Devil May Cry鎮守府   作:しゅんしゅん@よし

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516話です!どうぞ!


Mission516 巫女の祝福〜喧嘩と花火は祭の華〜

旅をする少女キリカと、その従者である七騎士の真ベルゼと行動を共にし、魔剣士3人は見知らぬ世界にある王国へと辿り着いた。

案内された神殿で3人は、キリカが赤城と同じ運命の巫女で、この世界が艦娘達の世界の過去、3000万年前の時代である事を知る。

そしてキリカは、魔剣士3人に ある提案をする。自分の従者になれと。

この時代では半人半魔は禁忌の子とされ、居場所も無ければ生きる権利すら与えられない。3人の正体が知られれば、彼らとて例外ではない。

だがキリカの従者となれば、王国と ほぼ同格である権力の後ろ盾を得られ、敵視する者達も簡単には手出しできなくなる。しかし、魔剣士3人は これを拒否。

するとキリカは、魔剣士3人を元の時代に戻すのを条件に付け加えた。

バージルは納得していなかったが、悩んだ末にダンテは、キリカの従者になる事を引き受けるのだった。

 

 

*巫女の神殿*

 

暴れる魔剣士3人を真ベルゼが止めた後、キリカは魔術を使ってボロボロになった神殿を修復していた。

 

キリカ「ふぅ・・・」

 

修復には時間を要したが、終わると魔術を行使していたキリカは、疲れた溜め息を吐きながら額の汗を拭った。

 

真ベルゼ「貴様ら、キリカ様の手を煩わせよって・・・!」

 

ダンテ「すぐ人を斬りたがるバージルが悪い」

 

ネロ「考える暇もくれない暴走機関車のバージルが悪い」

 

バージル「俺は小娘の召使いになどならんぞ」

 

真ベルゼ「何だ そのキカンシャとは?訳の分からん言葉を使うな。あと召使いではなく“従者”だ。何度 言えば理解する?」

 

ダンテ「んで、その従者ってのは具体的に何をすればいい?」

 

キリカ「基本的には私の護衛ですね。っと、その前に」

 

「「「・・・・・・?」」」

 

キリカ「あなた達に“巫女の祝福”を与えます」

 

ダンテ「何だ それ?」

 

ネロ「何それ〜?」

 

よく分からず、名前からしても身体が痒くなるダンテとネロ。というか、直感で魔剣士3人は物凄く嫌そうな顔をしていた。

するとキリカが、物凄く悪い笑みを浮かべた。

 

キリカ「私の従者となる儀式ですね。私に隷属させる呪いを掛けちゃうんですよ〜」

 

それが冗談と理解した魔剣士3人は、白けた顔でキリカを見詰めた。

 

キリカ「じょ、冗談ですよ。笑ってください・・・そ、そんな目で私を見ないで・・・」

 

改めて ちゃんとした説明を聞くと、巫女の祝福とはベルセルクの資格を与えるもので、運命の巫女を守護する使命も与えられる。

すると魔剣士3人は、“ベルセルク”という言葉に反応した。何度か その名で呼ばれた事がある。

 

ダンテ「それなら俺達、もう そのベルセルクってやつらしいぞ」

 

キリカ「え?」

 

ネロ「未来で色んな奴に そう呼ばれた事があるんだ」

 

キリカ「・・・・・・ああ、そういうこと・・・」

 

キリカは どういう事かと考え、少しして全てを理解した。

厳密には魔剣士3人は、まだベルセルクではない。恐らく この時代でベルセルクとなるから、それを知っていた者達が そう呼んでいたのだろう。だから未来で、巫女の祝福を与えられてなくとも そう呼ばれる事になったのだと。

そこまで理解したキリカは、やはり この魔剣士3人に未来の希望を託すのは間違いではないと、自分の判断が正しいと確信した。

 

真ベルゼ「キリカ様、やるなら早くした方がいいでしょう。随分 騒いでしまったため、また誰かが来るやもしれません」

 

キリカ「そうですね。まぁ、おまじないみたいなものですから安心してください。では・・・誰からやります?」

 

魔剣士3人は、誰から行くのかと互いの顔を見やった。

 

 

