62話です!どうぞ!
大本営には大将が戻り、大将と比較的 良識のある海軍将校達が協力し、滅茶苦茶になった指揮系統を辛うじて機能させている。
現段階では以前のようにはいかないので、個々の鎮守府による臨機応変な行動を求められている。Devil May Cry鎮守府は これまで好き勝手してきたので、ダンテ達には あまり関係ない。これからも同じようにしていくだけだ。
陸軍は青葉のイタズラ・・・ではなく趣味の延長で、ダンテ達が破壊した陸軍基地の将校達がしてきた事をリークされた。ドクターに協力していたのは陸軍の中でも一部の者達だけだが、これから陸軍は肩身の狭い思いをする事になるだろう。これを機に、信頼できる組織に生まれ変わってもらいたいものだ。
そして、Devil May Cry鎮守府にも ちょっとした変化があった。
*Devil May Cry鎮守府 食堂*
鈴谷「海 行きたい!」
『海 行きたい!』
ダンテに海に連れてけと艦娘達が騒いでいる。色々あってバカンスに行ってる暇がなく、
そこに、1人の艦娘が食堂に入ってきた。
川内「川内、参上。夜戦なら任せておいて!」
ダンテ「ちょっと待て」
川内「・・・何?」
ダンテ「何で ここに来た?呉は どうした?」
川内「異動願 出したら すんなり受理されたよ」
異動願を出し簡単に受理されたのは、恐らく大本営がバタバタしていて それ処ではないので適当にOKしたのだろう。タイミングがいいのやら悪いのやら・・・。
川内「それに・・・」
川内は艤装を展開し、主砲をダンテに向けた。ダンテも川内を見る目が鋭くなり、成り行きを見守っていた艦娘達も臨戦態勢となる。
川内「神通と那珂を助けてくれるはずだったでしょ。なのに助けてくれなかった」
ダンテ「・・・復讐か?」
川内「そう、復讐・・・なーんてね!」
ダンテ「・・・・・・・・・は?」
川内は艤装を解除し、明るい笑顔を見せた。
川内「あんたが悪くないのは分かってるよ。でも復讐がしたいのは本当だよ」
川内は呉の神通と那珂を異形の姿にしたドクターに復讐したいと考えていた。ダンテと一緒に居れば、それが叶うと思った。川内がDevil May Cry鎮守府に来たのは、それが理由だった。
呉鎮守府の艦娘達は、今回の騒動の結末に納得はしていなかったようだ。呉の艦娘達が これから どうするのかは、川内も聞いていないらしい。元々 仲が良かった訳でもないようだ。
川内「という訳で、これから よろしくね!」
ダンテ「よろしくって・・・まぁ いいか」
利根「反対じゃ!こやつは盗みを働き、有ろう事か提督を攻撃したんじゃぞ!」
鈴谷「そうだよ!鈴谷も反対!」
利根と鈴谷に続くように、他の艦娘達からも反対意見が続出する。神通と那珂は、川内が姉妹艦である事もあり何も言わないが、この状況に表情を曇らせる。
ダンテも何も言わずに静観している。下手に黙らせるより、言いたい事を全部 言わせてスッキリさせた方がいいと考えたからだ。
レディとトリッシュは事情を知らないので、ダンテと同じように静観していた。
加賀「本来なら軍法会議よ。もっと悪ければ、即解体だって有り得るわ」
陽炎「それだけの事をしたって、司令官は 分かってるの?」
ダンテ「バカじゃねぇんだから分かってる」
加賀「それでも川内を ここに置くの?」
ダンテ「まっ、来る者 拒まずだからな。それに、また悪さをしたら俺が お仕置きすれば済むだろ?」
艦娘達は納得してないが、どれだけ言ってもダンテの意思は変わらないだろう。艦娘達も それを理解しているからか、何も言わなくなった。
ダンテ「神通と那珂は川内の面倒 見てやれ」
神通「分かりました」
神通と那珂は立ち上がり、川内に歩み寄る。川内は気まずそうにしている。
川内「えっと、前の時は ごめんね・・・よろしく・・・」
神通「姉さん・・・」
那珂「もう気にしてないよ。川内ちゃんが仲間になってくれて嬉しいもん!」
川内「ありがとう」
ダンテには1つ、気になる事があった。川内が盗んだ風の石だ。あれから どうなったのか、まだ把握していない。
ダンテ「お前が持っていった石は どうした?」
