Devil May Cry鎮守府   作:しゅんしゅん@よし

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体調不良で少しの間、お休みしました。
ごめんなさい。

53話です!どうぞ!


Mission53 風の石~大食いで奮闘せよ~

*Devil May Cry鎮守府 船倉*

 

幽霊船を手に入れてから数日、艦娘達は船の掃除をして、帆も新しい物に新調した。色はダンテの要望で赤黒い帆になった。掃除の過程で艦娘達は金銀財宝が たんまりと保管されている部屋を見付けた。艦娘達は かなり興奮している。小躍りしている者まで居る。

 

龍驤「どうする!?これ どうする!?」

 

赤城「これで ご飯 食べに行きましょう!」

 

加賀「さすが赤城さん」

 

ダンテ「却下だ」

 

如月「私 服が欲しいなぁ~」

 

暁「賛成!」

 

ダンテ「却下」

 

那珂「那珂ちゃんはー、グラウンドにライブ用の特設ステージを━━」

 

ダンテ「却下だ」

 

那珂「最後まで言わせてくれない!?神通ちゃん、提督が意地悪だよ~・・・」

 

神通「ステージは1番 必要ないでしょ」

 

那珂「そんな~!?」

 

財宝の使い道で揉めていると、ダンテ1人で管理すると言い出したので、1人占めするつもりかと言い争いがヒートアップしていく。そこに全てを黙らせる者が現れた。

 

鳳翔「提督が管理するのも却下です」

 

鳳翔の言い分は、ダンテが財宝を管理して、もし換金するような事があれば無駄遣いしかねないので、自分が管理すると言い出した。

 

鳳翔「皆さんも文句はないですね?」

 

『・・・・・・・・・』

 

ダンテは提督だが、事件など何もない時の鎮守府の実権を握っているのは ある意味 鳳翔なので、誰も何も言い返せなかった。文句を言った日には食事も貰えなくなる可能性もある。

 

鳳翔「提督も良いですね?」

 

ダンテ「所有権は俺のはずじゃ・・・」

 

納得できないままダンテは執務室へ戻った。今日はダンテに定時連絡が来る。

 

 

*船長室*

 

鈴谷と熊野は船長室の掃除をしながら、部屋にある物を物色していた。その中でも、熊野は小さい箱が気になった。箱を開けると、中には歪な形をした緑色の光を放つ鉱石が入っていた。

 

熊野「凄く綺麗ですわ・・・」

 

鈴谷「どうしたの?」

 

鈴谷も箱の中を覗き込む。熊野は鉱石の放つ光に目を奪われていたが、鈴谷は違った。

 

鈴谷「これ、提督に見せた方が良くない?」

 

熊野「もう ちょっとだけ・・・」

 

鈴谷「ちょっ!?触らない方が良いって!」

 

熊野が箱の中に手を入れようとして鈴谷は止めるが、熊野は鉱石を箱から出してしまった。熊野が鉱石をペタペタと触っていると、突然 鉱石から突風が吹いた。船長室は滅茶苦茶になり、鈴谷と熊野も部屋の外の甲板まで吹き飛ばされた。甲板に居た艦娘達は勿論 驚いた。

 

利根「どうしたー!?何があったんじゃ!?」

 

イムヤ「え?え?何事?」

 

熊野「痛いですわ・・・」

 

鈴谷「熊野~、だから言ったじゃん・・・」

 

熊野「こんな事になるなんて、誰も予想できませんことよ・・・」

 

 

・・・・・・

 

*執務室*

 

鈴谷と熊野は鉱石を箱に戻し、箱を持ってダンテに報告しに向かった。

 

ダンテ「風を起こす石か・・・ふ~ん」

 

鈴谷「だから危ないって!」

 

ダンテが鉱石を手に取るのを見て、鈴谷と熊野は慌てて床に伏せるが何も起きない。思わぬ肩透かしに怪訝な表情でダンテを見る。ダンテは何もする事なく、鉱石を箱に戻した。

 

ダンテ「あった場所に戻しておけ」

 

熊野「結局それは何ですの?」

 

ダンテ「さぁ?何かしらの力は感じるが、用途までは俺にもな・・・」

 

鈴谷「そんなの ここに置いてて大丈夫?」

 

ダンテ「風を出すぐらいなら平気だろ」

 

不安が拭えないまま、鈴谷と熊野は箱を持って執務室から退室した。その直後、タイミングを見計らったように電話が鳴りダンテは電話に出た。電話の相手はレディだった。

 