・・・・・・

 

相談の結果、キリカの従者になる事を引き受けた言い出しっぺのダンテから、妙な儀式をやらされる事となった。

ダンテとキリカは、神殿の中央にある台座に立ち、向かい合う。

 

キリカ「では、その場で膝を突いてくれますか?」

 

ダンテ「こうか?」

 

ダンテが片膝を突くと、キリカも両膝を突き、両手でダンテの顔を挟むと、彼の額に自分の額を重ねた。

キリカが聞いた事もない言葉で何かの呪文を唱え始めると、天井からダンテとキリカに向かって光が降り注ぐ。それを、ネロは口半開きで不思議そうに、バージルは怪訝な顔で光を見ていた。

そしてキリカの呪文が終わるのと同時に、降り注ぐ光も消えた。

 

キリカ「あなたは“運命を取り戻すベルセルク”。これから よろしく お願いしますね」

 

ダンテ「お前さんの言う“運命”ってのが よく分かんねぇが、まぁ なるようになるか」

 

ダンテが台座から降り、次にネロが台座に上がると、先程のダンテと同じようにキリカと向き合い、巫女の祝福を与えられる。

 

キリカ「あなたは“命を守護するベルセルク”。よろしく お願いしますね」

 

ネロ「え、あ、うん・・・」

 

結局なにをしたらいいのか分からないままであるため、ネロは首を傾げながら台座から降りた。

 

キリカ「次はバージルさんですよ。こちらに来てください」

 

最後にバージルの番となり、台座に上がるよう催促されるのだが、彼は1歩も動かずキリカを睨んでいた。

 

ダンテ「行けって」ヒソヒソ・・・

 

バージル「こうなったのは全て お前のせいだぞ」

 

ダンテ「他に どうすれば良かったんだ?元の時代に戻るにはキリカの嬢ちゃんの助けが必要だ。それに、お前だって早く間宮に会いたいだろ?」

 

バージル「元の時代で俺達は追われる身だぞ。鎮守府に戻れる訳がなかろう」

 

ダンテ「それは元の時代に戻ってから考えようぜ。それに、向こうの時代じゃ妙な事にもなってるしな」

 

キリカ「何してるんですかー?早く来てくださーい」

 

バージル「・・・・・・・・・」

 

ダンテ「早く行けって」ヒソヒソ・・・

 

渋々ながら、バージルは台座へと上がりキリカと向き合うと、同じく巫女の祝福が与えられた。

 

キリカ「あなたは“闇を斬り裂き道を切り開くベルセルク”」

 

その言葉に、バージルは既視感があった。微かな記憶を辿ると、吹雪型と向かった心霊スポットで現れた、謎の光る人物にも同じ事を言われた事があった。

 

バージル「(あの時 現れたのは、この小娘だったのか・・・?)」

 

キリカ「(ごめんなさい・・・)」

 

儀式も終わり、晴れて魔剣士3人はキリカの従者となったが、彼女は心の中で謝罪した。

ベルセルクになるという事は、この世界の安寧や秩序を護るために、これから否応なしに戦いに巻き込まれるということ。魔剣士3人を己の従者にしたのはキリカの意思であったが、それが分かってる彼女自身、罪悪感がない訳ではなかった。

特に身体など変化がない事を確認した魔剣士3人は、これから何をさせられるのか問うと・・・

 

キリカ「今日は帰って寝ます!疲れました!」

 

キリカは それだけ言って神殿から出ていき、真ベルゼも何も言わず彼女に追従して出ていった。

結局よく分からない事をさせられただけで1日が終わり、魔剣士3人は唖然としてキリカの背中を見るしかできなかった。

その後、街にある宿をキリカが手配し、魔剣士3人は そこに泊まるのだった。

 

 

・・・・・・

 

*宿*

 

翌日、3人が泊まる宿にキリカと真ベルゼが迎えに来た。

 

キリカ「ダンテさーん?迎えに来ましたよー」

 

扉をノックして声を掛けるが、中からダンテの返事がない。

 

真ベルゼ「おい、まだ寝てるのか?」

 

キリカと真ベルゼはダンテを起こそうと、扉を開けて中に入るのだが・・・。

 

