Devil May Cry鎮守府   作:しゅんしゅん@よし

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537話です!どうぞ!


Mission537 友との別れ〜球よ消えろ!〜

晴人(はると)の世界での事を全て思い出したネロは、夢の中で現れた赤い球から、晴人の世界が滅びようとしている事実を聞かされる。

晴人と彼の世界を救うため、ネロは艦娘達の反対を押し切り、赤城の後押しもあり、夕張が開発していた時空を超えるためのロボット・アドベンチャーに乗り、単身で時空の彼方へと消える。

晴人の世界では、晴人が(すぐる)星川(ほしかわ)ミサと共に、赤い球を探していた。

大志(ひろし)達 苛めっ子3人が持っていると判明し、晴人達は急いで学校へ戻る。

学校では大志達が、ネロのようなデビルハンターに負けない悪魔を創造する準備をしていた。

見本が完成し、赤い球を取り返そうとした晴人と優を捕まえると学校の屋上へ行き、赤い球に願って自分達が考えた最強の悪魔キング・オブ・デーモンを呼び出し街を破壊させる。

そこに、時空を超えて戻ってきたネロが駆け付け、キング・オブ・デーモンと対峙する。

晴人はネロを助けようと勇気を出し、大志にタックルする。

赤い球が手から離れた事で、大志達 苛めっ子3人は正気に戻るのだった。

 

 

*晴人の世界 小学校 5月8日 18:00*

 

そして暴れるキング・オブ・デーモンと、それと戦うネロを見て大志達は驚き、混乱する。

 

取り巻き「あの化物・・・ま、街が!僕達の街が壊れちゃうよ!」

 

晴人「あの球のせいだよ」

 

大志「球?」

 

晴人「君達は あの悪い球に支配されていたんだ」

 

優『違うよ

 

優の声がし振り返ると、彼が赤い球を持っていた。だが どこか様子が おかしい。

 

優『この球は、鏡みたいな物なんだ。人の心を映す鏡

 

晴人「優・・・」

 

優『僕にも この球の声が聞こえた。でも本当は、それは、僕ら自身の声だったのさ

 

晴人「優、早く願って!悪魔が消えるように願うんだ!」

 

優『い・や・だ

 

晴人「え・・・?」

 

優は赤い球を確保しようとして手にしたが、触れた事で優の中にあった破壊的欲望が増幅させられていた。今の彼は正気ではない。

 

優『僕も この世界は好きじゃないもん

 

優の歪んだ欲望に呼応し、赤い球は また強い光を放つ。同時にデコボコだった赤い球が変容し、棘の生えた禍々しい見た目に変わる。

更に それに呼応するように、キング・オブ・デーモンから凄まじいエネルギーが迸り、その衝撃波にネロは吹き飛び、宙返りしながら地面に落ちた。

ネロが顔を上げると、キング・オブ・デーモンの腹部全体がミチミチと脈打っていた。

 

優『僕は ちっとも自由じゃないもん。全部 壊れたらいいんだ。そして、僕が この球に お願いして、もっと自由で楽しい世界を創ってもらうよ

 

晴人「駄目だよ優・・・そんな事を願ったら駄目だ・・・!」

 

キング・オブ・デーモンと対峙するネロは何が起きてるのかと様子を見てると、キング・オブ・デーモンの腹部が顎を閉じるように動き、別の悪魔の顔が露となる。

 

ネロ「・・・・・・!?」

 

そのままキング・オブ・デーモンの腹部から飛び出すと、ワニのような見た目に、魚の尾と背びれを持つ悪魔が現れた。

更にキング・オブ・デーモンの翼が分裂し、背中から灰色の体色に鎌状の両腕を持つ悪魔まで現れた。

キング・オブ・デーモンだけでも厄介であるのに、更に2体も大型悪魔が増えた事で、ネロは どう対処しようか頭を悩ませ警戒する。

しかし こんな時でも、ミサは何の感情も読み取れない表情で この状況を見詰めていた。

 

晴人「優、その球を離して!離して!優ー!」

 

