519話です!どうぞ!
王国でルキフェルスが率いる軍と、有象無象の悪魔が ぶつかり戦争が始まった。
その混乱に乗じ、魔剣士3人とキリカ、真ベルゼは王国へと侵入し、城の地下にある時空ゲートを目指す。
城の中にも悪魔が跋扈し、それらを退けながら進むダンテ達は、異様な場所に出た。そこには醜い姿をした様々な悪魔が、檻に入れられていた。
そこに現れたガモウの話から、檻に入れられた悪魔は禁忌の存在である半人半魔を造ろうとし、その失敗作であると知る。キリカと真ベルゼが、旅を通じて各地で封じてきたのも同じ存在だった。
ガモウを倒した事で、暴走する悪魔達を真ベルゼが囮となって引き付け、魔剣士3人とキリカは先を急ぐのだった。
*城*
悪魔が城の通路を徘徊してると、背後からキリカによって消滅させられた。
キリカは自分が出てきた物置部屋の中に戻り、扉を閉めた。
キリカ「下りてきていいですよ」
すると、天井からネロ達が順番に下りてくる。
バージル「どこに出たんだ?」
キリカ「城の地下・最下層。その廊下を曲がって直進すれば、時空ゲートの入口がある部屋です。ただ・・・」
ネロ「ただ?」
キリカ「私達の目的が時空ゲートである事は、あちらも気付いているでしょう。なら、ゲートの前で待ち構えているのは必至でしょう」
ネロ「どうするんだ?」
キリカ「う〜ん、そうですねぇ。ここまでの道案内は済んだ事ですし。私の仕事は・・・あと1つです」
ダンテ「っ・・・!?」
ネロ「キリ・・・!?」
キリカは単身で物置部屋から飛び出すと、徘徊していた悪魔を派手に消し飛ばした。
その音に有象無象の悪魔が引き寄せられ集まってくると、キリカは反転して走り出す。
その時、僅かに開いた扉の隙間から見ていたネロは、通り過ぎ様に笑みを浮かべる、キリカと目が合った。
ネロ「キリカ!」
ネロがキリカを助けようと飛び出しそうになると、彼の肩を掴んでダンテとバージルが止めた。
そしてキリカを追う有象無象の悪魔は、魔剣士3人が隠れる物置部屋の前を通り過ぎた。
ネロ「ふ、2人共・・・?い、嫌だ。嫌だ!嫌だ!!だってキリカが、ベルゼが・・・!」
バージル「だからだ」
キリカと真ベルゼは、魔剣士3人を未来に帰すために、自らを犠牲に囮となった。ここで時空ゲートに辿り着けなければ、キリカと真ベルゼの、覚悟と犠牲が無駄になってしまう。
*王国*
地上ではルキフェルスの軍が、有象無象の悪魔との戦いを続けていた。
そんな戦場に、気持ち悪い風が吹いていた。
兵士「なぁ、何か おかしくないか?」
兵士「え?」
兵士「この風だよ。まるで このまま、全てが滅びるんじゃないかってぐらい重苦しく感じる」
*城*
時空ゲートがある部屋に向かって魔剣士3人が走る中、ダンテは赤城の事を考えていた。
ダンテ「(ここまでの道を作ってくれたのは、ベルゼ、キリカ。俺は お前に、何をしてやれるんだろうか?赤城)」
“ほら提督 行きますよ!”
“それから、私達を人間と言ってくださり、ありがとうございます”
“一航戦の誇りに懸けて”
“今日だけでいいので大人しくしてください!”
“おかえりなさい”
“加賀さんが居れば問題ナシです!”
“無事に帰ってくるか不安で、ご飯も喉を通りません!”
“ムッ!失礼ですね、太ってませんよ!”
“大丈夫です。私を信じてください”
“提督、皆の事も考えてください・・・”
“ゼェー、ハァー、死ぬかと思いました・・・”
“提督!?”
“もう知りません!”
“それで謝ってるつもりですか?!”
“なに言ってるんですか?もう、すぐ調子に乗って・・・”
“提督が あんなこと言うから出てきたじゃないですかぁ!”
“提督ぅ、赤城は頑張ってますよぉ~。いつもみたいに いい子いい子してくださ~い”
“て・い・と・く?”