キリカ「きゃああああああっ!!!!///////」

 

悲鳴を上げたキリカは手で自分の顔を覆い、後ろを向いてしまった。

真ベルゼの視線の先には、素っ裸で寝ているダンテ。

 

ダンテ「んあ・・・?」

 

真ベルゼ「貴様・・・・・・さっさと服を着ろー!!!!」

 

 

・・・・・・

 

キリカ「もうっ!もうっ!もうっ!!///////」

 

全員 揃い、そのまま宿で食事を摂っていたのだが、キリカは顔を赤らめながら不機嫌そうに、ガツガツと食事していた。

 

真ベルゼ「キリカ様、はしたないですよ」

 

ネロ「キリカは何で怒ってるんだ?」

 

ダンテ「寝てる俺が気に入らなかったんだとよ」

 

キリカ「違いますよ!だってダンテさんが━━」

 

バージル「静かに食事もできんのか?品のない女だ」

 

キリカ「なっ・・・!?」

 

ダンテの事やバージルの発言に ご立腹なキリカは、頬を膨らませて腕をブンブン振りながら、真ベルゼを見て何かを訴える。しかし真ベルゼとしても、もう どこから突っ込めばいいか分からず沈黙を貫いた。

 

ダンテ「さて、楽しい食事も程々に、従者としての最初の仕事は何をすればいいんだ?」

 

キリカ「今日は生誕祭に出席します」

 

ネロ「生誕祭?」

 

どうやら今日は、この国の国王の誕生日らしく、城の方で何か催しがあるそうだ。

興味がない魔剣士3人は行きたくないと伝えたのだが、拒否権はないらしい・・・。ただ3人だけでなく、キリカにも拒否権がないそうだ。どうやら王国に居る者は、全員 強制参加らしい。

 

 

・・・・・・

 

*城*

 

キリカと真ベルゼに連れられ城の広場まで来ると、既に大勢の国民が集まっていた。はぐれると大変そうだ。

運命の巫女であるキリカには特等席が用意されてるらしく、この後 城の中に入り、そこから生誕祭を見る予定だ。

 

ネロ「凄いな こりゃ」

 

キリカ「ここでは1番 盛大な祭ですからね。不用意に歩き回ると迷いますよ━━って言ってる傍から離れるんじゃありません!!」

 

早速どこかへ行こうとする魔剣士3人であったが、キリカにコートの裾を掴まれ止められた。

 

キリカ「従者なのに私から離れて どうするんですか?!」

 

「「「チッ・・・」」」

 

魔剣士3人、脱走 失敗。

そして王城では、王族であるアーロンとルキフェルス、セリーナにも特別席が設けられ、3人が一緒に居た。

そこでアーロンは、退屈そうに欠伸をしていた。

 

セリーナ「兄上、露骨ですよ」

 

アーロン「だって退屈だからねぇ。何で父上の お誕生日会に出なきゃいけないんだか・・・」

 

ルキフェルス「確かに、相変わらず くだらん催しだ。この祭も、如何に国民が自分に忠誠を誓っているか、父上が再認識したいだけだろ。欠席不可の分際で笑わせる」

 

アーロン「あ・・・まぁ でも、今回は面白い出し物が拝められるかもしれないけどねぇ」

 

ルキフェルス「何?」

 

アーロン「城の兵士が噂してたんだ。キリカ様が新しく、変わった3人を連れて歩いてると」

 

セリーナ「妾も聞きました!」

 

ルキフェルス「そいつらは何者だ?」

 

アーロン「さぁ?」

 

ルキフェルス「まさか新しくベルセルクを迎え入れたのか?」

 

アーロン「どうだろうねぇ?彼女が何を考えているにせよ、それは彼女だけが視えるものに起因するという事さ」

 

ルキフェルス「未来を見通す、か・・・」

 

その頃ネロは・・・

 

ネロ「あれ・・・?キリカとベルゼは?ダンテと親父も居ねぇし・・・」

 

やっぱり はぐれた。

そうしてる間にも、間もなく生誕祭が始まろうとする。

 

キリカ「皆さん、国王の口上の間は、くれぐれも静かに・・・・・・」

 

