Devil May Cry鎮守府   作:しゅんしゅん@よし

534 / 551


520話です!どうぞ!


Mission520 救出〜シカゴ突入!〜

*海底洞窟 1月16日 20:20*

 

アーロンが出した転移陣により、Devil May Cry鎮守府の艦娘達は、彼の秘密研究所へと来た。

そこで艦娘達は、アーロンと共に作戦会議へと入っていた。

 

アーロン「情報によると、悪魔はシカゴを占拠した」

 

川内「シカゴって、Mr.Jが拠点にしてる街じゃん」

 

アーロン「彼も今回の件に、無関係ではないだろ。場所が場所だけに、“偶然”と言うには奇妙な一致だ」

 

加賀「それで、私達は どう動けばいいの?」

 

アーロン「(たける)君の話では、青葉君が敵に寝返った人間に人質にされているらしい」

 

衣笠「青葉が!?」

 

アーロン「そこでだ。先ずは━━」

 

先ずは、シカゴを占拠する悪魔の防衛網を突破し、どうにか街の中に入る必要がある。

悪魔が こちらを排除しようとするのは間違いないため、襲い掛かる悪魔を退けつつ、青葉の奪還を最優先とする。

青葉の奪還に成功した後、問題となるのは3つ。1つはスペース・ブリッジの柱と、それを操るセイファ。先ず これらを止めなければ、奴らの目的そのものを止める事はできない。

2つ、ノヴァ陣営が出てくる可能性。ここはMr.Jと繋がってるようなので、場合によってはセリーナやベルゼが出てくれば、デビルハンター達抜きで戦わなくてはならなくなる。

そして3つ、Mr.Jと鹿島だ。鹿島は裏切り者・・・・・・いや、最初からスパイだったが、ダンテは僅かでも、彼女が こちら側に戻ってくる可能性を考えていた。何故なら彼女も また、艦娘売買の被害者だったのだ。

それでも彼女の罪が消える訳ではないが、彼女を どう裁き、罪を償わせるかは、先ずは彼女を止めてから考えればいいだろう。

そしてシカゴに乗り込むなら、このままMr.Jとも決着を付けたい。奴が関わっているなら、この状況を特等席で見てる可能性がある。シカゴから逃げていなければ、奴は必ず街に居るはずだ。

大まかに分けると そうなるのだが、それらを順番に、若しくは同時に対処していくのが、アーロンの考えだった。

 

瑞鶴「それ全部どうにかしろって?」

 

天龍「無理だな。この事態にアメリカだって黙ってないはずだ。軍が動く」

 

Devil May Cry鎮守府は、デビルハンター達を助けようとロケット発射場を襲撃した。アメリカから見れば、彼女達はテロリスト、または戦争行為を仕掛けてきた戦犯である。

それに日本政府としても、Devil May Cry鎮守府が勝手にやった事でアメリカと戦争になるのは嫌なはずだ。反逆者として切り捨て、アメリカ政府を説得する手助けはしてくれないだろう。

 

天龍「行けば誰が誰と戦ってるのか分からないぐらい、大混乱になるぞ。悪魔と戦ってる横から、アメリカ軍に撃たれる」

 

川内「関係ないよ。邪魔するならアメリカも潰す」

 

神通「姉さん!」

 

加賀「川内、落ち着きなさい」

 

川内「だって あいつらは!提督達を追放しようとして、その結果どうなったか皆も見たでしょ!あいつらのせいで提督は・・・!アメリカ艦も仲間みたいな顔してたくせに、簡単に提督を見限ったんだよ!私は それが許せない!何で皆は そんな冷静で居られるのさ?!」

 

加賀「川内、あなたも艦娘なら分かるでしょ?本来は艦娘である限り、軍の命令は絶対。アメリカ艦の皆も、本当は こんな事になって辛かったはずよ」

 

川内「命令が何さ?!そんなの知った事じゃない!あいつらもDevil May Cry鎮守府に所属してた時があって、命令違反もできないなんて とんだ腑抜けだよ!」

 

頭に血が昇って声を荒げる川内の肩を、五十鈴が掴んで止めた。

 