ダンテ「(正直 大して深くは考えていなかった。その場で咄嗟に思い浮かんだ言葉)」
“それと今更だが、お前を秘書艦にする”
ダンテ「(あの時の俺は、お前が怖かったのかもしれない。淡々と続く生温い時を、ただ流されるまま生きてきた俺には見えなかったもの。花も風も、光も。そして、俺自身でさえも・・・。覗き込まれると、その澄んだ瞳に、目を逸らしてきた俺の姿までもが、映り込んでしまうようで・・・)」
・・・・・・
時空ゲートがある部屋の手前、通路の角で魔剣士3人は様子を窺っていた。そこには2体の悪魔が留まっている。
ネロ「ダンテ」
ダンテ「静かにしろ。(あの扉の向こうに時空ゲートが・・・これだけ手薄なのは、キリカの お陰だろうな)」
ネロ「やっぱ、ダメだ」
ダンテ「ネロ・・・?」
バージル「・・・・・・・・・」
ネロ「俺、あいつらを見捨てるぐらいなら、俺・・・!」
ダンテ「いいかネロ?信じるんだ。キリカもベルゼも、自分自身の事も。あいつらは きっと死なねぇ。それに、俺達は戻らなきゃいけない。元の時代に戻って、赤城を取り戻す。それが、ベルセルクに選ばれちまった俺達がする、最初の役目だろうからな。キリカも それを望んでるはずだ」
ネロ「・・・・・・分かった」
2体の悪魔を どう迅速に片付けるか少し話し、ダンテが角から飛び出す。
2体の悪魔はダンテに気付くが、突然 飛んできた幻影剣に串刺しにされ壁に磔にされると、ダンテが魔剣ダンテを一閃して首を刎ねた。
音もなく瞬時に2体の悪魔を倒したため、恐らく まだ誰も、魔剣士3人が時空ゲートがある部屋の前に居るとは気付いていないだろう。
ダンテ「開けるぞ!ネロ、バージル!」
ネロ「うわっ、おも・・・!?」
3人で扉を抉じ開けると、部屋の中央に時空ゲートと思われる、黄金の龍の意匠がある扉が立っていた。
ダンテは周囲を見渡し、操作端末の機械を見付けた。
ダンテ「こっちだ」
ネロ「何?」
ダンテ「時空ゲートを開くための装置だ。鍵は、キリカから預かった」
魔剣士3人は操作端末の前まで行くと、ダンテが鍵を取り出し それを使う。すると、操作端末からパスワードを要求された。
ダンテ「パスワード・・・」
ダンテが、事前に渡されていた紙を見ながらパスワードを打ち込むと、不快な音と共に よく分からない文字が画面に映し出された。恐らくエラー表示である。
ダンテは もう1度 試すが、結果は同じだった。
そこからヤケになり、ダンテは何度も何度もパスワードを打ち込む。
ダンテ「(何で開かない・・・?)クソッ!」
バージル「っ、ダンテ!」
ネロ「ダンテ!」
呼ばれて振り返ると、突如 現れた有象無象の悪魔に囲まれていた。
その後ろから、行方を消していたとされるノヴァが現れた。
ノヴァ「あと1歩の所で、残念でしたね、ベルセルク達よ」
バージル「ノヴァ・・・!」
ダンテ「この時代のノヴァか・・・」
ネロ「お前!」
ノヴァ「パスワードは既に書き換えさせていただきました。もう あなた達に、ゲートを開く術はないのですよ。遥か昔、この時空ゲートを創設したのは我が一族。その代々の技術力を受け継いだ私には造作もないことです。流石の運命の巫女も そこまでは ご存知なかったようですね」
バージル「(ここまで来て・・・!)」
ネロ「ノヴァ、お前は、自分の子供であるアーロンやルキフェルス、セリーナまで道具のように利用して、いったい何が目的なんだ?!」
ノヴァ「そこまで知っているとは・・・運命の巫女の入れ知恵でしょうか?彼女が視た未来の話を聞いて知ったのでしょう?」
ダンテ「キリカの嬢ちゃんは関係ないさ。ただ、俺達は お前に借りがあるって話だ。今の お前には何の事だか分からないだろうがな」
ノヴァ「えぇ。下賤の存在の言う事は何1つ理解できません。目的ですか。そうですねぇ・・・言ってみれば、世界が欲しいのですよ」
ネロ「・・・世界?」
ノヴァ「知っていますか?世界とは、この世界だけでなく、様々な平行世界がある事を」
