536話です!どうぞ!
並行世界で生きる少年達、
晴人の世界に来る事になった原因である赤い球を調べはしたが、結局は何も分からなかった。
晴人達 少年達が秘密基地として利用する廃工場で、ネロ達が時間を持て余していると、彼らは大勢の警官に包囲されてしまった。理由は化物(悪魔)を倒す程の武器をネロが所持してる事と、ゲームキャラが現実に現れたと街で騒動になった事にあった。
ネロは話せば分かってくれると警察の方に歩み寄るが、警察は問答無用でネロ達を取り押さえに掛かる。
そのドサクサに晴人が落とした赤い球を、苛めっ子の
ネロと警察が ぶつかり合っていると、ネロとニコ、移動式事務所《Devil May Cry》のバンが光に包まれ、晴人達の目の前から忽然と姿を消してしまう。
艦娘の世界へと戻ったネロであったが、晴人の世界での事は全て記憶から消えてしまっていた。
就寝後、ネロは夢に魘され、その夢に赤い球が出てきた。
ネロは その赤い球を見た瞬間に、晴人の世界での事を全て思い出すのであった。
*ネロの夢*
赤い球『魔剣士ネロ』
ネロ「喋れるのか!?教えてくれ。ここは どこなんだ?」
赤い球『ここに映るのは私の記憶。時空に干渉し、お前の夢を通し意識だけを ここに呼んだ』
ネロ「ここに映る風景 全部が・・・お前の記憶だって言うのか?お前は いったい何なんだ?」
赤い球『私は、お前や晴人が居る時空とは違う世界の文明により造られた存在』
ネロ「造られた?別世界の人間にか?」
赤い球『その通り』
赤い球は、ネロの世界や艦娘の世界、晴人の世界とは別の時空に存在する世界で造り出された物だった。人々の願いを叶える事で幸福を齎す。その理念によって赤い球は造り出された。
赤い球『私は自分の役目に従い、どんな願いも叶えた。本来なら有り得ない、物理の法則や自然の摂理も超えた あらゆる願いも。だが私の力は、人々を幸福にする事はなかった。願いを叶える事で、私を創造した者達の予想とは違う結果を齎した』
ネロ「・・・何があったんだ?」
赤い球『人々の欲望が暴走してしまった』
赤い球が願いを叶え始めた最初の頃は、人々の願いは些細なものばかりだった。だが願いを叶え続けてもらう内に、人々の欲望は大きくなり、歪なものへと変化していった。
やがて人々は赤い球を巡って争うようになり、その争いは、その世界全土を巻き込む戦争へと発展した。その結果、その世界は滅ぶ事となってしまった。
世界が滅んだ後、赤い球は時空を彷徨い、別の世界に辿り着いた。その世界でも赤い球は願いを叶え続けた。
赤い球『だが願いを叶えた後の結果は分かっていた。それが望まぬ結果であったとしても、私は願いを叶え続けた』
願いを叶えれば、赤い球の世界と同じように辿り着いた世界も滅ぶと予測はできた。そして案の定、その世界も最終的には滅んだ。
その後も赤い球は時空を彷徨い、辿り着いた世界で願いを叶え、その結果 世界が滅び、また時空を彷徨う・・・その繰り返しだった。
それならばと、それを理解しているのならばと、ネロは異を唱えずにはいられなかった。
ネロ「そこまで分かってて世界が滅ぶ事も望まないなら、願いを叶えるのを やめればいいだろ」
赤い球『私は自分の意思で止める事はできない』
赤い球はネロの世界や艦娘の世界、晴人の世界とも違う別の時空の世界で造られた創造物であり、技術は違えど よくある機械と何ら変わらないのである。世界が滅びる事を憂いる感情はあれど、プログラムされた自身の使命を自分の意思で逆らう事はできない。
人の欲望による滅びは、人そのものが欲望を捨て、赤い球に頼る事を やめるしか方法はない。
ネロ「・・・俺が晴人の世界から消えたのは何故だ?」
赤い球『願いの対象物となる存在を維持する、私のエネルギーが足りなかったからだ』
ネロ「エネルギー?」
赤い球は人の願いを叶え、その欲望を自身のエネルギーへと変換する。そうする事で、半永久的に機能するよう設計されていた。
ただ赤い球は、時空を移動するために膨大なエネルギーを消費するため、晴人の世界に辿り着いた時には、これまで巡ってきた世界で蓄積したエネルギーの殆んどを使い果たしていた。
