Devil May Cry鎮守府   作:しゅんしゅん@よし

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517話です!どうぞ!


Mission517 予言〜第1王子の謀反〜

3000万年前の時代で巫女の祝福を受け、晴れて異能力者(ベルセルク)となった魔剣士3人。

その翌日、この時代を生きるアーロンとルキフェルス、セリーナの父である国王の生誕祭で、魔剣士3人は盛大な騒ぎを起こしてしまう。

その夜、アーロンは城の研究室で1人 引き籠もっていると、何者かの声が聞こえた。その正体は魔帝ムンドゥスだった。

ムンドゥスはアーロンに取引を持ち掛け、それを受け入れた彼は、ムンドゥスが生み出した魔石の呪縛に取り憑かれてしまう。

この時代の運命の歯車は、滅びへと向かって狂い始めていた。

 

 

*村*

 

それから数日、魔剣士3人は、王国の周囲にある村々へ巡回するキリカに付いていき、そこで畑仕事を手伝わされたり、雑用をさせられたり、たまに出る悪魔と戦い日々を過ごしていた。

雑用に関しては、キリカが人助けと言って何でも引き受けてしまうので、魔剣士3人も何のために一緒に居るのか分からなくなる。

そして今も、絶賛 悪魔と戦闘中だった。

 

ダンテ「たまには骨のある奴と戦いたいもんだ!」

 

バージル「温くて戦いにもならん」

 

ネロ「我儘 言うなって!」

 

今日 訪れた村では、悪魔に襲われ被害が深刻だったため、それを討伐するために来ていた。

魔剣士3人が有象無象の悪魔と戦う様子を見ながら、キリカと この時代の七騎士の1人である真ベルゼは感心していた。

 

キリカ「凄いですね。あのクラスの悪魔達を あんな簡単に・・・」

 

真ベルゼ「えぇ。実力だけなら魔界の上級悪魔に匹敵するやもしれません。いや、もしかすると それ以上も・・・・・・やはり あの3人をベルセルクにしたのは危険だったのでは?」

 

キリカ「これ以上、ベルセルクの裏切りが増えれば、私でも手に負えません。アーロン王子も、以前から妙な噂がありましたが、生誕祭の後から何やら不審な様子もあるとか。だから彼らに、未来を託したいのです」

 

真ベルゼ「あいつらも裏切る可能性があります!」

 

キリカ「それはないでしょう。私が視た遥か未来では、彼らは災厄と戦っていました。今は無理でも、きっと未来でベルセルクの使命を果たしてくれるでしょう」

 

真ベルゼ「では未来では、キリカ様の跡を継ぐ巫女が?」

 

キリカ「存在します。話を聞くに、彼らは既に、未来の巫女と接触してるようです。彼女と彼らが力を合わせれば、きっと・・・」

 

話してる内に悪魔が片付いたようで、ネロが手を振って呼んでいた。

キリカは満足そうな笑みを携えながら魔剣士3人の元へ向かい、真ベルゼも それに付き従うのだった。

 

 

・・・・・・

 

*巫女の神殿*

 

王国へと戻った後、キリカはダンテだけを連れて神殿へと来た。

 

ダンテ「珍しいな、あの仮面野郎(真ベルゼ)と別行動するなんざ。いいのか?」

 

キリカ「何がです?」

 

ダンテ「あいつが怒るんじゃないのか?俺と2人っきりだと知ったら」

 

するとキリカは、何が可笑しかったのか大笑いした。

 

キリカ「何です それ?ベルゼは心配性なだけです。何でも すぐに、私が危険な目に遭う事に結び付けるんですから。たまにはベルゼにも、自分の時間を大切にしてほしいですから、別行動ぐらいしますよ」

 

ダンテ「へぇ。(付き合ってるとかではないのか・・・なら、あそこまでの忠誠心は どこから来るのかねぇ?)」

 

