Devil May Cry鎮守府   作:しゅんしゅん@よし

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57話です!どうぞ!


Mission57 川内~海軍 崩壊の危機~

*Devil May Cry鎮守府*

 

初雪「・・・暑い」

 

那珂「これ、アイドルの仕事・・・?」

 

鈴谷「海 行きたい・・・」

 

ダンテ「海なら今も来てるし、いつも行ってるだろ」

 

鈴谷「意味が違ーう!」

 

ダンテ達は鎮守府に隣接した小さな浜辺に来ているのだが、那珂が疑問を抱いているように、遊びに来た訳ではない。

 

鈴谷「ゴミ多過ぎー!!」

 

ゴミ拾いに来ていた。Devil May Cry鎮守府、現在 環境美化活動中。浜には大量のゴミが流れ着いており、衛生上 良くないので、鎮守府総出でゴミ拾いをしていた。ゴミは様々だ。ビニール袋、ペットボトル、木材・・・マネキン。

 

皐月「如月、これ・・・動いたりしないよね?」

 

如月「・・・分かんない」

 

叢雲「いいから片付けるわよ」

 

文月「ふえ~、気持ち悪いよー!」

 

悪魔が取り憑き動き出す事もあるので、数名の艦娘はマネキンにビビっている。

他にも用途が分からない物体などが流れ着いている。

ダンテも来ているが、ゴミ拾いなどはする事もなく、浜辺を歩いて見て回っている。

 

ダンテ「何だ こりゃ?魚雷か?」

 

ダンテはゴミに埋もれた大きい物体に目が止まる。ゴミを掻き分け物体の正体を確かめると・・・

 

ダンテ「艦娘も流れ着くとは知らなかったな・・・」

 

神通「姉さん!?」

 

那珂「えっ、川内ちゃん!?」

 

流れ着いていたのは軽巡 川内だった。

ダンテは川内を横抱きにして医務室へと運ぶ。

 

 

・・・・・・

 

*医務室*

 

明石「怪我も酷く衰弱しています。いつ目が覚めるかまでは・・・」

 

ダンテ「そうか」

 

神通「どうして姉さんが・・・」

 

那珂「川内ちゃん・・・」

 

医務室へ運び、明石が怪我の治療を施し、今は休ませている。川内には姉妹艦である神通と那珂が付き添っている。

そこへ、しばらく留守にしていた青葉、天龍、龍田が駆け込んできた。

 

天龍「提督 大変だ!呉の川内が━━」

 

ダンテ「静かにしろ、こっちも急患だ」

 

天龍「・・・え?川内?」

 

呉鎮守府の報告に戻ってきたが、医務室のベッドに川内が寝ていて頭が混乱する。

報告は執務室で聞く事となった。

 

 

・・・・・・

 

*数日前 呉鎮守府*

 

青葉が もっと踏み込もうと言い出し、危険だが呉鎮守府に侵入した。

夜の演習場に川内と、青葉達の位置からは死角になり見えないが、恐らく呉の提督が話していた。だが様子が おかしい。何か揉めているようだ。

 

川内「話と違う!」

 

呉「喚くな、約束は守ってやる」

 

川内「石を奪えば、神通と那珂を返してくれるはずでしょ!」

 

呉「その内 会える」

 

川内「この・・・!」

 

呉「やめておけ」

 

川内は怒りに任せて艤装を展開、提督に向ける。そんな状況でも、提督は焦った様子はない。もし撃たれたら怪我では済まない。

 

呉「すぐに会わせてやるつもりだったが、気が変わった。辛抱強くない奴は嫌いだ」

 

川内「う、うわあぁぁぁぁぁ!!」

 

川内は吹き飛ばされ、海へと落下。呉鎮守府には、静寂だけが残った。

 

呉「・・・ん?」

 

天龍「・・・っ!?逃げるぞ」

 

呉提督が こちらに気付いた可能性があり、慌てて呉鎮守府から脱出した。

 

 

・・・・・・

 

*現在 Devil May Cry鎮守府 執務室*

 

天龍「つー訳なんだけど」

 

ダンテ「じゃあタイミング的に呉の川内だな」

 

青葉「あと、定期的に呉の艦娘が入れ替わってるんですよ」

 

ダンテ「・・・どういう意味だ?」

 

青葉「それが不思議な事に・・・」

 