川内「あれなら、呉の時の提督に渡して、その後の事は知らないよ」
呉提督に渡したのなら、呉提督と繋がっていたドクターの手に渡っている可能性が高い。事後処理を任せた憲兵隊からは、盗まれた石の報告はなかった。呉鎮守府に無いのなら、ドクターが持っているだろう。
この話を聞いて、艦娘達の反対の気持ちが再燃する。
鈴谷「やっぱり反対!」
文句を言っていると、一部の艦娘を除いた艦娘達の身体が淡い光に包まれる。改装ができる状態の時に起きる現象だ。
明石「提督、改装の準備が整ったようです!」
ダンテ「今かよ・・・とりあえず全員 行ってこいよ」
大淀「あの、もっと計画的に・・・」
改装が可能な艦娘は工廠へと向かった。
金剛、比叡、赤城、蒼龍、隼鷹、羽黒、鈴谷、天龍、龍田、神通、那珂、北上、大井、如月、皐月、文月、叢雲、暁、白露、時雨が第二次改装を終え、『改二』となった。
霧島、龍驤、愛宕、鳥海、熊野、利根、曙、朝潮、陽炎、不知火、伊168、伊8、伊19、伊58は第一次改装により『改』となる。
それ以外は既に改になっており、第二次改装がないのもあり そのままだ。
改装の結果、大量の資材と改装設計図が サヨナラしたので、大淀が頭を悩ませる事となった。艦娘達は改や改二になれた事を喜び、ダンテは端から資材の事など気にしていないので、大淀の苦労を知る者は居なかった。
それとは別で、川内がDevil May Cry鎮守府に着任した事で、鎮守府では1つの問題を抱える事になった。
・・・・・・
ある日 食堂で夕食を食べている時だ。
川内「提督、夜戦しよ!」
ダンテ「夜戦だぁ?」
川内「提督 強いんだから、私の夜戦の相手になってよ!」
ダンテの腕を強引に引っ張り、ダンテを食堂の外に連れて行く。
他の艦娘達は気にせず食事を続けていたが、しばらくすると、食堂の壁が吹き飛び食堂内が粉塵に包まれる。食堂の壁には大きな穴が空いた。
川内「ヤ、ヤバッ・・・」
ダンテ「お前・・・演習場に着くまで我慢しろって言ったろ」
神通「姉さん、夜戦なら私が お相手します」
川内「神通、もしかして・・・怒ってる?」
・・・・・・
*ダンテ私室*
また別の日には、消灯時間で皆が寝静まっている時に川内がダンテの私室に来た。その日はダンテも大人しくベッドで寝ていた。
川内「提督、夜戦!夜戦の時間だよ!」
ダンテ「・・・・・・・・・」Zzz・・・
川内「ねぇ起きてってば!夜戦しようよー!」
ダンテ「今 何時だと思ってんだ。部屋に戻って寝てろ」
川内「やーせーんー!夜戦 夜戦 夜戦 夜戦 夜戦!やせーん!」
ダンテ「・・・・・・・・・」Zzz・・・
夜になると川内が うるさい。夜から明け方まで騒ぎ、安眠妨害で落ち着いて眠れない者が後を絶たなくなった。
・・・・・・
*翌朝*
鈴谷と熊野はダンテを起こしにダンテの私室に来たのだが、部屋に入った途端、鈴谷の怒りの炎が静かに燃え上がる。鈴谷と熊野の目の前には、ベッドで仰向けに寝ているダンテと、そのダンテに のし掛かるように うつ伏せに寝ている川内が居た。夜戦の おねだりをしていたが、明け方になり活動限界が来た川内は糸が切れたように そのまま寝てしまったのだ。
熊野「夜戦バカは自由ですわね」
呑気に言っているが、鈴谷の心境は そんなものでは済まない。ただでさえ、川内の着任に反対なのだから。
鈴谷「起きろバカーー!!」
鎮守府に、鈴谷の怒声が木霊した。
・・・・・・
*大本営*
大本営でも1つの変化があった。
大将「吹雪、自分の意思ではないとしても、お前のした事は許される事ではない」
吹雪「はい・・・」
大将「お前の処分を言い渡す」
・・・・・・
*Devil May Cry鎮守府 執務室*
ダンテ「何で俺も怒られた?」
神通「姉が ご迷惑を お掛けして すみません・・・」
朝に起こされた時に、川内と一緒に何故かダンテまで怒られたのだが、川内が勝手にダンテの部屋で寝たので ただの とばっちりだ。
神通は連日ダンテに謝っている。
ダンテ「で、川内は?」
那珂「部屋で寝てます!」