ダンテ「あぁ、よく知ってるよ」
ノヴァ「私は、その全ての世界が欲しいんです。全ての世界を手に入れ、たった1人の王となる。いいえ、代わりなど居ない、替えなど利かない唯一無二の、神になりたいのです」
ネロ「そんな事のために・・・!」
ノヴァの言い分に、ネロは血が沸騰しそうな程に怒りの感情が湧いた。そんな事のために、我が子を道具のように利用し、殺し合いをさせるのかと。
だが反対に、ノヴァはネロの言葉で冷ややかな目をした。
ノヴァ「“そんな事のため”?私の子供達を ご覧なさい。あの子達は家族で、血を分けた兄弟でありながら、互いに争い命を奪い合っている」
ネロ「お前が そういう風に仕向けたんだろ!!」
ノヴァ「私が何かしなくても、いずれは こうなっていました。人間とは そういう生き物です。人間は夢や希望、平和を謳いますが、それは仮初の姿。本質は破壊と殺戮を好む生物。だから人は争い続ける。私は それが嘆かわしく、許せないのです」
バージル「・・・何を言っている?」
ノヴァ「私が全ての世界を手に入れれば、唯一の神として、全ての世界から争いをなくしてみせます。そう、全ては、世界平和のためです。それが私の目的、とでも言っておきましょう」
ネロ「そのためなら、自分の子供も犠牲にするのか?!」
ノヴァ「その通りです」
ネロ「我が子を犠牲にして・・・得られる平和なんてある訳ないだろ!!」
バージル「貴様如きが、神になろうと思い上がるな」
ノヴァ「では あなたが神になるとでも?災厄を退けると言われてるベルセルクでも、世界に平和を齎す事はできません。神にもなれない出来損ないの半人半魔では、尚更」
ダンテ「よし、テメェは殺す。墓石には何て彫ってほしい?“世界で1番 浮かれたババア、調子 乗って ここで眠る”ってのは どうだ?」
ノヴァ「墓が必要なのは、あなた達の方では?」
ノヴァが手で合図を出した瞬間、魔剣士3人を包囲していた有象無象の悪魔が、一斉に襲い掛かる。
魔剣士3人は迎撃しようと構えるが、その瞬間、両者の間に光の壁が現れ、悪魔の攻撃を遮る。
直後、間髪 入れずに黒い球体状のエネルギー弾が飛び交い、有象無象の悪魔を一瞬にして消滅させた。
魔剣士3人とノヴァが出入口の方を見ると、キリカと真ベルゼが歩いてくるのが見えた。
キリカ「なるほど。王妃様、行方知れずと聞いてれば、そんな目的を持っていたとは」
真ベルゼ「貴様が真の敵であるなら、貴様も闇に葬るまで」
ノヴァ「運命の巫女、七騎士・・・!」
ネロ「2人共、無事だったのか!」
ノヴァ「くっ・・・!」
ノヴァは また有象無象の悪魔を召喚し、魔剣士3人が戦い始める。
その隙にノヴァは逃げようとするのだが、キリカが魔力で形成した鎖で拘束し、真ベルゼが飛び掛かり取り押さえた。
更に悪魔を倒し終わったダンテとバージルが、ノヴァの首に魔剣ダンテと閻魔刀の刃を宛てがい、ネロがブルーローズの銃口を頭に突き付ける。
ダンテ「チェックメイトだ」
ネロ「パスワードを解除しろ」
バージル「したくないなら それでも構わんぞ。貴様の目的とやらが永遠に果たせなくなるだけだ」
真ベルゼ「ノヴァ、観念しろ」
キリカ「“チェックメイト”って何ですか?」
ネロ「今それは どうでもいいだろ!?」
ダンテ「未来の言葉だ」
キリカ「なるほど、確かに未来っぽいです」
ネロ「もういいって・・・」
ノヴァを無理矢理 引き摺り、操作端末の前に突き出すと、ノヴァは観念したのか、書き換えたパスワードを入力した。すると、時空ゲートの扉が左右に開き、そこから眩い光が部屋に差し込む。
ネロ「あれが、時空ゲート・・・!?」
ノヴァはキリカと真ベルゼに任せ、あとは時空ゲートを通って元の時代に戻るだけだと思われたが、突如どこからともなく、赤く光る魔力の槍が魔剣士3人と、キリカを庇った真ベルゼの身体を貫いた。
キリカ「ベルゼ!?皆さん!」