五十鈴「それは違うでしょ?呉に居た私と あんたは それが当たり前だったかもしれない。でも、他の皆は命令違反をしてた訳じゃない。確かに、無茶苦茶な時はあっても、それでも最低限、命令には従ってた。それが普通で、おかしいのは私達だけ」

 

川内「普通って何さ?皆と同じなら それが普通なわけ?命令なら大切な人を見殺しにするのが普通なのかよ?!」

 

五十鈴「川内・・・」

 

天龍「おい落ち着けって。お前ヤバいぞ・・・」

 

陸奥「川内、ここで補佐艦や五十鈴に噛み付いたって しょうがないでしょ。私達が本当にするべき事は何?」

 

陸奥の問いに、川内は押し黙って俯いてしまった。

それを見て、陸奥の目が鋭くなる。

 

陸奥「どうして答えられないの?Devil May Cry鎮守府の艦娘なら、提督の艦娘なら答えられるはずよ」

 

川内は何も言わず俯いたまま、拳を握っていた。

 

陸奥「吹雪、答えられる?」

 

突然 話を振られ驚いたが、吹雪は先程の問いを、自分なりに考えてみる。

 

吹雪「えっと・・・・・・私達は艦娘です」

 

陸奥「・・・そうね。それで?」

 

吹雪「その・・・私達 艦娘の使命は、深海棲艦から、人類の手に制海権を取り戻す事です。そして私達Devil May Cry鎮守府は、悪魔の脅威とも戦って、人類を護っています。それが前提ではあると思うんですけど・・・でも、それだけじゃないと思うんです」

 

陸奥「続けて」

 

吹雪「青葉さんは健さんと一緒に居るために、自分の意思で艦娘を辞めて、人間になりました。戦うのも、同じだと思うんです」

 

夕立「どういう事っぽい?」ヒソヒソ・・・

 

睦月「シーッ!」ヒソヒソ・・・

 

吹雪「確かに私達には使命があります。でも、これまで戦ってきたのは、私達が自分の意思で決めた道だと思うんです。力がなければ、誰かに操られたり、何も護れない。でも、力だけじゃ駄目なんです!私は、司令官と赤城さんから教わりました」

 

 

“私、強くなりたいです”

 

“・・・どうして?”

 

“強くなれば、もう誰かに操られて、利用される事もないと思って・・・”

 

“力も時には必要です。でも、そればかり追い求めると、大切な物を忘れそうになる事もあります”

 

“大切な物・・・それって、何ですか?”

 

“吹雪さんの持つ優しさを、失わないで”

 

 

吹雪「アーロンさんも言ってましたよね?」

 

アーロン「ん?」

 

 

“彼なら、どんな絶望的な状況の中でも、愛するものを護るため、最後まで戦い抜くんじゃないのか?君達にも、それを望むんじゃないのか?愛するものを護れと”

 

 

吹雪「使命である前に、私は自分の意思で戦います。大切なものを護るために、戦いたいです。Devil May Cry鎮守府の艦娘として、司令官の艦娘として・・・例え敵だと言われても、それは やめたくないです。だから・・・どうにかアメリカとも協力して、お互いに大切だと思うものを護れるように、一緒に戦えたらって・・・」

 

アーロン「私の言葉ですら、成長の糧にしようとするとは・・・私は君を誇らしく思うよ、吹雪君」

 

吹雪「いえ、そんな・・・その、話が下手で すみません・・・」

 

吹雪が ここまで言い切り、陸奥は何も言わない川内に再び顔を向けた。

 

陸奥「川内。吹雪ですら ここまで言えるのに、どうして あんたは何も言えないの?」

 

川内「・・・・・・私は・・・」

 

陸奥「また迷ってるんじゃないの?呉鎮守府と合同演習で ぶつかった時に言ってたこと、あれは嘘だったの?」

 

 

“うん・・・私は、もう迷わない”

 

 

陸奥「今の あなたは、自分の道を見失ってる」

 

加賀「川内、私達の敵はアメリカじゃない。確かに、アメリカ艦の皆に対して、疑問や怒り、複雑な感情がない訳じゃない。でも だからって、私達が争っていては、何も護れなくなってしまう」

