Devil May Cry鎮守府   作:しゅんしゅん@よし

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感想にも書きましたが黒いダンテについて、念の為に こちらにも記載させていただきます。
黒いダンテはゲームにおいてのEXカラーのダンテをイメージしています。
決してDmCデビルメイクライのネフィリム短髪ダンテではございません。
あちらを使う事は一切ありません。
単純に顔とかソックリな偽物を想定しているので、性格とかはダンテと違うものにしていきます。

67話です!どうぞ!


Mission67 黒~閻魔刀を欲する者~

*城塞都市フォルトゥナ 孤児院*

 

加賀「ここは どこ?」

 

キリエ「フォルトゥナっていう街にある孤児院よ」

 

加賀「フォルトゥナ・・・?」

 

聞いた事がない街の名に、加賀は首を傾げる。閉鎖的な街で、外から人が来る事も少ないから知らないのも仕方がないと、ネロが説明に付け加えた。

 

ネロ「それなのに、どうして街の外で倒れてたんだ?」

 

ネロは それが何よりも気になっていた。加賀は傷だらけで倒れていた。もし悪魔に襲われたのなら、他にも被害が出る可能性があり放置できない。

加賀は自分の事を話した。その話で悪魔の心配は杞憂に終わったが、今度はネロとキリエが首を傾げる事となった。

 

「「・・・シンカイセイカン?」」

 

加賀はネロとキリエが深海棲艦を知らない事に驚いた。深海棲艦は世界的 驚異となっている。知らないはずがないのだ。

加賀は驚くだけではなかった。ネロとキリエの話を聞いて、しっかりと考えを巡らせていた。

 

加賀「(深海棲艦を知らない?提督も最初は知らなかった・・・。まさか・・・!)」

 

加賀はダンテが世界を越えたように、自分も別の世界に来てしまった可能性を考え始めた。帰る方法が分からず、途方に暮れる。

 

キリエ「よく分からないけど、起きたばかりだし、怪我が治るまで ここに居ていいから」

 

加賀「迷惑では・・・?」

 

キリエ「気にしないで。行く所もないなら、ここに ずっと居ても構わないから」

 

キリエの判断に、ネロも反対する気はない。ここには孤児達も居る。1人 増えたところで何も変わらない。何よりも、加賀からは悪魔の気配を感じないからだ。

ネロとキリエは、そのまま部屋から出ていった。

 

 

・・・・・・

 

加賀がネロとキリエに助けられてから、数日の時が過ぎた。

その間、加賀はフォルトゥナの事を色々と聞かせてもらいながら、孤児院を手伝っていた。何もせずに衣・食・住を提供してもらうのは心苦しかった。

まだ ちゃんと1人で ご飯を食べれない子に食べさせてやったり、行儀が悪かったり嫌いな物を残したりする子供も居るので、色々と世話をしていた。時には絵本を呼んであげる事もあり、それもあってか子供達は加賀に心を開いた。

子供達の面倒、特に男の子の面倒を見るのは加賀も苦労する時もあった。食事中に子供同士の喧嘩が勃発、会って まだ日が浅いので、どこまでキツく言っていいか分からず困っていると、キリエが1人で鎮圧した。

加賀に構ってほしくて ちょっかいを掛けるが、手加減を知らない子供は全力で加賀に攻撃するので青アザができる。見兼ねたネロが子供達を注意して助けられる事もあった。

 

加賀「(男の子の相手は大変ね・・・)」

 

育児の経験などない加賀には、子供達は悪魔や深海棲艦よりも強敵だった。

そんな中、加賀は自分の艤装が どうなったのか気になり、試しに出そうとしたが、なぜか艤装を展開する事はできなかった。

自分の他に何か落ちていなかったかネロに尋ねたが、何も落ちていなかったと返答された。

自分にしか見えない加賀の妖精さんは確かに居るので、艤装との繋がりが断たれた訳ではなさそうだ。しかし、艤装が出せない理由は、妖精さんにも分からなかった。

 

加賀「困ったわね」

 

加賀は1人の妖精さんの頭を撫でながら、そう呟いたのだった。

 

 

・・・・・・

 

ある日、ネロは加賀を探していた。どこを探し回っても見付からない。まだ探していないのはガレージと街中なので、先にガレージの方を見に行った。

ガレージには加賀が居た。加賀はガレージに置かれている『Devil May Cry』のネオンサインの看板を見詰めていた。

 

加賀「(提督・・・)」

 

知らない場所で知り合いも居ない状況で加賀は心細かったが、知っている人物との繋がりを発見し、加賀は無意識にネオンサインに触れた。

 