呉鎮守府の艦娘で主戦力となっている艦娘は、監視中の間は姿を確認できている。

新しい艦娘が着任すると、主戦力ではない艦娘が着任した数と同じだけ姿を消している。それっきり姿を確認できなくなった。

 

ダンテ「・・・他に怪しい事は?」

 

青葉「いつも誰かと連絡しているようですが、相手までは分かりません」

 

龍田「それぐらいかしらね~」

 

ダンテ「そうか、ご苦労だったな」

 

青葉、天龍、龍田は執務室から退室した。

川内と話していたのが呉の提督で、普通の人間が艦娘を吹き飛ばすなど可能なのだろうか?

しかも重症を負わせるなど、明らかに普通じゃない。

 

ダンテ「もっと楽させてほしいもんだな・・・」

 

色々と考え対処しなければいけない事が多過ぎる。呉鎮守府については、川内から話を聞いてから動く事にした。

 

 

・・・・・・

 

*大本営 資料室*

 

大和は、ドクターを どこで見たのか気になっていた。だが どうしても思い出せなかった。

この数日、大和は大本営にある資料を片っ端から読み漁っていた。資料と言っても その数は膨大だ。寝る間も惜しんで調べていた大和は、最高機密の資料が保管されている場所で止まった。大和は元帥の秘書艦であるので、機密ファイルの閲覧も許されていた。

大和は1冊のファイルを手にする。それは過去に、海軍が進めていた深海棲艦の研究に関する資料。資料には、研究に関わった者の記録も顔写真と共に記載されている。

 

大和「これって・・・!?」

 

大和は急ぎ元帥の執務室へ駆けていく。

 

 

・・・・・・

 

*元帥執務室*

 

大和「元帥!」

 

元帥「な、何じゃ!?あぁー!」

 

勢い良く扉を開けて入ってきた大和に驚き、驚いた拍子に湯呑みを ひっくり返してしまって書類が大惨事になる。

 

大和「見ていただきたい物が!」

 

元帥「いや、それよりも これ どうするんじゃ!」

 

大和「こっちの方が重要です!」

 

元帥「それは・・・大和、機密ファイルの持ち出しは禁止のはずじゃぞ」

 

大和「あとで お叱りは受けます。兎に角 見てください」

 

大和が開いている資料には、今も行方が分からない研究者について記述されている。

 

大和「裏カジノに潜入した時、この男が居ました。ダンテさんは彼を“ドクター”と」

 

元帥「生きておったのか・・・」

 

大和「それだけじゃなく、おかしいんです」

 

大和が見た覚えがあったのは、資料で1度 見た事があったからだ。ドクターは資料にある研究者の写真と容姿が同じなのだ。

その研究者は、元帥が まだ若く、横須賀鎮守府の提督だった時に行方不明となっている。記録では元帥よりも歳は上だ。つまり同じ人物であれば、見た目が年老いていなければ おかしい。だがドクターは写真のままの若い容姿をしていた。顔が似た子孫なのか、それとも歳を取らない同一人物なのか・・・。

 

元帥「ふむ、いずれにせよ この男が全ての始まりじゃ。武蔵が この男の所に居ると分かっただけでも収穫じゃった。あとは居場所だけじゃ」

 

大和「はい」

 

・・・・・・

 

*Devil May Cry鎮守府 医務室*

 

1週間後、やっと川内が目覚めた。

ここが どこか教えた途端、川内が暴れだした。神通と那珂が押さえ込もうとしているが、暴れるのを やめてくれない。

 

神通「姉さん、話を聞いてください!」

 

那珂「イタっ!?川内ちゃん、顔は殴らないで!」

 

川内「うるさい!私に触るな!」

 

ダンテ「何やってんだ?」

 

川内「あんたは・・・!」

 

そこへ、明石に呼ばれたダンテが入ってきた。

川内はダンテを親の仇のように睨み、一層 激しく暴れだす。神通と那珂は川内に振り回されっぱなしだ。

今度は見兼ねたダンテが川内を取り押さえる。

 

ダンテ「暴れると傷口が開くぞ」

 

川内「うるさい!私は帰る!・・・痛っ!?」

 

ダンテ「だから言ったろ。帰るなら飯でも食ってけ、呉の川内・・・あと風呂もだな」

 

川内「どうして・・・」

 

ダンテ「あ?」

 

