535話です!どうぞ!
ダンテやネロが、《Devil May Cry》という作品に出てくるゲームキャラであると広く知られている世界で、《Devil May Cry》シリーズが好きな
学校へと登校すると驚いた事に、夢で視た少女が転校してきた。
親友の
大志にネロのキーホルダーを奪われ馬鹿にされるが、晴人は取り返す事も言い返す事もできなかった。
そこへ転校生の少女
その お礼に、晴人はミサを自分と優だけの秘密基地に招待する事にした。
秘密基地として使ってる廃工場の中に入ると、見知らぬ赤い球が地面に落ちているのを見付けた。
“願いを言え。どんな願いも叶えてやろう”
赤い球から発せられた言葉に、ミサは願いを言う事を提案し、優は反対する。
悩んだ晴人は その場では保留にし、一旦 赤い球を持ち帰る事にした。
翌日、下校で晴人と優、ミサが一緒に歩いてると、ミサから願いを どうするのか問われた。
迷う晴人はミサの後押しもあり、赤い球にネロに会いたいと願う。すると空に海が広がり、そこからネロが飛び出した。
デビルブリンガーの翼で空を飛ぶネロを見て晴人は喜んでいたが、そこに大志達 苛めっ子3人が現れ、赤い球を奪われてしまう。
しかも大志はネロを呼び出せたのならと、それに対抗するように炎獄の悪魔ベリアルを呼び出してしまう。
ベリアルが現れたのを見たネロは、逃げ遅れた晴人達を守るため、ベリアルへと戦いを挑む。
しかし どういう訳か、デビルトリガーが強制的に解除され、デビルブリンガーまで消えた事で隙が生まれ、ベリアルの攻撃を受けてしまう。
レッドクイーンとブルーローズ、デビルブレイカーを駆使してベリアルを弱らせたネロは、持っていたデビルスターで何故か枯渇していた魔力を回復し、魔人となりベリアルにトドメを刺す。
復活したデビルブリンガーの翼で飛び去るネロだったが、デビルブリンガーが すぐに消えてしまい、地上へと落下する。
その後ネロは、大勢の人々に追われ街の中を逃げ回る事になり、適当な店に逃げ込み遣り過す。
ネロが入ったのはフィギュアショップで、そこには自分やダンテ、バージルのフィギュアが商品として陳列し、自分やダンテ、Vが写るポスターまで飾られていた。
理解が追い付かない状況が立て続けに起こり、ネロは戸惑う。
そしてネロは、自分を呼び出した晴人達と遂に出会うのであった。
*晴人の世界 廃工場 5月4日 16:45*
晴人と優が秘密基地として使ってる廃工場に案内されたネロは、晴人がチョークで描いた自分とダンテの絵を見ながら、彼らから信じ難い話を聞かされていた。
ネロ「俺やダンテがゲームに出てくるキャラクター?」
晴人と優は、疲れた様子で顔を見合わせてから、ネロに向き直り頷いた。
ネロ「つまり こういう事か?俺は そのキャラクターとして有名で、それで街の皆は俺の事を知ってるけど、ここじゃ有り得ない俺とベリアルの戦いを見て、架空のキャラクターが現実に現れたと思って皆が嬉しそうに俺を追い掛けてきたと、そういう事か?」
晴人「さっきから何度も そう言ってるじゃ〜ん・・・」
優「ネロは《Devil May Cry》っていうゲームに出てくる主人公の1人なんだよ」
ネロ「ゲームじゃない。《Devil May Cry》は事務所の名前だ」
晴人「だから そういう設定なんだってば」
ネロ「それに俺はゲームのキャラクターじゃない。現に生きて ここに存在してるだろ」
