もう難しく あれこれ考えるのはやめた!
やりたいように やっていきます!
66話です!どうぞ!
Mission66 轟沈~もう1人のデビルハンター~
*Devil May Cryの世界*
夜の街に、剣戟の音が鳴り響く。戦っているのは2人の男。1人は銀髪に紅い衣を身に纏い、リベリオンを振るう男、ダンテ。もう1人は、黒髪に黒い衣を身に纏い、リベリオンに よく似た剣を振るう、ダンテと同じ顔をした黒いダンテだった。
お互いに、大きく剣を振り鍔迫り合う。
少しの間 睨み合うと、お互いに後方へ飛び退き、ダンテはエボニー&アイボリーを黒ダンテに連射する。黒ダンテは剣で銃弾を弾き、そのまま夜の闇へと消えた。
ダンテは追う事もせず、黒ダンテが消えた方を見詰めていたが、しばらくして後ろを振り返ると、少女がダンテを見ながら立っていた。その少女は『ドクター』を名乗る者の妹。
少女はダンテに告げる。
少女「半魔よ、時が来た」
ダンテ「・・・・・・・・・?」
・・・・・・
*Devil May Cry鎮守府*
ダンテが元の世界に帰還してから、また数年の時が経った。
鎮守府は特別に艦娘達によって運営され、建造やドロップにより艦娘も かなりの人数が増えた。
そして、秘書艦に命じられた赤城が、提督代理として日々 忙しくしている。
赤城は早朝に起床し、いつもの服に着替えて食堂に向かう。食堂に行けば、誰よりも早く起きている間宮と鳳翔が朝食の準備をしている。
赤城「鳳翔さん、間宮さん、おはようございます」
鳳翔「おはようございます」
間宮「おはようございます。すぐに用意するので座って待っててくださいね」
赤城は用意された朝食を食べ終わると、すぐに執務室へと向かう。そこからは書類との にらめっこが始まる。
赤城「・・・あれ?資材の数、これで合ってます?」
大淀「何度も確認したので合っているはずです」
赤城「鋼材とボーキサイトの数が異様に少ないんですけど・・・」
大淀「また夕張が勝手に使ったんでしょうね。言っておきます」
赤城「また遠征を お願いしないといけませんね」
多少の問題も時には起きるが、それでも鎮守府の運営はできていた。
・・・・・・
*北方モーレイ海*
同じ頃、Devil May Cry鎮守府から出撃した艦隊は、北方モーレイ海の哨戒で北方海域へと来ていた。
加賀、蒼龍、比叡、霧島、羽黒、鳥海で編成された艦隊は、敵哨戒艦隊B群と交戦していた。
敵艦隊には軽巡ヘ級flagship、駆逐イ級 後期型、駆逐イ級が3隻の編成だ。
加賀と蒼龍が発艦した艦爆と艦攻が駆逐イ級3隻を沈め、羽黒の砲撃が駆逐イ級 後期型を沈め、比叡、霧島、鳥海の砲撃により軽巡ヘ級flagshipが沈む。
蒼龍「これぐらいなら簡単に終わりそうですね」
加賀「蒼龍、いつも言ってるでしょ。慢心しては駄目よ」
蒼龍「は、は~い・・・」
加賀「“はい”は短く」
蒼龍「はいっ!」
比叡「羅針盤 回しますね」
艦隊は羅針盤の示す方角へと更に進む。
索敵しながら進んでいると、敵影を発見する。敵艦隊は この辺りの主力である北方侵攻艦隊だった。
敵艦隊の編成は戦艦ル級flagship、重巡リ級eliteが2隻、駆逐イ級が2隻だ。
蒼龍「攻撃隊、発艦 始めっ!」
先手必勝とばかりに艦載機を発艦、艦載機の接近に気付いた敵艦隊は迎撃を始める。
弾幕を掻い潜り、敵艦隊へ接近した艦爆と艦攻が爆撃と雷撃をして離れる。駆逐イ級2隻は沈み、重巡リ級elite1隻は小破となる。