ネロ「つまり晴人が俺に会いたい願いを叶える時には、充分なエネルギーが足りてなかった・・・だから艦娘の世界に戻されたのか」
赤い球『だが、いずれ あの世界も滅ぶ事になる』
ネロ「何だと?」
赤い球『私を持つのは欲望に歯止めが利かない子供。他の世界同様に、自分の世界を滅ぼすだろう』
ネロ「お前を持ってるのは晴人だろ!晴人は自分の世界を滅ぼしたりなんかしない!」
赤い球『いま私を持っているのは あの子ではない。お前が この世界に戻された後、自分の歪んだ欲望に囚われた別の子供の手に渡った』
ネロ「いま晴人は持ってないのか!?じゃあ、あの世界で願いを叶え続けていたら・・・」
赤い球『あの世界は滅ぶ。そして その滅びは、間もなく始まろうとしている』
ネロ「何だって!?」
赤い球『魔剣士、お願いだ。私を止めてくれ。欲望に囚われた子供達を救ってくれ。私は・・・あの世界を滅ぼしたくない』
ネロ「お前は・・・」
次の瞬間、周囲が赤い球の記憶の1つである、燃え盛る荒廃した世界の風景へ変わり、赤い球が消えた代わりにミサが祈るようなポーズで立っており、ネロを見ていた。それを見た瞬間、ネロは驚きから目を見開いた。
ネロ「君は・・・!?うわっ!」
ネロは どういう事かと問い質す前に、強い力で引っ張られるように後ろへ吹き飛び、ミサの姿が小さくなっていった。
*艦娘の世界 Devil May Cry鎮守府 ネロの自室 3月5日 3:25*
夢から覚めたネロは すぐに身体を起こし、周囲を見渡すと自分に宛てがわれた部屋だった。
ネロは大量に掻いた額の汗を拭うと、ベッドから降りて部屋から飛び出すのだった。
・・・・・・
*晴人の世界 街 5月5日 16:10*
ネロが消えた翌日、学校が終わった晴人は もう1度ネロを呼ぶため、ミサと共に赤い球を探し回っていた。
そこに、別行動で赤い球を探すのを手伝ってくれていた優が合流した。
優「見付けたかも!」
晴人「どこ!?」
優は学校の友達に聞き回り、大志達 苛めっ子3人が持っていたと証言を得ていた。
優「赤い球 持って、学校の備品室に入っていくの見たって」
晴人「すぐに学校に戻ろう!」
晴人は学校へ戻るため駆け出しミサも追従するが、優は嫌そうに顔を しかめた。晴人に報告するため走ってきたのだが、また学校まで走るのかと息も絶え絶えだった。しかし放っておく事もできないため、優は愚痴を言いながらも2人を追った。
・・・・・・
*小学校 16:38*
学校へと着いた晴人と優、ミサは校舎を見上げていた。備品室がある窓から、赤い光が ゆっくりと何度も明滅してるのが見える。
優「あの光・・・やっぱりアレだよね?」
晴人「・・・うん・・・。星川さんは ここで待ってて」
その赤い光を放っているのが、あの赤い球であると確信した晴人は、取り返すためにミサを残して校舎へ入っていく。
優「作戦は!?」
しかし優は乗り気ではなかった。苛めっ子3人を相手に勝てる気もせず、無作為に突撃しても取り返せるとは思えなかった。
それでも親友は放っておけず、優は晴人を追って共に校舎へ入っていく。
一方 備品室では、怪しく明滅する赤い球を棚に置いたまま、大志達 苛めっ子3人は、椅子に座りながら夢中で何かの作業をしていた。机にあるのは紙粘土と絵の具だった。
取り巻き「出来た!」
取り巻き2人は自分で考え紙粘土で作った悪魔を掲げる。1つは灰色の体色に、両手が大きな鎌状に、黄色い翼を持つ造形。
もう1つはワニのような見た目に、魚のような尾と背びれを持つ造形。
大志「俺も出来た」
大志が完成させた悪魔は、二足歩行で立ち尻尾があり、赤い目が3つもある造形だった。
取り巻き2人は大志が考えた悪魔を見て、カッコいいと絶賛していたが、大志は取り巻き2人が考えた2体の悪魔を見て、悪い笑みを浮かべた。
大志「いいこと思い付いたぞ」
取り巻き「な、何するの?」
大志「俺達が考えた悪魔は最強じゃなくちゃいけない。デビルハンターにも負けない最強にね。だから俺達の考えた悪魔の強みを合体させるんだ」