川内の事で話していると、赤城と加賀が執務室に入ってくる。それだけではない。2人に続いて、吹雪も入ってきた。吹雪の背中には、大きなリュックが背負われている。
吹雪「特型 駆逐艦、吹雪!今日から お世話になります!」
ダンテ「・・・は?」
吹雪は敬礼しながら元気良く挨拶する。
“お世話になります”と言われても何も聞いていない。
連れてきた赤城と加賀を見るが、2人も事情を知らないと言うように首を横に振る。赤城と加賀は、正面ゲートで立ち往生している吹雪を見付けただけで、詳しい事情は まだ聞いていない。
ダンテ「待て待て、お前は大本営の吹雪か?」
吹雪「はい!」
ダンテは吹雪から どういう事か説明するように促した。
吹雪は大本営を破壊し、それが原因で敵の侵入を許した。吹雪は操られていただけだが、何の処分もしないのは組織として体裁が悪いので、Devil May Cry鎮守府に左遷されたのだ。
追い返す理由もないので神通と那珂に、深雪と初雪と叢雲の部屋に案内するように指示した。
執務室にはダンテ、赤城、加賀だけになる。
赤城「しかし、吹雪さんですか・・・」
ダンテ「何かあるのか?」
加賀「1つだけ、ちょっとした問題がね」
その問題は、艦娘の訓練にて明るみに出た。
・・・・・・
*演習場*
砲撃訓練では的に当たらず、撃った反動で後ろに ひっくり返って倒れる。
航行訓練ではバランスを崩し、水上で転ける。正直 水の上に立つだけでも危なっかしい。
訓練の様子はダンテも見ていた。
ダンテ「おい、まさか・・・」
赤城「はい、極度の運動オンチなんです」
叢雲「吹雪!何やってんのよ!」
深雪「あっちゃ~・・・」
初雪「・・・ドンマイ」
運動オンチが災いして、吹雪は1度も出撃の経験がなく、大本営では主に事務仕事ばかりしていた。そのせいで練度もない。
・・・・・・
吹雪は着任してから皆が起きるより早く起き、ジョギングをしたり、身体を鍛えて努力は惜しまなかった。
夜には川内の夜戦と言う名の特訓に付き合い、日が経つにつれ、吹雪の特訓に付き合う者も増えた。軽巡と重巡の艦娘を中心に、航行の時の姿勢、砲撃や雷撃など、手取り足取り教えていた。その光景は、ダンテも時々 見ていた。
それでも、合同の訓練では上手くいかなかった。
*岬*
吹雪は、赤城と加賀からダンテの話を聞かされた岬で、1人 夕日を見ながら地面に座り込んでいた。
吹雪「私ってダメだなぁ・・・」
落ち込んでいると、横に誰かが座った。見ると、そこに居たのは赤城だった。
吹雪「赤城さん!?」
赤城「頑張っているようですね」
吹雪「私なんか全然・・・皆に手伝ってもらっても、上手くできなくて・・・」
赤城「今はダメでも、努力する事は無駄ではないと、私は思いますよ」
吹雪「私、強くなりたいです」
赤城「・・・どうして?」
吹雪「強くなれば、もう誰かに操られて、利用される事もないと思って・・・」
赤城「そう・・・けど、力は所詮ただの力、虚しいだけです。昔、力だけを求めた人が居ました」
吹雪「誰ですか?」
赤城「前に、提督の話の中で、私が視た夢の話をしましたね」
吹雪「・・・バージルさんですか?」
“悪いが俺の魂は こう言ってる・・・もっと力を!”
“力こそが全てを制する。力なくては何も守れはしない。自分の身さえもな”
赤城「彼は力を求めました。それには理由があったのかもしれない。けど、力を持つだけでは駄目なんです」
吹雪「どうすれば・・・」
赤城「力も時には必要です。でも、そればかり追い求めると、大切な物を忘れそうになる事もあります」
吹雪「大切な物・・・それって、何ですか?」
赤城「吹雪さんの持つ優しさを、失わないで」
吹雪「優しさ・・・」
かつてダンテとバージルの母エヴァが、魔帝ムンドゥス配下の悪魔に襲われて惨殺された時に、バージルは母を守れなかった自らの無力さを強く悔いた。
それ故に絶対的な力を求め、力が全てと考えるようになったバージルは、人間らしい優しさや正義といった感情を捨て、悪魔として生きる道を選んだ。
“俺達がスパーダの息子なら、受け継ぐべきなのは力なんかじゃない!もっと大切な・・・誇り高き魂だ!”