ダンテ達は膝を突いてしまい、その隙にノヴァは、時空ゲートを閉じるスイッチを押して逃げ出した。時空ゲートの扉は、ゆっくりと閉まり始める。
上を見上げると、赤く光る三つ目が宙に浮かんでいた。その正体に、ダンテとバージルは気付いた。
バージル「ムンドゥス・・・!」
ダンテ「この世界のムンドゥスか・・・!」
魔剣士3人は身体に突き刺さる魔力の槍を引き抜き、魔帝ムンドゥスと戦うために魔人化しようとする。だが、それを真ベルゼが止めた。
真ベルゼ「お前達は時空ゲートへ向かえ。ここは俺とキリカ様に任せろ」
バージル「相手は魔帝だ。貴様らだけでは死ぬぞ」
話していると、再び魔帝ムンドゥスからの攻撃が迫る。それをキリカが、光る壁を出現させて防ぐ。
ムンドゥス『ほう、この程度は流石に防ぐか、運命の巫女よ』
キリカ「ムンドゥス、今は あなたの相手をしてる暇はありません。ダンテさん、ネロさん、バージルさん、行ってください、未来へ。私達は大丈夫ですから」
ネロ「でも!」
キリカ「私を約束も守れない巫女にするおつもりですか?言いましたよね?あなた達に、未来の希望を託したいと。あなた達の戦いは、ここではありません。未来にあるのです!もう時間がありません、行って。行って!行くのです!」
バージル「だが奴は・・・!」
ダンテ「バージル、またにしろ。ネロ、行くぞ!」
バージル「チッ・・・!」
ダンテとバージルが先に、時空ゲートへ向かって駆け出すが、ネロは俯いたまま動かなかった。
そんなネロに、困った笑みを浮かべるキリカは、彼の顔に触れた。
キリカ「そんな顔をしないで。あなたは とても優しい人。生命を護るベルセルクに相応しい人です」
ネロ「キリカ、俺は・・・!」
キリカ「分かってます。でも心配しないで。あなたの役目は、未来にある。でも、ここでは もうない。だから、あなたは帰らなくてはなりません。愛する人達の元へ」
ネロ「・・・・・・似てるんだ・・・」
キリカ「え・・・?」
ネロ「キリカの名前が、俺の大切な人と凄く似てるんだ・・・」
キリカ「そう、だったんですね・・・。なら、尚更 帰らなくてはなりません。その人のためにも。それができるのは、今しかありません」
ダンテ「ネロ!!早く来い!!もう扉が閉まるぞ!!」
バージル「モタモタするな!!」
ネロが中々 来ないせいで、ダンテとバージルはゲートが閉じるのを少しでも遅らせようと、扉を押し留めていた。それでもゲートは少しずつ閉じようとし、このままでは下手をすれば、2人は圧死する。
因みに、時空ゲートの境で死ぬと、時空の捩れに巻き込まれ、塵も残さず身体は消滅する。
キリカ「さぁ、早く行きなさい。寧ろ あっちの2人の方が今にも死にそうです」
すると、ネロはバッと顔を上げ、キリカと真ベルゼを見た。
ネロ「また会おう」
それを聞き、キリカは寂しそうな顔をした。彼女も真ベルゼも、それは無理だと思っていた。
それでも、最後に そんな別れ方をするのも嫌だった。例え、嘘になったとしても・・・。それが、ネロの背中を押す事になるとも理解していた。
真ベルゼ「あぁ、また会おう」
キリカ「はい、また会いましょうね」
ネロ「絶対だからな!」
キリカとベルゼの返事を聞いたネロは、やっと時空ゲートに向かって駆け出した。
ムンドゥス『行かせはしない』
キリカ「させません!」
真ベルゼ「あいつらの邪魔をするな!」
魔帝ムンドゥスがネロを狙うが、キリカが その攻撃を防ぎ、真ベルゼが反撃する。
ネロ「未来で会おう!!」
そう言いながら、ネロはダンテとバージルを突き飛ばしながら、3人で時空ゲートの向こう側へと飛び込み、扉が閉まった。3人の魔剣士は、未来へと帰ったのだ。
キリカ「“未来で会おう”・・・?」
キリカは、ネロの最後の言葉について考え、ハッとした。
真ベルゼ「キリカ様?」
キリカ「ベルゼ、私達は ここで死ぬかもしれない」
真ベルゼ「覚悟はできています。命 尽きるまで、お供すると誓った あの日から」
キリカ「でも、それで終わりではない。肉体が滅び、魂だけとなったとしても、できる事があるはずです」