川内「どうして ここまでしてくれるの?」

 

川内は どうして助けてくれるのか不思議だった。それに対しダンテは、「理由なんかない」とバッサリ。

ダンテの指示で神通と那珂が川内を入渠ドックへ連れて行き、医務室にはダンテと明石だけが残された。

 

明石「それで、どうするんですか?」

 

ダンテ「とりあえず、話だけでも聞きたいな」

 

明石「何も話さなければ?」

 

ダンテ「どうもしない。好きにさせるさ」

 

 

・・・・・・

 

*食堂*

 

入渠も済ませ、川内は そのまま神通と那珂に連れられ食堂に来た。

食事のペースは やや遅い。それは他に食堂に居る艦娘達が、ずっと川内を見ていて食べづらいからだ。川内を見ているのも監視目的に近い。川内は ここから盗みを働き、有ろう事かダンテを攻撃したのだ。また何をするか分からないので、自己判断で皆が そうしている。

そんな中、ダンテがピザの箱を持って食堂に来た。今日はデリバリーのようだ。ダンテは川内型の近くへ座り、ピザを食べ始めた。

 

ダンテ「鳳翔と間宮の飯は美味いだろ?」

 

川内「・・・・・・・・・」

 

ダンテ「・・・・・・そうかよ」

 

ダンテが話し掛けるが川内は何も反さない。気まずい雰囲気に、神通と那珂も居心地が悪い。他の艦娘はピリピリしている。

世間話をする気がないなら、ダンテは本題に入る事にした。

 

ダンテ「お前が盗んだ石が何なのか、お前は知ってるのか?」

 

川内「・・・・・・知らない」

 

ダンテ「じゃあ何で あの石を盗んだ?」

 

川内「提督に盗ってくるように言われたから・・・」

 

ダンテ「あいつは どうして ここに石がある事を知ってた?」

 

川内「・・・・・・知らない」

 

ダメだ、肝心な事が何も聞き出せない。

ダンテは話を変える事にした。

 

ダンテ「横須賀の艦娘を轟沈させようとしたのは お前の意思か?」

 

川内「違う!」

 

川内はテーブルを強く叩きながら立ち上がった。ここまでの会話で やっと感情が現れた。これなら本音が聞けそうだ。

 

川内「あれは提督に そうするように言われたから・・・!」

 

ダンテは呆れた。艦娘が提督の指示に従うのは義務だが、何でもかんでも言う事を聞くのは考えものだ。

 

ダンテ「やりたくないなら従わなきゃいいだろ。反抗期はないのか?」

 

川内「仕方ないじゃん・・・神通と那珂を取り戻すには、そうするしかないんだから・・・」

 

ダンテ「何があった?」

 

川内「・・・・・・・・・」

 

川内は また黙ってしまった。それ以降、川内は何も話そうとしない。

ダンテも諦めて、執務室に戻ろうとしたが、鳳翔が動いた。これにはダンテも予想外で、事の成り行きを見守る。

 

鳳翔「川内さん、お話があります」

 

ダンテ「(あっ、これダメな時のパターンだな・・・)」

 

川内「・・・私にはない」

 

鳳翔「いいから こっちに いらっしゃい!」

 

鳳翔は有無を言わさず、無理やり川内を立たせて どこかへ連れて行ってしまった。突然の事で全員 動けずにいる。

 

叢雲「止めないの?」

 

ダンテ「やめとけ、下手に首を突っ込むと鳳翔の逆鱗に触れる・・・」

 

 

・・・・・・

 

*演習場*

 

鳳翔「入渠も済んでいる事ですし、動けますね?」

 

川内「な、何するつもり?」

 

鳳翔「1対1で演習をしましょう。川内さんが勝てば、帰って構いません。私が勝てば、提督に全て話してもらいます」

 

鳳翔は艤装を展開して海へ出る。

鳳翔を倒して帰れるなら楽な条件だと思い、川内も艤装を展開すると海に出る。

 

川内「私、強いよ」

 

鳳翔「来なさい」

 

戦闘開始。鳳翔は すぐに艦載機を発艦、川内も艦載機を砲撃で撃ち落としながら鳳翔に魚雷を発射する。鳳翔は魚雷を避けると、次の艦載機を発艦した。

演習場からは しばらく戦闘音が鳴り響いていた。事情を知っている者は、誰も演習場に近付かなかった。

 