真ベルゼ「あいつら どこに行ったんだ?」

 

横を見て、キリカと真ベルゼも、魔剣士3人が居なくなってる事に やっと気付いた。

国王が口上を述べる声が聞こえる中、ネロはダンテとバージルを探して歩き回っていた。

すると後ろから、誰かに ぶつかられた。

 

国民「何だぁ、こいつ?」

 

国民「ウロチョロしてんじゃねぇよ」

 

見ると、2人の男がネロを蔑むように見ていた。魔剣教団という組織を潰してしまうほど、普段から反抗的なネロが そんな目を向けられれば、王城でアーロンが言っていたように面白いことになってしまうかもしれない。悪い意味で・・・。

 

ネロ「何だよ?今そっちが先に ぶつかってきたんだろうが」

 

国民「あん?」

 

国民「おい、このガキ・・・変わった格好してるぜ?」

 

国民「本当だなぁ。じゃあ こいつが例の・・・」

 

国民「あぁ。どこからか連れてこられた、“新しいペット”か」

 

国民「あの変わり者の巫女様が、こんな素性も知れぬ若造を寵愛しているとは。お姫様気取りも男趣味の賜物か」

 

2人の男が馬鹿にしたように笑っていると、話を聞いていて何だかイライラしたネロが、男の1人の脛に蹴りを入れた。

 

ネロ「お前、今キリカの悪口 言っただろ?!その汚い口 閉じねぇと、許さねぇぞ」

 

国民「このガキ!」

 

脛を蹴られた男がネロに殴り掛かろうとするが、誰かが腕を掴み拳を止めた。見ると、バージルだった。

 

バージル「俺の息子が どうかしたか?言っておくが、躾じゃない暴力は無粋だぞ」

 

ネロ「あ、親父」

 

国民「こいつは・・・!?」

 

国民「こいつも巫女様の新しいペットという・・・」

 

バージル「ガキを批難する前に、大人気のない態度を改めたら どうだ?」

 

ネロ「(親父が言うか それ・・・?)」

 

国民「フンッ、奴隷風情が何を偉そうに」

 

バージルも現れ騒ぎが大きくなったため、王城の衛兵達も騒ぎに気付き始めた。

 

衛兵「な、何の騒ぎだ!?」

 

衛兵「国王の御前で、しかもスピーチ中に!」

 

2人の衛兵が騒ぎを止めるために駆け付けたのだが、行動に移そうとした瞬間、1人の衛兵がネロに ぶつかった。

 

衛兵「何だ この薄汚い小僧は?摘み出せ!」

 

ネロ「な、何すんだよ!?離せって!」

 

ネロが抵抗して衛兵の1人が吹き飛ぶと、もう1人の衛兵もネロを取り押さえようと駆け出す。

 

ダンテ「こ〜ら」

 

だがネロを捕まえる前に、突然 現れたダンテに蹴り飛ばされた。

 

ネロ「ダンテ!?」

 

バージル「ダンテ」

 

ダンテ「面白そうな事になってるじゃねぇか。俺も混ぜろよ」

 

バージル「事を荒立てる奴が来たな」

 

ネロ「(いや だから、親父が言う・・・?)」

 

ダンテが現れ更に騒ぎが大きくなった事で、続々と加勢に来た衛兵が増えた。

 

衛兵「いくら巫女様の従者でも、国王の御前での狼藉は許されんぞ」

 

ダンテ「へッ。クソ面白くもねぇ王様の口上に退屈してたとこだ。俺がキリカの従者だと知ってるなら、眠気覚ましには丁度いいぜ。日頃っからキリカとベルゼに恨みを持ってる奴は、纏めて掛かってきな!」

 

バージル「お前は また そうやって煽るな」

 

国民「クソッ!バカにしてやがるのか?!」

 

どうやらキリカと真ベルゼを気に入らないと思ってる者は少なくなかったようで、周りに居た男達が一斉にダンテに襲い掛かる。しかしダンテは、余裕の笑みで次々と返り討ちにしていた。

 

バージル「あいつら、随分と恨みを買っていたようだな」

 

ダンテ「みたいだぜ!お前ら見付ける前に聞いた話じゃ━━」

 