真ベルゼ「それは・・・?」
キリカ「未来で、彼らが困難に立ち向かえるように備え、手助けする事だってできるはずです。それが、ネロさんの言った“未来で会う”、約束を果たせる事に繋がると思うんです」
真ベルゼ「・・・・・・フッ、どれだけの時が掛かるのか分かりませんが、世話の焼ける話ですね。死んでも あいつらの面倒を見なければならないとは」
キリカ「会いたがってるんですから仕方ないですよ。では、私達は私達の、今するべき事をしましょう」
真ベルゼ「御意」
魔帝ムンドゥスは部下である、自分が創造した有象無象の悪魔を呼び出し、キリカと真ベルゼは囲まれ、2人だけで戦う事となる。
・・・・・・
記録:悪魔の包囲を突破した運命の巫女キリカと、それを守護する七騎士ベルゼは城を脱出し、その後ルキフェルスの軍と合流。
戦争は幾年にも及び熾烈を極める。
人間界へ魔帝ムンドゥスが完全な状態で現出し、それに続き羅王アビゲイル、覇王アルゴサクスがアーロンに加勢。
これに伴い、世界を守護する精霊達が運命の巫女キリカへ加勢。
3体の強大な悪魔は、運命の巫女キリカと七騎士の手によって、肉体と力を切り離され、肉体は遥か彼方へと飛ばされ、力は どこかへと隠された。
戦争が長引いた事で、アーロンは新たな戦力の投入を決定。魔界兵器の建造に着手し、これを実戦投入する。
魔界兵器の登場により、ルキフェルスの軍が劣勢となる。
戦争の最中、運命の巫女キリカと七騎士ベルゼ、戦死。遺体は発見されず。
劣勢を強いられる中、ルキフェルスの軍が戦況を覆し、アーロンを追い詰める。
アーロンが現出させた魔塔にて、アーロンとルキフェルスが一騎討ちとなり、ルキフェルスが勝利する。
ルキフェルスは、アーロンが持っていた魔帝ムンドゥスが生み出した7つの魔石を我が物にしようとするが、力を暴走させ、これにより文明が消滅。
アーロン、消息不明。遺体は発見されず。
ルキフェルス、同上。
セリーナ、同上。
七騎士ベルナンド、同上。
七騎士モーフィス、同上。
七騎士アスタロス、同上。
七騎士バアル、同上。
七騎士モクロ、同上。
七騎士ゾニア、同上。
その後、生き残った僅かな人間達が繁栄し、文明を形成。そして滅び、長い時を経て それを繰り返す。
同時に、各時代、各文明に、運命の巫女と同じく未来を見通す力を持った存在が確認されている。
以上、記録終了。
・・・・・・
*??? 3月21日 16:21*
それから3000万年の時が流れ、魂だけとなったキリカは、沖縄で発生した悪魔の殺人ゲームを止めようとするダンテを、作り出した異空間へと招いた。
ダンテ「(どうなってる?)」
キリカ『取り戻すのです』
ダンテ「何・・・?お前は誰だ?」
キリカ『ベルセルク・・・取り戻すのです。あなたの運命を』
ダンテ「悪いが説教なら間に合ってる。その手のナゾナゾもウンザリだ。先ずは質問に答えてほしいもんだな」
キリカ『あなたの運命を。運命の魔石を。この戦いを止めるための力を・・・』
ダンテ「おい、それは赤城の事か?戦いを止める力って何だ?」
キリカ『“遠き2つの魂が交わる時、語り継がれし力が現れる”・・・忘れないでくださいダンテさん・・・忘れないで・・・』
ダンテ「おい、質問に答えろ!なに言ってる?!何で俺の名前を知ってる?!前に会ったか?!」
キリカ『忘れないで・・・』
ダンテを現実世界に送り返した後、キリカは異空間に作った無人の東京の夜空を見上げる。
キリカ『(私は あなたを知っている。けど あなたは まだ私の事を知らない。それでも、私は語り掛け続けましょう。あなたの大切なものを、取り戻せる その日まで・・・)』
・・・・・・
*街 3月23日 3:24*
ネロと睦月型が、奈良にある保育園を手伝う事になり、その時に現れた菌糸の悪魔と戦っている時だった。魂だけの存在となったキリカは、ネロの前へと現れた。
ネロ「また お前かよ。今はアンタの相手はしてられない」