キリカと真ベルゼの関係に探りを入れてみたが、キリカからは当てが外れた返答しか返ってこなかった。

益々この2人の事が よく分からなくなっていると、突然キリカが至近距離まで近付き、ダンテの顔を見上げた。

 

キリカ「あなたは どうなんです?」

 

ダンテ「・・・何がだ?」

 

キリカ「未来の運命の巫女と あなたは、どういう関係なんですか?もしかして、夫婦関係とか?」

 

ダンテ「嫌だ、絶対に嫌だ」

 

キリカ「え〜・・・仲 悪いんですか?」

 

真顔で全力否定するダンテに、キリカはドン引きした。

するとダンテは、何かを懐かしむような優しい笑みを浮かべ、赤城について話した。

・・・・・・だったのだが、話してる内に、その話の方向性が狂い始めた。

 

ダンテ「なのに あいつは!太ってきてるって教えてやってるのに食料は食い尽くすわ!仕事しろって口うるせぇわで昼寝もできやしねぇ!どっちの立場が上か分かったもんじゃねぇんだ!」

 

話が どんどん赤城に対する愚痴に変わっていき、感情的になるダンテにキリカは戸惑う。

 

ダンテ「けど・・・」

 

キリカ「・・・・・・?」

 

ダンテ「あいつは俺が知る中では、間違いなく信用できる奴だ」

 

キリカ「信頼してるのですね。きっと、彼女も あなたを信頼してる事でしょう」

 

ダンテ「どうだろうな。まぁ、世話は焼けるがな」

 

ダンテと、未来の運命の巫女の関係は良好だと知ると、キリカは優しい笑みを浮かべた。

するとダンテの目に、キリカの顔に赤城の顔が重なったように見えた。

 

ダンテ「っ・・・!?」

 

キリカ「どうしました?」

 

ダンテ「いや・・・何でもない」

 

キリカ「もしかして、私が未来の彼女に見えちゃいました?」

 

ダンテ「・・・・・・まさかな」

 

キリカは悪戯っぽい笑みをダンテに向けてくるが、ダンテは彼女から顔を逸らした。

 

キリカ「もしかしたら、未来の運命の巫女は、私の生まれ変わりだったりして」

 

ダンテ「フッ、だとしたら、俺の女運の悪さに泣けてくるぜ」

 

キリカ「それ どういう意味ですか?」

 

ダンテ「いや、別に・・・」

 

キリカは何となく悪口を言われてる気がし、冷たい眼差しでダンテを睨むが、ダンテは本音を言えば面倒臭い事になると理解していたため、また彼女から顔を逸らした。

このまま追求されても面倒であるため、ダンテは目に止まった神殿の壁画に話を逸らす事にした。

 

ダンテ「あれは?」

 

キリカ「予言です」

 

ダンテ「予言?」

 

キリカ「“遠き2つの魂が交わる時、語り継がれし力が現れる”・・・遥か昔から語り継がれ、代々 運命の巫女が守ってきた予言です」

 

ダンテは その言葉に聞き覚えがあった。沖縄で悪魔が始めた殺人ゲームを止めようとした時に、キリカに似た声の光る謎の人物が、同じ事を言っていた。

 

 

遠き2つの魂が交わる時、語り継がれし力が現れる・・・忘れないでくださいダンテさん・・・忘れないで・・・

 

 

ダンテ「どういう意味なんだ?」

 

キリカ「具体的に何が起きるのかは、今の私では何も分かりません。ただ一説によれば、運命の巫女とベルセルクが力を合わせれば、災厄を退けられる事を表してるのではないかと、言われています」

 

ダンテ「災厄ね・・・そういう面倒事は何度も目にしてきたが、どれも暇潰し程度にしかならなかったがな」

 

キリカ「運命の巫女として、その自信は頼もしくなります」

 

ダンテ「まっ、俺は予言なんざ どうでもいいが、楽しめれば何でもいい」

 

ダンテは悪い癖で すぐに茶化すが、反対にキリカは、真剣な顔でダンテに顔を向けた。

 