 

陸奥「1人でも誰かを護れるように、前に進むって決めたんでしょ?」

 

川内「・・・・・・うん・・・」

 

五十鈴「私も一緒に歩ませてよ。折角、私もDevil May Cry鎮守府の一員になったんだから。それに、“一緒に前に進もう”って言ったのは あんたでしょ」

 

 

“私は過去を忘れた訳じゃない。妹達は もう戻らないけど、私は それを忘れず前に進む。五十鈴達も過去ばかり見て立ち止まるんじゃなく、前に進めるよ。私達は また、一緒に戦える。姉妹は無理でも、たった1人でも誰かを救うために、一緒に前に進もう”

 

 

五十鈴「そっちに引き摺り込んどいて、それなのに また あんただけで どっか行くつもり?」

 

川内「・・・・・・ごめん、なさい・・・私が、間違ってた・・・」

 

どうやら川内も落ち着いたようで、陸奥は彼女に歩み寄ると、思いっ切り抱き締めた。

 

陸奥「私の方こそ ごめんね。別に あなたを責めたかった訳じゃない。でも、提督が悲しむような事はしてほしくなかったの」

 

川内「うん・・・分かり、ます・・・ヤダな・・・私、また提督に怒られるとこだった・・・」

 

摩耶「いや、多分お前だけじゃないぞ。あいつ連帯責任で あたしら全員に怒るぞ。“何で止めなかったんだ”って」

 

天龍「提督 死んじまったし、きっと枕元に立って、夢の中で ずっとネチネチ言ってくるぞ」

 

摩耶「あいつドSだからな。しかも幽霊だから、ぶん殴る事もできないから尚のこと質が悪い」

 

摩耶と天龍の冗談に、それは本当に嫌だなと思い、艦娘達は苦笑いを浮かべた。

すると、艦娘全員のスマホに、メッセージの通知が来た。メッセージを確認すると、彼女達は驚き目を見開いた。

 

天龍「嘘だろぉ!?幽霊からメッセージ来た!」

 

アーロン「(やっぱり、あれは何かの作戦だったのか。それなら、この状況を ひっくり返せそうだ。)よし、では準備に入るとするぞ」

 

艦娘達は近くに居る者同士でハイタッチを交わし、シカゴに乗り込むための準備に入った。ダンテから受け継いだ誇りを胸に、自分達の信念を貫くために。

 

 

・・・・・・

 

*シカゴ・街 1月17日 7:50*

 

呉提督と、その秘書艦である雲龍の協力で、青葉が居る場所を突き止めた健は、同行するワージーと共に、元ネイビーシールズのメンバーを集め、車列を組んでシカゴへと向かった。

元ネイビーシールズのメンバーであるディーコン、ムニョス、フィッツィ、ダニアンは快く引き受け、付いてきてくれた。

ソープは車椅子であるため、今回は一緒ではない。

 

ワージー「さっきは通じたが、今は もうダメだ。おいおいおいおい・・・」

 

シカゴの街付近まで来ると、そこも悲惨な光景が広がっていた。道には沢山の大破した車が炎上しており、その間を逃げ延びた人々が、少しでも街から離れようと必死に逃げ惑っていた。

中には この状況に絶望し、頭から血を流しながら道に座り込み、呆然としてる者も居た。

 

市民「戻れ!早く逃げろ!戻れ!」

 

健達は逃げる人々とは逆走し、破壊し尽くされた街へ向かい続ける。

街の上空には、見た事もない形をした飛行物体が幾つも浮かんでいた。

 

 

*アメリカ軍基地*

 

その頃、とあるアメリカ軍基地では、国家情報局長官のハンマリングが、通信越しにクリス・ウィーラーと、国防総省ペンタゴンに居る将軍と対処について話し合っていた。

 

クリス『シカゴが悪魔の船に包囲されました』

 

将軍『爆撃機を出動させたが、呆気なく撃ち墜とされてしまった。シカゴ上空に敵の包囲網があって、破る事ができない。衛星通信が妨害されている。敵の動きが全くモニターできない』