晴人「だから僕が願って、ゲームの世界からネロを現実の世界に呼んだんだってば」
ネロ「呼んだって・・・(ゲームの世界とか設定って何だよ?じゃあ何か?)」
ネロにとって信じ難い この話を聞いて、彼は考えれば考える程フツフツと怒りが込み上げてきた。仮に晴人達の話が本当だったとした場合、フォルトゥナでの悲劇でクレドが死んだ事も、レッドグレイヴでの惨劇も、全ては晴人の世界の住人を楽しませるストーリーとして引き起こされ、そんな事のためにキリエが悲しむ事になり、多くの人の命が奪われたのかと。
ネロ「っ・・・ざけんな!!」
「「「・・・・・・!?」」」
突然ネロが怒鳴り、驚いた晴人達は身体がビクッと跳ね、硬直してしまった。
ネロ「ぁ・・・ごめん・・・」
その事に気付いたネロは、すぐに謝罪を口にした。
信じ難い話と理解が追い付かない状況が立て続けに起こった事で、ネロは自分で気付かない内にストレスからイライラしてしまっていた事と、子供達に対して言った訳ではないが、彼らを前に怒鳴ったのは良くなかったと反省し、改めて彼らから話を聞く事にした。
ネロ「じゃあ この世界には、艦娘や深海棲艦も、悪魔も居ないって事か?」
晴人「そうだけど・・・」
優「艦娘って、《艦これ》のこと?何でネロが《艦これ》のこと知ってるの?」
ネロ「艦これ?」
優「《艦隊これくしょん》、略して《艦これ》っていうゲーム。艦娘って そのゲームに出てくるキャラだったと思うけど・・・でも変だよ。ゲーム会社も世界観も違うからネロが知ってるはずないのに」
晴人「そうだよ、何で知ってるの?」
ネロ「あー・・・」
なぜ艦娘の事を知ってるか説明しても良かったのだが、晴人達の口から聞きたくない話を もっと引き出してしまいそうな気がしたネロは はぐらかすのであった。
ネロ「話を戻すけど、悪魔は居ないと言っても現にベリアルは現れた。あいつが存在してるなら俺も架空の存在じゃないって事だ」
ミサ「悪魔は大志君が赤い球に願って呼び出したの」
ネロ「赤い球?」
晴人「うん。僕も その球で、“ネロに会いたい”って願って呼んだんだ」
ネロ「球に願って、俺もベリアルも呼ばれた・・・・・・ふ〜ん・・・」
その話を聞き、ネロは考えを巡らせた。
その赤い球に それ程の力があるのなら、架空のキャラクターとしてダンテや自分を認識してる この世界に来てしまった事も、この世界において存在しない悪魔が現れた事も、一応の辻褄は合う。信じ難い話には変わらないが。
何にせよ、この おかしな状況の原因が赤い球とやらにあるのならば、先ずは その赤い球を調べてみる必要があるだろう。
ネロ「で、その赤い球は今 持ってるのか?」
赤い球の事を問われ、晴人達は お互いの顔を見合わせた。
晴人「・・・・・・あれ?」
優「どこ行った?」
肝心の赤い球を持ってない事に気付き、晴人達は辺りを見渡したり、ランドセルを逆さまにして中身を全部ぶち撒けたりして探す。しかし、赤い球は どこからも見付からない。
ミサ「最後 大志君が持ってたはずだけど」
「「・・・・・・あっ!」」
晴人と優は そういえばと、大志に赤い球を奪われ彼が悪魔を呼び出し、逃げる時に赤い球を放り投げていたのを見た事を思い出す。記憶通りで誰にも拾われていなければ、ネロとベリアルが現れるのを見ていた あの場所に まだあるはずだ。
・・・・・・
*街 17:14*
ネロとミサを廃工場に残し、晴人と優は急いで赤い球を探しに来た?