大志は灰色の悪魔から翼を千切り、ワニのような悪魔の頭部も千切り、更に口を開かせる。そして自分の考えた悪魔の背中と腹部に付け直した。
大志「出来たぞ・・・俺達の最強悪魔、《キング・オブ・デーモン》!」
完成したキング・オブ・デーモンは背中に黄色い翼と、腹部に鋭い牙が生え揃った姿へと変わった。
それを備品室の扉を僅かに開け、隙間から晴人と優が覗いて見ていた。
視線を移し、棚に明滅する赤い球を確認した2人は頷き合うと、中に入りコッソリ盗み出そうとする。
赤い球を手に取ると、晴人は不思議そうな顔をした。
晴人「この球、こんなゴツゴツしてたっけ?」ボソッ・・・
ツルツルとした綺麗な球体状だった赤い球は、いつの間にか凹凸のあるデコボコとした表面に変容していた。
優「そんな事いいから早く逃げようよ!」ヒソヒソ・・・
大志「君達も俺達の最強悪魔を見ていってくれよ。ねぇ、晴人君」
大志は晴人と優の侵入に気付いており、悪い笑みを浮かべたまま2人の方へ振り返った。
晴人「マッズい・・・!」
優「逃げろー!」
大志「捕まえろ!」
晴人は向かってきた大志の取り巻き2人を突き飛ばし、優と共に脱出する。
その後ろを、取り巻き2人が追ってくる。
それとは反対に、逃げる事はできないと確信してるのか、大志は悪い笑みを浮かべながら余裕のある歩調で歩いていた。
・・・・・・
*艦娘の世界 工廠 3月5日 17:03*
ネロはバンに残されていた晴人の絵本、《ガリバー旅行記》を手に、工廠に置かれてる夕張が開発した、時空を超えるためのロボット・《アドベンチャー》を見上げていた。
そしてネロは覚悟を決め、アドベンチャーのコックピットへ乗り込んだ。
乗り込んだネロは脇に絵本を置き、その表紙を見詰める。
ネロ「頼むぞアドベンチャー」
今のネロに、自力で時空を超える方法はない。
アーロンかセリーナなら可能だろうが、話せば反対される気がして2人には頼めない。
そこでネロは、時空を超える事を想定されて開発されたアドベンチャーで、皆には黙って旅立とうとしていた。晴人の世界を救うために。
だがアドベンチャーはテスト運用が まだで、問題なく運用できるか不明だ。
それに時空を移動できたとしても、晴人の世界に行けるルートも確立されていない。確実に晴人の世界に行けるとは限らないのだ。
それでもネロは、晴人の世界へ行けると信じていた。バンに残された晴人の絵本が、彼の世界への道標となってくれると信じて。
アドベンチャーを始動させ、問題がないか機器のチェックをしてると、コックピットに備え付けられた通信モニターに赤城と加賀、夕張、大淀の顔が映った。どうやら指令室から通信を繋げているようだ。
夕張『ちょっと何してるのよネロ?!』
ネロ「アドベンチャーのテスト運用を始める」
夕張『馬鹿なこと言わないで!テスト運用の予定は まだ先でしょ!』
大淀『事故に対応するための安全確保もできていません!すぐにアドベンチャーを停止させてください!』
加賀『ネロ、すぐにアドベンチャーから降りて』
ネロ「・・・降りない。俺は このまま行く」
加賀『何を言ってるの?!これは お願いじゃない、命令よ!』
ネロ「時間がない、責任は後で負う。このまま俺を行かせてくれ」
加賀『どうして急に・・・?赤城さん・・・』
加賀は不安そうな顔で横の赤城を見るが、赤城は真剣な顔で、モニター越しのネロを黙って見詰めるだけだった。
ネロ「頼む赤城。出撃を許可してくれ」
赤城『・・・訳を話してください』
ネロ「時間がないから詳しく話せないけど、今、ある世界が滅びようとしてる。俺は その世界を救いたい。いや、救わなきゃいけないんだ!そのためには このアドベンチャーが必要なんだ」
赤城『・・・・・・・・・』
ネロ「頼む赤城」
赤城『・・・・・・分かりました』
『『『赤城さん!?/赤城秘書艦!?』』』
赤城が あっさり許可してしまったため、加賀と夕張、大淀は驚きで声を上げずにはいられなかった。
赤城『その代わり、キッチリやり遂げてきてください。それで今回の事は不問にします』
大淀『正気ですか!?まだ何が起こるかも分からないのに!』
