528話です!どうぞ!
*シカゴ・街 1月17日 18:56*
魔帝ムンドゥスと羅王アビゲイル、覇王アルゴサクスの力が融合し、周囲の物を取り込みながら生まれた巨人型悪魔ジェニックスを、ダンテとネロ、バージル、トリッシュ、ルシア、鹿島、アメリカ艦の艦娘達、セリーナが協力して これを撃破。
Devil May Cry鎮守府の艦娘達と青葉、
川内「提督 見てたよ!あんなデカいの倒すなんて凄い凄い!」
ダンテ「あんまり はしゃがないでくれ。これでも疲れてるんだ・・・」
卯月「うーちゃん達は信じてたぴょん。ネロ達なら きっと どうにかしてくれると」
ネロ「それより艤装 直ったのか?」
三日月「それが・・・分解された歯車を幾つか失くしてしまったようで・・・」
如月「全然 直せてないわよ」
ネロ「ダメじゃん・・・」
天龍「師匠、お疲れだったな!」
バージル「今回は随分と手間が掛かったものだ」
龍田「確かに、珍しく疲れた顔してるものね〜」
天龍「今なら師匠に勝負 挑んでも勝てるかもなぁ〜」
疲れてるのをいい事に、天龍が調子のいい事を言うのだが・・・
バージル「もう お前の勝ちでいい。相手をする気にもならん・・・」
天龍「え・・・ほんとに調子 悪い?大丈夫?」
いつもなら調子に乗るなと、閻魔刀の鞘で殴られたり嫌味を言われたり、絶対に負けなど認めないのだが、それがないせいで逆に天龍は心配になった。
鳳翔「トリッシュさんも、お疲れ様でした」
トリッシュ「どうにかシカゴでの問題が片付いて良かったわ。まだやるべき事は沢山あるでしょうけど」
鳳翔「そうですね。今後どうなるのか、色々と確認する必要はあります」
宇宙に追放されるはずだったデビルハンター達が、地球に残っていた事だけを見れば、アメリカ政府は問題視するだろう。
だがデビルハンター達が残っていた お陰で、シカゴに湧いた悪魔を一掃できたのも事実であるため、デビルハンター達に恩赦が与えられるのか どうかで、彼らの今後も変わってくる。
それにDevil May Cry鎮守府の艦娘達も、ロケット発射場を襲撃した罪でテロリストとして捕まっていたが、アーロンの手で脱獄しているので、そちらも どうなるのか気になるところである。
陸奥「ルシア、凄かったじゃない」
ルシア「ううん。私は、ダンテやネロを援護してただけだから」
長門「そう謙遜する事はないだろう。私達と違い、あの悪魔と直接 戦っていたのだ。私達が戦えたとしても、役に立てたか どうか・・・」
陸奥「そうそう。ルシアは もっと誇っていいと思うわよ。あんなのと戦って、生きて戻ってきただけでも大金星よ。長門なら1発で死んでるでしょうし」
長門「おい、流石に1発で死んで堪るか、失礼だぞ。いいとこ3発だ」
陸奥「じゃあ あのデカい悪魔の攻撃、2発は耐えられる自信があるってこと?」
長門「いや、1発も無理だ」
陸奥「じゃあ“3発”って言ってたの何?」
長門型の会話に、ルシアはクスクスと笑っていた。
香取「鹿島・・・」
鹿島「香取姉・・・償いの第1歩、私は踏み出せたでしょうか・・・?」
鹿島が不安そうに訊くと、香取は微笑を浮かべた。
香取「えぇ。でも、償いは まだ始まったばかり。これからが大変よ」
鹿島「はい・・・覚悟はできています」
その覚悟は本物のようで、その証拠に、償いの道を進む事への後悔や不安は、鹿島の顔には見受けられなかった。
アーロンもセリーナを労おうと歩み寄ったのだが、アーロンの顔はニヤニヤしており、セリーナは嫌そうに後退っていた。
アーロン「おお、我が愛しの妹よ!」
セリーナ「ど、どうも・・・」
アーロン「こちら側に戻ってきた事を、兄は嬉しく思うぞ!」
セリーナ「はい・・・ご迷惑お掛けしました・・・」
アーロン「ん・・・?セリーナ、どうして そんな他人行儀なんだね?」
セリーナ「いえ・・・この後の展開を想像したら嫌すぎて・・・」
アーロン「何を言ってるんだ?私達は兄妹なのだぞ。折角の兄妹の再会、もっと この兄に甘えなさい」
セリーナ「いや、結構です・・・」
