532話です!どうぞ!
*Devil May Cry鎮守府 工廠 2月20日 9:00*
Devil May Cry鎮守府に居る面々は、朝から夕張とニコに呼び出され、工廠前まで来ていた。
彼らの目の前では夕張と、ピンクのオーバーオールを着たネコの着ぐるみに入るニコが誇らしげに胸を張っており、その横にはブルーシートで隠された巨大な何かがあった。
川内「眠い・・・何で こんな朝から皆で集まるの・・・?」
響「それ何だい?」
夕張「よくぞ訊いてくれました!私とニコは、遂にやったのよ!」
何の話をしてるのか全く分からない。
夕張「この日を迎えるまで、長く、長く・・・私達は血が滲むような思いをしてきたの・・・!」
だから何の話だ?
夕張「という訳で、遂に完成品を お披露目しまーす!ニコ!」
ニコ「はいよ!」
ニコがブルーシートに繋がったロープを引っ張るとシートが外れ、隠されていた物が露となった。それは巨大なロボットだった。
『(めっちゃ四角形・・・)』
ロボットの見た目は首が無く、頭と胴体が一体化したような四角い形をしており、顔には大きな一つ目と四角い口、細い腕の先にはハサミのような手となっていた。
巨大ロボットの足元には、同じ見た目をした小さなロボットも立っている。
夕張「名付けて」
「「《ビッグ・ジョン》と《スモール・トム》!」」
夕張とニコが仰々しく2体のロボットを紹介するが・・・
グリフォン『(ダセェ!名前も見た目も全部ダセェ!)』
飛鷹の頭の中にグリフォンの声が響き、飛鷹は笑いそうになるのを必死に堪える。
天龍「(これ もしかして・・・あの時のか?)」
天龍には、この2体のロボットの見た目に見覚えがあった。艦娘寮に爆弾が仕掛けられた時、彼女は夕張の部屋でロボットの設計図を発見したのだが、それと全く同じ見た目だった。
夕張が長年 温めてきたロボット建造の計画をニコと始めたが失敗が続き、アーロンがスポンサーとして資金や資材を融資した事で、遂に完成に至った。
ニコ「お披露目だから、皆には試運転を見てもらおうと思って来てもらったんだ。どうだ?テンション上がるだろ?」
ニコは楽しそうに言うが、皆は そうでもない。戦闘に役立つなら話は別だが、まだ どんな機能を持ってるかの説明もされていないので、皆の本音は正直 興味ない。
秘書艦である赤城や補佐艦の加賀、大淀からすれば、邪魔だから余計な物を置かないでほしいとまで思っている。
夕張「早速ビッグ・ジョンに乗り込むわ。ニコ、スモール・トムのスイッチを押して」
ニコ「はいよ」
夕張が簡易的な昇降機でコックピットに上がり、ニコがスモール・トムの背中にある赤いスイッチを押す。するとスモール・トムが起動して動き出したのだが、スモール・トムが突然みんなの周りをグルグルと回りながら走り出したと思ったら、そのまま どこかへ爆速で行ってしまった。
『(え・・・?)』
ニコ「あいつ行っちゃったぞ夕張!」
夕張「うっそ!?まぁいいや、どうせ余った資材で適当に造ったんだし」
メインとなるのはビッグ・ジョンの方であるため、スモール・トムを造った特別な理由はなかった。
夕張「安全ベルト装着」
コックピットに乗り込んだ夕張がベルトをすると、キャノピーが閉じた。
夕張「発進」
そして操縦桿レバーを前に倒すのだが、ビッグ・ジョンは全く動かなかった。
夕張「あれ?おかしいな、もう1度 点検するか」
夕張はコックピットに置いてあったマニュアル本を開き確認してると、ビッグ・ジョンの左足が前に出て1歩を踏み出した。
ニコ「おっ。動き出したぞ夕張!」
夕張「えっ!?私なにもしてないよ!?」
ビッグ・ジョン『ワタシノ、カワイイ ムスコハ、ドコォ?』
『うわっ!?』
ビッグ・ジョンが ゆっくりと前進してると思えば突然 喋り出し、皆は驚いた。
ビッグ・ジョン『ワタシノ、カワイイ ムスコハ、ドコォ?ドコォー?!』
夕張「うわぁあああああ!?」
するとビッグ・ジョンは、夕張を乗せたまま爆速で走り出してしまい、オオカミの着ぐるみに入るネロが、咄嗟にデビルブリンガーの腕を伸ばし、ビッグ・ジョンに掴まっていた。
ネロ「夕張ー!!どうしたらいいんだー!!?」