 

クリス『チームはグリソム空軍基地で待機します。戦闘ゾーンまで10分。今、特殊部隊が街へのアクセスを試みる。周辺に歩兵部隊を展開中』

 

そこへ、車椅子に乗った呉提督と、その秘書艦である雲龍が現れ話に割り込んだ。

 

呉「ちょーっと失礼、失礼!んな馬鹿な事ある?!中の様子が全く分からないですって?!」

 

ハンマリング「無人偵察機は破壊された」

 

将軍『我々の目を奪う気だ。だが こちらには、まだ小型偵察機がある』

 

呉「じゃあ その偵察機を飛ばしてる奴に言って」

 

呉提督は、ディランが居るビルに偵察機を向かわせチェックさせるように言い、健がシカゴに向かってる事も教えた。

 

呉「“悪魔の手先になってる人間が、そこに居る”と言っていた。いい?Devil May Cry鎮守府と関わった者は、マグネットになる。悪魔とのイザコザに吸い寄せられる」

 

 

*シカゴ・街*

 

街の入口で車を停めて降りた健達は、そこで荒廃した街並みを見て、言葉も出なかった。

すると後ろから、ソニックブームの音を響かせ軍の戦闘機が飛んでくるが、テイラー・ドローンに撃ち墜とされた。

 

ワージー「なんて事だ・・・。あの中から女を探し出せってのか?」

 

フィッツィ「ほんとに あそこに行くのか?」

 

ダニアン「俺は お断りだぜ」

 

ワージー「・・・・・・誰も行かせない」

 

思っていた以上に酷い状況に、ちょっとした武器を持った数人だけでは、街の中に乗り込むのは無理と判断した。

しかし・・・

 

健「・・・・・・僕は行く・・・1人でも行くから」

 

青葉を助けるために、その想い1つで来た健は、1人で先へ進もうと歩き出す。

 

ワージー「死にに行くようなもんだぞ。死にたいのか?それでいいのか?!見す見す死ぬために ここまで来たのか、あん?!言うこと聞け!」

 

ワージーは健を止めようと慌てて追い掛け、肩を掴むが、健は その手を振り払った。

 

健「彼女を巻き込んだのは僕だ」

 

健は尚も進もうと歩き出し、ワージーは説得するために一緒に歩く。

 

ワージー「いいか?あのビルに入ってったら、仮に彼女が生きてても、探し出して助けるのは無理だ!」

 

健「じゃあ どうしろって言うんだよ?!」

 

ワージー「・・・諦めろ・・・残念だが諦めろ」

 

健「嫌だ・・・」

 

ワージーは元軍人として、戦術的な判断で言っているのだが、健からすれば そんな事で納得できるはずもなかった。

すると ずっと2人を見守っていたディーコン達が、急に慌て始めた。

 

ダニアン「おいおいおい、来やがった!」

 

人間を駆逐しようとする強化人間が操る戦闘機に見付かり、逃げ遅れていた人々が撃たれバラバラになり、吹き飛ばされていく。

健とワージーも逃げるため走っていると、敵の戦闘機が攻撃を受けて墜落した。

墜落した戦闘機では、、コックピットから強化人間が這い出ようとしている。

背後から足音がし、健とワージーが振り返ると、カリーナ=アンIIを肩に担ぐダンテが歩いてきた。

 

ダンテ「奴らを全て倒す」

 

遅れて天龍型と木曾も、車に乗って現れた。

 

木曾「Devil May Cry鎮守府、殺っちまえ!」

 

龍田「ヒーヒー言わしてあげる〜」

 

天龍「ほーらよ!」

 

車から降りた彼女達は、敵の戦闘機に乗り上げ、未だコックピットから出れていなかった強化人間を引き摺り出し、刀と矛、剣を使って その身体をバラバラに斬り刻む。

 

ダンテ「お前らの政府も これで分かっただろ。悪魔は人間界を放っておかない。俺達は一旦 去る振りをしたが、今ここで、再び奴らとの戦いに挑む」

 