キリカ「今日、ここへ あなたを連れてきたのは、この予言を伝えるためでした。もしかしたら あなたが、いつか この予言を現実にするベルセルクかもしれないから」

 

ダンテ「・・・どうして俺なんだ?それならネロやバージルだってベルセルクなんだろ?どうして あいつらには話さない?」

 

するとキリカは、ダンテの横を見た。キリカの眼には、ダンテを優しい眼差しで見詰める赤城の幻影が視えていた。

 

キリカ「あなたと、未来の巫女との絆が視えたから、ですかね」

 

ダンテ「何だ そりゃ?」

 

ダンテは意味が分からず怪訝な顔をしたが、キリカはニコニコと笑うだけで その言葉の意味は語らず、ダンテを連れて神殿を後にするのだった。

 

 

*城*

 

数日後、キリカが運命の巫女として村々を巡回するため、それに付いていきダンテ達が王国を留守にしてる時だった。城の研究室でアーロンが、ルキフェルスとセリーナを相手に言い争っていた。

 

セリーナ「兄上、おやめください!」

 

ルキフェルス「我々にとって悪魔は使役する存在だ。それと同じになれば本末転倒だぞ」

 

アーロン「これが成功すれば、悪魔と同じ力を得る事ができる。そうなれば、もう悪魔に頼る必要はなくなる」

 

彼らは魔界に居る悪魔の力を借り、文明を発展させ、繁栄してきた。だがアーロンは、王家の者として それだけでは満足できなかった。

人間が悪魔となり その力を手にすれば、もう わざわざ魔界から悪魔を呼び出す必要もなく、更なる発展と繁栄を齎す事ができると考えていた。

その思惑に目敏く気付いたルキフェルスとセリーナが止めようとした訳だが、アーロンは聞き入れようとはしなかった。

 

ルキフェルス「後悔する事になるぞ」

 

アーロン「それは こちらのセリフだ。邪魔するなら、お前こそ後悔する事になるぞ」

 

セリーナ「兄上・・・」

 

ルキフェルスは怒って出ていき、セリーナは兄を心配するように見詰めるしかできなかった。

 

 

・・・・・・

 

*荒野*

 

また数日後、ダンテ達が王国に戻るため歩いてると、遠くで幾つもの煙が上がってるのが見えた。その場所は、丁度 王国がある場所。

 

真ベルゼ「キリカ様!!」

 

キリカは突然 走り出し、真ベルゼは慌てて彼女を追う。

魔剣士3人も1度 顔を見合わせると、その後を追った。

 

 

・・・・・・

 

*王国*

 

ダンテ達が王国へと入ると、街は凄惨な光景が広がっていた。王国民は使役していた悪魔に襲われ、意味もなく殺され、食われている者も居た。

王国の兵士も戦っているが、数に押され この混乱を抑える事もできていなかった。

 

キリカ「時が来てしまったようですね・・・」

 

キリカは魔剣士3人と会うより以前から、王国が、自分が生きる文明が滅ぶ未来を視て知っていた。ただし、それが いつ起こる事なのかまでは見通せていなかった。

 

ネロ「おい、これでも手を出すなとか言わないよな?」

 

真ベルゼ「構わん、人間を襲う悪魔は全て敵だ。倒せ!」

 

ダンテ「やっと らしくなってきたな」

 

バージル「チッ、面倒な」

 

魔剣士3人と真ベルゼは、襲われてる人間達を守るため、有象無象の悪魔に戦いを挑む。

そこに、キリカの傍へ城の侍女が駆け寄ってきた。

 

侍女「キリカ様!」

 

キリカ「あなたは・・・いったい何があったのです?」

 

侍女「アーロン王子・・・アーロン王子が!」

 

キリカ「・・・アーロン王子が どうしたのです?」

 

侍女「謀反です!謀反を起こしたんです!」

 

キリカ「何ですって!?」

 