晴人は優を正気に戻そうと、赤い球を取り上げようとするが、優は逃げながら その手を避ける。

灰色の飛行型悪魔が飛びながら突進し、躱せなかったネロが吹き飛ばされてしまう。

そこにワニのような見た目の水棲型悪魔が追撃で突進し、またもやネロが吹き飛ぶ。

キング・オブ・デーモンが第3の眼から熱線を照射し、熱線が当たった地面で遅れて爆発が起きる。その爆発は晴人達が居る学校に迫り、赤い球を取り合う晴人と優は それに気付き動きを止める。

校舎が真っ二つになり、屋上の床が陥没して落ちそうになり、晴人と優は残ってる床で難を逃れ、大志達 苛めっ子3人は手摺りに掴まり落下から逃れる。

 

晴人「あっ、球が・・・!」

 

だが優の手から離れた赤い球が転がり、真っ二つになった校舎の間に落ちていった。

更に爆発が続き、屋上にあった時計塔が中折れする。正気に戻って起き上がった優に向かって倒れてくるのを見て、晴人は咄嗟に立ち上がって優を突き飛ばし、難を逃れた。

3体の大型悪魔と対峙していたネロは苦戦し、袋叩きにされていた。

 

優「イテテ・・・何が どうなってるんだ・・・?」

 

晴人「あの球に操られてたんだよ」

 

優「僕が あの球に?」

 

優は何となく床に手を突こうとするが、床が陥没していたせいで踏み外し、真っ二つになった校舎の間に落ちそうになる。それを晴人が慌てて身体を押さえて止める。

2人が下を見ると、遥か下にはゴツゴツとした瓦礫や飛び出す鉄骨の山があるだけで、落ちたら無事では済まないと肝を冷やす。

だが その時、晴人は自分達に近い場所の瓦礫の上で、赤い球が止まってるのを見付ける。

次にネロの方を見ると、3体の大型悪魔がバレーボールのトスを送り合うようにネロを吹き飛ばし、ネロは3体の大型悪魔の間で何度も宙を舞っていた。

 

晴人「ネロ・・・・・・ネロを助けなくちゃ・・・!」

 

晴人はネロを助けるため、赤い球を取りに行こうとするが、優が止めた。

 

優「落ちたら死んじゃうかも・・・」

 

晴人「・・・・・・大丈夫。ネロを助けるためだから」

 

優の言葉で晴人は再び下を見て肝を冷やすが、大好きなネロを助けるためだと勇気を出して行く事にする。

倒れた柱が橋のように架かっており、その先に赤い球がある。晴人は四つん這いになりながら柱の上を進む。

途中、グラウンドの方を見ると、ミサが祈るように胸の前で手を組み、こちらを見てる事に気付いて動きを止める。

すると、頭の中にミサの声が響いた。

 

ミサ『(やめて晴人君!もう何も変わらないわ!魔剣士でも止められない。世界は滅んでしまうの)』

 

晴人は1度ネロの方を見てから、ミサに視線を戻した。

 

晴人「・・・・・・そんな事ない。この世界は滅んだりしない」

 

晴人はネロを助ける事を諦めたくない一心で、柱の上を前進する。

優達が見守る中、晴人は赤い球がある場所まで辿り着き、優はガッツポーズする。

 

晴人「ネロ・・・。お願い!悪魔を消して!ネロを助けて!」

 

赤い球『その願いは叶えられない

 

晴人「・・・何で!?悪魔を消して!このままじゃネロが死んじゃう!」

 

晴人は知っていた。ネロに悪魔の力があろうと、ゲームでゲームオーバーがあるため、いくら彼でも攻撃を受け続ければ死んでしまうという事を。だから赤い球が願いを拒否した事に、晴人は焦る。

 

赤い球『1度 叶えた願いは取り消せない。願いで現れたものは、消える事はない

 

晴人「そんな!?」

 

晴人や大志の願いを叶えた事で、充分なエネルギーが蓄積された状態で呼び出されたキング・オブ・デーモンは、ネロの時のようにエネルギー切れで消える事もない。

ネロを助けられないと絶望する晴人だったが、“諦めるな”と、“頑張れ”と、優達から応援される。

 

晴人「皆・・・。そうだ。1人なんかじゃない。魔剣士だって!」

 