ダンテ「時間通りだな」

 

レディ『当然でしょ』

 

ダンテ「それで、何か分かったか?」

 

レディ『まだ何も・・・怪しい奴なんて本当に居るの?』

 

ダンテ「絶対に居る。常に眼を光らせろ」

 

レディ『はいはい、何か分かったら連絡するわ』

 

電話を切った後、また電話が鳴る。次の相手はトリッシュだった。トリッシュの話は かなりキナ臭い話だった。

 

トリッシュ『こっちは怪しい人物って言うより、全体的に怪しいわ。何人かが話してたんだけど、“R計画”が どうとか話してたわ』

 

ダンテ「R?意味は?」

 

トリッシュ『まだ そこまでは・・・それに定期的に何かが運び込まれてるわ』

 

ダンテ「変だな・・・」

 

トリッシュが潜入している組織は、ダンテの知る限りでは活動の規模は縮小されている。そんな組織が計画を立案し、何かを運び込んで大きく動いているのは不自然なのだ。トリッシュは話を続け、何かが運び込まれて行き着く場所は警備が厳重で、まだトリッシュも そこまで入り込めていないらしい。

 

トリッシュ『私は このまま調査を続けるわ』

 

ダンテ「気を付けろよ、危なくなったら すぐ戻ってこい」

 

トリッシュ『あら、心配してくれてるの?優しいわね』

 

ダンテ「・・・もう切るぞ」

 

電話を切り一息ついていると、空母の艦娘が全員 執務室に来た。来た理由は知っているので、ダンテも気乗りしない嫌そうな表情で艦娘達を見る。

 

赤城「提督、行きますよ!」

 

ダンテ「行きたきゃ お前らだけで行けよ」

 

赤城「応援してくれないと、赤城は頑張れません!」

 

ダンテ「知らねぇよ・・・」

 

蒼龍「早く来てくださいよ~!」

 

龍驤「きみ、時間ないから!」

 

ダンテは空母の艦娘達に引っ張られながら、嫌々どこかへ連れていかれた。

 

 

・・・・・・

 

*大本営 元帥 執務室*

 

レディ「失礼します、頼まれていた資料を お持ちしました」

 

元帥「おぉ、今日は大和が休みじゃから助かる」

 

大本営にレディが居る。それも当たり前のような顔で、海軍の軍服まで着ている。

 

元帥「おぬしが()()()()()は分かったかな?」

 

レディ「いいえ、まだです」

 

元帥「色々と学べるように、よーく見て回りなさい」

 

レディ「そのつもりです。では失礼します」

 

元帥がダンテに頼まれて用意した封筒、中身はレディとトリッシュの偽造された身分証明書だったのだ。レディは海外から艦娘の運用が盛んな日本に、艦娘運用を学びに来たアメリカ海軍兵士という事にして日本海軍に潜入している。勿論これは元帥も承知の上でレディを置いている。因みにレディに与えられた階級は中尉。

レディは執務室を出てから、大本営の敷地内を見て回った。その途中、人気のない所で誰かの話し声が聞こえた。

 

?「はい、━━は、━━に・・・」

 

しばらく聞き耳を立てていたが、話し声は1人しか聞こえず、話の内容も よく聞こえない。話が終わったであろうタイミングを見計らって、レディは物陰から出た。居たのは吹雪だった。

 

レディ「何を話してたの?」

 

吹雪「中尉!?」

 

レディ「こんな人気のない場所でコソコソと・・・もしかして彼氏とか?」

 

吹雪「か、彼氏だなんて、違いますよ」

 

レディ「じゃあ誰と話してたのか、お姉さん気になるな~」

 

吹雪「ちょっとした知り合いですよ・・・失礼しますね」

 

吹雪は そそくさと立ち去り、レディは1人その場に残された。レディは眼を鋭くして吹雪の背中を見詰めた。

 

レディ「照れた様子もないし・・・彼氏じゃないなら誰なのかしらね・・・」

 

 

・・・・・・

 

*街*

 

司会者「さぁ、始まります!大食い大会!優勝するのは誰なのか!」

 

ダンテ「・・・・・・・・・」

 