更に遅れて沢山の車が現れ、デビルハンター達とDevil May Cry鎮守府の艦娘達、アーロンが降りてきた。

艦娘達とアーロンはダンテから連絡を受け、合流してから全員でアーロンの転移陣でシカゴまで駆け付けた。

 

健「ロケットが爆発したのに」

 

ニコ「ロケット?最初から乗っちゃいねぇよ。分離したブースターに隠れてたんだ。で大西洋にポチャーンと落ちたって訳さ」

 

ダンテが言った通り、デビルハンター達は地球を去る振りをして、自分達への監視の目が一時的にでも離れるようにした。完全に追放される前に、悪魔側が手を下してくる事も予想していたため、ロケットが破壊されて死んだと思われるのも好都合だった。

別れの際に、健には作戦はないと言っていたが、どこから情報が漏れるか分からないため、敵を騙すには先ず味方からと、ああ言うしかなかった。

 

ネロ「どこにも行く訳ねぇだろ」

 

グリフォン「あぁ、追放なんてさせるかってんだ。お前らにはDevil May Cry鎮守府が付いてる。この戦い、貰ったぜ

 

トリッシュ「奴らは街の周囲に砦を築いて、中で何をしてるか見えないようにしてる。攻め込むには奴らの不意を突くしか方法がないわ」

 

健「考えがある」

 

その頃 上空では、小型偵察機がシカゴへと到着していた。

 

 

*アメリカ軍基地*

 

兵士「偵察機、接近」

 

ハンマリング「タケルが あそこに向かったって言うの?」

 

呉「気の毒に・・・近付くのも無理でしょ・・・」

 

小型偵察機から送られてくる街の映像に、呉提督とハンマリングは絶望的な光景に、健が生きているとは思えなかった。生きていたとしても、街に入る事はできないと。

 

 

*シカゴ・街*

 

夕張と健は、強化人間が乗っていた戦闘機を調べていた。

これに乗れば偽装でき、敵の目を欺いて青葉が居るビルにも近付けると、健は考えていた。

 

健「これ操縦できる?」

 

夕張に訊くと、彼女は微妙な顔で手をヒラヒラさせ、健が怪訝な顔をする。

 

健「ちょっと何それ?どういう意味?“そこそこ”?そこそこできるってこと?頼りないなぁ」

 

夕張「だって人間が使う戦闘機とは作りが全く違うんだもん!」

 

 

・・・・・・

 

墜落した敵の戦闘機も ある程度の修復はでき、いよいよ突入に動き出せるようになった。

するとワージーは、1丁の銃を健に手渡した。

 

ワージー「1人じゃねぇぜ」

 

健は銃を仕舞うと、夕張と共に敵の戦闘機に乗り込む。

 

ワージー「行くぞ、突入だ」

 

夕張が操縦する戦闘機が離陸し、あちこち ぶつかりながらも飛び立った。

 

 

*ビル*

 

その頃 軟禁されてる青葉は、見張りが離れた隙に、部屋に置いてあった望遠鏡で、向かいのビルに居るベルゼとセイファを見る。

そのビルの屋上では・・・。

 

ベルゼ「街は封鎖した。人間共に邪魔などさせねぇ」

 

セイファ「陽が暮れるまでには、全ての柱の発射準備が整う」

 

ベルゼ「遥か昔、お前とノヴァが約束した勝利が やっと訪れる訳だ。今こそ、故郷を取り戻せる気分は どうだ?」

 

すると突然、セイファがベルゼの頭を掴み、壁に押し付けた。

 

セイファ「儂が お前らと手を組んだのは、我が故郷を存続させるためだ」

 

ベルゼ「何をする・・・?!」

 

セイファ「お前らの手下になったつもりはない。くれぐれも、それを間違えるな!」

 

望遠鏡で様子を見ていた青葉は、奴らは協力関係ではあっても、一枚岩ではないのだと気付く。

そして外では、夕張が操縦する戦闘機が、ビルのペントハウスがある階へ接近し、高度を維持しながら滞空する。

そして戦闘機の上に乗っていた健がビルに飛び移ると、すぐに身を隠した。

そこはキッチンで、2人のメイドとディラン・グールドの姿があった。

 