夕張「ボタンよ!!背中の緊急停止ボタンよぉー!!」
ネロ「これか・・・!」
ビッグ・ジョンの背中に有る梯子を登り、ボタンをカバーするガラスを割って赤いボタンを押す。するとコックピット内に、何かを警告するアラートが鳴り響いた。
夕張「ええ〜?」
『時限自爆装置ガ、作動シマシタ』
夕張「何ぃ〜!?」
『3分間以内ニ、避難シテクダサイ。メガトン級ノ大爆発デス』
直後に流れたアナウンスを聞き、夕張は顔面蒼白となる。
ネロ「夕張、ほんとのボタンは どこだー?!!」
夕張「えっと、えっと・・・しまったー、そんなボタン付けてなかったー!!」
ネロ「いぃ〜!?」
『爆発マデ、アト20秒』
ネロ「もう時間がないぞ夕張!!」
夕張「ここは一先ず、タイマーを引き伸ばして〜!!」
ネロ「慎重にやらなきゃ・・・」
赤いボタンの下にはダイヤルがあるのだが、ビッグ・ジョンが走ってる事で揺れが激しく、誤ってダイヤルを逆方向に回せば、即爆発だ。
『8、7、6━━』
ネロは慎重にダイヤルを回そうとしていたのだが、梯子を掴む手が滑って落ちていってしまう。
夕張「ネロー!!」
『━━3、2、1━━』
夕張「もうダメだぁああああ!!!」
するとデビルブリンガーの手が、ダイヤルを右へ回した。
伸ばしたデビルブリンガーがダイヤルを掴んでる事で、ネロが激しく地面に引き摺られている。
ネロ「夕張、6時間後にセットしたぞ!!」
夕張「うふぅ〜、ありがとネロ〜!!」
ネロ「あっ!?あ〜〜!!」
夕張「ネロ!?」
しかし小さなダイヤルが相手では、デビルブリンガーも滑り手を離してしまい、ネロは地面を転がっていく。
ネロ「夕張ー!!!!」
起き上がったネロは夕張を追うが、ビッグ・ジョンは そのまま鎮守府の外に出て走り去っていき、見失ってしまった。
・・・・・・
その後みんなは、戻ってきたネロから時限爆弾の話を聞かされたのだが、艦娘の殆んどが何で そんなの付けたんだと、ニコを責めて怒鳴り散らしていた。
明石「今は そんなこと言ってる場合じゃないわ。夕張を助けないと」
摩耶「そこのネコの着ぐるみ被ってる奴が どうにかしろよ」
ニコ「わ、わわ、わた、わた、私!?」
摩耶「当たり前だろ!お前が造ったんだろ!」
大淀「赤城秘書艦、提督達を鎮守府に呼び戻したのは間違いだったのでは?」
赤城「何かのギャグかなって思ってしまうような、こんな変な事になるとは誰も思いません。つまり私は悪くないです」
大淀「(提督達が居るだけで全部 悪い方向に行ってる気がする・・・)」
木曾「どうにかしろよ!」
ニコ「わ、わわわ、私がビ、ビビ、ビッグ・ジョンに か、勝てる訳なななないだろ!わわ、私か、かか、か弱いし・・・」
天龍「ふざけんなよ!か弱かったら何しても許されるのかよ?!」
山城「そもそも、車で悪魔 轢き殺す女の どこが か弱いのよ?!」
漣「普通の人間が そんなに偉いのかー?!」
陽炎「艦娘 舐めんなー!!」
ニコ「うぅ〜・・・」
ネロ「いや、実際あんなデカいのが走り回ってたら、ニコじゃ どうする事もできないだろ」
長門「それより、ビッグ・ジョンの爆弾は どう解除すればいいんだ?」
浜風「ずっとダイヤルを回し続ける訳にもいきませんよね?」
ニコ「わ、私がビッグ・ジョンの中に入る事ができれば、ば、ばばばばば爆弾は取り除けると おおおお思う・・・」
村雨「それは それで危険だと思うけど・・・」
比叡「司令、どうします?」
ダンテ「何でもいいから、大まかな作戦 決めてくれ・・・」
大淀「では こうしましょう」
ビッグ・ジョンには夕張が乗っているため、彼女の安全を考え、攻撃は最小限に留めながら、ビッグ・ジョンの動きを止める。
その隙に夕張を救出し、ニコが内部に入って爆弾を取り除く。
爆弾を取り除いても解除できなければ爆発してしまうが、解除できなかった場合は、被害が出ない所に捨てる。
ダンテ「ビッグ・ジョンは街の方角に向かったんだな?」
ネロ「あぁ」
ダンテ「仕方ない。行くか・・・」
漣「ご主人様達、その格好で行くの?」
『あ・・・』
ダンテ達は正体を隠すため着ぐるみを着てる訳だが、ビッグ・ジョンを追うなら その格好で街の中を走り回る事になるが、恥ずかしくないだろうか?
