Devil May Cry鎮守府   作:しゅんしゅん@よし

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55話です!どうぞ!


Mission55 ポーカー~幸運の女神のキス~

あっという間に1週間が過ぎ、裏カジノに潜入する日が来てしまった。この日の為に ずっとポーカーを やり続けてきたが、成果は芳しくない。緊張感が足りないという事で、小遣いを賭けて挑んでみると、ダンテの小遣いがスッカラカンになっただけだった。納得できないダンテは魔具まで賭けたが、結局 艦娘達に魔具を全て奪われる結果になった。艦娘達からすれば、魔具を貰っても嬉しくない。そもそも扱えないし、魔具が認めてないので どうする事もできない。手元に残ったのはリベリオンだけだ。

 

 

*Devil May Cry鎮守府 正面ゲート*

 

大和「お待たせしました」

 

ダンテ「時間ピッタリだな」

 

大本営からの迎えの車が来た。その車から大和が降りてくる。大和が一緒とは聞いていない見送りの艦娘達はダンテを見る。

 

赤城「大和さんも一緒なんですか?」

 

大和「私達・・・夫婦ですから///////」

 

『・・・・・・は?』

 

大和の言葉に、艦娘達はダンテを睨む。潜入捜査の為の偽装夫婦なのだが、知らされていない艦娘達には知る由もない。そして黙っているはずもなく・・・。

 

鈴谷「ちょっと!夫婦って どういうこと!?」

 

龍驤「きみ!いつの間に結婚したんや!?」

 

夕張「大和さんに手を出したか~」

 

曙「糞提督も身を固める気になったの?」

 

不知火「式は いつですか?」

 

陽炎「そういう問題じゃないでしょ!」

 

隼鷹「結婚式 大好きー!酒が呑みほうだーい!」

 

金剛「大和ぉぉぉ!!」

 

比叡「お姉さま落ち着いて!」

 

霧島「冷静に!冷静に!」

 

案の定、うるさくなる艦娘達。こうなる事が分かっていたから黙っていたのに、大和の不用意で言葉足らずな発言で面倒な状況に発展。こんな時は逃げるが勝ちだ。

 

ダンテ「大和、車に乗れ!運転手、早く出せ!」

 

鈴谷「待てー!」

 

大和と共に後部座席に乗り込み、運転手を急かして車は発進した。車に向かって物を投げまくる艦娘達。まだ何も始まってないのに疲れる。車は屋敷へと向かって走る。

 

 

・・・・・・

 

*車内*

 

車は長い時間を掛けて走り続けている。今は山中の舗装された道を走っている。

 

大和「そう言えば、紹介は まだでしたね。彼女はレディ中尉です」

 

レディ「初めまして」

 

ダンテ「あぁ、初めましてだな(何で こいつが・・・)」

 

大和は今日の運転手を紹介した。運転手は有ろう事かレディだった。レディは海軍に潜入しているので、ダンテの知り合いとバレる訳にはいかない。だからレディもダンテも初対面を装う。ただ、レディは海軍での内通者を見付けるのが役目だ。運転手として こっちに居るのは納得いかないが、来てしまったものは仕方がない。大方 元帥の根回しだろう。

 

レディ「これを」

 

レディは運転しながら封筒をダンテに渡した。封筒には1枚の紙が入っていた。ダンテは紙に書かれている事を読み上げていくと、ダンテと大和の偽装の設定内容だった。

 

『2人は夫婦でダンテは資産家、大恋愛の末に結婚、子供も2人 居る。今も愛し合っている仲で週末は必ずデートで旅行に行っている』

 

ダンテ「誰が考えた?」

 

レディ「元帥よ」

 

大和「珍しく真面目に何かを考えてると思ったら・・・」

 

仕事もせずに ずっと考えていたようだ。

話していると、車は目的地へと到着した。駐車スペースに車を停めて最終確認をする。

 

レディ「中に武器の持ち込みはできないわ。はい、これ」

 

レディは招待状を渡す。よく招待状を用意できたものだ。恐らく表沙汰にできない方法で入手したのだろうが、ダンテには そんな事、些細な事だった。今は依頼を達成するのが重要だ。

屋敷の出入り口にはガードマンが立ち、ボディーチェックをしている。名のある犯罪者や曰く付きの人間が集まる。抗争が始まっても困るので、その為の処置だろう。手荷物の検査もあるようで、リベリオンとエボニー&アイボリーは車に置いていくしかない。

 

レディ「じゃあ また明日 迎えに来るから」

 

