Devil May Cry鎮守府   作:しゅんしゅん@よし

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69話です!どうぞ!


Mission69 クビ宣告~元帥からの条件~

*Devil May Cry鎮守府 正面ゲート*

 

早朝にダンテ、ネロ、加賀は鎮守府に着いた。

ネロは上着の右袖を伸ばし、デビルブリンガーを隠している。

警備で立っていた憲兵はダンテが戻ってきた事に驚き、轟沈したと聞かされていた加賀も居て更に驚いた。

ダンテは憲兵に、艦娘 全員にグラウンドに集まるように言う事と、加賀が戻ってきた事を秘密にするように伝え、そのまま敷地内に入った。

 

ダンテ「お前らはグラウンドの近くで、呼ぶまで隠れてろ」

 

「「・・・・・・・・・?」」

 

意味が分からず、ネロと加賀は首を傾げる。ネロは兎も角、加賀が無事だったのは早急に伝えるべきなのだが・・・。一先ず、2人はダンテに従う事にした。

憲兵からの内線でダンテが戻った事を知った大淀は、すぐに館内放送で全艦娘にグラウンドに集合するように伝えた。

 

 

・・・・・・

 

*グラウンド*

 

館内放送での呼び掛けで、艦娘達はグラウンドに集まった。

朝礼台にはダンテが立っている。艦娘達は俯いて、誰もダンテに目を向けない。

 

ダンテ「(おい、知らないのが増えてるぞ)」

 

ダンテが居ない間に建造やドロップで艦娘が増えており、ダンテも まさか増えてるとは思わず困った。これから名前を覚えるのが大変そうだ。

 

ダンテ「加賀が轟沈したのは聞いてる。まさか こんな事になるとは!」

 

ダンテは舞台役者のように大袈裟な身振り手振りで話すが、下を向いている艦娘達が それに気付く訳もなく、ただでさえ暗い艦娘達の表情が、ダンテの言葉で更に暗くなる。

全員が下を向いているのを確認したダンテは、物陰に隠れている加賀に手招きして呼んだ。呼ばれた加賀は朝礼台に上がる。艦娘達は気付いていない。

 

ダンテ「どうして加賀が轟沈するような事になる?」

 

喋っているダンテの横で、加賀は無表情で艦娘達に手を振る。

 

ダンテ「お前も そう思うだろ?」

 

艦娘達は誰に訊いているのか気になり、顔を上げた。朝礼台の上にはダンテと、Vサインを艦娘達に向ける加賀が立っていた。

 

『・・・・・・え?』

 

艦娘達は加賀の姿を見て固まった。

すぐに憲兵が来て、手に持つプラカードを艦娘達に見せる。そこに書かれていたのは『ドッキリ大成功』。

 

加賀「やりました」

 

ダンテ「喜べ、加賀は無事だ」

 

『えーーー!?』

 

加賀が無事だった事を知り喜ぶ者は勿論、安心から泣き崩れる者まで出てくる。当然、不満を持つ者も出てくる。

 

天龍「ふざけんな!久々に戻ってきたと思ったら これかよ!」

 

鈴谷「鈴谷達、そんなドッキリ受ける空気じゃなかったんだからね!」

 

時雨「提督に見限られるかと思ったんだよ!」

 

吹雪「でも、加賀さんが無事で良かった・・・!」

 

赤城「おかえりなさい、加賀さん、提督」

 

加賀「ただいま、皆」

 

ダンテ「もう1人 紹介する奴が居る」

 

ダンテは物陰に隠れているネロに視線を向ける。次は自分かと思ったネロは、物陰から出て朝礼台に上がり、それと入れ替わるように加賀が下りる。艦娘達は初対面のネロを見て、誰だろうかとヒソヒソと話し始めた。

 

ダンテ「こいつはネロ、俺の息子だ」

 

『え?』

 

加賀「え?」

 

ネロ「は?」

 

これは1人の漏れもなく全員が驚いた。

同じ髪色の容姿から、艦娘達は この嘘を信じた。

 

明石「前に子供は居ないって・・・」

 

北上「でも年齢的に・・・」

 

初雪「もしかして・・・」

 

数年前、この世界に戻った時にダンテは、子供は居ないと艦娘達に話した事があった。初対面で見た目からしか判断できないが、ネロの年齢から考えると、その時には既に子供が居た事になる。艦娘達が導き出した答えは、ネロはダンテの隠し子という結論に至った。

 

加賀「ネロ、あなた提督の事を“恩人”とか他人行儀な言い方してたのに、親子だったの・・・?」

 

ネロ「違うに決まってるだろ!ダンテも嘘 言ってんじゃねぇよ!」

 