ダンテ「・・・・・・赤城、これ脱いじゃ━━」
赤城「駄目です」
街で姿を見せれば、もっと ややこしい話になる。着ぐるみは脱がせられない。
すると、ペンギンの着ぐるみの中に入るバージルが、本館に戻ろうとしていた。
間宮「あれ?バージルさんは行かないんですか?」
バージル「自分の尻拭いは自分でやれ。俺は知らん」
早くも見捨てられた夕張。
そしてバージルは、そのまま本館の中へ姿を消した。
着ぐるみには、動きやすいスマートなタイプの物も有るため、ダンテ達は一旦そちらに着替えてから、鎮守府を出発するのだった。
・・・・・・
*街 11:15*
街では、戦車部隊が道路を走り、空には戦闘機が飛んでいた。
隊員『こちら《民間陸上自衛隊》!市民の安全を守るため、緊急処置を取る!』
民間陸上自衛隊━━彼らこそ、市民で日本を護る、有限会社《陸上自衛隊》の
街中に立つビッグ・ジョンに、民間陸上自衛隊の戦車部隊が近付き止まる。
高松(弟)「撃てー!!我々の底力を見せてやれぇえええ!!」
高松(弟)の指示により、戦車砲の照準がビッグ・ジョンに狙いを定める。
しかし戦車部隊は撃つ前に、ビッグ・ジョンに蹴り飛ばされてしまった。
高松(弟)「クソォ〜、我々の底力を〜!」
再び砲撃しようとしたのだが、戦車部隊は またしてもビッグ・ジョンに蹴り飛ばされた。
戦車部隊が ひっくり返ってる横を、Devil May Cry鎮守府の面々が走って通り過ぎる。
木曾「なんつう情けない軍隊だ」
高松(弟)「誰だ?!我々は民間自衛隊だ!軍隊ではない!義勇軍だぞー!」
摩耶「それにしても傍迷惑な物 造ったなぁ〜」
Devil May Cry鎮守府の面々がビッグ・ジョンを見上げてると、ビッグ・ジョンの四角い口からピンク色の液体が漏れていた。
その液体が垂れて地面に落ちると、地面でジューッと音がして蒸気が上がった。
『うわぁっ!?/えっ!?』
それを見て艦娘達が驚いてると、ビッグ・ジョンがDevil May Cry鎮守府の面々に向かってピンク色の液体を吐き出した。
天龍「危ない!何でも溶かす液だー!」
Devil May Cry鎮守府の面々は咄嗟に避けるのだが、天龍が助ける振りをして摩耶を突き飛ばし、摩耶は地面を転がり壁に頭を ぶつけて止まった。
摩耶「やりやがったなぁ・・・!危ない!何でも溶かす液だぁー!!」
ビッグ・ジョンが またピンク色の液体を吐き掛けてくると、摩耶が助ける振りをして天龍に飛び蹴りを喰らわせ吹き飛ばし、天龍は電柱に頭を ぶつけて止まり、更に上から看板が落ちてきて頭に直撃した。
そしてビッグ・ジョンは、民間自衛隊の戦車部隊にもピンク色の液体を吐き掛ける。
高松(弟)「うわぁっ!?な、何でも溶かしそうな液だ!」
民間自衛隊員達は慌てて戦車を乗り捨て逃げようとしたが間に合わず、助けてくれと悲鳴を上げながら、溶けていく戦車の隙間から手を伸ばしていた。
生きたまま人が溶かされていく様と悲鳴に、艦娘達は あまりの光景に顔を しかめ、目を逸らす。
高松(弟)「・・・・・・あれ?」
と、思ったのだが、ドロドロに溶けた戦車が無くなると、何故かスッポンポン状態の民間自衛隊員達が その場に取り残されていた。
彼らは自分達の裸を見ながら、自分達が溶けていない事に困惑していた。
実はビッグ・ジョンに搭載されてる溶解液は、無機物だけに反応して溶かすので、有機物である人間には無害だった。
ニコ「ほら、人間が溶けるグロテスクなシーンとか
瑞鶴「まさかの子供に優しい配慮!」