ダンテが空母に連れてこられたのは大食い大会。街中の広場のようになっている場所を貸し切って行われる。

ダンテは客席に座っているが、1ミリも興味がないので1分1秒でも早く帰りたかった。そもそも裏稼業をしている自分が、一般人に混じって こんなのを 観ているのは場違いだと思っているのだが、ダンテの気持ちなど露知らず、イベントを進める司会者。続々と選手が入場する。

 

赤城「一航戦の誇り、お見せします!」

 

加賀「鎧袖一触よ」

 

蒼龍「頑張れー!赤城さん、加賀さん!」

 

龍驤「食い意地 見したれやー!」

 

隼鷹「うぇ~い、頑張れよ~!」

 

赤城と加賀が入場して、応援にも熱が入る。隼鷹は既に酔っ払っているのか、真面目に応援などしない。ダンテと鳳翔は静かに傍観している。

その後も参加者が入場するが、身体の細い者からデカい者まで様々だ。そして最後の参加者が登壇すると、赤城と加賀 以外で その者を知っている者は全員 眼を見開いた。そして こう思った。

 

『(・・・・・・ヤベー奴が来た!!)』

 

大和「戦艦 大和、推して参ります!」

 

赤城「大和さんも ご飯を食べに?」

 

大和「はい!」

 

加賀「当然よね」

 

にこやかに話しているが、赤城、加賀、大和は正直 大食い大会に参加していると言うより、ただ ご飯が いっぱい食べれると聞いて食事しに来ただけの感覚で来ている。だが大和の登場で、客席で応援している艦娘は そうはいかなかった。

 

龍驤「あっかーん!こら あかんでー!」

 

蒼龍「どうしよう!?これ どうしよう!?」

 

隼鷹「私の酒が・・・」

 

ダンテ「何で お前らが必死なんだ?」

 

鳳翔「実は・・・」

 

疑問を抱くダンテの耳に手を添えて何かを耳打ちする鳳翔に、何かを聞かされたダンテは驚愕した表情を浮かべた。

 

ダンテ「それはマズイな・・・」

 

司会者「ではルール説明です!」

 

ルールは こうだ。時間無制限、ギブアップせずに より多くの料理を食べた者が勝ちだ。1品は どれも超メガ盛りで出される。しかも様々な企業による提供、料理人の協力により、出される料理のジャンルは多種多様、それらを全て食べて、最後まで生き残った者が優勝だ。

 

司会者「優勝すれば賞金も出ます!」

 

応援する艦娘が必死になり、ダンテも驚愕した理由、それは賞金だ。額もデカいので何がなんでも優勝してもらいたいのだが、大和の登場で その野望が破綻する可能性が出て焦る。

参加選手は全員 席に座りスタンバイ。

 

司会者「スタート!」

 

スタートの合図と共に料理が運ばれる。まずは冷やし中華が運ばれてきた。炎天下の中で出される冷やし中華に観客は羨ましく思う。参加者は必死に口の中に冷やし中華を詰め込んでいくが、観客は とんでもないものを見てしまった。とんでもない事をしたのは参加している3人の艦娘だ。一口で麺と具を全部 啜り飲み込んだ。3人は お上品に口元を拭く。超メガ盛り冷やし中華を一口で食べる3人の化け物に、観客の口が塞がらない。それは司会者も一緒だった。

その後も次々と料理が運ばれ、赤城、加賀、大和は頬を膨らませながら平らげていく。他の参加者も奮闘するが、限界が来たのか倒れて脱落していく。そんな中、ある料理で赤城、加賀、大和のペースが落ちる。それは超激辛サムゲタン。

 

赤城「か、辛い!辛いぃー!」

 

加賀「こんな物・・・赤城さん、先に逝って待ってるわ・・・ぐほっ!」

 

赤城「加賀さーん!」

 

大和「限度はないのですか・・・?」

 

龍驤「気張れや赤城ー!」

 

蒼龍「優勝したら賞金ですよ!賞金!」

 

赤城「一航戦の誇り、こんな所で失う訳には・・・!」

 

ダンテ「・・・俺達 何を見せられてるんだ?」

 

加賀も限界を迎えて倒れ、赤城と大和は汗だくになりながらサムゲタンを死に物狂いで口に突っ込む。スープも飲まなければ完食とは見なされない。

残ってるのは赤城と大和だけで、賞金目当ての艦娘も、赤城に倒れられては困るので必死に応援する。必死なのは赤城や大和、応援している艦娘だけではない。

 

シェフ「もう・・・もう腕が上がらねぇ・・・!」

 