侍女が知る限りの話では、アーロンは自分で開発した装置を使い、王国に居る人間の大半を悪魔に変貌させたらしい。

悪魔化しなかった人間は悪魔に襲われる事になり、城の兵士達も力を尽くしたが、突然の事に対応が遅れて防衛が瓦解した。

侍女が最後に見た時には国王も悪魔化したらしく、王妃ノヴァは行方不明となってるそうだ。

現在、ルキフェルスとセリーナが、生き残った兵士を集め、真ベルゼ以外の七騎士にも召集を掛け、謀反を起こしたアーロンに対して反攻作戦を計画してるらしい。

キリカはルキフェルスとセリーナが居る場所を聞き、侍女には先に逃げるように促した。

 

キリカ「ベルゼ!ここは持ちません!退きますよ!」

 

ネロ「ちょっと待てよ!皆を見捨てるのか?!」

 

キリカ「このまま戦っても全滅は免れません!今は撤退します!ベルゼ!!」

 

ベルゼ「・・・御意。キリカ様の ご命令だ!退くぞ!」

 

バージル「いったい どうなってる?」

 

ダンテ「さぁな。何か考えがあるなら、今は言う通りにするぞ」

 

仕方なく従い、魔剣士3人と真ベルゼはキリカを護りながら駆け抜け、王国から脱出した。

 

 

*城*

 

同時刻、アーロンは玉座で大きな魔界の門を開いていた。そこから現れたのは、魔帝ムンドゥスだった。

 

アーロン「魔界の王、魔帝ムンドゥス!いや、神よ!この戦争に勝つために、我に力を!」

 

ムンドゥス『人間風情が、この魔帝に力を求めるのか?

 

アーロン「私は最早 人間ではない!この戦争に勝った暁には、人間界を あなたに差し上げよう!その代わり、私に王としての力を!」

 

ムンドゥス『・・・・・・面白い。ならば この魔帝のために、力を尽くすがいい

 

取引以上の要求に、ムンドゥスは いい顔をしなかったが、アーロンが自分を神と崇め、自らの世界を差し出そうとする その姿勢に気が変わり、既に悪魔化してるアーロンに対し、ムンドゥス自らの手で、悪魔としての更なる力を分け与えた。

 

・・・・・・

 

*野営地*

 

ルキフェルスとセリーナの呼び掛けで、未来で魔剣士3人が倒した七騎士と、生き残っていた兵士達が野営地に集まっていた。

そんな場所で、七騎士である紅蓮の炎ベルナンド、凍土の支配者モーフィス、暴風王アスタロス、雷帝バアル、大地の怒りモクロ、浄化の光ゾニアは、ルキフェルスとセリーナを問い詰めていた。

 

モクロ「ルキフェルス王子、いったい どうなっている?アーロン王子が謀反を起こしたなどと」

 

ルキフェルス「見ての通りだ。兄上は狂った思想を持ち、国民や兵士達を悪魔化させ、王国を占拠した。このままでは お前達の里にも、未曾有の災厄となって襲い掛かるぞ。それを防ぐために協力してくれ」

 

ベルナンド「あの野郎、ふざけやがって・・・!」

 

バアル「ふ〜ん、アーロン王子がねぇ・・・」

 

ルキフェルス「あいつを“王子”と呼ぶな!」

 

『・・・・・・・・・』

 

ルキフェルス「奴は最早、王族にあらず。俺達が倒すべき敵だ!」

 

すると、アスタロスが挙手した。

 

アスタロス「質問があります。国王と王妃は どちらへ?」

 

セリーナ「っ・・・」

 

2人の話が出た途端、セリーナは辛そうな表情で顔を伏せた。

 

ルキフェルス「父も悪魔化し、王としては死んだ。母である王妃は行方知れず。そして今、この時より、俺が王となる!」

 

ルキフェルスが高らかに宣言すると、七騎士と生き残っていた兵士達は全員が跪き、頭を垂れた。

 

モーフィス「しかし王よ、まだ1つ問題がありますぞ。キリカ様とベルゼは どうされたのです?」

 