晴人「どこだ〜・・・?」
優「この辺りだと思ったんだけど、どこまで投げたんだ?」
2人は自分達なりに隈無く探し、少しして赤い球を見付けると、それを持って急いでネロの待つ廃工場へ向かうのだった。
優「また走るのぉ・・・?」
晴人「早く!」
・・・・・・
*廃工場 17:38*
ネロ「う〜ん・・・」
走って戻ってきた晴人と優から赤い球を直接 受け取り、ネロは それを観察しながら考え込むように唸っていた。
晴人「何か分かった?」
ネロ「・・・・・・いや、俺じゃ何も分からないな。ニコが居れば何か分かったかもしれないけど」
晴人「じゃあニコも呼べば?」
だがネロは、その提案を即座に却下した。これ以上 妙な事に巻き込まれる者を増やしたくない。
そう思っていたら、赤い球が光り明滅を始めた。
ネロ「何だ、急に どうした!?」
「「「あ・・・」」」
どうやら晴人の提案を、赤い球は“願い”として認識してしまったようだ。
直後、廃工場の壁を ぶち破り、移動式事務所《Devil May Cry》のバンが入ってきて急停止した。
運転席には焦るニコが乗っている。
ニコ「あービックリしたー!!気付いたら車に乗ってたんだけど!アクセル全開だったんだけど!目の前に突然 壁があったんだけど!死ぬかと思ったわ」
ネロ「おいおい来ちゃったよ。ニコ!」
ニコ「あ?ネロ?」
ニコはバンから降りてネロに近付くと、いきなり彼の顔を殴った。
ネロ「ッテェな!!何すんだ?!」
ニコ「お前こそ こんな所で何してんだ?!」
ネロ「はぁ?!」
ニコの話では、艦娘の世界で深海棲艦との戦闘中にネロが突然 居なくなった事で、あちらでは大騒ぎになり、捜索隊まで編成されて艦娘がネロを探し回っているとの事だった。
艦娘と一緒に出撃したと思ったら、黙って居なくなって日本に勝手に戻っており、ネロが皆に心配を掛ける いい加減な事をしてるとニコは思ったため、その お叱りのために彼の顔を殴ったのだった。
ニコ「お前 艦娘を手伝うって言って海に出たんだろ!しれっと黙って帰ってきてんじゃねぇよ!しかも こんな所で油 売って何してんだ?!」
そんな事になってしまってるのは申し訳ないが、殴られた理由を理解したネロは、先にニコの誤解から解く事にした。
ネロ「ちょっと待てって俺 悪くねぇから!話を聞いてくれ!」
ネロは自分達がゲームキャラであるなどの話は伏せながら、また別の世界に呼ばれた事を、晴人達に援護してもらいつつ事情を説明した。
話は理解してもらえたが、しかし違う理由で またニコが不機嫌になった。
ニコ「スペアリブ食ってる途中だったんだぞ、勝手に私を呼ぶんじゃねぇ」
ネロ「人が行方不明になってる時にスペアリブ食ってんじゃねぇ」
ニコ「お前が行方不明になっても、私は心配しない。だって お前だしな」
ネロ「褒め言葉として受け取っておくよ。ムカつくけどな!」
ニコ「んで、私とネロを呼んだ問題の赤い球が それか?」
ネロ「ああ。何なのか調べてくれ」
ニコ「OK〜♪」
快く引き受けたニコは赤い球を持って、バンの中に入り、続いてネロも中に入る。
晴人達は恐る恐る入り、キョロキョロとバンの中を見る。晴人はゲームで見たのと全く同じ車内に感動していた。
バンの後部まで行ったニコは、そこにある作業台に赤い球を置くと、トンカチを手に取り いきなり叩いた。
ネロ「おい やめろ叩くな!」
ニコ「“調べろ”って言うから」
ネロ「何なのかも分からないのに いきなり叩く奴があるか!」
ニコ「お前が“調べろ”って言うから調べてやってんだろ!」
ネロ「それで何が判ったんだよ?」
ニコ「強度は申し分ない」
ネロ「・・・他には?」
ニコ「何も判らん。そもそも ここには、物質や構造を調べるための精密機器は置いてないからな。こういうのは明石の得意分野だろ」
ネロ「じゃあ何で引き受けた?」
ニコ「お前が“調べろ”って言うから、可能な範囲で調べた」
ネロ「はいはい、もう俺が悪いって事でいいよ・・・」
結局ニコに見てもらっても何も判らずであるため、どういう原理で別世界のネロ達を呼んだのか、正体が何なのかなど、赤い球を調べるのは早々に やめた。