一方ダンテは、一連の流れを無視してビッグ・ジョンを見上げていた。
ダンテ「おい、何か
ビッグ・ジョンの方を見ると、自分の吐き出した溶解液で口が溶けかかっていた。
ダンテ「ほっときゃ勝手に消えて無くなるんじゃねぇか?」
時雨「そ、そうなのかな・・・?」
すると突然、ビッグ・ジョンが建物などを壊し始めた。
皐月「うわ暴れ出した!?」
天龍「とっとと止めるしかねぇな!」
摩耶と天龍が先行し、降ってくる瓦礫を避けながら駆け抜け、ビッグ・ジョンの後ろに回り込むと、背中の梯子を使ってコックピットを目指す。
頭の天辺まで辿り着くと、コックピットのキャノピーが勝手に開いた。
夕張は脱出できないのと、ビッグ・ジョンが お構いなしに暴走した影響もあってか、グッタリしながら意識を失っていた。
すると天龍は何を思ったのか、夕張に駆け寄ると頬を摘み、思いっ切り引っ張り始めた。
天龍「オラ止めろ止めろ止めろ止めろ止めろ止めろ止めろ止めろ止めろ止めろ!!」
摩耶「いや だからさぁ、それができれば お前・・・」
できたら とっくに止めてる。
天龍「さてと冗談は このくらいにして」
ふざけていると砲撃の音が鳴り響き、摩耶と天龍は警戒する。
するとビッグ・ジョンの顔付近に着弾し、爆発が起きた。撃ったのは後続の無事だった戦車部隊であった。
高松(弟)『いいぞぉ、巨大な化物の弱点は、目に決まっとるー!撃てー!!』
高松(弟)の指示により、戦車部隊が一斉に砲撃を開始した。
摩耶「また あたしらに向かってくるぞ」
天龍「ったく しょうがねぇなぁ〜。オラァー!!」
天龍は刀を抜き、迫りくる砲弾を次々と真っ二つにし、着弾を阻止した。
天龍「良い子は真似すんなよ〜」
隊員「隊長、戦車砲が効きません!」
高松(弟)「クソォー、バリアか」
天龍が砲弾を防いだ事で、何か勘違いされた。
高松(弟)は戦車の中に引っ込むと、切羽詰まった顔で鍵を取り出した。
高松(弟)「止むを得ん。メガトンミサイルを撃つか・・・!」
ネロ「努力しろよな もう少しー!」
突然ネロが現れ、高松(弟)に回し蹴りを喰らわせると、すぐに姿を消した。
ぶっ倒れていた高松(弟)は すぐに起きると、焦った様子で周囲を見渡す。
高松(弟)「気のせいか!?オオカミに回し蹴り喰らったようなぁー!」
隊員「隊長、本部との連絡が途絶えました」
高松(弟)「何ぃ〜?!止むを得ん。メガトンミサイルを撃つしか・・・」
すると、ネロと隊員達が一緒になって高松(弟)を袋叩きにする。
高松(弟)は すぐに起き上がると、焦った様子で周囲を見渡す。
高松(弟)「気のせいか!?今オオカミと部下に、ボコボコにされたようなぁ〜」
隊員「やっぱ、民間でメガトンミサイルを所有してるのは、マズいんじゃないか?」
・・・・・・
幾ばくかの時間が過ぎ、民間自衛隊の邪魔も入るせいで、Devil May Cry鎮守府の面々はビッグ・ジョンの対応に頭を悩ませていた。
そんな中、武蔵は電気屋に置かれてるテレビを見ていた。
武蔵「おーい皆、ちょっと来てくれ!」
ネロ「何だよ?」
武蔵「テレビ見てくれ」
ネロ「そんな場合か・・・?」
武蔵の言う通りテレビを見てみると、そこには報道ヘリからの映像が映っており、未確認飛行物体が石狩湾上空を飛んでいるとする内容だった。ただ その未確認飛行物体の正体が、スモール・トムだった。
ネロ「石狩湾・・・?」
武蔵「北海道だ。また えらい遠い所に現れたもんだ」
轟音がし そちらに視線を向けると、ビッグ・ジョンが暴れながら街の中を移動していた。