優達からの応援で折れそうになっていた心を持ち直し、晴人は立ち上がる。

悪魔が消せないならと、晴人はネロを助ける最後の方法を思い付く。

だが その願いを口にする前に、飛行型悪魔が口から放った火球が校舎へと命中し、爆発が起きる。

 

晴人「うわぁああああ!!!」

 

優「あああああ!!!」

 

「「「うわぁああああ!!!」」」

 

その爆発に、屋上に居た晴人達が吹き飛ばされ宙に投げ出されてしまう。

ミサは晴人達が死んでしまうと、直視できず目を逸らす。

 

晴人「魔剣士ーー!!」

 

晴人の願いを叶え、赤い球が強い光を放つ。

その光に気付き顔を上げたミサは、驚いた表情をした。

晴人達は気付けば落ちる事もなく、宙に浮いていた。顔を上げると、光り輝く何かに掴まれ落下から助けられていた。

そして光が収まっていくと、その姿がハッキリと判別できるようになる。

 

晴人「ダンテ!」

 

大志「バージル!」

 

その正体は晴人に呼び出された、真魔人ダンテと真魔人バージル。

2体の真魔人は ゆっくりと滑空し、晴人達を地上に下ろす。

 

ミサ「・・・・・・魔剣士・・・」ボソッ・・・

 

キング・オブ・デーモンの鳴き声が響き、真魔人化を解除したダンテとバージルが振り返ると、3体の大型悪魔の前で倒れるネロの姿を見る。

 

ネロ「ぐぅぅぅぅっ・・・!」

 

ネロは まだ諦めておらず、ダメージで重い身体を動かし起き上がろうとしていた。

ダンテとバージルは それぞれ3体の大型悪魔の姿を目視すると、エボニー&アイボリーを連射し、幻影剣を射出し、キング・オブ・デーモンの左右に居る大型悪魔2体に攻撃を当てる。

そして起き上がったネロも、デビルブレイカー・パンチラインで直接キング・オブ・デーモンの喉仏を殴り怯ませる。

晴人達の声援を受けながらダンテとバージルは駆け出し、ネロと並び立って大型悪魔3体と対峙する。

ネロはバージルと顔を見合わせ、次にダンテと顔を見合わせる。言葉はなくとも、ダンテとバージルは何をすべきか理解できていた。

3人の魔剣士は同時に動き、3体の大型悪魔へ立ち向かっていく。

ネロが突進してくるキング・オブ・デーモンをデビルブリンガーの腕で抑え、バルログを装備したダンテが水棲型悪魔の背中に飛び乗り、バージルは飛行型悪魔の鎌を躱し、大乱闘となる。

水棲型悪魔の背中に乗るダンテは、バルログで悪魔の背中をタコ殴りにする。

バージルは閻魔刀とミラージュエッジの二刀流で、飛行型悪魔の鎌と鍔迫り合うが、押し込まれ後ろへ後退していく。

ダンテが殴り続けていると、水棲型悪魔が前脚を上げて傾き、ダンテは背中から転がり落ちる。

立ち上がったダンテは悪魔の尻尾を掴み、ジャイアントスイングで振り回す。

バージルは閻魔刀とミラージュエッジで連撃を繰り出すが、物ともしない飛行型悪魔の両腕の鎌に首を挟まれる。首を切り落とされないよう抵抗してると、悪魔が助走を付けるように左右に揺さぶってきて、横へ投げ飛ばされる。

ジャイアントスイングで水棲型悪魔を振り回していたダンテは、手を離して悪魔を投げ飛ばす。その勢いのまま、悪魔は海へと着水して潜ってしまった。

ダンテは1度ネロとバージルを見てから、ここは2人に任せる事にし、魔人となって飛翔して悪魔を追い、海に着水して潜った。

飛行型悪魔が翼を広げ飛翔すると、バージルも真魔人となって飛翔し、悪魔を追い掛ける。

 

 

*海中*

 

海へと潜った魔人ダンテは、夕張が造ったニードルガンを撃ちながら水棲型悪魔を追っていた。

悪魔はニードルガンの杭を避けながら反転すると、魔人ダンテに向かって突進してくる。海中で動きが鈍る魔人ダンテは避けられず当たると、海底へと沈んでいく。

海底に行き着き悪魔も海底に着地すると、魔人ダンテはバルログを装備したまま接近戦を挑む。

水中では動きが鈍るが、魔人のパワーをフルに使い、可能な限りのスピードで悪魔を殴る。

すると突然、悪魔の口が裂けて上顎と下顎が大きく離れ、異様な姿へと変わり、突然の事に魔人ダンテは1度 距離を取る。

 