ダンテはネロとバージルを見付ける前に、キリカとベルゼの事を話してる連中の会話を盗み聞きしたのだが、どうやらキリカは この世界の掟を破る事も少なくないようで、運命の巫女という立場から誰も異を唱える事もできず、それが原因で煙たがられてる事もあるようだった。

 

バージル「(俺やダンテのような半人半魔を従者にするのも、その掟に反しているという事か・・・)」

 

バージルが考え事をしてる背後から、男の1人が襲い掛かろうとする。だがバージルは見向きもしないまま、肘鉄を顔面に喰らわせ返り討ちにする。

そこからバージルも乱闘に参戦し、ちゃっかりネロも加わり、国民であろうが衛兵であろうが、魔剣士3人は誰彼 構わず向かってくる者を相手に喧嘩を繰り広げ、城の広場は最早、収拾が付かない騒ぎにまで発展していた。

 

衛兵「何をしている?!」

 

衛兵「早く騒ぎを収めんか!」

 

国王の口上が聞こえない程に騒がしくなった事で、アーロンとルキフェルス、セリーナも流石に何事かと思い、先ほど来た侍女に顔を向ける。

 

ルキフェルス「どうした?」

 

侍女「いえ、何やら、広場の方で暴れ出した輩が、居るそうでして」

 

ルキフェルス「くだらんな。品性下劣なバカ共が多くて、嘆かわしい」

 

ルキフェルスは呆れていたが、その横ではアーロンが笑っていた。

 

アーロン「なぁセリーナ、楽しい余興だとは思わんか?」

 

セリーナ「父上が哀れでなりません」

 

アーロン「まぁいいじゃないか。ケンカと花火は祭の華だ」

 

そして騒ぎの中心地である広場では、真ベルゼが魔剣士3人の名を呼ぶ声が響いた。

 

真ベルゼ「貴様ら何をやっているんだ?!」

 

ネロ「あっ、キリカとベルゼだ」

 

バージル「ん?」

 

ダンテ「おっと、飼い主の登場か」

 

キリカと真ベルゼが近付いてくると、案の定お説教タイムに突入した。

 

キリカ「離れないよう言ったじゃないですか!」

 

それを止めようと、ダンテはキリカの肩に手を置いた。

 

ダンテ「まぁいいじゃないか。子供(ネロ)は風の子、遊び盛りなんだよ」

 

しかし真ベルゼが、キリカの肩に置くダンテの手を払い落とした。

 

真ベルゼ「触るな!いったい何なんだ貴様らは!」

 

ダンテ「暴れん坊デビルハンター、カッコ下半身 含む、カッコ閉じる」

 

真ベルゼ「毎度 毎度 訳の分からん事を・・・!」

 

ネロ「つーか子供扱いすんなよ!いま絶対 俺の事だったろ!」

 

すると、キリカを探して彼女の身の回りの世話を担当する事になっていた侍女が、広場に現れた。

 

侍女「巫女様!上の お席に居ないと思ったら、このような場所に。すぐに お席に お戻りください」

 

キリカ「いえ・・・」

 

侍女「はい?」

 

キリカ「彼らは私の連れです。騒ぎの責任を取り、退席させていただきます」

 

侍女「しかし・・・」

 

キリカ「行きますよ」

 

ネロ「いいのか?俺ら、勝手に騒ぎにしただけだけど・・・」

 

キリカ「ふふっ。サボる口実ができただけですよ」

 

キリカが筆頭に歩き出し、魔剣士3人と真ベルゼは それに追従し、広場から立ち去っていく。その背中を、大勢が黙って見送るのだった。

そんな中で、この時代を生きる王妃であるノヴァだけは、不敵な笑みを浮かべていた。

 

ノヴァ「(フフフ・・・お似合いの顔触れが揃ったじゃないですか、運命の巫女。精々 大事にする事です。これから あなた達は、強い運命の糸で操られていくのですから)」

 

 

・・・・・・

 

*巫女の神殿*

 

そのまま歩き続け、神殿へと戻ってきたダンテ達だったのだが、物凄く不機嫌な顔でキリカが振り返り、お説教タイムへ再突入する。

 