ディラン「はぁ、もう待たされるのはウンザリだ!」

 

苛立った様子のディランが冷蔵庫を開け、リンゴを手に取った瞬間、覚悟を決めた健が飛び出し、ディランに銃口を向ける。

 

健「青葉さんは どこだ?・・・青葉さんは どこだ?!」

 

健の怒鳴り声が聞こえ、別室に居た青葉も気付く。

 

ディラン「意外とガッツあるな」

 

健に銃口を向けられても、ディランは恐れる様子もなく余裕すらあった。

青葉がキッチンの方まで来ると、どこからともなく鳥型悪魔が現れ、背後から健に襲い掛かる。

健は抵抗しようとした拍子に、誤って銃の引き金を引き、狙いが定まってない状態で銃弾が撃ち出され、インテリアを破壊する。

しかも健は、そのまま銃まで落としてしまう。

ディランが落ちた銃を拾うと、鳥型悪魔は健の襟首を掴み、宙を飛びながらテラスに向かう。

 

健「ううううああああああああ!!!」

 

青葉「嫌!健君!」

 

健「わぁああああああ!!!」

 

そして外に出た鳥型悪魔は、掴んでいた健を離し、高所から落とした。

 

青葉「やめて!!嫌っ!そんな・・・!」

 

青葉はテラスの方に駆け出そうとしたが、ディランの部下に止められ取り押さえられ、健が死んだと思い悲しみの涙を流す。

ディランも青葉に こんなのを見せたくはなかったため、複雑な表情をしていた。

直後、けたたましい駆動音がし、テラスの方を見ると、夕張が操縦する戦闘機が上昇し、その上に無事な健が乗っていた。

 

健「青葉さん!!!青葉さーん!!!」

 

健が無事だったと知り、青葉は全力で抵抗してディランの部下を押し退けると、テラスに向かって走る。

 

健「飛べ!!!」

 

青葉が戦闘機に飛び移り、健が受け止める。

すると戦闘機の機関砲が、ペントハウスに向かって照準を合わせた。

 

ディラン「っ・・・!?」

 

夕張「これ ぶっ放してみたかったのよね!!」

 

青葉をコックピットの中に入れ、これまでコケにされた鬱憤を晴らすかのように機関砲を撃ちまくっていると、小型偵察機が現れた。

しかも不運な事に、ペントハウスから飛び出した鳥型悪魔と ぶつかりコントロールを失うと、戦闘機のエンジン部分に突っ込んで嵌り込み、エンジンの1基が損傷して火を吹く。

健は鳥型悪魔に襲われ必死に抵抗する。

だが、エンジンの1基が損傷した事で浮力を維持できなくなり、戦闘機は黒煙を吹きながら どんどん墜落していく。

夕張が残るエンジンで どうにかコントロールを維持しようとするが、負荷を掛け過ぎたせいで遂には2基目のエンジンからも火が吹き出す。

そんな状態でも襲われる健は抵抗を続け、首を掴み機関砲の砲口の前に、鳥型悪魔の頭部を移動させる。

 

健「夕張さん、撃てーー!!!!」

 

青葉「夕張・・・!」

 

夕張が機関砲を撃つと、鳥型悪魔の頭部が吹き飛び消滅した。

危険が去ったかのように見えたが、戦闘機の墜落は止まっていないため安心はできない。

戦闘機はビルに ぶつかりながら地面スレスレまで降下すると、そこには まだ逃げ遅れていた人々が沢山 居た。

健は一足 先に戦闘機から飛び降り地面を転がり、人を押し潰さないように夕張が必死に避けて戦闘機をコントロールしていたが、遂には地面に墜落してしまった。

戦闘機は人を押し潰す事はなく、健は戦闘機から飛び降りた時に足を痛めてしまったが、青葉と夕張も無事だった。

どうにか青葉を救出する事はできた。これで気兼ねなく反撃開始だ!




遂にシカゴでの決戦が始まります。
9話分に渡り、目まぐるしく状況が動き、戦いの連続となっていきます。

次回も宜しく お願い致します!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。