ダンテ『(何だ こいつ?身体の半分まで裂けてやがる)』

 

だから何だと、魔人ダンテは気にせず再び殴り掛かるのだが、悪魔が また大きく口を開きパンチが空振り、魔人ダンテの体勢が崩れる。

悪魔は口を閉じると、そのまま魔人ダンテを上顎と下顎で挟んでしまい、魔人ダンテの身体に鋭い牙が幾つも刺さる。

魔人ダンテは抜け出そうと藻掻くが、海中であるのと不利な姿勢、悪魔の顎の力という面倒な状況が重なってる事で苦戦する。

 

 

*上空*

 

一方 上空では、真魔人バージルが飛行型悪魔を追い続けていた。

悪魔が反転すると真っ直ぐ真魔人バージルへ向かっていく。

真魔人バージルは突っ込んできたところをカウンターで斬ろうと考え、閻魔刀を構えながら悪魔へ向かって突っ込んでいく。

真魔人バージルと悪魔が接触しようとした瞬間、悪魔が俊敏な動きで上に避け、通り過ぎ様に真魔人バージルの背中を鎌で斬った。

真魔人バージルが反転し向かっていくと、同じく反転した悪魔が口から火炎弾を飛ばしてきた。真魔人バージルは火炎弾を何度も避け、時には閻魔刀で斬り飛ばし防いでいく。

 

 

*街*

 

そして地上に残ってキング・オブ・デーモンと戦うネロは、3体を相手にしていた時の疲労とダメージもあり苦戦していた。吹き飛ばされ、背中から地面に落ちる。

 

ネロ「ぐっ・・・!」

 

更にキング・オブ・デーモンは、サッカーボールのようにネロを蹴り飛ばし、ネロが地面を転がる。

もう1度 蹴った後、キング・オブ・デーモンはネロを踏み付けようとし、ネロは踏み付けられまいと手で その足を止める。キング・オブ・デーモンの力に、ネロは何度も踏み潰されそうになりながら耐える。

 

ネロ「ぐっ、ゔぅ゙ぅ゙ぅ゙ぅ゙っ・・・!」

 

大志「ネロ頑張れ!!」

 

優「頑張れネロ!!負けるな!!」

 

ネロ「ぐぅ゙ぅ゙ぅ゙ぅ゙っ・・・!」

 

晴人「頑張れネロ!!ネロー!!」

 

ネロ「ぐっ・・・!ぐあ"ぁ"あ"あ"あ"あ"っ!オラァ!」

 

気合いで踏み付けから逃れたネロは、デビルブレイカー・オーバーチュアの電撃の掌底打ち《バッテリー》を打ち込み、一旦キング・オブ・デーモンから距離を取る。

 

ネロ「Don't get so cocky(調子に乗んじゃねぇぞ)!!」

 

ネロは拳を天に突き出し、デビルトリガーを発動する。ネロの姿が変わった事に驚き、キング・オブ・デーモンは狼狽える。

魔人ネロはキング・オブ・デーモンに向かっていきながら足を軸に回転し、その勢いを乗せたレッドクイーンによる一閃を繰り出す。それにより、キング・オブ・デーモンの腹部から伸びる牙が折れて吹き飛んだ。

 

 

*海中*

 

海底で相変わらず咀嚼されていた魔人ダンテは、うつ伏せから仰向けの姿勢に変わり、尚も抵抗していた。

どうにか片足を水棲型悪魔の口の間に潜り込ませ、上顎を蹴って無理矢理 口を開かせると、魔人ダンテは顎の間から脱出する。

 

 

*街*

 

キング・オブ・デーモンは翼を広げ飛翔すると、ネロを見下ろす。

 

 

*上空*

 

飛行型悪魔と空中戦を繰り広げていた真魔人バージルは、悪魔の動きを完全に見切り、閻魔刀で迫る火炎弾を全て斬り飛ばし、完璧に防いでいた。

 

 

*街*

 