キリカ「あなた達は何してるんですか?!陛下の御前で暴れるなんて!私の従者になったからって何しても許される訳じゃないんですよ!」

 

キリカがガミガミと あれこれ言うのだが、ダンテは耳をホジりながら、バージルは腕を組み、ネロは不満そうな顔で、それぞれ彼女から顔を逸らした。こりゃ聞いてないな。

 

キリカ「分かってるんですか?!」

 

「「へーい・・・」」

 

バージル「フンッ」

 

キリカ「私の従者なんですから、私と離れないと約束してください。それを破れば、元の時代に戻す話もナシです」

 

ネロ「そんな!?」

 

バージル「聞いて呆れる。お前の従者になれば、この王国で自由に歩き回れる権利が与えられると言っていたはずだ」

 

キリカ「あんな騒ぎ起こすと思わないでしょ普通は!それなら そんな権利もナシです!私の言うこと聞いて元の時代に帰るのと聞かずに戻れないの、どっちがいいんですか?!分かりましたね?!」

 

ダンテ「はいはい・・・」

 

ネロ「サボる口実ができたとか言ってたくせに・・・」

 

魔剣士3人は元の時代に戻るためには、謂わば弱みを握られてるような状態であるため、嫌々ながらもキリカに従うしかなかった。

 

 

・・・・・・

 

*城*

 

その夜、アーロンは城にある研究室で1人 引き籠もっていた。

 

?『お前の望み、叶えてやってもいいぞ

 

アーロン「誰だ!?」

 

自分だけしか立ち入れない研究室で、突然 何者かの声が響き、アーロンは驚き椅子から立ち上がると、周囲を見渡す。すると、宙に光る三つ目が浮かんでいた。

 

ムンドゥス『儂の名は“ムンドゥス”。取引だ。貴様の欲する魔石は儂がくれてやろう

 

アーロン「ムンドゥス、だと・・・!?いや待て。全ての魔石が、俺の手に揃うと言うのか?」

 

ムンドゥス『その通りだ

 

アーロン「・・・・・・では、魔界の帝王に訊こう。取引とは?」

 

ムンドゥス『魔界と人間界を繋ぐ門を開け。強大な悪魔も通れる程の規模のな

 

アーロン「何だと!?そんな事できるはずがないだろ!」

 

ムンドゥス『お前なら理解できるはずだ。お前達 人間共は魔界から、僅かだが我ら悪魔の力を借り、繁栄してきたのだろう?なら門を開けば、魔界のパワーが全て手に入る。そうは思わんか?次の人間の王よ

 

アーロン「しかし・・・」

 

ムンドゥスからの提案は、アーロンにとって全て望むものばかりだった。7つある魔石、文明の更なる発展、次期国王の座、そして それを決して揺るがされる事のない絶対的な力。

だがアーロンは、ムンドゥスの提案を受け入れるリクスも理解していた。魔界とを繋ぐ門を完全に開けば、今よりも制御できない悪魔が増える可能性もあった。これまでも、制御できない悪魔は倒すか、どこかに封印してきた。その被害も少なくはなかった。

しかし・・・。

 

アーロン「本当に・・・本当に約束は守るんだろうな?」

 

ムンドゥス『・・・・・・・・・

 

アーロン「7つの魔石を・・・俺が王となる力を差し出すと!」

 

ムンドゥス『無論だ。儂も、お前に望みを叶えてもらわなくては困るのでな

 

アーロン「ならば寄越せ!」

 

ムンドゥス『良かろう!受け取るが良い!

 

突然 目の前に、赤と青、緑、紫、黃、白、黒の魔石が現れ、アーロンは それらを手に取ると、喜びから狂ったように笑った。

だがアーロンは、気付いていなかった。その7つの魔石は、自分が本当に欲していた魔石とは違うという事に。

七騎士が持つ魔石とは、本来 自然の中に宿る精霊達の力が凝縮して生まれた物。だがアーロンが手にしたのは、ムンドゥスの悪意が宿った紛い物だったのだ。

こうして、アーロンは魔石の呪縛に取り憑かれ、全ての人間を悪魔化させる計画を進めるのだった。




次回も宜しく お願い致します!
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