どれだけ作っても赤城と大和はギブアップせずに食べ続ける。ギブアップしない限り、料理を作り続けなくてはならない。ずっと調理する為に動かし続けている料理人の腕が悲鳴を上げ、今度は料理人が倒れていく。残った料理人は1人だけだ。こっちは こっちで必死である。

 

鳳翔「ここは私の出番ですね」

 

ダンテ「・・・おい、ちょっと待て、どこに行くつもりだ!?」

 

鳳翔がフォローに入り料理が出来上がっていく。

途中、お口直しに かき氷が出たが、今度は頭痛に悩まされる。その後も料理が出ては食べる、出ては食べるの繰り返しで決着が着かない。そして次は大量のハンバーガーが出てきた。赤城と大和は それぞれのハンバーガーを手に取り、いざ かぶり付こうとした瞬間、ハンバーガーが飛んでいった。皿の上のハンバーガーも全部だ。ハンバーガーが飛んでいった先を見ると、変な奴が居た。身体は人間、頭部は巨大ハンバーガーでデカい口と歯がある奇妙な者が立っていた。眼は どこにあるのかは分からない。

 

龍驤「あれ何なん?ハンバーガーの被り物か?」

 

ダンテ「・・・おいおい、あんな ふざけた見た目の悪魔も居るのか?」

 

蒼龍「あれ悪魔!?」

 

悪魔「この世界のハンバーガーは全部 俺の物だ!」

 

ふざけた見た目の悪魔が ふざけた事を言っている。ハンバーガーが飛んでいったのは、この悪魔がハンバーガーを口の中に吸い込んで起きた事象だ。だが この悪魔の行為に怒る者が居た。赤城と大和、そして いつの間にか復活した加賀だ。3人は市民の避難も始まっていないのに艤装を展開する。

 

大和「人の物を奪うなんて許せません!」

 

赤城「食べ物の恨み、思い知りなさい!」

 

加賀「身の程を弁えなさい!」

 

攻撃開始、市民の避難も始まっていないのにだ。広場はパニックになり、ダンテの指示で鳳翔、龍驤、蒼龍は慌てて避難誘導を始める。

悪魔は そのデカい口から舌を伸ばし、赤城と加賀、大和に攻撃しようとするが、大和の砲撃で舌は焼かれ、上からは爆撃される。大した力も持っていないのか、ハンバーガー頭の悪魔は被弾しながら逃げ惑う。出鱈目に逃げ回る悪魔を狙って周りの事などお構いナシに攻撃するものだから、流れ弾がダンテ達に向かって飛んでくる。

 

龍驤「何してんねん!?」

 

蒼龍「こっちに逃げてください!・・・やっぱり あっち!」

 

ダンテ「おい隼鷹!余計な手間を増やすな!」

 

隼鷹「あれ~?逆さまだよぉ、世界が逆さまに見えるよぉ~」

 

酔っ払って動けない隼鷹をダンテが肩に担ぎ、流れ弾を避けていく。

悪魔が逃げ回るせいで あっちでドッカン ドッカン、こっちでドッカン ドッカン、避難誘導も容易ではない。悪魔より艦娘の手によって被害が広がっていく。

 

「「「食事の礼儀を覚えてから、出直してきなさい!」」」

 

止めの一撃の砲撃と爆撃で悪魔は消滅した。それは良いのだが、大食い大会の会場は もう滅茶苦茶だ。賞金を貰う処か、損害賠償を払う事になり、こちらの世界でのダンテの負債が増える結果となった。ただし、大本営と折半する事で話が纏まったので、ダンテ1人で責任を負う事はない。それでも大きな痛手である事には変わりないのだが・・・。

調子に乗った赤城、加賀、大和は、鳳翔から数時間に及ぶ説教を受け、赤城と加賀は鎮守府に帰ってからも、お仕置きと称してダンテや他の艦娘に見守られる中で、お艦 鳳翔に お尻をバシバシ叩かれる事となった。

 

 

・・・・・・

 

*Devil May Cry鎮守府*

 

その日の夜、艦娘達が寝静まっている頃、鎮守府に1人の侵入者が忍び込んだ。

 

ダンテ「それを どうするつもりだ?」

 

侵入者の前には、相対するようにダンテが立ち塞がる。侵入者の腕の中には、風を生み出す鉱石が入った箱が抱えられていた。




まだ全快ではないので日が空くかもしれません。

次回も よろしく お願いいたします!
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