ネロ「それ、気になるのか?」

 

加賀「・・・・・・・・・」

 

ネロ「知り合いが送ってきたんだ」

 

加賀「ダンテ」

 

ネロは驚いた。まさか加賀の口から、ダンテの名前が出るとは思わなかった。

 

ネロ「知ってるのか?」

 

加賀「えぇ、よく知ってるわ」

 

加賀は自然と笑顔になり、ネロは詳しく話を聞く事にした。異世界、ダンテと悪魔、艦娘や深海棲艦、加賀は包み隠さず、これまでの事を全て話した。

加賀の話にネロは理解が追い付かなかった。特に、ダンテが日本海軍の提督になっている話を、ネロは鼻で笑った。

 

ネロ「ダンテが提督?あいつは便利屋なんだぞ」

 

加賀「海軍でも便利屋を開いてるわ」

 

ネロ「・・・嘘だろ?」

 

加賀「いいえ」

 

ネロと加賀の共通の繋がりはダンテだ。

 

キリエ「ダンテさんに連絡できないかな?」

 

いつから話を聞いていたのか、キリエが現れて そんな提案をする。

 

加賀「この世界が提督の世界なら、私も話したい」

 

右も左も分からない別の世界で、加賀にとって本当に頼れるのはダンテだけだった。だからこそ、ダンテに会う必要がある。

元の世界に戻る方法も分かるかもしれない。会えずとも、話をするぐらいはしたかった。

 

ネロ「・・・調べるよ」

 

ネロはダンテの事務所の電話番号を調べ、電話を掛けたが、誰も電話に出なかった。

加賀は もう しばらく、孤児院で世話になる事となった。

 

 

・・・・・・

 

*Devil May Cry鎮守府 執務室*

 

鎮守府に、大将が訪問した。

ソファーには赤城と鳳翔、反対側には大将が座って話をしていた。

 

赤城「その話は本当なんですか?」

 

大将「数日前、大本営に来た」

 

赤城「今は どこに?」

 

大将「分からん、すぐに どこかへ行ってしまった。今は鎮守府に戻るつもりはないらしい。“やる事がある”と言ってな」

 

赤城「加賀さんの話を聞けば、提督は何と言うでしょう?」

 

鳳翔「分かりません・・・」

 

3人はダンテについて話していた。

ダンテが この世界に戻ってきている。赤城と鳳翔には嬉しい話である反面、戻ってこないでほしいとも思っていた。加賀を轟沈させてしまった負い目と不甲斐なさから、ダンテに合わせる顔がない。轟沈の話を知れば、何と言われるか恐かった。

 

大将「加賀 轟沈の話なら、既にダンテに話した」

 

鳳翔「提督は・・・何か言ってましたか?」

 

大将「いや・・・何も言わずに大本営から立ち去った」

 

鳳翔「そうですか・・・」

 

赤城「提督・・・」

 

 

・・・・・・

 

*城塞都市フォルトゥナ*

 

また数日が経過したが、ネロとキリエは少し困っていた。加賀はダンテの事務所の場所を教えてほしいと何度も訊いてきた。

電話にでないなら、仕事か どこかに行って居ないだろうから結局 会えないと言って加賀を落ち着かせて説得していた。それが連日 続いている。

怪我も完全には治っていない。そんな状態で遠くに行かせるのも心配だった。

キリエは気分転換に散歩に行くように勧めた。外の空気を吸えば落ち着くだろうと思ったからだ。付き添いにネロも一緒に居る。

 

ネロ「少しは落ち着いたか?」

 

加賀「えぇ、ごめんなさい・・・」

 

ネロ「知り合いが見付かって嬉しいのは分かるが、まずは怪我を治せ」

 

加賀「・・・あなたと提督の話を、聞かせて」

 

ネロ「俺とダンテの?」

 

加賀「どうやって知り合ったの?」

 

ネロ「唐突だな。最初は最悪だったが、ダンテは・・・恩人なんだ」

 

魔剣教団が壊滅した原因、それはネロとダンテが壊滅させたからだ。

魔剣教団は ある陰謀を企てていた。その企みを知ったネロは止めようとしたが、逆に窮地に陥ってしまった。

だが、いち早く魔剣教団の陰謀に気付き、フォルトゥナで行動していたダンテの働きにより、ネロは助けられた。お陰で囚われていたキリエを助ける事もできた。だからこそ、ネロはダンテを恩人だと思っている。

加賀はネロの話を聞いて微笑んでいた。

 