キリカ『ベルセルク、いくら攻撃してもムダです』
ネロ「ムダ?ムダだと?なら倒し方 知ってるなら教えてもらいたいんだけどな」
キリカ『菌糸は無限に増殖し、再生を続けます。しかし それをコントロールするためのコアを破壊すれば増殖は止まり、あの巨体を維持できず自己崩壊するでしょう』
ネロ「そのコアがある場所が、あの光が見える所か」
キリカ『そうです』
ネロ「アンタは誰なんだ?」
キリカ『私は・・・』
ネロ「教えてくれ。俺を“ベルセルク”と呼ぶなら、アンタはアーロンやセリーナと関係があるんじゃないのか?」
キリカ『懐かしい名前ですね・・・。私は、あなたの“旧き友人”であり、“これから友人となる者”です』
ネロ「それ、どういう意味なんだ?おい!?」
・・・・・・
菌糸の悪魔を倒し終わり、鎮守府へと帰るために、睦月型と共に立ち去っていくネロを、キリカが見詰めていた。
キリカ『(寂しくもあり、辛いものですね。正直に教えてあげられないというのは・・・。でも時が来るまでは、まだ あなたに私自身の事を教えてあげられない。それまでは、ただ ひたすらに、ひたむきに、前へと進み続けてください。とても優しい人・・・私のベルセルク・・・)』
・・・・・・
*廃村 ?月?日 ??:??*
心霊スポットで行方不明となった若者達を探して、吹雪型と共に、地図から消えて幽世となった村に迷い込んだバージル。
そんな彼の前に、幽世から出る方法を教えるため、魂だけの存在となったキリカが現れた。
バージル「儀式を行えば、器となってる者も死ぬはずだ。2人を犠牲にしろと?」
キリカ『それが あなたの運命です。ここは同じ時間を繰り返す場所。ここから出るには、儀式の結果を変えるしかない・・・彼女達の命を犠牲にして』
バージル「他に方法は?」
キリカ『ありません』
バージル「他に方法は━━」
キリカ『何度 問うてもありません』
バージル「・・・・・・・・・」
キリカ『・・・ですが、運命とは変えられるもの。あなたなら、きっと死すらも乗り越えられるでしょう』
バージル「もし儀式を成功させても、その災厄とやらは どうなる?」
キリカ『・・・・・・・・・』
バージル「答えろ。儀式の目的は“災厄を封じる”こと。だが それも年に1度だ。1年が過ぎれば どうなる?」
キリカ『・・・災厄は再び解き放たれ、この地に災いを もたらすでしょう。覚えていてください。あなたの運命は、闇を斬り裂き道を切り開くこと。死という闇すらも・・・。祭壇へと向かうのです』
バージル「あそこには行ったが、何も無かったぞ」
キリカ『祭壇へと急ぐのです。もう時間はありません・・・』
・・・・・・
*山 3月22日 11:21*
吹雪型と共に、無事 幽世から脱出できたバージルは、山から出るため歩き出し、その背中を、木々の間からキリカが見ていた。
キリカ『(この状況に巻き込まれたのが あなたで良かった。でなければ、誰も生きては戻れなかったでしょう。この地に巣食う災いを消し去る事も・・・。それにしても、やっぱりバージルさんは、私の話を素直に聞いてくれませんね。まったく、困ったベルセルクです)』
キリカは困ったように苦笑を浮かべると、その場からフッと消えるのだった。
・・・・・・
*ロケット発射場 1月16日 17:23*
3000万年前の過去から戻った魔剣士3人は、気付けば爆散する直前のロケットの中に居た。
ディラン『望みは いつも叶える。確かめたかっただけだ』
健「確かめるって?」
ディラン『奴らが黙って去るか』
そして時は現在に戻り、裏でノヴァやMr.Jが暗躍するのに対し、それを阻止しようとDevil May Cry鎮守府の面々やアーロン、様々な人間達も動き出す。
闇を斬り裂き道を切り開き、全ての生命を護り、運命を取り戻すための戦いは ここから・・・いや、既に始まっていた。
物語も現代に戻りますので、いよいよシカゴ戦が始まります。
次回も宜しく お願い致します!