか、見張りに立っていた衛兵がバージルの言葉に驚き目を見開き、こちらを見ていた。
それに気付いたキリカは、騒ぎになると思い焦った顔をする。
真ベルゼ「キリカ様」
真ベルゼの声にキリカは頷くと、ここでは面倒だからと、魔剣士3人を連れて場所を移す事にした。
・・・・・・
*巫女の神殿*
キリカに連れてこられた場所は、古代ギリシア時代にあるような石造りの大きな建物だった。
話によると、そこはキリカと、彼女の許可を得た者だけが立ち入りを許される特別な神殿だった。
神殿の前にも警備で衛兵が立っていたが、キリカが一緒であるためか、ここでは魔剣士3人は止められる事もなく中に入れた。
キリカ「ふぅ・・・ちょっと焦りましたね」
真ベルゼ「お前達は ここでの常識がないんだ。迂闊な発言は控えろ」
バージル「何が問題だったのか理解できんな」
真ベルゼ「この世界で、キリカ様が どういう方か知らない者は、誰1人として居ない」
ネロ「そういや、“ちょっとした有名人”とか言ってたっけ?」
キリカ「改めて自己紹介させてください。私は未来を見通す者、運命の巫女キリカ」
ネロ「(やっぱり・・・!)」
ダンテ「お前が、運命の巫女だと・・・!?」
バージル「・・・・・・・・・」
キリカ「ここが どこかと、訊いておられましたね。皆さんが この世界の事を知らないのも無理はありません。何故なら━━」
キリカの話では、ここはダンテ達が居た時代より遥か過去の世界だと教えられた。そしてネロの知る範囲の限りで、3000万年前の時代である事も確かとなった。
そしてキリカは、未来を視る力でダンテ達の事も知っていたと付け加えた。
キリカ「隠していた訳ではありません。突然の事に混乱されていた様子だったので、落ち着いてから話そうと思っていました」
この過去の世界で運命の巫女は、王族と ほぼ同格の権力を持つ。だから城にも自由に出入りできたらしい。
政治的な話にも口出しできるそうだが、最終的な決定権は持ち合わせてはいないとか。
ダンテ「お嬢ちゃんが本当に運命の巫女なら、聞きたい事は山程あるが・・・」
ネロ「いったい何から話せばいいのやら・・・」
キリカの正体が、赤城と同じ運命の巫女と知り、改めて混乱するダンテとネロだったが、ゆっくり話もできそうになかった。
真ベルゼ「キリカ様、誰か来ます」
キリカ「3人は隠れてください」
ネロ「隠れるって何で!?つうか どこに?」
真ベルゼ「こっちだ、来い」
真ベルゼに付いていくと、彼は床の石畳を持ち上げた。その下は真っ暗だが、人が入れるだけのスペースはありそうだった。
真「早く ここに入れ」
ネロ「なぁ、何で隠れなきゃいけないんだ?」
ダンテ「おい、少しは説明しろ」
真ベルゼ「時間がない!早く入れ!」
真ベルゼに押され、魔剣士3人は穴の中に押し込まれてしまい、石畳で蓋をされてしまった。
その直後、パタパタと駆けてくる足音に先行するように、2匹の白銀の狼が現れた。それは未来で足柄が面倒を見る事になる、フレキ&ゲリだった。
キリカは しゃがむと、フレキ&ゲリを撫でる。
そしてパタパタと足音を鳴らして駆けてくる者が現れると、それは この時代を生きるセリーナだった。
更に遅れて、デュマーリ島にも現れダンテとも戦ったボルヴェルクまで現れる。
この世界でボルヴェルクは、王家に仕える悪魔として存在していた。
セリーナ「あれ?キリカ様とベルゼだけ?」
キリカ「セリーナ様。先ほど振りですね。どうされましたか?」
セリーナ「キリカ様、新しいペットを拾ったのだろ?見せてくれ!」
キリカ「ペ、ペット・・・?」
セリーナ「うむ!変わった格好をした銀髪の人間3人を連れて歩いてると聞いた!新しいペットだろ?!」
キリカ「姫様?人をペットにする趣味は流石に私でもないですよ・・・」
真ベルゼ「(城の兵士が喋ったのか。面倒だな・・・)」
セリーナ「でも、みんな話してたぞ。ベルゼはキリカ様から離れない、従順なペットだと。だから また新しいペットを━━」
それを聞いて機嫌を悪くしたキリカは、セリーナに目線を合わせると、両手で彼女の顔を挟んだ。
セリーナ「━━むぐっ・・・何をしゅる・・・?!」
キリカ「姫様?他の者が何と言っていようと、そういう言い方をしてはいけません。ベルゼは魔石の守護者に選ばれた七騎士であり、私の旅の従者をしてくれているだけです。決して そんな言い方はしないでください」
セリーナ「でも皆が━━」
キリカ「いいですね?!」
セリーナ「はい、ごめんなひゃい・・・もう言いましぇん・・・」
キリカ「姫様は いい子でちゅね〜♪」
キリカがセリーナの顔から手を離すと、セリーナは泣きながら出口に向かって走っていく。
セリーナ「うわ〜ん!キリカ様が苛める〜!」
キリカ「(全然 反省してないな、あのバカ姫・・・)」
この時代のセリーナは、まだ見た目相応の子供だった。
セリーナを追ってフレキ&ゲリも走り去り、ボルヴェルクも護衛のために立ち去るかと思われたが、この悪魔は違った。ボルヴェルクは、ダンテ達が隠れてる場所を見詰めていた。気付かれたか?