アーロン「どうせなら、“お兄ちゃ〜ん”と呼んでもいいし、“お兄ちゃん、よしよしして〜”って甘えてもいいし、“ギュッとして〜”でもいいのだぞ!」
セリーナ「絶対 言いません、言いたくないし呼びません・・・」
アーロン「そうか・・・なら、昔みたいに額にキスしてやろう」
セリーナ「いや、ほんとに煩わしいんで やめてください・・・」
アーロン「いや まったく、セリーナは昔から照れ屋さんだな。ほら、遠慮せず こっちに来なさい。お兄ちゃんが うーんと甘やかしてやろう」
セリーナ「嫌です!シスコンなのも程々にしてください!こっちに来ないで!嫌だぁああああ!!」
アーロン「待てセリーナどこへ行く!?兄は こっちだぞ!分かった!!なら兄の腕が無くなった事を心配してくれ!!“お兄ちゃん痛くない?大丈夫?”って、上目遣いで言っておくれ!!」
セリーナ「近付かないで!!触らないで!!話し掛けないで!!」
セリーナは兄のシスコンが嫌で全力で逃げ、アーロンは久々に妹と戯れたくて全力で追う。誰も止める者が居ないため、この兄妹の追いかけっこの勝敗は、どちらかが根負けするまで終わらないだろう。
戦いが終わり喜ぶ者や、これからを考える者が居る中 盛り上がっていると、その中心に向かって頭上から眩い光が落下してきて、ダンテ達は全員 吹き飛ばされてしまった。
ダンテ達が身体を起こし何だと見てみると、光が収束して現れたのは、魔人ネロに酷似した白い魔人だった。
ネロ「何だ お前・・・!?」
白ネロ『やぁ、兄さん』
それはネロとルキフェルスの魔力の残滓から、運命の魔石の力で作り出された、白いネロが魔人化した姿だった。
瑞鶴「嘘でしょ・・・まだ こいつが出てくるなんて・・・」
戦いは終わったと思い安心してると、また新たに敵が現れ、Devil May Cry鎮守府の艦娘達は戦えないため、この状況に絶望した。
アイオワ「皆は下がって!」
戦えない彼女達の代わりに、アメリカ艦の艦娘達が一斉に白いネロへ攻撃する。
爆煙が風に流されると、白いネロは無傷で立っていた。
アイオワ「嘘・・・!?」
白ネロ『邪魔だな〜。大して強くもないくせに!』
白いネロがホワイトクイーンと、金色のデビルブリンガーから風の斬撃を繰り出し、アメリカ艦の艦娘達は たった1発で吹き飛ばされ、戦闘不能に陥ってしまった。
白ネロ『お前らも目障りなんだよぉ!!』
更に白いネロは、Devil May Cry鎮守府の艦娘達や青葉、健、セリーナにアーロンにも、風の斬撃を繰り出し全員を吹き飛ばしてしまう。
ネロ「やめろぉー!!!」
デビルハンター達は その凶行を止めるため、白いネロに向かっていく。
魔剣士3人とルシアが斬り掛かるが、それを上回るスピードで避けられ、反撃に斬り飛ばされてしまう。
トリッシュが2丁銃を連射するが、白いネロは金色のデビルブリンガーを高速で振る。金色のデビルブリンガーが手を開くと、パラパラと弾丸が地面に落ちた。撃ち出された弾丸を全て掴んでいたのだ。
トリッシュ「防ぐのではなく掴んだ・・・!?」
驚いてると金色のデビルブリンガーが迫り、頭を掴まれ引き寄せられてしまう。そのままトリッシュは、頭を地面に叩き付けられた。
更に白いネロは、トリッシュの頭を踏み付け押さえ付ける。
ダンテ「トリッシュ!!」
バージル「奴め、魔人化を会得してパワーもスピードも上がっているぞ・・・!」
ネロ「いや、そうだとしても この強さは何だ?ほんとに それだけか?」
白ネロ『その通りだよ、よく気付いたね』
ネロ「お前、何したんだ・・・?!」
白ネロ『僕は悩んでいたんだ。どうやったら兄さん達に勝てるのか。あのベルゼにもコケにされて、どうやったら お前らを皆殺しにして、母さんに喜んでもらえるか考えたんだ』
「「「「・・・・・・・・・」」」」
白ネロ『そして僕は気付いた。僕自身、運命の魔石に生み出された存在。なら、僕が運命の魔石を取り込めば?その力を存分に使い熟せるだろうって思い付いたんだよ!』
ネロ「魔石を、取り込んだだと・・・!?」
ダンテ「運命の魔石が・・・赤城の魂が・・・お前の中に有るだと・・・?!」