ゾニア「戦争を仕掛けるのであれば、運命の巫女とベルゼの力がないのは、厳しいものがありますわ」

 

キリカ「私なら ここに」

 

キリカと真ベルゼの話題になり、そこに丁度2人が現れた。しかし、魔剣士3人の姿は見当たらない。

七騎士達はキリカを見ると、敬服して頭を下げた。

 

キリカ「楽にしてください」

 

セリーナ「キリカ様・・・父上が・・・母上が・・・兄上が・・・」

 

キリカはセリーナの元へ歩み寄ると、この状況に苦しんでいるであろう彼女を、精神的に支えようとするように抱き締めた。

 

ルキフェルス「運命の巫女、闇の吐息、状況は聞いているか?」

 

キリカ「城の侍女から、大凡の話は」

 

ルキフェルス「結構。我らはアーロンに対し、反攻作戦を決行する。お前達も力を貸せ」

 

ルキフェルスからの要請に、真ベルゼは自分の意思で決定する気がないのか、意見を仰ぐようにキリカを見た。

そしてキリカの返答は・・・。

 

キリカ「分かりました。私としても見過ごせない状況。及ばずながら お力添えしましょう」

 

アスタロス「その前に1つ疑問があります。キリカ様は未来を見通す力がある。なら、この未来も視えていたのではないのですか?」

 

ベルナンド「それ どういう意味だ?こうなると知ってて、キリカ様が わざと黙ってたって言いたいのか?」

 

アスタロス「それを確かめるために今 訊いてるんですよ、バカは黙っててください」

 

ベルナンド「んだとテメェこの野郎!」

 

バアル「バカなのは事実でしょ?」

 

ベルナンド「お前も消し炭にすんぞ、このクソ女」

 

バアル「あ?避雷針にすんぞ焼き鳥野郎」

 

モクロ「よさぬか!!王と巫女様の御前であるぞ。控えろ」

 

モクロの一喝により、ベルナンドとバアルは不満そうな表情ではあったが押し黙った。

静かになったのを見計らい、ルキフェルスはキリカに顔を向けた。

 

ルキフェルス「運命の巫女、どうなんだ?」

 

キリカ「・・・正直に話すと、知っていました」

 

バアル「う〜わ・・・」

 

ゾニア「こうなると知ってて黙っていたなんて、流石に看過できませんわ」

 

ルキフェルス「なぜ黙っていた?」

 

キリカ「黙っていた?私は、王家に警告しましたよ。こうなる未来が視えたと。私の話を信じず、一蹴したのは あなたの お父上です」

 

ルキフェルス「・・・・・・・・・」

 

だからキリカは、王家が動いてくれないなら自分で どうにかしようと、真ベルゼを お供とし、滅びの未来を防ぐ方法を探して各地を旅していたのだ。

だが確実な方法は見付からず、いつ滅びの未来が来るかまでは見通せていなかった事もあり、アーロンが謀反を起こしてしまうほど後手に回ってしまう事になった。

 

真ベルゼ「ルキフェルス、お前達 王家がキリカ様の話に耳を傾けていれば、もっと早い段階で備える事ができた。こうなったのは、お前達 王家の責任だ」

 

ゾニア「ベルゼ!王に なんて口の利き方するの!」

 

真ベルゼ「俺は事実を言ったまでだ。貴様らは どいつも こいつも、キリカ様を巫女の中で歴代の変わり者と言ってバカにしてきた。これは そのツケが回ってきた結果だ。その上でキリカ様に力を貸せだと?図々しいにも程がある、恥を知れ」

 

ゾニア「ベルゼ!それ以上の王への侮辱は許さないわよ!」

 

真ベルゼ「王だと?誰がだ?ルキフェルスか?国王が居なくなった途端、もう王様気取りか。随分と気が早いな。それにゾニア、お前は いつも考えなしにルキフェルスの肩を持つ。キリカ様を1番バカにしていたのも お前だ。そんな お前に、意見される筋合いはない」