ボルヴェルクが そちらに向かい歩き出すが、真ベルゼが立ち塞がり、両者が睨み合う。
キリカ「ボルヴェルク、ここには お前の求める物は何もありませんよ。それに、お前の立ち入りを許可した覚えもありません。すぐに ここから立ち去りなさい。姫様の護衛もあるのでしょ?」
キリカからの警告と指摘に、ボルヴェルクは少し考える素振りを見せると、大人しく立ち去った。
完全に気配が消えた事を確認すると、真ベルゼは魔剣士3人が隠れる場所に行き、石畳を持ち上げる。
キリカ「あらまぁ・・・」
ネロ「こんなとこに押し込めやがって・・・!」
魔剣士3人が入れられた場所は、それほど広くなく綺麗でもなかったようで、ギュウギュウ詰めで身動きが取れない状態で、埃塗れになっていた。
バージル「おい、早く出ろ・・・!」
ネロ「おい、無理に動くなって・・・!肩が外れる。肩が外れる!!」
キリカ「ベルゼ・・・」
真ベルゼ「はい」
キリカ「手伝ってあげてください・・・」
真ベルゼ「はい」
・・・・・・
街で一般開放されてる浴場に案内され、一っ風呂 浴びた魔剣士3人は再び神殿へと戻ってきた。
そこで改めてキリカと話すのだが、彼女は魔剣士3人に、1つの ある提案をしてきた。自分の従者になれと。
バージル「ふざけるな。そこの七騎士のように、貴様の召使いになれと?」
キリカ「召使いのつもりはありません。飽くまで従者です」
バージル「何の違いがある?」
キリカ「半人半魔は禁忌の子。この時代に、あなた達の居場所はありません。命の保証もありません。ですが私の従者となれば、あなた達に直接 危害を加える事はできない。ある程度の権利も得られ、自由に動き回る事もできます」
ダンテ「もし断れば?」
キリカ「ベルゼが気付いたように、他にも あなた達の正体に気付く者が居るでしょう。そうなれば・・・この王国の全てが あなた達の敵となる」
「「「・・・・・・・・・」」」
真ベルゼ「俺は反対だが、お前達にとっては悪くない話だ。キリカ様の従者となれば、運命の巫女の威光により、簡単には お前達に手出しできなくなる。それが禁忌の半人半魔であってもな」
つまり従者となる事を引き受ければ、運命の巫女であるキリカの保護下に入る事になり、禁忌とされる半人半魔にも人権のような権利が得られ、更に王家と ほぼ同格の権力を持つキリカの後ろ盾も得られる事となる。
ダンテ「引き受ければ最低限の生活保証、断れば死あるのみか・・・・・・そういう話なら、お断りだな」
キリカ「どうしてです?簡単に身の安全が得られるのに、何故それに手を伸ばさないのです?」
バージル「やはり小娘だな。貴様は何も分かっていない」
ネロ「悪いなキリカ。俺達、誰かに付き従う生き方なんて気に入らないんだ。そんな生き方 選ぶくらいなら・・・」
「「「くたばった方がマシだ」」」
真ベルゼ「(こいつらバカなのか?こんな好待遇を断るなど、本気で死を選ぶつもりなのか?)」
真ベルゼは理解に苦しみ、キリカもダンテ達の返答に驚いていたが、目を伏せ何かを熟考し、改めてダンテ達を見据えると口を開いた。
キリカ「では、こうしましょう。あなた達を、元の時代に戻す事を条件に付け加えます」
「「「・・・・・・!?」」」
キリカ「皆さんにも、待ってる人達が居るのでしょ?」
そう言われたダンテ達の脳裏には、艦娘達やトリッシュ、ルシア、モリソン、キリエ、ニコの顔が浮かんでいた。
キリエ「その人達のためにも、戻りたいとは思いませんか?」
バージル「(この女・・・俺達から選択肢を奪うつもりで、最初から その条件を隠していたな・・・!)」