ビッグ・ジョン『ワタシノ ムスコハ、ドコォー?!』
ニコ「ビッグ・ジョンは、スモール・トムが この近くに居ると思い込んでるんだ」
天龍「ここには居ないってこと教えなきゃならねぇ。でないと、街は破壊されてメガトンミサイルが降ってくるかもしれねぇ」
摩耶「しっかし お前ら何がしたくて あんなの造ったんだ?」
ニコ「そ、それは〜・・・」
特に理由もなく、巨大ロボットという浪漫を追って勢いのまま造ったため、大した事が言えずニコは言葉を詰まらせた。
摩耶「兎に角このままじゃ街は持たないし、メガトンミサイルが降るのも時間の問題だ」
愛宕「どうするの摩耶?」
摩耶「ビッグ・ジョンにスモール・トムが ここに居ない事を伝えるんだ。やるっきゃねぇ」
それを伝えるため、Devil May Cry鎮守府の面々は暴れるビッグ・ジョンを追って、駆け出すのだった。
・・・・・・
ビッグ・ジョンに追い付いたDevil May Cry鎮守府の面々は、暴れるビッグ・ジョンの足止めをし、その隙に摩耶とニコが、ビッグ・ジョンの背中に有る梯子を登っていた。
ニコ「けど伝えるって どうやって?」
摩耶「お前が何とかしろ!」
ニコ「うおっ!?」
肩の上まで到着すると、摩耶がニコを投げ、ニコは口の上に着地した。
摩耶「ほら早く!」
ニコ「待て急かすな!」
そしてニコは、ビッグ・ジョンの方へ向き直るのだが・・・
ニコ「ハ、ハァ〜イ・・・///////」
急な人見知りを発動し、照れ臭そうに挨拶した。
摩耶「何が“ハァ〜イ”だよ・・・」
こちらの声が聞こえるのか、言葉が通じるのかも不明なため、ニコはジェスチャーでスモール・トムが居ない事を伝えようと試みる。
そして摩耶も、その動きを見ながら意味を読み取ろうとする。
摩耶「えっと・・・あなた、の、息子、は・・・い、胃?インドの・・・?おいニコ、インドって何だよ?!えっ、違う違う?インド、じゃない、置いとい、て。分かんねぇ〜・・・」
ジェスチャーで伝えようとするも、話が中々 進まず困っていると、ビッグ・ジョンからジェット噴射が起き砂埃が舞い、その振動により摩耶とニコが落ちる。そこを、ダンテとネロが それぞれキャッチして受け止めた。
長門「な、何だ!?」
明石「まさか!?」
ビッグ・ジョンの腕と足が胴体に収納され、腕があった場所から翼が展開された。
明石「飛ぶ気よ!」
ビッグ・ジョンは前に倒れ、地面に擦れながら頭から前進し、すぐに離陸して大空へと上がった。
那智「海に向かってるぞ!」
ニコ「やったぜ、私のジェスチャーが伝わったんだ」
摩耶「インド洋に向かわなきゃいいがな、はっはっはっ!」
ニコ「大丈夫だよーだ!」
明石「ちょっと待って、夕張 助けるのは!?」
『あっ・・・』
これ以上 街が破壊される心配はなくなったが、コックピットに乗ったままの夕張の事を忘れていた。
明石「どうしよ、空 飛んじゃったよぉ〜!」
Devil May Cry鎮守府の面々は急ぎ海に出て、ビッグ・ジョンを追い掛けるのだった。
・・・・・・
*石狩湾 2月20日 15:14*
ビッグ・ジョン『トムゥ〜、トムハ ドコォー!トムゥ〜!』
ネロ「追い付いた」
Devil May Cry鎮守府の面々はビッグ・ジョンに追い付き、真魔人ダンテとネロは、着ぐるみの背中のファスナーから翼を出して飛び、ビッグ・ジョンと並んで飛行しながらコックピットを確認する。
ダンテ『おーい夕張ー、生きてるかー?』
ネロ「夕張ー!うわっ!?何だ!?」