ネロ「何か おもしろかったか?」

 

加賀「いえ、あの人は相変わらずだなと思って。いつも悪魔と戦って、誰かを助けてる」

 

ネロ「ふ~ん・・・ていうか、笑ったりできるんだな」

 

加賀「どういう意味?」

 

加賀のネロを見る目が鋭くなる。ネロは気付いていない。

 

ネロ「会ってから1度も笑ったのなんて見た事ないからな、無愛想な奴だと思ってた」

 

加賀「・・・殴るわよ」

 

ネロ「殴ったらキリエに怒られるぞ」

 

加賀「“ネロが失礼な事を言ったから”と言えば、キリエは どっちの味方をするのかしら」

 

ネロ「・・・俺が悪かったよ」

 

そろそろ孤児院に戻ろうとしたが、ネロは右腕に違和感を感じた。加賀から見えないように右腕を確認すると、デビルブリンガーが光っている。悪魔が近くに居る知らせだ。

ネロは周囲を警戒すると、知った男が こちらに歩いてきていた。だが その男の雰囲気は、ネロの知っているものとは違っていた。髪は黒く、黒い衣服を身に纏っているダンテ。

 

ネロ「ダンテ?」

 

加賀「提督!?」

 

加賀がダンテを提督と呼んだ事から、やはり加賀の話していた提督は自分の知るダンテなのかと、ネロは改めて思った。

黒ダンテは ある程度の距離を置いて立ち止まった。

 

黒ダンテ「閻魔刀を寄越せ」

 

ネロ「閻魔刀?どういう事だ?」

 

加賀「(閻魔刀って、提督の お兄さんが持っていた刀じゃ・・・?)」

 

黒ダンテは剣を持って斬り掛かってきた。ネロの剣『レッドクイーン』はガレージに置いたままだ。咄嗟にネロは右腕で黒ダンテの剣を受け止めると、右腕の袖が吹き飛び、悪魔の右腕が露になった。

ネロの異様な右腕を見て加賀は驚いた。ネロも加賀に右腕の事を隠していたが、まさか こんな形で知られるとは思わず、舌打ちをした。

 

加賀「提督、やめて!」

 

ネロ「加賀、逃げろ!」

 

加賀「でも!」

 

ネロ「いいから行け!早く!」

 

艤装も出せない今の加賀では邪魔になる。自己判断で そう考えた加賀は、孤児院に急ぎ向かった。

加賀が行ったのを確認したネロは、黒ダンテに向き直る。

 

ネロ「何だよダンテ、イメチェンか?」

 

ネロは受け止めていた剣を押し退け、デビルブリンガーで殴り掛かる。黒ダンテは剣の腹で拳を受け止めると、地面を滑るように後ろに後退る。

 

黒ダンテ「おもしろい腕だな」

 

ネロ「・・・?お前、ダンテじゃないな?」

 

黒ダンテはネロの腕を初めて見たかのような感想を漏らす。ダンテならネロの右腕の事は知っている。これに対し、目の前の男は自分の知っているダンテではないと判断したが、顔は どう見てもダンテなので、少し混乱しそうだった。

 

黒ダンテ「閻魔刀を寄越せ。そいつの存在は厄介なんでなぁ」

 

ネロ「誰が渡すかよ。欲しけりゃ殺して奪えよ」

 

黒ダンテ「なら・・・遠慮なく!」

 

ネロと黒ダンテは お互いに銃を撃ちながら向かっていき、剣とデビルブリンガーが何度も ぶつかり合った後、鍔迫り合うような形になる。

 

ネロ「舐めんなぁ!」

 

自慢のパワーで剣と一緒に黒ダンテを ぶっ飛ばすと、悪魔の右腕を伸ばして吹き飛ぶ途中の黒ダンテの足を掴んだ。そのまま引き寄せ、振り回すように何度も地面に叩き付けてから力いっぱい投げ飛ばした。

黒ダンテは街灯を巻き込みながら吹き飛んだが、すぐに立ち上がり服に付いた汚れを払い落とす。

 

黒ダンテ「腕力は大したものだが、それだけだな」

 

ネロ「負け惜しみはカッコ悪いぜ」

 

加賀「ネロ!」

 

逃げたはずの加賀が、大きい黒い箱を引き摺りながら戻ってきた。

 

ネロ「何で戻ってきた!?」

 

加賀「キリエが・・・」

 

孤児院に戻ってキリエに事情を説明すると、キリエは今 加賀が引き摺っている箱をガレージから持ち出そうとした。危険だからと言って加賀が代わりに持ってきたのだ。箱の中にはネロ専用の剣『レッドクイーン』が入っている。