ダンテ「(おいおい この嬢ちゃん、とんだ策士か)」
ネロ「(もしかしてキリカって・・・結構ヤバい・・・?)」
キリカの強かさに、ダンテ達は彼女に対し一気に不信感を抱いた。
しかし元の時代では今、大変な事が起きている。ここで油を売って、放置する事もできない。
プライドと元の時代に戻れる話に板挟みにされ、ダンテとネロは腕を組みながら かなり悩んだ。
するとバージルが、閻魔刀を抜いてキリカに斬り掛かるが、真ベルゼが間に割り込み刃を受け止める。
ネロ「親父!」
バージル「元の時代に戻る方法を教えろ・・・!そうすれば、2人 纏めて楽に殺してやる・・・!」
真ベルゼ「キリカ様に手を出すなら、死ぬのは貴様の方だ・・・!」
キリカ「バージルさん、言っておきますが、私を殺せば元の時代には戻れなくなりますよ。そして あなた達が大切に想う人達も、誰1人 救えなくなる」
バージル「戯言を・・・!」
バージルは真ベルゼに押し返され、後ろに飛び退き着地すると、キリカと真ベルゼに向かって斬撃を飛ばそうとする。だが斬撃が放たれる前に、ダンテとネロがバージルを取り押さえた。
バージル「放せクズが!」
ネロ「2人を殺しても仕方ないだろ!少しは考えさせろよ!」
ダンテ「ネロ、バージルを頼む。俺は お嬢ちゃん達と話してくる」
ネロ「急いでくれ!」
バージル「放せクソが!!」
ネロ「こっち来いって!」
ネロとバージルが殴り合ってる間に、ダンテはキリカと真ベルゼの方に行く。
ダンテ「お前らを信用できるのか、些か疑問ではあるが・・・本当なんだろうな?」
キリカ「・・・何がです?」
ダンテ「本当に俺達を元の時代に戻せるのか?」
キリカ「運命の巫女の名の許に、嘘は言いません」
ダンテ「確約はできるのか?」
キリカ「それはできません」
ダンテ「お〜い・・・」
元の時代に戻る方法がある事を仄めかしておきながら、後出しで帰れない可能性もある事まで仄めかし、ダンテは呆れた。
キリカ「ですが、お約束します。あなた達が元の時代に帰れるよう協力すると。それが私の望みでもあります。未来の巫女のためにも」
ダンテ「・・・赤城の事か?」
キリカ「・・・・・・それが、彼女の名ですか」
ダンテは溜め息を吐き、物思いに耽るように しばらく沈黙すると、キリカの従者になる事を引き受けた。何をさせられるのか全く分かってないが・・・。
直後、吹き飛ばされたネロがダンテに ぶつかり、2人で地面を転がる。
ダンテ「お前なにやってんだ?」
ネロ「バージルの奴、手加減 知らないんだよ。んで、どうなった?」
ダンテ「引き受ける事にした。他に選択肢もないしな」
ネロ「だよな・・・」
バージル「ふざけるな!!俺は認めんぞ!!そんな小娘の召使いになるなど断じてな!」
キリカ「召使いじゃなくて“従者”です」
バージル「貴様は黙ってろ!!」
ダンテ「その前に先ず あいつを どうにかしねぇと」
ネロ「キレまくってるから骨が折れるぞ」
ダンテ「仕方ねぇ、行くぞ!」
ダンテとネロは、バージルを説得するために本気の戦いを挑む。
その3人の戦いの余波は、いま居る神殿にも影響を与え、内装を滅茶苦茶にしていく。このまま放っておけば、崩れて瓦礫の山となるだろう。
キリカ「あの、ここ壊されると すっごく困るんですけど・・・」
真ベルゼ「はぁ・・・」
キリカは神殿が壊されそうで嫌な汗が流れ、真ベルゼは溜め息を吐きながら、黒の魔石の力を行使し、魔剣士3人を球体状の闇の中に閉じ込めるのだった。
次回も宜しく お願い致します!