するとビッグ・ジョンの背中にミサイルが着弾し、真魔人ダンテとネロは咄嗟にビッグ・ジョンから離れ、後方を確認する。すると、高松(兄)が率いる戦闘機群が、編隊飛行して追ってきていた。
ネロ「ジェット戦闘機!?」
高松(兄)『こちら民間航空自衛隊!そこのゴリラとオオカミ、離れなさい!さもなければ敵飛行物体諸共 撃ち墜とすー!』
言うが早いか、戦闘機群からミサイルが何発も発射され、全弾ビッグ・ジョンの背中に着弾し、ビッグ・ジョンは燃えながら高度を落としていく。
明石「夕張ー!!」
隊員『隊長、敵の高度が落ちていきます!』
高松(兄)「よーし、トドメにメガトンミサイルを撃ち込む!義勇軍の特権だ!」
隊員『隊長、ターゲット捕捉。ロック完了』
高松(兄)「よし、発射!」
ネロ「やめろってぇー!」
メガトンミサイルを発射しようとする高松(兄)を、ネロが殴って阻止した。
高松(兄)は顔を振り、ハッとする。
高松(兄)「あービックリした。今オオカミに叱られる幻覚 見ちまった・・・」
メガトンミサイルの発射は阻止できたが、燃えるビッグ・ジョンは どんどん高度を落とし、海に墜落するのも時間の問題だった。
摩耶「ん〜、流石の夕張も これで お陀仏だな」
明石「夕張!!」
言ってると、民間航空自衛隊のミサイルが上空を飛ぶ真魔人ダンテやネロ、海上を滑る艦娘達に向かって飛んできた。
浦風「今度は うちらが狙われとる、どうする!?」
明石「よくも夕張を〜・・・!」
怒りに震える明石は摩耶から機銃を引っ手繰ると、民間航空自衛隊に向かって掃射して撃ち墜とし始めた。
摩耶「早まるなー!うわっ!?」
明石「よくも夕張をー!殺ってやるー!!」
摩耶「お、落ち着け明石!」
明石「おーりゃりゃりゃりゃー!!」
明石の怒りの機銃掃射により、民間航空自衛隊は全機 撃墜され、パイロットは脱出してパラシュートで降下した。
ダンテ『ん?おい、ネロ、あれを見ろ!』
真魔人ダンテが言う方向を見ると、スモール・トムが こちらに向かって飛んでくるのが見えた。
近付くと、ネロはデビルブリンガーの腕でスモール・トムを掴み、抱っこした。
ネロ「スモール・トム〜。おーよしよし、お母さんの所に帰ろうなぁー」
スモール・トム「プピー?」
ネロ「ほーれ高い高ーい」
スモール・トム「プピプピプピ!」
ネロ「高い高ーい」
ダンテ『もう充分 高いぞ』
スモール・トム「プピプピプピ!」
デビルブリンガーの腕でスモール・トムを持ち上げ あやしてると、スモール・トムの口からピンク色の溶解液が垂れ、デビルブリンガーの左腕に垂れる。
ネロ「あ"あ"っ!?」
それに驚いたネロは咄嗟にデビルブリンガーの手を離し、スモール・トムが落下し海に落ち、そのまま沈んだ。
ネロ「ったく、何しやがる あのガキィ」
ビッグ・ジョン『トムゥ〜!!』
ネロ「うわぁー!?」
スモール・トムが海に落ちた事で心配するビッグ・ジョンの顔が、真魔人ダンテとネロの頭上に いきなり迫り、2人は驚く。
ビッグ・ジョンは2人を無視して降下し、低空飛行しながら旋回してスモール・トムを探す。
ビッグ・ジョン『トムゥ〜!!』
ダンテ『可哀想に息子を探し回ってるじゃねぇかよ』
ネロ「うっ、咄嗟に手を離しちまった・・・」
『爆発マデ アト3分』
摩耶「何かアナウンスが流れてるぞぉ」
明石「忘れてた、自爆装置だぁ〜!」
摩耶「なら放っとこうぜー。夕張は死んじまったし、海の上だから被害もないしぃ」