VIP専用のポーカーは賭け金が大きく、今日を入れて2日間 行われる。

ダンテと大和を降ろすと、レディは そのまま車を走らせ大本営へ帰った。リベリオンとエボニー&アイボリーを乗せたままで。ポーカーに必要なく、明日には戻ってくるので問題はないだろう。もしもの時は、ダンテが素手で暴れ回れば大抵の事は切り抜けられる。大和の艤装もある。普通の人間相手に砲撃するのは考えものだが。

ボディーチェックを通過すると、正面には受付があり、女性が立っている。VIPは宿泊もできるので、ホテルのようにチェックインする必要がある。2人もチェックインしようとすると、今1番 会いたくない者に声を掛けられた。

 

ドクター「やぁ、ここは品があって良いねぇ」

 

ダンテ「何で お前が居る?」

 

ドクター「君と同じだよ。ポーカーをしに来ただけさ。この屋敷の持ち主とは古い知り合いでね」

 

大和「(この人、どこかで・・・)」

 

ドクター「また後で、ね」

 

ドクターは どこかへ行き、ダンテは その後ろ姿を睨み、大和は見覚えのある男に対して、どこで見た事があるのか考えを巡らせた。

一先ず、2人はチェックインする事にする。

 

ダンテ「ダンテだ、トニー・レッドグレイヴで招待を受けてる」

 

名前を言ったダンテに、大和は驚愕の表情で見る。偽名を使って潜入しなければいけないのに本名を名乗るダンテ。いきなり作戦が破綻した瞬間だった。

部屋の鍵を貰い、2人に用意された部屋に移動して荷物を置く。

 

ダンテ「しかし、どんな悪事を働けば、こんな豪邸が建つんだろうな?」

 

大和「・・・・・・・・・」

 

屋敷は かなりデカい。それに対する素直な疑問を口にしただけなのだが、大和は何も言わない。それ処か、どこか不機嫌にも見える。

 

ダンテ「おい、どうした?」

 

大和「どうして本名を名乗ったんですか!」

 

大和が不機嫌な理由、それは いきなり作戦を ぶち壊したダンテの行動に対してのものだった。今回の作戦は失敗が許されない。大和が怒るのも無理はない。ダンテは“そんな事か”と言わんばかりに、気にした様子がないままソファーにドカッと座る。

 

ダンテ「向こうは こっちを知ってる。それでも俺達を この屋敷に入れたのは、相当な自信があるのか愚か者だからだろう。だから こっちも意思表示を示したのさ」

 

ドクターがダンテを邪魔に思っているのは間違いない。その上で、何の横槍も入れずに放置してきた。それはダンテの言った通り、相当な自信があるのか馬鹿なのか、それとも向こうの作戦か分からないが、ポーカーでダンテと戦うつもりなのだろう。だからダンテも、本名を名乗って こちらの意思を示した。“受けて立つ”と。

 

大和「知ってるって・・・どうして・・・」

 

ダンテ「お前も報告書で知ってるだろ?さっきの男が自称ドクターだ」

 

ダンテの話に、大和は嫌な汗が出る。こちらの素性が知られているなら、始めから作戦は破綻していて、既に危険な状況に立たされている事を意味する。

 

大和「もう終わりです・・・帰りましょう!」

 

ダンテ「これは俺の仕事だ。最後までやる」

 

それで退くダンテではない。既に敵のテリトリーに入っている。素性が知れて、ここに残っても危険、帰れば陸軍か犯罪組織に資金が渡る。どちらも最悪の状況なら、残って敵の資金を根こそぎ奪う方を選ぶ方が良い。大和も それは理解しているのか、渋々 納得した。

ポーカーは夜に開催される。それまで2人は、部屋で静かに その時を待つのだった。

 

 

・・・・・・

 

*夜*

 

ポーカーの時間が近付き、大和は化粧やパーティードレスに着替えたりと準備を始めていた。

ダンテは相変わらずソファーに座りボーっとしている。

 

大和「ダンテさんも着替えてください」

 

ダンテ「は?着替え?このままで良いだろ?」

 

大和「それじゃ目立ちますから着替えてください!」

 

ダンテの服は黒いインナーにグローブにブーツ、紅いベストにコートにパンツ、上から下まで殆ど紅い。とっくに作戦は死んでいるのだが、諦めきれない大和は どうにかして作戦を生かそうとしている。ベッドの上に置かれている洋服カバーを開けると、オーダーメイドのスーツが入っていた。

 

ダンテ「俺 頼んでないぞ。サイズは どうした?」

 

