54話です!どうぞ!
*Devil May Cry鎮守府*
夜、艦娘達も寝静まっている時間に1人の侵入者が居た。警備で巡回している憲兵も気絶させられている。侵入者は、そのまま船が停泊している場所に向かう。目指すは船長室だ。侵入者は船長室の扉を ゆっくり開けて中に入ると、辺りを物色していく。侵入者が ある箱を開けると、緑色の光を放つ鉱石が入っていた。侵入者は箱を閉じると それを抱えて船長室を出るのだが、船の見張り台から飛び下りてきたダンテが侵入者の前に立ち塞がる。
ダンテ「それを どうするつもりだ?」
侵入者は艤装を展開、主砲をダンテに向ける。ダンテは砲撃を回避する為に飛び退く。次の瞬間、轟音と共に甲板で爆発が起きる。
侵入者は甲板から海へ飛び降り逃亡し、ダンテも後を追う。
『・・・!?』
他に鎮守府に居た者も、突然の轟音に飛び起きた。鎮守府は一気に大騒ぎとなる。
ダンテ「帰るなら、せめて それの代金を支払ってから帰ってほしいもんだな」
?「・・・!?」
逃げ切ったと思っていた侵入者は、横を並走して声を掛けてきたダンテに驚いた。
ダンテ「お前は どこの艦娘なんだ?川内」
川内「まさか追ってくるとは思わなかったなぁ」
ダンテ「こんなの序の口だ。相手してほしいなら遊んでやるぜ」
川内「何?私と夜戦するつもり?」
川内はダンテに向かって砲撃し、間髪 入れずに雷撃した。ダンテは身体を捻って砲撃を躱し、ジャンプで魚雷を回避する。その後もヒラリヒラリと川内の攻撃を躱していく。
川内「避けるだけじゃ私には勝てないよ」
ダンテ「そもそも勝つつもりもないしな」
川内「何それ・・・舐めてるの?」
ダンテ「お前、呉の川内だな?」
川内「・・・!?」
ダンテ「図星か」
川内は驚きで攻撃を やめた。ダンテも それに合わせて動きを止める。
川内「・・・どうして分かったの?」
ダンテ「顔だな」
川内「顔?」
川内という艦娘は他の鎮守府にも居る。顔も同じである為、顔だけで どこの川内か判別はできないはずだ。なのにダンテは、顔だけで どこの川内か言い当てた。
ダンテ「まぁ、顔と言うより眼だな」
川内「は?」
ダンテ「似てるんだよ、赤城や鈴谷、助けを求めてる時の艦娘の眼に」
ダンテは川内の眼が、悪魔の力を求めた提督に仲間を殺された赤城や、提督の暴力から逃げていた鈴谷と似ていると思っていた。それは、呉と横須賀の艦隊演習の時にも思っていた。
ダンテ「何に追い詰められてる?何を抱えてるんだ?」
川内「知った風な口を利かないでよ・・・何も知らないくせに・・・!」
川内は再び砲撃と雷撃をダンテに放つ。ダンテは苦もなく それを躱していく。
ダンテ「だから訊いてるんだがな・・・なら質問を変えようか。その石を狙う理由は?」
川内「・・・・・・・・・」
そこへ戦闘音を聞き付けた空母 以外の艦娘達が駆け付けた。艦娘達はダンテと戦う川内に主砲を向ける。
神通「姉さん、やめてください!」
那珂「どうして提督と戦うの?こんなの やめてよ、川内ちゃん!」
川内「私は あんた達の姉じゃない。気安く呼ばないで」
川内、神通、那珂は姉妹艦だが、“姉じゃない”と言うのは、もしかすると この川内には、既に一緒に居る姉妹艦が居るのかもしれない。
川内はピンポン玉のような球体を取り出し、それを握り潰した。すると濃い煙が出て川内を包み込む。
ダンテ「煙幕か・・・!」
ダンテは川内が立っていた場所へ飛び込むが、川内は既に姿を消していた。
・・・・・・
*執務室*
ダンテ「危なくない程度に頼むぞ」
青葉「青葉に任せてください!」
天龍「俺が居るから平気だって」
ダンテ「龍田、こいつらがムチャしないように頼むぞ」
龍田「りょうか~い」
翌朝、ダンテは特別任務を頼む為に青葉、天龍、龍田を呼び出していた。任務内容は呉鎮守府の調査。青葉は取材と称して犯罪紛いな行為をしているのをダンテは知っている。その能力を役立ててもらう為に青葉が選ばれた。これまで鎮守府で大きな話にならなかったのは、ダンテが人知れず未然に防いで全て潰していたからだ。青葉もダンテ相手では無理と理解して、今では盗聴機や隠しカメラを仕掛けるのは やめている。天龍と龍田は不測の事態に備えての護衛役だ。龍田は どちらかと言うと、青葉と天龍の手綱を引く お目付け役に近い。3人は呉鎮守府に向かう為に出発した。しばらくは帰ってこないだろう。