ダンテ「出来の悪い息子だが、仲良くしてやってくれ」

 

ネロ「おっさん黙れよ!」

 

これ以上ダンテに喋らせない為に、ネロはダンテを朝礼台の上から引き摺り下ろす。

 

金剛「そんな・・・私の、Burning Loveが・・・」

 

比叡「お姉さま、気を確かに!」

 

その後、一応 誤解は解き、ネロと加賀は艦娘達に囲まれた。加賀は再会を喜ぶ艦娘達に抱きつかれ、ネロは色々と質問攻めにされている。

少し離れた場所から、そんな様子を腕を組んで見ているダンテの元に、赤城、大淀、鳳翔、龍驤が来た。

 

赤城「おかえりなさい、提督」

 

ダンテ「また すぐに出る」

 

赤城「えっ!?」

 

龍驤「キミィ、せっかく戻ったんやから ゆっくりしたら?」

 

大淀「また悪魔ですか?」

 

ダンテ「悪魔は悪魔だが、事態は もっと深刻らしい」

 

大淀「らしい?」

 

鳳翔「大将から、あなたが裏で動いてるのは聞いています。けれど、戻ってきているにもかかわらず、1度も顔を出さずに何をしているのか、ちゃんと説明していただかないと困ります」

 

ダンテ「俺も よく分かってない部分があるからな、その話は役者が揃った時にする。少しの間、ネロを預かってくれ」

 

ダンテは それだけ言うと、鎮守府を去ろうとするので艦娘4人は慌てて止めるが、ダンテは止まらない。大淀が加賀とネロに群がっている艦娘達を呼ぶと、旧メンバーが加勢に入る。

 

曙「糞提督、どこ行くつもり?」

 

龍田「行かせないわよ~」

 

叢雲「総員 突撃ー!」

 

旧メンバーが一斉にダンテの腕と足、腰に しがみ付いて行かせないようにするが、ダンテは それでもゲートに向かって歩を進めるので、艦娘達は引き摺られる形になる。ダンテを よく知らない艦娘達は手伝うべきか分からず、ただ呆然と それを見ていた。

 

夕張「私の新作お披露目したいから行かないで!」

 

川内「提督、夜戦しよ!」

 

金剛「Tea timeの時間デース!」

 

ダンテ「俺は忙しいんだ!」

 

赤城「ネロさんを ここに置いていくにしても、説明がないと納得できません!」

 

ネロ「(何だと?)」

 

赤城の声が聞こえたネロは、自分を ここに置いてダンテが どこかに行こうとしてるのだけは理解した。ネロ自身も、まだ何も説明されていない。

ネロはダンテの元に向かい、ダンテに群がっている艦娘達を押し退けてダンテの肩を掴む。

 

ネロ「俺を ここに置いていくなんて聞いてねぇぞ」

 

ダンテ「そりゃ言ってないから当然だ」

 

ネロ「ふざけんなよ」

 

ダンテ「大真面目だ」

 

ネロ「こいつらだってアンタに会えるのを待ってたんだろ?少しぐらい話を聞いてやれよ」

 

ダンテ「俺には やる事がある」

 

ネロ「話を聞いてからでも遅くはないだろ!」

 

ダンテ「さぁ、どうだろうな」

 

ネロ「・・・前からアンタの そのスカした態度がムカつくんだよ」

 

ダンテ「なら どうする?」

 

ネロ「ぶっ飛ばしてでも止めてやるよ」

 

ネロは背中のレッドクイーンを抜いて構える。それを見た艦娘達は慌ててダンテとネロから逃げるように離れた。

 

ダンテ「ったく、若い奴は すぐムキになりやがる」

 

ダンテも背中のリベリオンを抜いたが、ネロとダンテは頭に拳骨を喰らい、思わぬ攻撃を受けた。

 

加賀「ネロ、ここで暴れないで」

 

鳳翔「提督も いい加減にしてください」

 

ダンテ「俺は悪くないだろ」

 

鳳翔「今、あなたの味方は誰も居ませんよ」

 

ネロとダンテは剣を背中に仕舞い、それを見た旧メンバーの艦娘達が またダンテに しがみ付いて、行かせないようにしようとする。ダンテは そんな艦娘達に呆れたような顔をして諦めた。

 

 

・・・・・・

 

*執務室*

 

ダンテは執務椅子に座りながら足を机に放り出し、赤城、鳳翔、大淀と話していた。

加賀はネロと一緒に食堂に向かい、加賀は蒼龍、比叡、霧島、羽黒、鳥海から、助けられなかった事を ひたすら謝罪されている。

ネロはグラウンドに居た時と同じで、艦娘達から質問攻めを受けていた。

 