 

ゾニア「殺すわよ・・・?!」

 

真ベルゼ「やる気か?言っておくが、お前の光でも俺の闇には届かないぞ」

 

ゾニアと真ベルゼの魔力が膨れ上がり、身体から溢れた白と黒の魔力が立ち昇る。

それを見てキリカは困ったように溜め息を吐き、バアルは引き攣った顔でモクロを見た。

 

バアル「おじ様、どうにかしてよ」

 

モクロ「どうして儂が いつも お前達の世話を焼かねばならんのだ?」

 

バアル「だって七騎士で1番 歳上じゃない。ちょっとアスタロス、こうなったのはアンタのせいなんだからね!」

 

アスタロス「なぜ私のせいなんです?」

 

バアル「アンタがキリカ様に疑いの目が向くようなこと言ったからでしょ!」

 

アスタロス「私は論理的に考えた結果、抱いた疑問を口にしただけですが、論理的に考えれば誰でも疑問に思うと思ったのですが、どうやら過大評価していたようですね。すみません、おバカにはムリな話でしたね」

 

バアル「アンタもベルナンドと一緒に避雷針にしてやろうか?」

 

ベルナンド「おい、何で俺も一緒なんだ?」

 

アスタロス「私の風の刃に斬り刻まれるのがオチでしょうけどね」

 

モーフィス「戦いで決着を付ける、それでこそ戦士だ」

 

モクロ「モーフィス、お前まで煽るな」

 

ルキフェルス「もう やめろ!!」

 

同じ七騎士とは思えぬほど不和で、ルキフェルスの一喝で やっと静かになり、ゾニアと真ベルゼから立ち昇っていた魔力も沈静化した。

 

ルキフェルス「話を聞き入れなかったのは王家の落ち度だ。王家を代表し、運命の巫女に謝罪する」

 

そう言って、ルキフェルスはキリカに頭を下げた。そのルキフェルスの意外な行動を見て、ゾニアと真ベルゼは驚く。

揉め事も一段落したところで、アーロンと戦うための話し合いも進めなくてはならない。

 

ルキフェルス「これから どう王国を攻めるか話し合いたい。運命の巫女」

 

キリカ「はい?」

 

ルキフェルス「お前が連れていたという3人は どこだ?一緒じゃないのか?」

 

キリカ「・・・どうしてです?」

 

ルキフェルス「3人のベルセルクが裏切った後に、運命の巫女が素性も分からん3人を連れて歩いてる。そうなると、その3人は新たなベルセルクと考えるのは当然では?」

 

キリカ「・・・・・・・・・」

 

ルキフェルス「沈黙は肯定と捉えていいのか?」

 

キリカ「・・・彼らは道に迷っていた旅人です。困っていたので助けたまでです」

 

ルキフェルス「ではベルセルクではないと?なのに何日も一緒に居たと?」

 

キリカ「新しい行き先が決まるまで、私が面倒を見る事にしただけです。戦いに巻き込まないために、彼らは既に逃がしました」

 

ルキフェルス「それは真実か?」

 

キリカ「アーロン王子が引き起こしたのが伝承にある災厄で、運命の巫女とベルセルクが力を合わせれば止められると考えているなら、見当外れです」

 

ルキフェルス「それは どういう事だ?」

 

キリカ「仮に彼らがベルセルクだったとしても、同じベルセルクであるアーロン様が敵となり、この災厄の元凶であるなら、その時点でベルセルクの欠落が1人 出ている事になります」

 

ルキフェルス「・・・・・・・・・」

 

ベルナンド「なら伝承の事は考えず、今どうするかを考えようぜ」

 

バアル「アンタも たまには いいこと言うじゃない」

 

ルキフェルス「・・・・・・そういう事にしておこう。それならば、我々だけでアーロンと戦う事になる。全員 覚悟しておけ」

 

『御意』

 

それからルキフェルス達は、長い時間を掛けて話し合い、作戦を練るのだった。

 

 

・・・・・・

 