魔人ネロを見下ろしていたキング・オブ・デーモンは、雄叫びを上げながら急降下し、魔人ネロへと向かっていく。

迎え討とうと、魔人ネロはレッドクイーンを構え直す。

 

 

*海中*

 

海底ではダンテが、魔人から真魔人の姿へと変わり、地面に魔法陣を浮かび上がらせる《ジャッジメント》を発動する。

その魔法陣の中で真魔人ダンテは、魔剣ダンテによる無数の連撃を繰り出し水棲型悪魔を斬り刻む。

最後に魔剣ダンテを顔の前に持っていき、騎士が祈るようなポーズを取ると、悪魔を巻き込んで大爆発が起きた。

 

 

*上空*

 

バージル『死の覚悟はできたか?

 

真魔人バージルは閻魔刀を構え力を溜めると、次元を斬り裂く《次元斬・絶》を繰り出す。

辺り一帯に光の線が走り埋め尽くすと、斬り刻まれた飛行型悪魔は真魔人バージルの頭上を通り過ぎ、地上へと落下しながら空気摩擦で炎上し、地上に到達する前に燃え尽きて消滅した。

 

 

*街*

 

魔人ネロに突進しようと空から急降下するキング・オブ・デーモンだったが、自身から分離した2体の大型悪魔が倒された事で翼がボロボロになり、腹部の残っていた牙が全て砕け散る。

ダメージと飛行能力を失った事で魔人ネロに突進できず、バランスを崩したキング・オブ・デーモンは彼の頭上を通り過ぎ地面に墜落した。

振り返った魔人ネロは冷めた目で見ながら、改めてレッドクイーンを構え直す。

起き上がったキング・オブ・デーモンは気合いを入れるように手を打ち付け合うと、第3の眼から熱線を照射する。だが熱線は、デビルブリンガーの爪により何度も切り裂かれ四散する。

 

ネロ『お前のような願いは存在するべきじゃない。You will fail(滅びろ)!

 

魔人ネロは持てる力の全てを込め、レッドクイーンとデビルブリンガーの爪から繰り出すX字の斬撃、《マキシマムベット》を放つ。

《マキシマムベット》を諸に喰らったキング・オブ・デーモンは、存在を維持する願いのエネルギーへと戻り、赤い光の粒子となって消滅した。

 

晴人「やった!ネロが勝った!」

 

ネロの勝利を見届けた子供達は、彼の勝利に喜んだ。

ミサも合流し、優しい笑みで喜ぶ晴人達を見ていた。

そして真魔人ダンテと真魔人バージルも戻り、2体が見守る中、ネロは魔人化を解除して手を振りながら、晴人達の元へ向かう。

 

ネロ「おーい!」

 

晴人「ネロ・・・」

 

晴人も駆け出しネロに向かっていくと、彼に抱き付いた。

 

晴人「怖かったけど・・・怖かったけど・・・僕・・・!」

 

ネロ「ちゃんと見てた。よく頑張ったな」

 

ネロは優しい笑みを浮かべながら晴人の頭を撫で、晴人は大好きなネロに勇気を認められた事で笑顔になる。

だがネロは、すぐに真剣な顔付きになった。この破滅的な状況を繰り返さないためにも、晴人に赤い球を手放すよう説得しなければならない。そのためネロは、赤い球から聞いた赤い球自身の話を、彼に聞かせた。

 

ネロ「それは とても危険な物なんだ。この世界に存在しちゃいけない。いや、どの世界にも存在しちゃいけないんだ」

 

晴人「でも・・・」

 

赤い球が どれだけ危険な存在か聞かされるが、それでも晴人には迷いがあった。赤い球があったからこそ、現実で会えるはずのなかったネロと会えた。赤い球を失えば、もう大好きなネロと直接 会う事ができなくなる。

すると黙って見守っていたミサが、ネロの言葉に賛同した。

 

晴人「星川さん・・・」

 

ミサ「赤い球は、願いを叶えるだけじゃない。その欲望を狂わせ、世界を破滅させる。私は何度も その光景を見てきた」

 

晴人「・・・なに言ってるの?」

 

ネロ「恐らく彼女は、この赤い球の意識が具現化した存在だ」

 

晴人「ネロまで何 言ってるの?」

 