晴人はバンの中にあるソファーに座りながら、ランドセルの中から取り出した1冊の絵本の表紙を見詰め、ネロとニコの話し合いが終わるのを待っていた。
すると、赤い球の調査を早々に やめたネロが隣に座った。
ネロ「へー、《ガリバー旅行記》か」
晴人「知ってるの?」
晴人は絵本を差し出しながら訊ね、ネロは受け取りながら昔を少し思い出していた。
ネロ「ガキの頃、クレドが持ってきて1度 読んだ程度にはな」
ニコ「そういや、ガリバーは色んな国を旅するんだっけか?」
ネロ「ああ。小人の国や巨人の国とかな」
ニコ「小人とか巨人とか、まるで別世界に行くみたいな話だな・・・・・・ん?」
ネロ「どうした?」
ニコ「考えてみたら、私らの状況って ある意味ガリバーだな」
ネロ「ガリバーが旅するのは国だぞ?」
ニコ「こっちは別世界を旅してるみたいなもんだから、スケールでは勝ったな」
ネロ「何だ そりゃ?」
和やかな時間に、ネロとニコ、晴人は自然と笑い合っていた。
だが その時間は、すぐに破られる事となった。建物の外から警察が拡声器で、ネロに対して外に出てくるように呼び掛ける声がしたからだ。
ネロ達は すぐにバンから降り、建物の外に出た。
外ではパトカーや護送車が何台も並んでおり、大勢の警官や機動隊員らに包囲されていた。
警察が包囲してる理由は4つある。1つは先のベリアルとの戦闘でネロが武器を用いて戦い、銃刀法違反に抵触しているからだ。
2つ目はベリアルが何なのか知らない者達からすれば、突然 現れた怪物だ。その怪物を倒してしまうネロに対する脅威度は、武器を所持してるというのも相まって かなり引き上げられている。
3つ目はネロの正体だ。巷では既に、ゲームキャラが現実に現れたと噂になっているが、警察は そんな噂を鵜呑みにはしない。身元不明の外国人で、不法入国も疑われている。
更に付け加えるなら、ネロが魔人となった姿も目撃されているため、ネロの正体が何なのか判断できず警戒されてる状況だ。
4つ目は、ネロが子供と一緒に今は使われてない廃工場に入っていくのを、通り掛かった者に見られていたからだ。人拐いや不法侵入を疑われ通報されていた。
警察はネロの姿を確認すると慌ただしく警戒し、拡声器で武器を捨てて、大人しく投降するよう警告してくる。
この状況に、晴人と優、ミサは不安そうにネロを見る。
晴人「ネロ・・・」
ネロ「大丈夫だ。話せば分かってくれる」
ネロは安心させるように笑って そう言うと、警察に向かって歩き出した。
一定の距離を置いて立ち止まると、ネロは機動隊員らに囲まれてしまった。
晴人「ネロ!」
警察『子供を保護しろ!』
ニコ「おい、やめろ!」
何人かの警官が子供達を勝手に引き離そうとしたため、ニコが やめさせようと割り込む。だが公務執行妨害でニコは取り押さえられてしまった。
更に子供達も、警官が連れていこうとするのに対し抵抗する。
そんな中、晴人は赤い球を落としてしまい、赤い球が転がって離れていく。
それを大志の取り巻き2人が隠れて見ており、騒ぎのドサクサに紛れて赤い球を持ち逃げしていった。
ミサ「やめて!」
優「離してよ!」
晴人「違うよ!ネロは悪くないんだ!ネロは悪くない!!」
ネロ「ニコ!晴人!?何すんだ お前ら!」
話をする間もなくニコ達が取り押さえられたのを見て、ネロは それを やめさせようと彼女達の方へ向かおうとする。だが盾を持った機動隊員らが、囲んだ状態で妨害してくる。
ネロ「どけよ!!晴人ぉ!!」
晴人「ネロ!!ネロ!!」
しかし この状況で、誰もが予想だにしなかった事態が起きた。ネロとニコの身体が虹色に光り始めたのだ。
機動隊員らや警官達は正体不明の現象に危険も考慮し、ネロとニコから ある程度 距離を離し警戒する。
そして子供達も、何が起こってるのか理解できず唖然としていた。
ネロ「何で・・・急に眠く・・・?」
虹色に光っていたネロとニコの身体が今度は灰色に染まり、晴人達が見てる前で消滅した。
建物の中に突入した警官はバンを確保しようとしていたが、バンも同じ現象が起きて目の前で消滅した。
晴人「どうなってんの これ・・・?」
*街*
一方 大志の取り巻き2人は、赤い球を持ってリーダー格の大志と合流し、彼に赤い球を渡していた。
取り巻き「持ってきたけど、