持ってきてくれたのは有り難いが、黒ダンテが悠長に取りに行くのを許すとも思えない。そう思っていたが、黒ダンテから意外な言葉が出た。

 

黒ダンテ「武器か?いいぜ、待っててやる。少しは俺を本気にさせてくれるなら取りに行けよ」

 

その言葉にネロは頭に来た。だが待っててくれるなら好都合だ。ネロは黒ダンテを地面に這いつくばらせてやろうと考えた。

 

ネロ「後悔するなよテメェ!」

 

ネロは箱を開けてレッドクイーンを組み立てていく。加賀はネロの後ろから見ていたが、見る見る内に剣の形に組み上がっていく。

組み立てたレッドクイーンを地面に突き立てるようにしてグリップ部分を捻ると、バイクのエンジンのような音が鳴り響く。

その剣は、魔剣教団が開発した推進剤噴射機構が組み込まれた特別な剣だった。

レッドクイーンは更に特別だった。通常は細身の刀身だが、レッドクイーンは分厚い曲刀に換装されており、無理な強化をした推進剤噴射機構からは時折 火炎が噴き出す。

重さも相まって、大の男でも振り回すのは難しく、人並み外れた腕力を持つネロにしか扱えない代物となっている。

黒ダンテは宣言した通り待っていた。

 

黒ダンテ「お披露目が済んだなら早く来いよ」

 

ネロ「舐めた口 利けねぇようにしてやるよ!」

 

加賀「ネロ!」

 

ネロは その怪力でレッドクイーンを振り黒ダンテに斬り掛かり、黒ダンテも剣で応戦し互いに斬り結ぶ。

黒ダンテの一振りをバックステップで躱した後、素早く踏み込んで大振りの一撃を加えようとするが、黒ダンテも これを回避する。

今度は黒ダンテが高速で接近して放つ突き技『スティンガー』を繰り出してきた。ネロは地面を転がり回避すると、ネロが自作改造した銃『ブルーローズ』を撃つ。

ブルーローズは銃身を無理矢理2つ備えさせており、既に原型は留めておらず、元となった銃が何であるのかは判別不能なまでに改造されている。

縦に並設されている2本の銃身から、数十分の1秒という誤差で種類の異なる2発の弾丸を発射する事ができる。先の1発目で敵の体表を大きく傷つけ、同じ箇所に間髪入れずに着弾する貫通力の高い2発目が敵体内に直接ダメージを与えるという設計思想に基づいており、硬い外装を持つ悪魔に対しても効果的にダメージを与えられる仕様になっている。

黒ダンテも2丁銃でネロの撃った弾丸を撃ち落としていく。

ネロと黒ダンテは同時にジャンプし、空中で斬り結ぶが、互いに一撃が入らないまま重力に従って落下、地面に着地すると互いの剣が鍔迫り合う。

 

ネロ「(こいつは何なんだ?ダンテと同じ技まで使って、まるで本物のダンテと戦ってるみたいだ)」

 

ネロはダンテと2度、直接 戦っている。だからダンテの動きは ある程度 知っているつもりだ。黒ダンテの動きはダンテと似ていた。

 

黒ダンテ「お前、弱いな」

 

ネロ「何!?」

 

黒ダンテ「威勢はいいが、お前じゃ俺を本気にさせられない」

 

黒ダンテは鍔迫り合っていたレッドクイーンを押し退け、ネロの腹部に蹴りを入れてからスティンガーを喰らわし、更に無数の高速突きを繰り出す『ミリオンスタッブ』でネロを追い詰める。ネロの身体には斬り傷や刺し傷が増えていき、血が流れる。

紅黒い衝撃波『ドライブ』を放ち、ネロは吹き飛ばされた。

 

黒ダンテ「俺が ちょっと本気を出したら これかよ。約束通り殺して閻魔刀を貰うか」

 

黒ダンテはネロに近付く為に歩を進めるが、2人の間に加賀が入り立ち塞がる。

 

加賀「提督、もう やめて!」

 

黒ダンテ「・・・・・・・・・」

 

加賀「・・・・・・・・・」

 

黒ダンテ「分かった、やめてやるよ」

 

加賀「(良かった・・・)」

 

黒ダンテ「なんて言う訳ねぇだろ!」

 

黒ダンテは剣を振り上げ、加賀に向かって振り下ろす。加賀に、凶刃が迫る。

 

ネロ「加賀ぁー!」




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