ミサ「晴人君。ネロの言う通りだよ。私は人間達が願いを叶え、どんな結果に至るか観測するために、赤い球が創り出した分身なの」

 

晴人「そんな・・・・・・じゃあ、星川さんは人間じゃない・・・?本物の人間じゃないってこと?」

 

ミサ「晴人君、願って。赤い球が消えるように」

 

晴人「・・・無理だよ・・・そんなこと願ったら、星川さんは どうなるの?星川さんも消えちゃうんでしょ?!」

 

ミサ「私は その球に創られた存在。元々 存在しない。晴人君の世界を救うには、私は消えた方がいいの」

 

晴人「嫌だよ!僕は嫌だよ!折角 友達になれたのに!もっと色んな事して一緒に遊びたい!連れていきたい場所だって・・・!話したい事も沢山あるのに・・・!」

 

ミサは赤い球を手放す事を拒絶する晴人に歩み寄ると、彼の手を握った。

 

ミサ「晴人君は、そんな球が無くても大丈夫でしょ?自分の世界を滅ぼす事を願わなかった、強い子だから。そんな晴人君だから お願いしたいの。もう私が、世界を滅ぼさないようにしてほしい」

 

今度は、ネロが晴人の肩に手を置く。それにより、晴人はネロを見上げた。

 

ネロ「晴人。君は、どうするのが正しいのか もう分かってるはずだ」

 

晴人「ネロ・・・」

 

晴人は両手で持つ赤い球に視線を落とし、ネロ達に背を向け歩き出す。少しだけ離れると、立ち止まった。

 

晴人「僕は・・・・・・よし。僕は願う。赤い球よ。消えろーー!!」

 

晴人の願いを聞き届けた赤い球は虹色の光を放ち、晴人の手から離れて宙に浮く。

赤い球が消えるという事は、願いを叶えた事によって呼び出された存在も消える事になる。晴人の願いによって呼び出された真魔人ダンテと真魔人バージルも、ネロ達を見たまま光に包まれていく。

そしてネロの身体も、虹色の光に包まれる。

 

晴人「ネロ・・・」

 

ネロ「さよなら、晴人」

 

ネロは別れの言葉を残し、真魔人ダンテと真魔人バージル、赤い球と共に消えた。

 

晴人「・・・・・・さよなら・・・ネロ・・・」

 

晴人はミサの方に振り返ると、彼女も また虹色の光に包まれており、微笑みながら晴人を見ていた。

 

ミサ「ありがとう」

 

晴人に お礼を述べ、ミサも光の粒子となって この世界から消滅するのであった。

 

 

・・・・・・

 

*小学校 5月15日 8:30*

 

赤い球によって呼び出された存在によって破壊された街や小学校は、赤い球が消えた直後、全てが元の状態に修復された。まるで初めから、赤い球による騒動がなかったかのように。最初から そんな事実はなかったと揉み消されるかのように。

あの騒動から1週間後、晴人は元の日常に戻っていた。

担任教師が教室に入ってくると、今日は転校生が居ると話し、その転校生を教室の中に招き入れる。入ってきたのは、1人の女子生徒だった。

 

ミサ「星川ミサです。よろしく お願いします」

 

その生徒は顔も声も、赤い球が観測するために創造したミサと何もかもが瓜二つだった。

実は赤い球がミサを創造した時、この世界で生きる本物のミサをベースに創り出していた。

そして偶然にも、本物のミサが晴人が居る小学校に転校してきた。

晴人はミサを見て、笑みを浮かべる。赤い球が創造したミサは本物ではなく、折角 友達になれたのに消えてしまった。だからこそ、改めて本物のミサと友達になろうと決意するのだった。

 

 

・・・・・・

 

*艦これの世界 海 3月15日 10:00*

 

艦娘が居る世界へと戻ったネロは、今日も艦娘達を手伝うため一緒に出撃し、深海棲艦と戦っていた。

デビルブリンガーの翼で飛ぶネロは上昇し、急降下しながらレッドクイーンを振り下ろす。

 

ネロ「この世界は、滅んだりしない!」




次回からの3話分、胸糞展開な描写もありますので、苦手な方は ちょっと しんどいかもしれません。

次回も宜しく お願い致します!
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