ダンテは執務室の窓から見える海を眺めながら、物思いに ふける。ダンテは、これから事態が大きく動き出す予感がしていた。艦娘は出撃と遠征にも真面目に取り組んでいる。他の鎮守府も動いているので、深海棲艦の対処は大丈夫だろう。悪魔はダンテ自身が対処すれば済む話だ。レディとトリッシュという手札も出して、手は打ってある。問題は自称ドクターだ。狙いが全く分からない。ヒントにならないような言葉ばかりを残し、邪魔と言う程 邪魔をしてくる訳でもない。正直 鬱陶しい事この上ない。他に打てる手はないか、ダンテは静かに考えを巡らせるのだった。
・・・・・・
*高級ホテル*
数日後、ダンテは元帥に呼び出された。詳しい話は会ってからという事で、教えられたホテルの一室に入ると、そこには元帥と大和、そして見知らぬ女性が居た。
元帥「来てくれたか」
ダンテ「それで、話ってのは?」
元帥「今回おぬしに用があるのは こちらの方じゃ」
元帥の紹介で、一緒に居たのは この世界の日本初の女性総理大臣だと教えられた。国の政界トップ直々の用とは、ただ事ではない。
ダンテ「それで用件は何だ?」
総理「口の利き方がなってないわね」
元帥「腕は保証します。かつて街に悪魔が溢れた時に、事件を解決したのは彼です」
総理「そう・・・」
総理はダンテにソファーに座るように勧める。断る理由もないので、大人しくソファーに座ると、総理は分厚いファイルをテーブルに置いた。表紙には『Top secret』『Dante』と書かれている。
ダンテ「俺の資料か?」
総理は質問に答えず、ファイルのページを捲っていく。
総理「出身は?」
ダンテ「アメリカ」
総理「アメリカの どこ?」
ダンテ「・・・・・・・・・」
この質問の必要性が分からず、ダンテは総理を睨む。まどろっこしいのは嫌いだ。早く本題に入ってほしい。
総理「父親は?」
ダンテ「俺がガキの頃に消えた」
総理「母親は?」
ダンテ「死んだ」
総理「兄弟は?兄や姉、弟か妹は?」
ダンテ「さぁね、大した用もないなら帰るぜ」
この会話に意味を見出だせず、ダンテもイライラしていると、総理は開かれているファイルのページをダンテに見せた。ダンテの資料は大部分が黒塗りで、殆ど読めない。
総理「あなたが信用できるか確かめたくて資料を取り寄せたけど、これを見る限り、普通の人間ではないわね」
ダンテ「・・・それで?」
総理「あなたは信用できる人?」
ダンテ「報酬が貰えるなら、きっちり仕事は熟すさ」
総理「・・・他に頼れる者も居ないし、仕方ないわね・・・」
総理は溜め息の後、やっと本題に入った。依頼内容は、ある犯罪組織のトップが持つ屋敷で裏カジノが開かれる。その屋敷は山奥にあり、カジノは資金洗浄にも使われ、名のある犯罪組織が一堂に会する為、警察も手が出せないでいる。だが今回は、犯罪者狩りの為にダンテを呼んだのではない。
大和「そこに陸軍の将校が来る情報が入りました」
ダンテ「陸軍の・・・?」
裏カジノにはVIPしか入る事ができないポーカーの部屋があり、そこに陸軍将校が参加する情報を得ていた。ダンテには、偽名を使って別人としてゲームに参加してほしいらしい。
ダンテ「犯罪者は放置か?」
総理「それは警察の仕事よ。犯罪者よりも国の問題に繋がる事の方が重要なの。それに、今の陸軍は信用できない」
元帥「今、陸軍は怪しい動きをしとる。国で定めた事とは別の目的で動いておるようじゃ」
ダンテの主な仕事は証拠を掴み、ゲームに勝って陸軍の資金を絶たなければならない。犯罪組織の資金も絶てるので一石二鳥だ。
ゲームに参加するには お金が必要だ。それは政府が資金援助する。もしダンテが負ければ、政府の資金が犯罪組織か陸軍に渡る事になる。失敗は許されない。
元帥「今回は大和と行動してもらう」
ダンテ「大丈夫なのか?」
元帥「大丈夫じゃ」
ダンテとしては1つ懸念がある。まだ内通者は判明していない。全員に疑う余地がある。それは大和も例外ではない。だが元帥は、にこやかに笑う。まるで“心配ない”と言うように。
元帥「それから おぬしらには夫婦になってもらう」
ダンテ「・・・・・・は?」
VIP専用のポーカーが開催されるのは1週間後。
話も終わり、ダンテは鎮守府へと戻った。