赤城「ネロさんは、本当に提督の息子ではないのですか?」

 

ダンテ「冗談だって言ったろ?俺の息子じゃない」

 

大淀「それにしては、似ているような・・・」

 

ダンテ「遠い親戚みたいなもんだ」

 

鳳翔は考えた。ダンテの父スパーダは、ダンテの母と出会った事でダンテとバージルの双子を授かった。家系図にすれば それだけだ。他に親戚が居るとは思えない。鳳翔が答えに辿り着きそうな予感がしたダンテは、椅子から立ち上がり部屋を ひっくり返し始めた。すると、次から次へと青葉が仕掛けた盗聴器と隠しカメラが出てきて、それを破壊する。

次に、銃で円を描くように天井に弾丸を撃ち込むと、天井と一緒に川内が落ちてきた。川内の襟首を掴み、執務室の外に放り出して扉を閉め、ダンテは椅子に戻って元の体勢になる。

 

ダンテ「喋っていいぞ」

 

鳳翔「もしかして、彼はバージルさんの・・・?」

 

「「えっ!?」」

 

鳳翔の予想に赤城と大淀は驚くしかなかった。バージルの事を詳しくは知らないが、夢で視たバージルの印象から、とても子供が居るようには思えなかった。

 

ダンテ「さすがだな」

 

鳳翔「では、やっぱり・・・」

 

ダンテ「そうだ、あいつは兄貴の忘れ形見だ」

 

赤城と大淀は信じられなかったが、ダンテが言うのであれば、間違いないだろう。

ダンテも最初は半信半疑だった。だが、魔剣教団が回収した折れた閻魔刀を、ネロが復活させた事で それは確信へと変わった。

 

赤城「その事をネロさんは・・・?」

 

ダンテ「知らない。ネロにも他の奴にも言うなよ。あいつには あいつの生き方がある。今更 父親の話をしても混乱するだけだからな」

 

ネロに関する話を終わらせ、しばらくしてネロと加賀が執務室に入ってきた。ネロはダンテから、今 起きている事を教えてもらう為に来た。

 

ネロ「ダンテ、いい加減 話せよ」

 

ダンテ「何をだ?」

 

ネロ「分かってるだろ?全部だ」

 

ダンテ「全部ねぇ・・・ここが俺達が居た世界とは別の世界なのは、お前も もう理解したよな」

 

ネロ「あぁ」

 

ダンテは この世界での戦いと、その裏で糸を引いている黒幕、ドクターの話をした。

ダンテはドクターの妹から、ドクターが また動き出し、魔の気配が活発になり始めた事を知らされ、この世界に連れてこられた。

ドクターが魔界の入り口を開く為に用いた石は、他にもあるらしい。ダンテは鎮守府に戻らず、他の石の在処とドクターの居場所を探していたのだ。結果は芳しくないが。

 

ネロ「なら、そいつを止めればいいんだな?」

 

ダンテ「これは俺の仕事だ。お前はフォルトゥナに帰れ」

 

ネロ「ここまで聞いて帰れるかよ!」

 

ネロは自分も首を突っ込ませろと言う。こうなる事が分かっていたからダンテは話したくなかったのだ。ネロには大切な家族が居る。キリエの傍に居る事がネロの役目とも言える。だから あまり巻き込みたくなかった。

 

加賀「あの黒い提督は誰なの?」

 

ダンテ「それは俺も知りたいな」

 

黒ダンテに関してはダンテも知らない。黒ダンテの狙いは閻魔刀だ。ドクターが動き出した このタイミングで現れたのは、無関係ではないだろう。

その後は、ネロが元の世界に帰るか帰らないかで ずっと話し合ったが、平行線のまま話に決着が着かなかった。

 

 

・・・・・・

 

*大本営 正面ゲート*

 

艦娘達の必死(武力行使)の説得により、ダンテは鎮守府に残る事になった。

ダンテが鎮守府に着任した事を報告すると、なぜか翌日、大本営に呼び出される事となった。大本営にはダンテ、ネロ、赤城、加賀の4人で来たのだが、ネロに関しては、ネロを鎮守府に置くなら一応 報告した方がいいと判断して連れてきた。

ゲートでは大将が待っていた。

 

ダンテ「よう、呼ばれたから来てやったぜ」

 

大将「う、うむ・・・」

 

ダンテ「紹介する。こいつはネロだ」

 

ネロ「どうも・・・」

 

大将「そ、そうか・・・」

 

ダンテ「どうした?顔色が悪いぞ」

 

大将「その事なんだが・・・」

 