*荒野*

 

ルキフェルス達が居る野営地から かなり離れた場所で、魔剣士3人が居た。理由は、ダンテとバージルが半人半魔である事と、更にネロが その血を受け継いでる事に関係する。いま野営地に行けば、真ベルゼが魔剣士3人の正体に気付いたように、そこに集まってる他の七騎士達も正体に気付く可能性があり、面倒な事になるため ここで待ってるように言われていた。つまりキリカが、魔剣士3人を逃がしたとルキフェルスに言ったのは、全て嘘だった訳だ。

しばらくすると、キリカと真ベルゼが戻ってきた。

 

ダンテ「分かっちゃいたが、随分 時間が掛かったな」

 

キリカ「お待たせしました」

 

そしてキリカは、野営地での話を全て話した。

明日から、ルキフェルス達は王国へと進軍し、攻撃を仕掛ける。

 

キリカ「明日、あなた達を元の時代に戻すため、王国へと侵入します」

 

作戦の内容上、明日はキリカと真ベルゼの出番はなく手が空いており、それなら魔剣士3人を元の時代に戻すため、反攻作戦で攻撃を仕掛けた混乱に乗じて、城に侵入しようと考えていた。

出番がなくとも、独断でルキフェルス達と離れていいのか疑問ではあるが、魔剣士3人を未来に送り返した後、またルキフェルス達と合流すれば問題ないらしい。

するとネロが、ルキフェルスの名を聞いた途端、野営地がある方角を睨んだ。

 

ネロ「あそこにルキフェルスが・・・!」

 

ネロは未来でルキフェルスがやる事を知っている。それを知っているからこそ、ここでルキフェルスを倒し止めようと、野営地に向かおうとした。それを、ダンテが肩を掴んで止めた。

 

ダンテ「やめとけ。ここは俺達が居た時代とは違うんだ」

 

ダンテは知っている。ここでルキフェルスを倒しても意味がないと。

ダンテ達が死ぬ運命を変えるため、未来から川内が来た。

彼女の話では、歴史を大きく揺るがす程の出来事を変えれば、時間が分岐し、違う未来を辿る時間軸が生まれると言っていた。もし ここでルキフェルスを倒しても、彼が魔界化を引き起こさない時間軸が生まれるだけで、魔剣士3人が元の時代に戻ったとしても歴史は変わっていないはずだ。

それにルキフェルスが魔界化を引き起こさない時間軸が生まれたとしても、その時間軸では別の災厄が迫ったり、更に もっと最悪な事が起きる可能性だってある。つまり、無闇に歴史を変えてはいけないのだ。

 

バージル「本当に元の時代に戻れるのか?」

 

キリカ「城に侵入さえできれば」

 

どうやら王国の城の地下には、《時空ゲート》と呼ばれる装置があるらしく、それを使えば時間も越えて元の時代に戻れるそうだ。

 

ネロ「でも、これから戦争するんだろ?2人も戦争に参加するなら、俺達も手伝うぜ?」

 

しかし、キリカは首を横に振り、ネロの申し出を断った。

 

キリカ「気持ちは嬉しいですが、あなた達を巻き込む訳にはいきません。これが私の視た滅びの未来なら、勝ち目はありません。だから、私は未来に希望を託したいのです。ですから、あなた達は未来で生きてください。あなた達が、この世界の未来を繋いでください。それに、元の時代に戻すと、約束もしましたからね」

 

ネロ「キリカ・・・」

 

真ベルゼ「これは この時代を生きる俺達の問題だ。お前達が気に病む事はない」

 

キリカと真ベルゼは覚悟を持って この選択を選んだと、魔剣士3人は それを理解していたため、ネロも それ以上 無理を言う事はしなかった。

 

ダンテ「なら、明日は未来へ戻るための案内を頼むぜ」

 

キリカ「はい、お任せください」

 

真ベルゼ「必ず お前達を時空ゲートまで送り届ける」




次回も宜しく お願い致します!
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