明石「皆、夕張とニコのために ここまで付き合ってくれて ありがとう」
天龍「何だよ急に?」
明石「私さ、夕張 救えなかったから、せめてもの罪滅ぼしに、あの親子だけは救ってあげようと思う」
鈴谷「救うって どうやって!?」
明石「さっき思い付いたけど、自爆装置だけ取り出して、私が遠くまで運ぶ」
摩耶「それじゃ お前が木っ端微塵に━━あ"ーっ!?明石ー!!」
明石は皆を置いて、1人でスモール・トムが落ちた場所まで行くと、艤装を解除して海に潜った。
少しすると、スモール・トムを抱えて明石が浮上した。
ビッグ・ジョン『トムゥー!!トムゥ!!』
明石「うわぁっ!?」
直後、ビッグ・ジョンが明石とスモール・トムに向かって頭から着水し、それによって発生した波で明石とスモール・トムが吹き飛ぶ。
ビッグ・ジョン『トムゥ』
スモール・トム「プピー!」
ビッグ・ジョンは その手でスモール・トムを抱き抱え、やっとの事で親子ロボットが再会を果たした。
再び海面に浮上した明石はビッグ・ジョンの背中の梯子を登り、ボタンとダイヤルが有る位置まで辿り着く。
明石「確か この辺りにハッチが・・・」
すると、ボタンとダイヤルが有る場所の斜め右上に、ビッグ・ジョンの中に入るためのハッチを見付けた。
明石「開いた・・・」
明石は そこを開けて中に入り、狭い場所を匍匐前進しながら自爆装置がある場所を目指す。
明石「急げ、急げ・・・あれね!」
一方 海上では、明石が中に入ってしまったビッグ・ジョンを皆が見守っていると、摩耶の足に何かが ぶつかった。振り向くと、大きなカプセルが漂っていた。
カプセルは180度 回転すると、そこには呑気にメロンパンを食べる夕張が乗っていた。よく見ると このカプセル、ビッグ・ジョンの頭部にあったコックピットだった。
摩耶「お前なにやってんだ こんなとこで?」
夕張「ジェット編隊のミサイル攻撃を喰らった時、離脱コックピットごと、海に落ちたのよ」
摩耶「お前なぁ!!明石の気持ちも知らねぇで、呑気に海 漂ってる場合かぁー!!」
夕張「明石が どうかした?」
摩耶「オメェが死んだと思って、親子ロボットを身を以て救おうとぉ!!」
夕張「ええー!?大変だー!そろそろ自爆装置がぁー・・・!」
摩耶「こうしちゃいられねぇ」
夕張「うぅ、明石・・・」
自爆装置の取り外しに成功した明石は、ビッグ・ジョンの外に飛び出すと艤装を装着し、海を滑りながら急いで親子ロボットから離れる。
『爆発マデ アト20秒』
明石「(よーし、あとは この取り外した爆弾を、できるだけ遠くに。)うおぉおおおおお!!!」
『10、9、8、7、6、5━━』
気合の雄叫びと共に、明石は自身の艤装が出せる最大船速で海を駆ける。
だが そこに、海中からハサミの形をした手が、彼女に迫っていた。
次の瞬間 水柱が上がり、明石はスモール・トムを抱っこするビッグ・ジョンに襟首を摘まれ、宙に浮いていた。
ビッグ・ジョン『コレ、オマチ、オジョウチャン』
明石「ひぃーっ、ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい━━」
ビッグ・ジョン『イケナイ オジョウチャンダ』
『━━4、3━━』
ビッグ・ジョン『イノチヲ、ソマツニ、シテ!』
『━━2、1』
ビッグ・ジョンは明石から自爆装置を奪うと、空へと向かって投げた。そのまま自爆装置は、空中で爆ぜた。
・・・・・・
自爆装置は無くなり、親子ロボットを救う事ができ、今回の事態も終息へと向かった。