白ネロ『そうだよ〜。よく馴染むよぉ。お前の大事な赤城も、僕を強くする糧になってくれた事を考えると、ただのガラクタの兵器以上の価値はあったって事だね』
ダンテ「テメェ・・・!」
加賀「提督・・・」
白ネロ『何を怒ってるのさ?人間の姿と感情を模しただけの兵器である お人形さんが、それ以上の価値を持った。それって喜ばしい事じゃないか。ほら、喜びなよ、ダンテェ』
ダンテ「テメェ・・・言葉は選んでケンカを売れよ・・・!」
鈴谷「ねぇ・・・これ、マズくない・・・?」
最上「う、うん・・・」
ダンテの怒りが表面化したのか、彼の身体の周りに、赤い稲妻のような魔力が迸っていた。それを見たのと、ダンテの殺気に当てられた事で、艦娘達は鳥肌と震えが止まらなくなった。
ダンテ「今までデカい口 利く悪魔は腐るほど見てきた。それに一々 腹を立ててちゃキリがない程にな。だが お前は、俺が知る中でも胸糞悪い部類に入る・・・!」
白ネロ『お前こそ、いつもの軽口は どうしたんだよ?ジョークを言う余裕もないんだろ?ここに運命の魔石が有る焦りと、僕の今の強さを理解して。そんな状態で、僕に勝てるのかなぁ?』
怒っているのは、何もダンテだけではない。ネロとバージル、トリッシュにルシアも同じだった。
バージル「ほざくなよ。貴様が どんな力を手にしようとも、俺達を相手に いつまでも笑ってられると思うな!」
ネロ「それに1つ忘れてるぞ。魔人化が使えるのは お前だけじゃねぇんだ!」
ルシア「赤城は優しい艦娘なの。そんな彼女の魂を、自分の強さのためなんかに利用させない!」
ネロ達の言葉を聞き、白いネロは馬鹿にするように笑いながら口を開いた。
白ネロ『だったら戦ってみればいいじゃないか!僕は学んだ。気持ちだけじゃ、戦いには勝てないってね。戦いに勝つには、圧倒的に敵を粉々にする、絶対的な力を手にしてこそだ!お前らの友情ごっこや正義の味方ごっこじゃ、本当の強さの前では何の役にも立たないんだよ』
トリッシュ「だったら、試してみなさい」
白ネロ『あ?』
下から声がし、踏み付けてるトリッシュを見ると、トリッシュが横目で白いネロを睨んでいた。
次の瞬間、白いネロに向かって稲妻を放つ。それを喰らい、白いネロが後退った。
白いネロの足が離れた事で、起き上がったトリッシュは飛び退き距離を離し、態勢を整える。
それと入れ替わるように、真魔人と魔人になった魔剣士3人とルシアが、白いネロに斬り掛かる。
そしてトリッシュも銃を撃ち、稲妻を放ち支援する。
白いネロは、ホワイトクイーンと金色のデビルブリンガーで攻撃を往なし、反撃でダメージを入れていく。ダンテ達5人が猛攻を仕掛けても、白いネロは真魔人や魔人化したダンテ達の全ての面で上回っていた。
それでもダンテ達は、攻撃の手を緩めない。周りの事など考えていない戦いの余波は、艦娘達さえ巻き込もうとしていた。
セリーナ「兄上、魔力が足りなくて防御壁が張れません!」
アーロン「もっと離れるぞ!このままでは我々まで どうにかなってしまいそうだ・・・!」
ダンテ『グゥ゙ヴア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"!!!!』
白ネロ『アハハッ!足りない足りない!そんなんじゃ僕には いつまでも勝てないよ!』
艦娘達は真魔人ダンテの戦い方を見て、違和感を感じた。彼の攻撃が、どこか単調になってるように感じた。
ある者はダンテを心配し、ある者は いつものダンテではないように思え不安になり、涙を流していた。
金剛「提督ぅ、提督ぅ・・・」
鳳翔「(・・・・・・まさか!?)いけません、提督!!怒りに支配されないで!!冷静さを欠いては勝てません!!」
鳳翔が気付いたように、真魔人ダンテは、赤城の魂を取り戻せるのは今しかないという焦りから、冷静さを欠いてしまっていた。
だが、鳳翔の叫びも虚しく・・・
白ネロ『お前らは もう、僕の敵じゃないんだよ!!』
ダンテ達が一斉に斬り掛かった瞬間、白いネロが風の斬撃を放ち、ダンテ達は斬り飛ばされ、真魔人と魔人化も解除されて倒れてしまった。