夕張『時空に飛び出して戻ってこれるかも分からないんだよ!』
その後も加賀と夕張、大淀が抗議していたが、ネロの邪魔にならないよう赤城が通信を切り、モニターが真っ暗になった。
ネロ「ありがとう、赤城」
ネロは笑みを浮かべながら聞こえないだろう赤城に お礼を述べると、真剣な顔付きになり時空移動装置を起動する。アドベンチャーからエネルギーの奔流である稲妻が迸り、光に包まれネロを乗せたまま消失した。
*時空トンネル*
ネロ「〜〜〜っ・・・!」
夢で赤い球と会話した時と同じトンネル状の空間を、アドベンチャーが猛スピードで駆け抜けていた。
中に乗るネロにG(重力加速度)が掛かり、ネロは歯を食い縛りながら耐えていた。
・・・・・・
*晴人の世界 小学校 5月5日 17:38*
赤い球を持って逃げた晴人と優は、大志達 苛めっ子3人に捕まり、学校の屋上へと連れてこられていた。
晴人「こんな所に来て、何するつもりだよ?」
大志「言っただろ。“君達にも見てもらう”って」
晴人「・・・何を?」
大志「俺達の最強悪魔、キング・オブ・デーモンが、俺達の街を破壊するのをさ」
晴人「・・・なに言ってるの?」
優「街を破壊するなんて、そんな事できるわけ━━」
大志「できるさ!この赤い球の力があればな!」
晴人「・・・・・・君、何か変だよ」
晴人が大志に対して違和感を感じるのも当然だった。この街には大志の家族も居て、そんな大切な人達が居る街を破壊しようと考えるなど、普通ではない。
だが それは、赤い球の欠陥部分の影響を受けているせいだった。赤い球は どんな願いも叶えるが、欠陥により その願いや欲望、思想まで歪ませてしまう。だから これまで赤い球が巡ってきた どの世界も、歪んだ願いや欲望、思想で争いが起き滅んでしまった。
大志は笑いながら赤い球を頭上に掲げる。
大志『さぁ来い!キング・オブ・デーモーーン!!』
大志の願いにより、空に稲妻が迸り、そこを中心に分厚い雲が広がりワームホールが現れ、その中から大志達 苛めっ子3人が考えた悪魔が合体した姿、大型悪魔キング・オブ・デーモンが飛び出し街の中心へと降り立った。
優「ば、化物・・・!?」
大志『さぁキング・オブ・デーモン!街を破壊しろ!』
キング・オブ・デーモンは生みの親である大志の命令に従い、額の第3の眼から熱線を照射し、街を地獄の炎で包んでいく。
それを見ながら、思想が歪められた大志達 苛めっ子3人は笑っていた。
晴人「(ネロ・・・)」
こんな時ネロなら どうするか考えた晴人は、ネロなら絶対に止めようとするだろうと思い至った。
なら自分もネロのように、この事態を止めるため勇気を出そうと、大志を見て拳を握り、覚悟を決めて彼へ飛び掛かる。だが体格差と喧嘩慣れしてないせいで、晴人は蹴り飛ばされてしまった。
それでも晴人は諦めず、何度も大志へタックルしていく。
それを見ていた優も抵抗しようと、両腕をブンブン振り回しながら大志の取り巻き2人に殴り掛かる。
*時空トンネル*
どこに晴人の世界があるのか分からないまま、アドベンチャーは時空を移動し続けていた。
中に乗るネロもG(重力加速度)に耐え続けていると、晴人の絵本の表紙が独りでに開いた。
ネロが視線を絵本に向けると、パラパラと高速でページが捲られていく。まるで最後のページまで行けば、晴人の世界に辿り着くと示してるかのように。
ネロが正面に視線を戻し、モニター越しにアドベンチャーの外の風景を見ると、トンネルの先に どこかの風景が映っていた。それは大型悪魔が、街を破壊してる風景だった。
ネロ「晴人ぉーーーっ・・・!!」
そこが晴人の世界だと確信したネロは、アドベンチャーを更に加速させた。
*晴人の世界 小学校*
晴人と優は喧嘩慣れしてないのと人数でも負けてる事から、度重なる暴力を受け座り込んでしまっていた。
大志達 苛めっ子3人は晴人と優から視線を外し、街を破壊するキング・オブ・デーモンの様を見て高笑いを上げる。
直後、雷が鳴った。晴人達が空を見上げると、キング・オブ・デーモンが現れた時と同じように空に稲妻が迸り、その中心から分厚い雲が広がり、再びワームホールが出現する。