そんな中 明石は、ビッグ・ジョンの手に乗りながら親子ロボットと向き合っていた。
ビッグ・ジョン『ワタシハ、トムト トモニ、ウミノ ソコデ クラシテイキマス』
明石「うん、それがいいね」
ビッグ・ジョンが海面へと手を下ろすと、明石は海面へと降り立つ。
ビッグ・ジョン『サヨナラ、ヤサシイ、カンムスノ オジョウチャン』
ビッグ・ジョンは手を振りながら、スモール・トムと共に明石から離れていき、明石は ずっと親子ロボットを見送る。
明石「助けるつもりが、助けられたって訳か・・・」
ビッグ・ジョン『オジョウチャンノ、ムカエ クル、スグニ』
明石「えっ?」
去っていくビッグ・ジョンの言葉に少し驚いた明石が横を見ると、遠くからDevil May Cry鎮守府の面々が こちらに来ているのが見えた。
親子ロボットの方へ再び視線を戻すと、2体は海中へと姿を消した。
明石「さよなら、ビッグ・ジョン、スモール・トム・・・」
・・・・・・
摩耶「まっ、結界オーライだ。お前の思い通りになったな」
明石「うん、でも・・・」
夕張「明石ぃ!明石ぃ・・・!」
明石「夕張・・・」
夕張と明石は共に泣きながら、無事に再会できた事を喜び抱き締め合った。
明石「夕張、無事で良かったよ!」
夕張「うん、最後は皆に救われたから」
摩耶「さてと」
夕張「これで一件落着ね☆」
摩耶「いや・・・」
艦娘達は怒り顔で夕張を睨み、摩耶と天龍だけは悪い笑みを浮かべていた。
摩耶「まだ お前とニコが何で あのロボットを造ったか聞いてなかったな」
夕張「それは、皆、あ"ー、いや、その・・・」
明石「もう許してあげたら?」
摩耶「いや、殴る」
そもそも夕張とニコが あんなロボットを造らなければ、今回の出来事は起きる事もなかったし、街が破壊される事も、余計な燃料や弾薬、時間、労力も消費される事はなかった。そのため、皆は今回の事を許した訳ではなかった。
夕張は皆から離れ、最大船速で逃げ出した。
夕張「謝るから許してぇ〜!!」
摩耶「待てゴラァー!!」
天龍「てめボコしてやるぅー!!」
鈴谷「逃げるなー!!」
大淀「出費の精算してもらうわよー!!」
川内「私の睡眠時間 返せー!!」
足柄「合コン キャンセルした埋め合わせしろー!!」
涼風「何でもいいけど殴らせろってんだい!」
龍田「楽しそうだから私も続くね〜♪」
子日「今日は殴っても合法的に許される日ー!」
叢雲「皆で続くわよ!」
夕張「もう勘弁してよぉ〜!」
『逃げるなー!!』
天龍「お前の足で逃げられると思うなよクソ雑魚スピード軽巡!」
加賀「みんな程々に・・・って、どうせ聞いてないわね」
・・・・・・
その日の夜、深海では、出会ってはいけないかもしれない1人と2体が出会ってしまっていた。ほっぽと親子ロボットが、何も言わず見詰め合っている。
スモール・トム「ポピー!?」
ビッグ・ジョン『トムゥ〜!?』
ほっぽは新しい玩具を見付けたと思い、黙ってスモール・トムを拐っていった。
・・・・・・
*街 2月23日 13:23*
3日後、非番の摩耶と天龍は、暇潰しで街に繰り出し、目的もなく街を歩いていた。
すると どこからか轟音が鳴り、2人は少し上を見上げる。そこには・・・
ビッグ・トム『ワタシノ ムスコハ、ドコォー?!』
スモール・トムを探して暴れ回るビッグ・ジョンが居て、摩耶と天龍は仰天した。
天龍「またかよー!?」
摩耶「何でだー!?」
そして親子ロボットの騒動は、ほっぽのせいで1回目より苦労するのだった。
次回も宜しく お願い致します!