比叡「主砲、斉射、始め!」
霧島「主砲、敵を追尾して!・・・撃て!」
羽黒「撃ち方、始めて下さーい!」
比叡、霧島が戦艦ル級flagshipへ砲撃、羽黒の砲撃は無傷の重巡リ級eliteに当たり、敵戦艦と重巡に小破のダメージを与える。
敵艦隊も やられてばかりではない。戦艦ル級flagshipの砲撃が加賀を狙うが、加賀は これを回避。
重巡リ級elite2隻からも砲撃が来る。重巡リ級eliteの砲弾は、蒼龍と鳥海に向かっていく。
蒼龍「飛行甲板に被弾!?やだ、誘爆しちゃう!」
蒼龍は被弾し小破となる。
鳥海は回避して すぐに反撃に転じる。鳥海の砲撃が先に小破となった重巡リ級eliteに当たり、中破まで追い込む。
直後、加賀と蒼龍が第2次 攻撃隊を発艦、爆撃と雷撃により中破している重巡リ級eliteは轟沈し、小破の重巡リ級eliteは大破となった。
鳥海「雷撃します!」
羽黒と鳥海の雷撃で最後の重巡リ級eliteも轟沈。残りは戦艦ル級flagshipだけとなる。
そこで、事態は急変した。突如、戦艦ル級flagshipの艤装から火花が散る。戦艦ル級flagshipはデタラメに砲撃しながら艦隊に真っ直ぐ突っ込んでくる。
加賀「な、何!?」
霧島「あれは危険な気がします!」
比叡「撃ちます!」
戦艦ル級flagshipに対して砲撃と雷撃で弾幕を張るが、戦艦ル級flagshipは攻撃に当たりながらも特攻してくる。
蒼龍「何で避けもせずに・・・!?」
加賀「くっ・・・!」
戦艦ル級flagshipは被弾しながらも止まらない。艦隊は近付かれまいとして距離を離そうとするが、戦艦ル級flagshipは加賀に狙いを定め、加賀を執拗に追ってくる。
デタラメに撃つ砲弾が加賀に当たってしまう。被弾した事で加賀の動きが鈍り、遂には戦艦ル級flagshipに組み付かれてしまう。
戦艦ル級flagshipの艤装から出ている火花は更に激しくなる。
蒼龍「加賀さん!」
加賀「赤城さん・・・あなたを残して・・・沈むわけにはいかないわ」
加賀は どうにか戦艦ル級flagshipを振りほどこうとするが、中々 離れない。
他の編成メンバーは加賀を助ける為に急いで加賀の元に行こうとするが、辿り着く前に戦艦ル級flagshipの身体が強い光を放ち、加賀を巻き込んで自爆した。加賀が居たはずの場所には、戦艦ル級flagshipは勿論だが、加賀の姿も無くなっていた。
比叡「そんな・・・」
羽黒「嘘・・・ですよね・・・?」
蒼龍「嫌ぁぁぁぁ!加賀さぁぁぁん!!」
・・・・・・
*Devil May Cry鎮守府 執務室*
赤城「そんな・・・加賀さんが・・・」
加賀轟沈の報告は、すぐに鎮守府に連絡が入り、赤城の耳にも すぐに入った。
赤城は捜索隊を出撃させ、大湊警備府に協力を要請して大規模な捜索が行われたが、加賀は見付からなかった。
・・・・・・
*城塞都市フォルトゥナ 郊外*
銀髪の髪に、悪魔の右腕『デビルブリンカー』を持つ1人の青年が、フォルトゥナの街に向かって歩いていた。
彼の名は『ネロ』。ダンテと同じように魔剣士スパーダの血族だ。
フォルトゥナでの事件、魔剣教団の壊滅の原因ともなった事件の後、ダンテはネロの元に『Devil May Cry』のネオンサインの看板を勝手に送った。その頃には、ダンテが『Devil May Cry』という名の便利屋を営んでいる事はネロも知っていた。