大将が元帥 亡き後の次の元帥になる話が持ち上がったが、大将は それを断った。理由は大将にしか分からない。

そして別の者が新たな元帥となり、今回ダンテを呼び出したのは その新元帥らしい。

 

大将「ダンテ、もしかすると お前、クビになるかもしれん」

 

元帥に会う前に、とんでもない事を知らされた。詳しい話は元帥に会って直接 聞くしかないので、大将の案内で元帥 執務室へと向かった。

 

 

・・・・・・

 

*元帥 執務室*

 

大将「し、失礼します!」

 

執務室に入ると、居たのは大和と新元帥である女軍人だった。ダンテは新元帥が女性であると分かった瞬間、女運には恵まれていないので嫌な予感がした。

 

元帥「来たか」

 

ダンテ「呼んだのはアンタらしいな」

 

元帥「口の利き方がなっていないな。聞いていた通りだ」

 

ダンテ「そいつは悪かったな」

 

元帥「お前を本日をもって除隊処分にする!」

 

すぐにクビ宣告された。理由も分からずダンテをクビにするのは、赤城と加賀が納得できるはずもなかった。

 

赤城「ちょっと待ってください!」

 

加賀「除隊処分って・・・納得できる説明をしてください!」

 

この新元帥がダンテをクビにする理由、それはダンテが提督として鎮守府に着任した在り方だ。本来なら軍事教育を受けた正規の軍人が、提督として鎮守府に着任すべきだ。だがダンテは、軍関係者でないにもかかわらず、前任の元帥の計らいで提督として鎮守府に着任した。それは本来 有り得ない事だ。

この新元帥は規律を重んじて、今回ダンテをクビにすると言っているのだ。つまり堅物なのである。

 

大将「し、しかしですな、ダンテは━━」

 

元帥「お前の発言は許可していない」

 

大将「・・・・・・・・・」

 

日本海軍“最強”と呼ばれている大将も、この新元帥の前では この様である。

大和も大人しく部屋の隅で小さくなっている。相当ヤバい女だ。

 

元帥「まったく、前任は何故このような男を提督にしたのか、理解に苦しむな」

 

赤城「しかし、提督が居たからこそ悪魔に対抗でき、被害を最小限に食い止められたんですよ!」

 

この世界でのダンテの働きは大きい。これまで提督として、便利屋として悪魔絡みの事件を解決して、多大なる貢献をしてきたのだ。それを配慮してくれてもいいはずだ。

 

元帥「それは私も知っている。だが決定事項だ」

 

赤城「どうしてですか!」

 

クビを撤回しない元帥と納得できない赤城と加賀が、激しい言い争いを繰り広げている その後ろでは、ダンテとネロがヒソヒソと話していた。

 

ネロ「なぁ、いきなりピンチじゃないのか?」

 

ダンテ「みたいだな」

 

ネロ「ダンテも何か言った方がいいんじゃないのか?」

 

ダンテ「クビならクビで仕方ないしなぁ・・・」

 

そんな呑気に話していると、元帥が机を叩くように手を着いて立ち上がり、大声を出す。

 

元帥「分かった!そこまで言うなら、私が出す条件を達成できれば、処分を撤回する!」

 

赤城「その条件とは何ですか?」

 

元帥「急ぎの任務がある。それを今月中に成功させれば、彼の着任を認めよう」

 

元帥が今回 与えた任務は、敵包囲下の北方海域キス島に突入し、同島の守備隊を無事に収容して撤退すること。

これが成功すれば、ダンテは今まで通りDevil May Cry鎮守府の提督だが、失敗すれば、ネロと一緒に この世界で宿無し無一文の生活が待っている。今のダンテには、そんな事は どうでもいい案件でしかないのだが・・・。

 

加賀「今月中って、あと5日で!?」

 

赤城「そんなの横暴です!」

 

大和「あ、あの~、いくら何でも それは・・・すみません・・・」

 

大和も助け船を出そうとするが、元帥に睨まれ また部屋の隅で小さくなる。

北方海域に行くにしても、行くだけで日数が取られるので、着いてから作戦を開始するとなると、実質5日もない。かなり厳しい条件と言えよう。

そこで、元帥はネロに気付いた。

 

元帥「・・・その青年は誰だ?」

 

ダンテ「こいつはネロ、うちの便利屋の従業員だ」

 

ネロ「(従業員・・・)」

 

ネロはDevil May Cry2号店のオーナーだ。一応 間違ってはいないだろう。

 

元帥「部外者を勝手に入れるな。話は以上だ!」

 

そのまま執務室から追い出され、ダンテ達は大将と大和に見送られながら、鎮守府へと帰った。




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