ダンテ達が敗けたのは、単に白いネロが魔人化を会得して強くなっただけではない。シカゴに突入してから始まった数時間に及ぶ戦いと、連戦による疲労が蓄積されていた事もあり、それが回復できていないまま白いネロとの戦いになった事も原因だった。
古鷹「嘘・・・敗けた・・・?」
白露「嫌だよ・・・そんなの嫌だよ・・・!」
ネロ「クソッ・・・!俺達5人掛かりでも勝てないなんて・・・!」
バージル「くっ・・・身体が動かん・・・!」
天龍「師匠!」
龍田「天龍ちゃん行っちゃ駄目!」
陸奥「ルシア!?」
ルシア「うっ・・・」
トリッシュ「ここまでなの・・・?」
そんな中、ダンテ1人が起き上がり、力が入らず震える足で どうにか立ち上がる。
白ネロ『まだ立つの?僕に勝てないのは これで分かっただろ?もう諦めたら?』
ダンテ「俺は諦めねぇ・・・!運命の魔石を取り戻し、赤城を救う・・・!」
加賀「(提督・・・全ては赤城さんのために・・・?いったい どうしたら・・・?今の私達にできる事は・・・)」
ダンテは真魔人ではなく、通常の魔人となり、白いネロに立ち向かっていく。もう、真魔人となる余力が残っていないのかもしれない。
魔人ダンテと白いネロは何度も剣を交え、刃が ぶつかり合う度に火花が飛び散る。
白いネロが魔人ダンテの足を狙うが、魔人ダンテはジャンプしてホワイトクイーンの刃を躱すと、白いネロに連続で斬り付ける。
そして首を狙い魔剣ダンテの切っ先を突き出すが、白いネロは首を横に逸らし躱すと、魔剣ダンテの刀身を掴んで止めた。
ダンテ『っ・・・!?ぐあっ!』
反撃で今度は魔人ダンテが何度も斬られ、膝蹴りを喰らい、首根っこを掴まれると、力任せに放り投げられてしまう。
更に起き上がったところに、白いネロが放ったエネルギー弾が着弾して吹き飛ばされてしまう。
吹き飛ぶ魔人ダンテを追って白いネロは駆け、すぐに起き上がった魔人ダンテは再び剣を交える。
互いに剣を往なし、躱し、攻防が続く中、魔人ダンテは半壊した建物の上へと飛び上がる。
それを追って白いネロも飛び上がり、そこで また剣を交え、魔人ダンテは弱っていながらも、白いネロを相手に1歩も退かない。
白いネロがホワイトクイーンを振り下ろし、魔剣ダンテで受け止めるが、白いネロの身体から膨大な魔力が放出され、それが衝撃波となって魔人ダンテは吹き飛ばされ、別の建物の壁に叩き付けられて地面に落ち、魔人化まで解除されてしまった。
ダンテ「がはっ・・・!」
白ネロ『今の僕は、誰にも倒せない』
バルログを装備したダンテは駆け出し、飛び上がりながら蹴りを繰り出そうとしたが、カウンターの蹴りを喰らい地面に落ちた。
白いネロに首を掴まれ、無理矢理 立たされると、足払いを掛けるように足を斬られ、宙に浮いたところに また蹴りを入れられ吹き飛ばされてしまう。
更に起き上がったところをホワイトクイーンで斬り上げられ、また吹き飛ばされる。
ダンテと白いネロが同時に動き、ダンテはロイヤルガードスタイルになり、白いネロはエネルギー弾を連射する。
ダンテはエネルギー弾を《ブロック》で防ぐが、白いネロがエネルギー弾を撃ちながら眼前まで迫り、何度も斬られてしまう。そして遂に、ダンテは力尽きて倒れてしまった。
加賀「提督!?」
木曾「もう我慢ならない・・・!」
天龍「艤装が使えなくても、いくらでも戦う方法はある・・・!」
川内「絶対に許さない・・・!」
ネロ「よせ!!」
ネロが止めようと叫ぶが、天龍と木曾、川内は、無謀にも白いネロに向かっていく。
白ネロ『フフッ・・・』
自分に立ち向かおうとするのが滑稽だと言わんばかりに、白いネロは不敵な笑みを浮かべると、エネルギー弾を放って天龍達を吹き飛ばす。倒れた彼女達は、動かなくなってしまった。
北上「木曾!」
神通「姉さん!」
白ネロ『お前もバカだよねぇダンテ。艦娘っていう ただの お人形さんに、人間として接して感情移入して、その お人形さんのために自分が傷付いて、命を削り、最後には死ぬ事になるんだからさぁ!』
ダンテ「ぐあぁぁぁぁっ・・・!」
白いネロは何度もホワイトクイーンを振り下ろし、倒れるダンテを痛め付けていく。