ダンテから直接 何かを言われた訳ではないが、戸惑う事もなく、単純に自分は『2号店』を任されたんだと思っていた。
ネロも表向きには一応 便利屋を営んだが、顔見知りしか居ないフォルトゥナに、そんな仕事の需要が そうそうある訳ではなかった。
仮に頼まれ事があったとしても、一緒に暮らす恋人の『キリエ』が「なんとかしてあげて」「手伝ってあげて」と言ってしまえば、ネロは無条件で働いてしまう。
依頼者が謝礼を支払おうとするとキリエが全部 断ってしまい、仮に受け取ったとしても、野菜や肉などの現物で受け取る事が多い。それでも生活には困らなかった。
ネロは恋人のキリエの他に、孤児達と暮らしている。現物の お陰で、ネロとキリエ、孤児達が生きていけるだけの食べ物は手に入るからだ。
そして今、ネロは悪魔狩りの帰りだった。フォルトゥナの住人にも、仕事の関係で街の外に行く者が居て、その行き帰りで稀ではあるが、悪魔に襲われる者や目撃する者が たまに居る。今回も そのパターンで、ネロに悪魔狩りの依頼が来たので、目撃場所まで出向いて悪魔退治をしたのだ。
事件後、フォルトゥナ周辺では悪魔の出現は極端に少なくなったが、それでも時々 現れては、ネロが対処している。
歩いていると、人が倒れているのを見付けた。ネロは倒れている人物に駆け寄る。顔を見るとフォルトゥナの住人ではない事は間違いなかった。
しかし、かなりの重傷を負っている。
ネロ「・・・生きてる!おい、しっかりしろ!」
呼び掛けるが返事はない。
フォルトゥナは閉鎖的な街だ。外から人が来る事は滅多にない。故に、こんな所で人が倒れているのは珍しい。
ネロ「何で こんな所で倒れてんだよ・・・変な拾い物しちまったな」
ネロは横抱きに抱えて、街へと急ぐ。
・・・・・・
*孤児院*
ネロはキリエと生活している孤児院に着いた。
ネロに呼ばれて顔を出したキリエは、ネロに抱えられた傷だらけの人物を見て驚いた。
ネロ「街の外で倒れてた」
キリエ「中に運んで!」
傷だらけの人物を奥の部屋に運び込み、孤児の1人に医者を呼ぶように頼むと、医者が来るまでの間にキリエが応急手当する。
孤児達は少し離れた位置から、街の外から来た者を珍しそうに見ていた。
・・・・・・
*Devil May Cry鎮守府 艦娘寮*
加賀轟沈の知らせから2日が経ち、赤城は艦娘寮の二航戦の私室に来た。蒼龍の様子を見に来たのだ。蒼龍は加賀を助けられなかった事で、落ち込み部屋に閉じ籠っている。
部屋の扉をノックすると、二航戦の飛龍が顔を出した。
赤城「蒼龍さんの様子は?」
赤城が訊くと、飛龍は暗い顔で首を横に振った。まだ落ち込んで元気がないようだ。
赤城「入っても?」
飛龍「どうぞ」
部屋に入ると、蒼龍は部屋の壁に凭れ掛かるように座り、顔は俯いて表情は見えない。それだけでも かなり落ち込んでいるのは分かる。
声を掛けるが、返事はない。
しばらく黙って蒼龍の様子を見ていると、蒼龍が口を開いた。
蒼龍「私 助けられなかった・・・」
赤城「・・・・・・・・・」
蒼龍「目の前に・・・加賀さんが見えてたのに、助けられなかった・・・」
蒼龍は大粒の涙を流し、赤城は蒼龍を抱き締めた。
蒼龍「加賀さんを助けられなくて ごめんなさい・・・!赤城さん ごめんなさい!加賀さん ごめんなさい!」
赤城「大丈夫、大丈夫だから」
赤城は蒼龍が落ち着くまで、ずっと蒼龍を抱き締めていた。飛龍は そんな2人を見詰めながら、何もできない事に辛そうな表情を浮かべた。