大志『・・・何だ?』
何も呼び出してないのに勝手にワームホールが現れ、大志は訝しげにワームホールを睨む。
するとワームホールの穴から、ネロが乗るアドベンチャーが稲妻を纏いながら飛び出した。
ネロ「・・・・・・時空を超えた!」
こんな時だが、テスト運用は成功だとネロは笑みを浮かべる。
キング・オブ・デーモンもアドベンチャーが現れた事に気付き振り返ると、目を細める。
そしてアドベンチャーは、ワームホールから飛び出した勢いのままキング・オブ・デーモンに体当りして着地した。
晴人「ネロ」
この世界の事を知っていて時空を超えてまで来るとすれば、ネロしか居ないと理解していた晴人は彼の名を口ずさむ。
アドベンチャーが急停止すると反転し、2本のアームを展開する。
ネロ「よくも好き勝手に!」
キング・オブ・デーモンの両腕をロックオンするとネロはアドベンチャーを操作し、ワイヤーで繋がる2本のアームを射出する。アームはキング・オブ・デーモンの両腕を掴んだ。
更にネロが2本の操縦桿にあるスイッチを押すと、ワイヤーを伝って電流が流れ、キング・オブ・デーモンを感電させる。
晴人「さぁ行けー!」
大志『捻り潰せ!キング・オブ・デーモン!!』
大志の命令に呼応し、赤い球が強い光を放つ。
キング・オブ・デーモンが暴れると、ワイヤーが呆気なく引き千切れてしまった。
更にキング・オブ・デーモンは両腕に残るアームを叩き落とすと、アドベンチャーに向かって第3の眼から熱線を照射する。
ネロはコックピットを切り離してジェット噴射で熱線を躱し、残された本体は熱線によって破壊された。
空を飛ぶコックピットはキング・オブ・デーモンの横を擦り抜けるが、キング・オブ・デーモンが振った尻尾が直撃し、飛行コントロールを失ってしまう。
ネロ「ぐあああああああ!!」
コントロールを失い横回転するコックピットを狙い、キング・オブ・デーモンが再び熱線を照射する。直撃を受けたコックピットは木っ端微塵に爆発した。
大志『やった!』
晴人「・・・・・・ネロ・・・」
大志達 苛めっ子3人は邪魔者が消えた事に喜び、晴人はネロの安否を心配して不安そうな声を漏らす。
すると爆炎の中からネロが飛び出しレッドクイーンで一閃し、その威力にキング・オブ・デーモンが後ろへと倒れる。
晴人「ネロ!」
ネロが無事だった事に晴人の顔に笑顔が戻り、グラウンドではミサが、真剣な顔でキング・オブ・デーモンと対峙するネロを見ていた。
ネロは宙を飛びながらレッドクイーンで斬り掛かり、更に右腕に装着したデビルブレイカー・パンチラインでも殴り、またレッドクイーンで斬り掛かる。
レッドクイーンを振り下ろそうとするが、キング・オブ・デーモンの腹部にある牙が伸び、ネロの両脇腹に突き刺さった。
ネロ「ぐあぁぁっ・・・!」
ブルーローズでキング・オブ・デーモンの顔面を撃つと、怯んだ事で両脇腹から牙が抜け、落下したネロは地面へと着地する。
再び斬り掛かろうとしたが、キング・オブ・デーモンの大きな手で殴られ、吹き飛ばされたネロが地面を転がる。
止まったネロは頭を振ってから立ち上がると、ブルーローズから《チャージショット》を撃つ。だがキング・オブ・デーモンの翼が光り、その光はキング・オブ・デーモンを包んで《チャージショット》の弾丸を防いだ。
ネロ「・・・・・・!?」
大志『キング・オブ・デーモンは無敵だ!ネロなんて目じゃない!』
キング・オブ・デーモンが第3の眼から熱線を照射し、ネロはレッドクイーンの刃を盾にして防ごうとする。だが勢いを殺せずレッドクイーンから火花が散り、ネロは吹き飛ばされてしまう。
晴人「ネロ!」
ネロを助けようと、晴人は雄叫びを上げながら大志にタックルして共に倒れる。
大志から赤い球が離れた事で、彼の取り巻き2人も意識を失うように倒れた。
すぐに意識が戻るが・・・
取り巻き「・・・・・・僕達・・・今まで・・・?」
大志「イッテ・・・君、何で上に乗ってるんだ?」
起き上がった大志と取り巻き2人は、欲望が歪んで暴走していた間の記憶がなかった。
次回も宜しく お願い致します!