大志「決まってるだろ。呼ぶんだよ」
取り巻き「呼ぶって?」
大志「もっと強い、誰にも負けない悪魔を」
大志は願いを叶えてくれる赤い球に魅了され、子供特有の残虐性も相まった欲に溺れていた。
晴人達の世界は欲望によって、破滅へ向かって走り始めていた。
・・・・・・
*艦これの世界 海 3月4日 11:34*
晴人の世界から消滅したネロは、艦娘の世界に戻っており、意識を失った状態で海中を漂っていた。
ネロ「・・・・・・?ゴボゴボゴボッ!?」
意識が覚醒して目覚めたネロだったが、目の前にウミガメの顔面がドアップであり、驚いたネロは浮上するのだった。
・・・・・・
*Devil May Cry鎮守府 執務室 16:14*
ネロが鎮守府へと戻り、ずっと彼を捜索していた艦娘達は安堵した。
今は一航戦と夕張、大淀、明石が、オオカミの着ぐるみを着る彼と談笑していた。
赤城「何事もなく、無事に戻ってきてくれて良かったです」
明石「そうですよ。みんな心配したんですからね」
加賀「けど、いったい何があったの?」
加賀に問われ、ネロは答えづらそうに頭を掻いた。
ネロ「いや〜・・・それが よく憶えてなくて」
艦娘達と共に出撃し、深海棲艦との戦闘に突入した事までは憶えているのだが、なぜ海の中で漂っていたのか分からず、晴人の世界に居た間の記憶も綺麗になくなってしまっていた。
ただ、そんなネロの様子に赤城達は、困ったように笑っていた。
夕張「もう、しっかりしてよね。テストパイロットも お願いしてるんだから」
実は夕張、ビッグ・ジョンとスモール・トムの騒動に懲りず、あの後また巨大ロボットの建造に着手していた。
今度は次元を超えて別世界に行くためのロボットらしく、これが完成すれば、ダンテ達が元の世界に戻ってしまっても、自分達の力で いつでも会いに行けるというのが目的だ。
近々テスト運用も予定しており、テストパイロットには とんでもない事故が起きたとしても大丈夫そうな人がいいという理由で、ネロが選ばれていた。そのため、ネロは操縦に関するマニュアルは既に頭に叩き込んである。
明石「でも、本当に別世界に行けるの?」
夕張「う〜ん・・・理論上は?」
明石「(ネロさん大丈夫かな?不安にしかならない言い方してるけど・・・)」
大淀「もう余計な物 造らないでよ。鎮守府の財政難、管理が大変な こっちの身にもなって・・・。どうせなら お金になる物 造ってほしい・・・」
夕張「だ、大丈夫だって!もう完成してるし、テスト運用が成功したら特許 取って お金ガッポガッポよ!」
ネロ「けど驚いたぜ。気付いたら こーんな近くでカメが泳いでてさ。こんな感じで」
ネロは笑い話として、ウミガメを意識した変顔をしながら泳ぐ仕草をする。
するとネロの脳裏に、子供の顔が間近にあった記憶が一瞬だけフラッシュバックし、動きを止めた。
加賀「どうしたの?」
ネロ「いや・・・・・・何か忘れてるような・・・」
赤城「どうやら お疲れのようですね。ゆっくり休んでください」
・・・・・・
*正面ゲート 16:37*
ネロは自室に戻る前に、取りにいく物があり駐車場のバンに立ち寄っていた。
バンの中に入り目的の物を探していると、見慣れない本がソファーの上に置かれてるのが視界に入り、動きを止めた。
その本を手に取ると、表紙には《ガリバー旅行記》と書かれていた。
背表紙を見ると、手書きで“晴人”と名前が書かれている。ただネロには、その名前を見ても誰か分からなかった。
ネロ「・・・誰のだ?」
・・・・・・
*ネロの自室 3月5日 3:10*
夜中、就寝していたネロは大量の汗を掻きながら、夢に魘されていた。
*ネロの夢*
ネロ「ここは・・・?」
夢の中でネロは、怪しい光が渦巻くトンネルのような空間に浮かんでいた。
その空間の上下左右には、様々な場所の風景が投影されており、渦巻く怪しい光と共にネロの後方へと流れていく。
ネロは そんな不思議な光景を見ながら戸惑っていると、自身の正面に異質な物体が浮かんでる事に気付く。それは、晴人の世界で見た赤い球だった。
ネロ「あれは・・・」
赤い球を見た直後、ネロは何故か忘れていた晴人の世界での事を全て思い出すのだった。
次回も宜しく お願い致します!