・・・・・・
*Devil May Cry鎮守府 食堂*
その日の夕食後、ダンテは艦娘達に今回の依頼について話していた。
時雨「あれ?提督ってポーカー強かったっけ?」
ダンテ「俺ぐらいの男になると、どんなゲームにだって負けないさ」
『・・・・・・・・・』
ドヤ顔で豪語するダンテ。これに対して沈黙する艦娘達。全く信用されていないのだろう。
ゴーヤ「トランプ持ってくるでち」
心配になり、実際にゲームでダンテの実力を確かめる事にした。トランプを持ってゴーヤが戻ってくると、ダンテと それぞれの艦種の代表でポーカーをする。
駆逐艦代表、時雨。
時雨「手加減しないよ」
軽巡代表、神通。
神通「私で良いんでしょうか?」
雷巡代表、北上。
北上「北上様の実力を見せてあげましょうかねー」
大井「頑張って北上さん!」
重巡代表、愛宕。
愛宕「さぁ、やっちゃうわよー!」
戦艦代表、金剛。
金剛「皆の お小遣いは私の物ネー!」
比叡「お姉さま、お金は賭けませんよ」
軽空母代表、隼鷹。
隼鷹「酒代 稼ぐよー!」
龍驤「だから賭けへんって・・・」
正規空母代表、加賀。
加賀「鎧袖一触よ」
蒼龍「安定のポーカーフェイス」
潜水艦代表、ゴーヤ。
ゴーヤ「特に言う事はないでち」
その他代表、明石。
明石「私 要ります?」
このメンバーにダンテを加えてゲームが始まった。ディーラー役の鳳翔がカードを配っていく。今回は賭け金がないので『コール』や『レイズ』、『フォールド』はない。どんな手札でも とりあえず出す。全員にカードが配り終え、役を宣言しながらカードを公開する。
明石「・・・ツーペア」
ゴーヤ「ツーペアでち」
加賀「フルハウス」
隼鷹「あちゃ~、ワンペア」
金剛「フラッシュ!」
愛宕「スリーカード」
北上「ふっふっふっ、ストレート」
神通「えっと、スリーカードです」
時雨「僕もストレート」
『・・・・・・・・・』
赤城「提督?」
皆が手札を見せる中、ダンテだけ何故か見せない。ダンテの後ろに朝潮と不知火が回り込んで、手札を覗き見る。
朝潮「・・・これは強いのですか?」
ダンテ「・・・・・・・・・」
不知火「司令官、これは・・・」
ダンテ「言うな・・・」
鈴谷「もう!ちゃんと出しなよ!」
ダンテ「・・・
『・・・え?よっわ~・・・』
あれだけ豪語していたのに何の役も揃っていない。ダンテの発言の後の結果に艦娘達も引いている。
ダンテ「ふっ、手加減してやったのさ」
苦しい言い訳にも聞こえるが、まだ1回目だ。これではダンテの実力は測れない。仕切り直して、艦娘も入れ替わりながら何度も続けた。
ダンテ「ワンペア」
赤城「ツーペアです」
ダンテ「スリーカード」
鳥海「フラッシュです」
ダンテ「ストレート」
比叡「やったー!フルハウス!」
ダンテ「フラッシュだ」
不知火「フォーカードです」
ダンテ「フルハウス!」
龍驤「フォーカード」
ダンテ「フォーカード!」
叢雲「ストレートフラッシュ」
連戦連敗のダンテ。そろそろ飽きてきた艦娘達。最後の絞めに、もう1戦だけやった。
ダンテ「これなら どうだ!」
ダンテが出したのはストレートフラッシュ。
他の艦娘が出した手札の役はストレートフラッシュよりも弱い役だ。ダンテがトップに返り咲いた瞬間だ。
鳳翔「ロイヤルストレートフラッシュ」
ダンテ「・・・・・・・・・」
そうでもなかった。鳳翔はストレートフラッシュの中でも最も強い、ロイヤルストレートフラッシュを出してきた。結果、ダンテが誰よりも強い手札を出す事は1度もなかった。
女運とギャンブル運に恵まれないダンテ。艦娘達はダンテを不憫に思えて仕方がない。
北上「・・・これヤバくない?」
大井「今から依頼を断ったら どうです?」
今回ばかりは依頼達成が不可能に思えた。しかも失敗すれば最悪の結果になる。下手をすればダンテの首が飛ぶ。
鈴谷「・・・と・・・」
『と?』
鈴谷「特訓だー!」
それから1週間、ダンテのポーカー強化特訓が実行され、鎮守府はポーカー三昧となった。
果たして、ダンテは依頼を達成する事ができるのだろうか?
そろそろメインの話を しっかり固めていこうと思う所存です。
そればっかりやると すぐ終わっちゃいそうなんで、関係ない話も出すつもりですが・・・。
次回も よろしく お願いいたします!