 

・・・・・・

 

*執務室*

 

川内「うわぁーーん!ごめんなさ~~い!!」

 

演習終了後、鳳翔が川内を連れて執務室に来たのだが、川内はビックリする程 泣いて床に座り込んでいる。これにはダンテも、かなり引いている。

 

ダンテ「な、何したんだ?」

 

鳳翔「ちょっとした教育です」

 

艦爆と艦攻による爆撃と雷撃のラッシュに川内が対応しきれず被弾、川内の心が折れるまで続けられた結果によるものだった。

呉の川内は第2次改装は終わっており、改二になってはいるが、経験は鳳翔の方が上だ。悪魔との戦闘も経て、場数は踏んでいる。一軽巡を相手にするのは、鳳翔にとっては朝飯前だった。

 

鳳翔「さぁ、約束ですよ。話してください」

 

川内「はい・・・」

 

ダンテ「(泣くまで何されたんだ・・・?)」

 

それから川内は、ポツポツと呉鎮守府の話を始めた。呉鎮守府の艦娘は入れ替わりが激しく、仲が深まる事はない。それは青葉達の報告と一致する。

艦娘達は定期的に どこかへ送られ、そのまま帰ってくる事はない。

だが、主力として ずっと鎮守府に居る艦娘は、見過ごす事はできなかった。姉妹艦を返すように言ったが、呉提督は姉妹艦を連れ戻す条件として、絶対服従する事を突き付けた。姉妹艦を取り戻す為に主力の艦娘は、どんな非道な命令にも従った。そして、それが いつしか当たり前になっていた。川内も、姉妹艦を奪われた艦娘の1人だった。

 

ダンテ「(海軍ってのは、もう ちょっと どうにかならないのか?)」

 

横須賀も舞鶴も、そして今度は呉も、まともじゃない人間が提督になる。もう少し人選を考えてもらいたい。

 

ダンテ「それで、お前は どうする?」

 

川内「鎮守府に戻って、神通と那珂を取り戻す」

 

川内は立ち上がり、執務室から出ようとする。呉鎮守府に帰るつもりだろう。だが鳳翔が扉の前に立ち、道を塞ぐ。

 

川内「退いてよ、もう全部 話したから」

 

鳳翔「1人で どうにかできるんですか?」

 

川内「無理でも行かなきゃ、神通と那珂は取り戻せない」

 

鳳翔「あなたが助けを求めれば、私達の提督は力を貸してくれますよ」

 

ダンテ「おい、勝手に━━」

 

鳳翔「何ですか?」

 

ダンテ「・・・何でもない」

 

勝手に話を進めるので声を上げるが、鳳翔の一睨みで黙る。

鳳翔は川内に向き直る。

 

鳳翔「どうしますか?」

 

川内「私を助ける義理は、あんた達にはないでしょ?」

 

鳳翔「それでも見過ごせないですからね」

 

川内「・・・神通と那珂を、取り戻してくれる?」

 

ダンテ「約束はできないが、手助けぐらいならな」

 

川内「なら、お願い・・・助けて・・・!」

 

川内は涙ながらに助けを求めた。

そこへ、大淀が駆け込んでくる。

 

大淀「提督、大変です!」

 

深海棲艦の大艦隊が日本に向かって進行中、進路から予測される到達地点はDevil May Cry鎮守府だった。

大淀の判断で既に支援要請を出しており、横須賀、佐世保からも艦隊が出撃する。

 

大淀「敵深海棲艦の数は凡そ300、姫級と鬼級も確認されています!全艦娘、出撃ドックで待機しています!」

 

ダンテはエボニー&アイボリーをホルスターに入れ、リベリオンを背負って鳳翔と一緒に執務室を出ようとする。

 

川内「待って!」

 

ダンテ「戻ったら手伝ってやるよ」

 

川内「私も行く!」

 

ダンテ「お前まで来なくても━━」

 

川内「助けてくれるんでしょ?だったら私も手伝う」

 

ダンテは鳳翔を見る。鳳翔は優しい笑みで頷くだけだった。

ダンテは川内の出撃を許可し、川内も艦隊に加わっての防衛戦となる。ダンテと艦娘達は出撃した。

 

 

・・・・・・

 

*大本営*

 