落ち込んでいたのは蒼龍だけではなかった。
*妙高型の私室*
羽黒「私・・・加賀さんを助けられなかった・・・。司令官さんに・・・もう合わせる顔がない・・・」
羽黒も ずっと部屋で泣いていた。時には、寝ている時に その記憶を夢で見るのか、夜泣きをする時もあった。羽黒が泣いた時は、姉妹艦の妙高、那智、足柄が いつも慰めていた。
那智「羽黒、泣くな・・・」
足柄「そうよ!まだ轟沈したって決まった訳じゃないでしょ!」
羽黒「でも・・・目の前で加賀さんは・・・!」
羽黒は心優しい艦娘だ。どれだけ慰めても、自分を責めてしまう。ダンテに合わせる顔がないと言ってしまう程だ。
妙高「私達は ここの提督を知らない。けど、羽黒が心から信じるような提督なら、きっと あなたを責めたりなんかしないと思うわ」
*金剛型の私室*
落ち込む者も居れば、気丈に振る舞う者も居る。
比叡「私達は、どうすればいいんでしょう・・・」
金剛「加賀の為にも、私達は私達の やるべき事をするんデス」
霧島「やるべき事、ですか?」
金剛「私達は戦争をしてマース。いつか こんな日が来る事は、あなた達も覚悟してたデショ?」
「「はい・・・」」
金剛「加賀の為にも、この戦争に絶対 勝ちマース!」
榛名「(この鎮守府始まって以来の、初めての轟沈・・・)」
*演習場*
演習場では鳥海が ひたすらに訓練をしていた。まるで加賀の轟沈という現実を振り払うかのように・・・。
心配した高雄、愛宕、摩耶が様子を見に来た。
摩耶「おい、鳥海」
愛宕「あんまりムリすると、身体 壊すわよ~」
呼び掛けるが、鳥海は そんな言葉を無視して訓練を続ける。ずっと この調子で、高雄、愛宕、摩耶も溜め息が出てしまう。
高雄「仕方ないわね、今は そっとしておきましょう」
・・・・・・
“加賀さん”
加賀「・・・っ、赤城さん!」
加賀は目が覚めて、勢い良く上体を起こした。その瞬間、全身に痛みが走る。自分の身体を見ると、包帯が巻かれていた。
誰かの視線を感じ、そちらを見ると、数人の子供が警戒するように加賀を見ていた。
加賀「・・・あ、あの・・・」
声を掛けると、子供達は逃げ出した。
逃げられたので、とりあえず加賀は辺りを見回してみるが、ここが どこなのか全く分からない。包帯が巻かれている事から、誰かに助けられた事は理解できる。
少しすると、子供達に呼ばれた2人の男女が来た。
キリエ「良かった、目が覚めたのね」
加賀「・・・あなたが助けてくれたの?」
キリエ「あなたを見付けたのはネロなの」
加賀「ネロ?」
キリエはネロの方を見る。加賀も釣られてネロの方を見た。
加賀「(提督と同じ銀髪・・・)」
ネロ「・・・何だよ?」
加賀「あ、いえ・・・ごめんなさい」
ネロ「いや、別に・・・」
加賀に ずっと見られて居心地が悪くなったネロ。ネロの一声に、ずっと見ていた事を失礼だったと思った加賀は謝ってしまったが、謝られた事で更にネロは居心地が悪くなった。
加賀はネロの右腕に気付かなかった。ネロは右腕を隠すように、着ている上着の袖を伸ばしていた。
キリエ「私はキリエ」
加賀「ありがとう、キリエさん、ネロさん」
ネロ「“さん”付けは やめてくれ。ネロでいい」
キリエ「私も“キリエ”でいいから」
加賀「ありがとう、キリエ、ネロ。私は、加賀」
こうして、加賀はキリエとネロに助けられ、魔剣士スパーダの血族である、もう1人のデビルハンターとの出会いを果たした。
次回も よろしく お願いいたします!