赤城「私達の提督も、力よりも優しさを大切にする人です。ですよね、提督?」
吹雪「司令官!?」
後ろを振り返ると、ダンテが立っていた。まさか居るとは思わず驚いたが、それよりも恥ずかしい所を見られたという羞恥心が芽生えた。
ダンテ「・・・さぁ、どうだろうな」
吹雪「あの、いつから そこに?」
ダンテ「“私ってダメだなぁ”から」
吹雪「最初っからじゃないですかぁ!うぅ・・・恥ずかしい///////」
ダンテ「俺の方が恥ずかしい。複雑な家庭事情をベラベラ喋られたんだからな」
赤城「ふふっ・・・さぁ、夕飯の時間ですから戻りましょうか」
夕日に照らされながら、3人は ゆっくりとした足取りで鎮守府に続く道を歩いていく。
・・・・・・
*演習場*
3日後、演習場では艦娘達が訓練していた。順番にカリキュラムを熟し、吹雪の順番が回ってくる。
訓練はダンテも見ていた。
利根『よーし吹雪!特訓の成果を見せてみろ!』
吹雪「はい!」
水上でスタンバイしている吹雪に、利根が拡声器メガホンで合図を出す。
先ずは航行訓練。水上に出ているポールを、右へ左へと蛇行しながら抜けていく。
皐月「吹雪、行けたよ!」
次は砲撃と雷撃訓練。的に向かって砲撃するが外れる。
吹雪「ぁ・・・」
利根『もう1度じゃ!』
吹雪「はい!」
2発目は的に当たった。
吹雪「や、やった!」
利根『喜んでないで すぐに雷撃に移らんか!』
吹雪「は、はい~!」
魚雷も発射し、そちらも的へ命中した。
吹雪の特訓に付き合っていた者は、皆 自分の事のように喜んだ。
「「よっしゃー!」」
初雪「・・・グッジョブ」
吹雪の姉妹艦である深雪と叢雲は盛大にガッツポーズをして喜び、初雪もサムズアップしている。吹雪も陸に戻り、皆と喜びを分かち合っている。
吹雪「赤城さん、私 決めました!誰かを護る為に、大切な人達を護る為に強くなります!」
赤城「えぇ、楽しみにしてます」
吹雪の これからの指針も決まる。
喜びの中、ダンテが口を開く。
ダンテ「よし、久々に あれやるか」
北上「あれって まさか・・・」
川内「あれって?」
経験している者は すぐに分かった。『横須賀を ぶっ潰す』をスローガンに掲げた特訓だ。経験者はガタガタ震えながら滝のような汗を流す。知らない者は首を傾げた。
ダンテ「俺も たまには お前らと遊びたいからな」
レディ「ねぇ、それって私達も入っていいの?」
声の方を見ると、レディとトリッシュが居た。レディとトリッシュは暇だから混ぜてほしいらしい。
ダンテは悪魔狩りの時のような眼になり、レディはカリーナ=アンを背負っている。トリッシュは手から雷を放電して、3人共スタンバイOKだ。
ダンテ「ルールは前と似た感じだ。レディとトリッシュの攻撃を避けながら俺に捕まったら お前らの負け。俺に1発でも当てられたら お前らの勝ちだ」
『(こ、殺される・・・!)』
未経験の者はダンテ達が相手と知り死を覚悟する。経験者は少し違う考えをしていた。
天龍「なぁ、前より人数 増えてるから、意外と楽に勝てるかもよ」
神通「しかし、相手が提督では一筋縄ではいかないでしょう」
時雨「けど、前よりは僕達も強くなってる」
『うん、勝てる気がする!』
その考え、油断、慢心が命取りとなる。
艦娘達とダンテは水上に立ち、陸ではレディがカリーナ=アンを構え、トリッシュも開始の合図を待っている。
鳳翔「始め!」
トリッシュ「ほら、避けないと死ぬわよ!」
青葉「雷はシャレになりませんって!」
レディ「これ ちょっと楽しいかも」
陽炎「何か いっぱい飛んできたー!」
陸からはトリッシュが雷を放ち、レディはミサイルと小型ホーミングミサイルを撃ってくる。
ダンテは次から次へと艦娘を捕まえては陸へ放り投げていく。
イク「ふっふっふっ、水中なら攻撃も当たらないし捕まえられないのね」
イムヤ「いいのかな?」
ハチ「ルールでダメって言ってなかったから」
レディ「それで隠れたつもり?」
陸に居たレディは冷たい目で何かを投げ込む。投げた物は水中へと沈んだ。
ゴーヤ「何でちか?これ」
沈んできた物を見ていると、大爆発が起きた。水柱が上がるのと同時に、潜水艦の艦娘が水中から打ち上げられ宙へと投げ出される。透かさずダンテに捕まり陸に放り投げられた。
訓練は日が暮れるまで続けられた。
・・・・・・
間宮「皆さーん!ご飯ですよー!」
『も、もう動けない・・・』
演習場まで間宮が呼びに来たが、艦娘達は食堂に行く体力も残っていなかった。
こうして新たな仲間も加わり、鎮守府は更なる賑わいを見せるのだった。
龍驤「死んでまうわ!」
あと2話か3話、軽い話を入れたらクライマックスに突入させる予定です。
次回も よろしく お願いいたします!