レディは内通者の特定に苦戦していた。

大本営は粗方 見て回った。まだ見ていないのは、大本営に所属している者達の私室のみ。

部屋の主が留守なのを確認して部屋の鍵を抉じ開けて中を見て回る。

大本営には艦娘、軍人、職員など人数が多いが、レディは全員分の私室を隅々まで探っていく。

 

レディ「何よ、これ・・・」

 

レディが1人の艦娘の私室に入ると、所狭しと機械が置かれていた。その機械は通信設備のようだが、個人で持つには仰々しい規模だ。

レディは機械を操作して通信相手を調べる。通信先は呉鎮守府。なぜ艦娘個人が鎮守府と連絡を取っているのか?

その時、大本営の敷地内で爆発が発生した。レディは部屋を飛び出し、爆発の発生源と思われる場所へ向かう。

 

 

*元帥執務室*

 

大和「元帥、深海棲艦の大艦隊が接近中、進路はDevil May Cry鎮守府へ向かっているようです!Devil May Cry鎮守府からの支援要請で横須賀と佐世保から艦隊が出撃しました!」

 

元帥「こちらからも支援を出す!大和、行きなさい!」

 

大和「はい!・・・!?」

 

突然の爆発に、建物が揺れて大和も足を止める。その直後、誰かが執務室へと入ってきた。

 

大和「あなたは・・・!」

 

ドクター「これは これは、偉大なる元帥殿に お会いできて光栄です」

 

執務室に入ってきたのは、ドクターと騎士姿の悪魔だった。

大和は元帥を護る為に艤装を展開するが、悪魔が素早く大和に近付き首を掴んで持ち上げる。そのまま大和は放り投げられ、執務室の壁を突き破って外に放り出された。

 

元帥「大和!」

 

外では駆逐艦 吹雪が、艤装を展開して大本営の施設を破壊している。爆発の原因は吹雪だった。

 

ドクター「まずは自己紹介をさせていただきましょう。“ドクター”と お呼びください。この世界を本来あるべき姿に戻す者です」

 

ドクターは深々と お辞儀する。

元帥は軍人として、鋭い眼光でドクターを見据える。

 

元帥「貴様の事は知っている。40年前に深海棲艦を研究し、行方を眩ました者であろう」

 

ドクター「さすが元帥、よく ご存知で」

 

認めたという事は、やはりドクターと行方不明の研究者は同一人物だった。

 

元帥「どうやって入った?」

 

ドクター「簡単ですよ。彼女、吹雪の手引きで入りましたから」

 

元帥「何が目的だ?」

 

ドクター「どれの事です?色々あって分かりませんねぇ」

 

元帥「ふざけるな!」

 

ドクター「そんな大声を出さずに、血圧が上がりますよぉ。目的と言うなら先ずは、あなたの死だ」

 

元帥「・・・・・・・・・」

 

ドクター「あなたは別の世界から来たダンテを提督に置き、何度も計画を壊してくれた。今も あの男と協力して裏でコソコソと動いているようなので、そろそろ目障りなんですよ」

 

元帥は死を覚悟する。元帥は軍人だ。いつでも死ぬ覚悟はできている。年老いた身体では、どうやっても勝ち目はない。自分が死んでも、ダンテが どうにかしてくれると信じている。

 

元帥「1つ解せんな」

 

ドクター「何でしょう?」

 

元帥「なぜ歳を取らん?儂の知る限りでは、儂よりも歳は上のはず」

 

ドクター「そんな事ですか・・・なら、これで どうでしょう?」

 

ドクターの肌は死人のように青白く変化し、眼球も全て黒く染まる。人の姿をしているが、その姿は人とは思えない。

 

元帥「悪魔か・・・!?」

 

ドクター「3分の1は正解です。聞きたいことは それだけですか?」

 

元帥は静かに頷いた。

ドクターは銃を元帥に向けて発砲、元帥は倒れた。床には、元帥の血が広がっていく。

 

悪魔『吹雪は どうします?

 

ドクター「置いていく、もう必要ない。それと、吹雪の通信設備は破壊しておけ。その後は、君も居るべき場所に戻りたまえ」

 

騎士悪魔は吹雪の部屋に向かい、ドクターも姿を消した。

執務室には、血に染まった元帥だけが残された。

ダンテは、大本営で起きている事を まだ知らない。




次回も よろしく お願いいたします!
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