大和「軍服を支給する時の、採寸したサイズの記録が残っていたので」

 

以前この世界に来た時に、軍服はケルベロスに食わせてボロボロになったのだが、戻ってきて鎮守府に再着任した時に新しい軍服を支給されていた。その時のサイズのメモ書きが残っていたのだ。

 

ダンテ「絶対に着ない」

 

大和「ダメです!」

 

ダンテ「・・・・・・・・・」

 

提督なのに何故か拒否権がないダンテ。嫌々ながらも着替える。スーツに着替えたダンテは、鏡の前で自分の姿を ずっと見ている。そんなダンテの様子が おかしいのか、大和は笑っている。

 

大和「まだ時間が掛かるので、先に行っててください」

 

ダンテ「大和、キスしろ」

 

大和「・・・えっ!?キッ・・・!?いくら夫婦の設定でも そんな・・・!///////」

 

ダンテの大胆発言に わちゃわちゃと奇妙な動きで狼狽える大和。見ている分には おもしろい動きだ。だがダンテの発言は、下心からのものではない。

 

ダンテ「ゲームの途中で遅れて来い。お前は俺に近付いて そっとキスする。他のプレーヤーは、お前の美貌に目を奪われてゲームに集中できなくなる」

 

ポーカーは ただのカードゲームではない。相手の表情や動きを見て、相手の手札も予測して勝負に出るか否か、言葉では言い表せない程の心理戦が繰り広げられるゲーム。これも1つの作戦だ。

 

ダンテ「あと、これを付けろ。頼んだぞ」

 

ダンテは髪飾りを大和に渡して部屋から出た。1人 残された大和は、鏡で自分の顔を見ながら頬を叩いて気合いを入れ直す。

 

大和「キス・・・~~~!!///////」

 

その言葉を 呟くように復唱して、また わちゃわちゃしだす大和。言わなければ良いのに・・・。ダンテの作戦を実行できるか、少し心配である。

 

 

・・・・・・

 

ダンテはVIP専用のポーカー会場に向かい、扉の前に立っているガードマンに招待状を見せると すんなり通れた。部屋の中央には立派な造りのポーカーテーブルがあり、壁際にはバーカウンターまである。他の参加者も来ていて、その取り巻きも居る。参加者の関係者なら この部屋に入る事は可能なのだ。

部屋を見渡すが、目的の陸軍将校の姿はない。部屋を見渡すダンテに、ドクターが近付く。

 

ドクター「今日は楽しいゲームをしよう、ダンテ君・・・いや、トニー・レッドグレイヴ君だったかな?些か混乱してね」

 

ダンテ「ポーカーで混乱してると、勝てる勝負も勝てないぜ」

 

ダンテは挑発的な笑みで言葉を返し、ドクターから離れる。ドクターも そんなダンテを見て、笑みを浮かべていた。

1人の男が参加者 全員が集まったのを確認すると、部屋全体に聞こえる声量で挨拶をして、今回のポーカーについて説明した。その男は この屋敷の主人であり、今回のゲームのディーラーを努める。

ディーラー役の主人が簡単にルールを説明する。今回の参加者は総勢12人。女性も居る。1人当たりの手持ちのチップは500万。チップが無くなっても300万まで追加する事が許され、ゲームを続行する事が可能だ。勿論、追加せずに帰っても構わない。その場合は、大金を失ったままとなる。どうするかは本人の自由だ。プレーヤーは2枚のカードが配られる。それとは別に、ディーラー側は5枚のカードをオープンしていく。プレーヤーは自身のカードと、ディーラーの共通札である5枚のカードを組み合わせて役を作り、それで勝負しなければならない。そして最終的に獲得した賭け金は、ゲーム終了後に指定の口座に即入金される。

参加者が席に着きダンテも座ると、ダンテの向かい側の席にドクターが座った。ダンテは驚いた表情を浮かべた。そこは本来、陸軍将校が座るはずの席だからだ。

 

ドクター「どうしたのかな?意外そうな顔をして。ゲームを始める前から狼狽えていては、“勝てる勝負も勝てない”よ」

 

ダンテ「(こいつ・・・)」

 

ダンテの言葉を使って挑発してくるドクター。そんな事は どうでもいい。

それよりも、陸軍将校の席にドクターが座っている事の方が問題だ。この男は悪魔や深海棲艦と繋がっている。そこに陸軍も関わっていると言うのか?