ネロ「野郎・・・!」
バージル「ふざ、けるな・・・!」
ルシア「やめ、て・・・!」
トリッシュ「ダンテ・・・!」
ネロとバージル、トリッシュ、ルシアは満身創痍の身体でも、ダンテを助けるために動こうとする。しかし、身体は思うように動かず、立ち上がるのも困難だった。
すると、ネロ達の傍に眩い光が現れた。
光は徐々に人の形となり、輝きが ある程度 抑えられると、その光の人物の姿や顔が判るようになった。
アーロン「あなたは・・・運命の巫女・・・!?」
セリーナ「キリカ様!?」
ネロ「キリカ・・・!?」
それは、魔剣士3人が3000万年前の過去に飛び、そこで出会った当時の運命の巫女、キリカだった。
加賀「運命の巫女・・・?」
吹雪「赤城秘書艦と同じ・・・?」
アーロンとセリーナが慌ててキリカの前に出ると、彼女に跪いた。
アーロン「運命の巫女よ」
セリーナ「キリカ様」
キリカ『アーロン王子、姫様、お久しゅうございます』
アーロン「何故あなたが ここに?」
キリカ『ベルセルクとの約束を果たしに来ました』
そう言って、キリカはネロを見て微笑んだ。
“未来で会おう!!”
ネロ「あ・・・」
最初、ネロは何の事かと思い分からなかったが、キリカと最後に別れた時の事を思い出し、理解した。
キリカ『“遠き2つの魂が交わる時、語り継がれし力が現れる”』
アーロン「それは・・・予言の一節」
キリカ『ルキフェルス王子が この時代で引き起こした魔界化。それが阻止された事で、未来は変わりました。ですが、滅びの運命が根本的に回避された訳ではなかった』
アーロン「つまり それ以上の、今以上の何かが、まだ起きると?」
キリカは真剣な顔付きで頷いた。
キリカ『魔界化の阻止以降、その先の未来は確定していない。ですが“時間の分岐点”が、その先の未来を確定させる』
セリーナ「キリカ様、なぜ今その話をするのです?・・・・・・まさか、その分岐点が今この瞬間だという事ですか!?」
キリカは微笑を浮かべ、頷いた。
本来この世界が辿る未来は、未来から来た川内が居る世界と同じ道筋を辿るはずだった。だがルキフェルスが引き起こした魔界化が阻止され、別の未来を辿る結果となった。
しかし魔界化以降、その先この世界が どんな未来を辿るかは未定の状態だった。
時間には“分岐点”があり、言ってみれば どんな未来にも進む可能性がある状態だ。その分岐の行き先が確定すると、未来も決まる。
そして この世界の新たな未来が決まる分岐点が、今このタイミングだった。
曙「ねぇ、理解できた?」
叢雲「全然」
この場で この話を理解できてるのは、アーロンとセリーナ、キリカの3人だけだった。
キリカ『分岐点のカギとなるのは、私がベルセルクに選んだ者の1人、ダンテさんです』
アーロン「彼が この世界の未来を決めると言うのか?」
キリカ『そうです。彼の選択が、この世界の未来を決める。彼は運命を取り戻すベルセルク。彼が運命を手にするか否かで、この時代を生きる者達の運命も決まる』
ネロ「キリカ、君なら どうにかダンテを助けられないか?!俺達は もう・・・」
キリカ『私には もう、そこまでの力はありません。魂だけとなり この世界に留まり、3000万年という長い時を経て、私の力は失われていきました』
金剛「そんな・・・それじゃあ、提督は どうなるんデスカ?!」
キリカ『これはダンテさんの戦い。私達にできるのは、彼を信じて見守る事だけです』
雷「でも司令官は・・・」
皆はダンテの方に視線を向けた。そこでは彼が、白いネロに痛め付けられ続けていた。
ダンテを助けたくとも、ネロとバージル、トリッシュ、ルシアは身体が動かず、艦娘達やアーロン、セリーナも戦えない状況。
全てをダンテに託されている中、そのダンテも力尽き、絶望的な状況で未来などあるようには思えない。
それでもキリカは、何もせず ただ見守る事に徹する。
キリカ『(ベルセルクよ、全ては あなた次第です。意地でも運命を手にするか・・・それとも諦めて、運命を手放すか・・・あなたは どちらを選びますか?)』
次回も宜しく お願い致します!