 

主人「では始めましょう」

 

 

・・・・・・

 

ドクター「・・・レイズ」

 

主人「次はあなたの番ですよ」

 

ダンテが宣言する順番が回ってきたが、ダンテは黙してドクターを見詰める。今、ダンテが勝たなければいけない相手は この男だ。完全に標的として捉えたダンテ。

 

ダンテ「コール」

 

全員の宣言が終わりショーダウン。手札を開示していく。

 

主人「Kが3枚と6が2枚のフルハウス、あなたの勝ちです」

 

ドクターにチップが移動する。

まだ初日であるので、無理に賭け金を引き上げず、全員 様子見の姿勢でプレイしている。

 

ドクター「調子が悪そうだねぇ、ダンテ君」

 

ダンテ「まだゲームは始まったばかりだ」

 

それから しばらくはゲームが続いた。途中、ダンテはウェイターを呼んだ。

 

ダンテ「ジントニックを頼む」

 

それ程 時間も掛からずにドリンクが出てくる。ダンテはジントニックを飲みながら出入り口を見て固まった。丁度 支度が終わった大和が入ってきたのだ。大和は胸元が空いた桜色のパーティードレスに着替え、ダンテに渡された髪飾りを着けて登場した。プレーヤーは全員 大和を見ている。

大和はダンテに近付き、ダンテの肩に手を置いてから そっと頬にキスをした。そして何も言わずに、大和はバーカウンターの方へ行った。ダンテは ずっと大和を見続けている。

 

主人「・・・あなたの番ですよ。ダンテさん、あなたですよ」

 

ダンテ「・・・え?あぁ・・・」

 

コールの為のチップを出して また大和を見る。作戦にダンテまで引っ掛かっていては意味がない。

 

ドクター「幸運の女神のキスか?効果があると良いねぇ」

 

大和「(恥ずかしくて死にそう・・・///////)」

 

 

・・・・・・

 

初日のゲームが終了して部屋に戻ったダンテと大和。あれから長い時間を掛けてゲームが続いたが、初日は拮抗したゲーム運びとなり、脱落者は まだ出ていない。それでもダンテのチップは、増えずに減る結果となっている。

明日は全員 勝負に出てくるだろう。明日のポーカーは昼から始まる。

もう夜も遅いので、寝支度を始める大和。だが そこで問題が発覚した。ベッドがツインではなくダブルなのだ。今頃 気付いても もう遅い。

 

ダンテ「もう寝るぞ」

 

男性と一緒に1つのベッドになど、免疫のない大和が ちょっとしたパニックに陥っていると、ダンテはソファーに横になった。ソファーで寝るつもりだ。

 

大和「ダ、ダンテさんがベッドで寝てください!私がソファーで寝ますから!」

 

仮にもダンテは提督だ。艦娘がベッドで寝て、提督をソファーで寝さすなど体裁が悪いので、場所を交代するよう慌てて勧める。

 

ダンテ「俺はソファーで十分だ」

 

こうなってはテコでも動かないだろう。申し訳なさを感じながらも大和は1人でベッドに入る。それから しばらく、大和は ずっとモゾモゾと動いていた。

 

ダンテ「・・・寝れないのか?」

 

大和「・・・!」

 

もう寝てると思っていたダンテに声を掛けられて驚く大和。

 

大和「1人で こんな大きいベッドで寝るのに慣れてなくて・・・」

 

ダンテ「大和ホテルって呼ばれてるのにか?」

 

大和「ホテルじゃありません!」

 

呼ばれたくない呼び名を出されて、勢い良く起き上がって怒鳴る。冗談だったが大和には通じなかった。

 

大和「あのドクターという人は、何者なんでしょう?」

 

ダンテ「・・・さぁな」

 

来るはずだった陸軍将校は姿を見せず、代わりに あの男が現れた。偽名で陸軍将校の名を騙って来たのか、はたまた陸軍の関係者なのか、その素性は謎だらけだ。

 

大和「私、あの人を見た事がある気がするんです。でも 、どこで見たか思い出せなくて・・・」

 

ダンテ「誰だっていいさ、早く寝ろ」

 

大和「あ、あの、ダンテさん・・・?」

 

急に歯切れの悪い大和を不思議に思い、ダンテは片目だけ開けて大和を見る。

 

大和「こんな広いベッドに1人じゃ寝れ・・・じゃなくて、ソファーで寝ると身体に悪いので、こっちで寝てください!」

 

本音が駄々漏れの苦しい言い分に、ダンテは苦笑いを浮かべてベッドに移動する。少しすると、大和はダンテに背を向けながら眠った。艦娘は皆、何かしら世話が焼けると思いながら、ダンテも目を瞑る。




次回も よろしく お願いいたします!
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