Devil May Cry鎮守府   作:しゅんしゅん@よし

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70話です!どうぞ!


Mission70 嘘~ネロ初出撃~

*食堂*

 

元帥から条件を出された翌朝、皆が朝食を取っていると、ダンテはネロを引っ張りながら厨房側に立たせて艦娘達に注目するように言った。提督の指示であるのもあるが、何の話をするのか気になるのもあり、全員 素直にダンテとネロに注目する。

 

ダンテ「ネロ、皆に右腕を見せろ」

 

ネロ「・・・・・・!?」

 

加賀「・・・・・・・・・」

 

ネロは、あまり右腕を見せたがらない。恐がられたり、忌み嫌われるだけだからだ。その腕を、ダンテは艦娘達に見せろと言うのだ。

 

ネロ「・・・何でだよ?」

 

ダンテ「ここで隠し事すると鳳翔に怒られる」

 

ネロ「けどよ・・・」

 

ネロは右腕を押さえて、見せる事を躊躇う。

ここまででは さっぱり話が見えてこないので、艦娘達は首を傾げるしかなかった。ただ、右腕に何かあるのだけは理解できた。

 

ダンテ「こいつらなら受け入れてくれる。それに こっちに居る間、戦いになって内緒にしたまま そいつが使えないと不便だろ?」

 

加賀「ネロ、大丈夫だから。私達を信じて」

 

それでもネロは、頑なに見せようとはしないので、ダンテは溜め息を吐いてから、自分のデビルトリガーを発動した。ダンテの行動に、ネロは目を見開いて驚いた。悪魔の姿を見せれば、大変な事になるとしか思えないからだ。

ネロは艦娘達を見る。ダンテが知らない艦娘達は皆、驚いて固まっていた。ネロも この反応は当然だと思っていたが、ネロの予想を裏切る反応を示す者達が居た。それは旧メンバーの艦娘達だった。

 

北上「あれ?前と変わってない?」

 

利根「うむ、より人の姿に近くなっておるな」

 

那珂「顔とか そうだよね」

 

叢雲「何で帰ってくる度に、悪魔の時の姿が違うのよ?」

 

文月「司令官の胸、光ってるー。触らせて~」

 

白露「あー!白露が一番に触るんだからー!」

 

ダンテの魔人の姿は胸が光っていて、電球のように熱を発しているのか気になるようで、文月と白露はダンテの元に駆け寄ってくる。

 

ダンテ『触っても何もないぞ?

 

文月「それでも気になるから触らせて~」

 

2人の手が届くように、ダンテは しゃがんだ。

文月と白露はダンテの胸に触れた。

 

ダンテ『どうだ?

 

文月「うーん、普通?」

 

白露「うん、普通」

 

期待外れだったのか、文月と白露はテンション低めに自分の席に戻り、そんな反応をされたダンテからすれば、ただの触らせ損だった。

ダンテはデビルトリガーを解除して立ち上がり、ネロを見る。

 

ダンテ「な?」

 

艦娘達が悪魔である事を普通に受け入れている事に、ネロは驚きっぱなしだった。しかも、臆する事なく触りに来ている。

ネロも意を決して、右腕の袖を捲った。出てきたのは悪魔の右腕デビルブリンガー。

ネロは どんな反応をされるか恐かったが、それも杞憂に終わる。

 

天龍「カッケー!何だよ その腕!」

 

ネロ「え?え?」

 

天龍「その腕 何かできるのか!?なぁ!?なぁ!?なぁ!?」

 

天龍の食い付きが凄い。他の艦娘も眼をキラキラさせながら見ている。何かを期待されている。

ネロは自分が居る場所とは反対側の奥を見る。そこにはリンゴをフォークで刺して食べようとしている大井が居る。ネロは大井に向かって右腕を伸ばして すぐに引き戻した。大井の手元からリンゴとフォークが消え、反対にネロの右手にはリンゴに刺したフォークがあった。

 

大井「何してけ━━」

 

『スゲー!/スゴーイ!』

 

リンゴを食べ損ねた大井が文句を言おうとしたら大歓声に掻き消された。

まさか喜ばれるとは思わず、逆に艦娘達の反応にネロは引いた。それでも、ネロの悪魔の右腕が受け入れられたのは間違いない。

 

ダンテ「ネロも悪魔の力を持ってる」

 

鈴谷「じゃあ提督みたいに強いんだ」

 

天龍「マ・ジ・か・よー!」

 

天龍の中で、ネロの株が うなぎ登りとなっていく。

だが今は それ処ではない。何よりも優先しなければならない問題を鎮守府は抱えている。元帥が与えた任務の期限が今日を入れて あと4日しかないので、話も そこそこに、朝食を食べ終えた何人かの艦娘達は幌筵泊地に向かった。

 

 

・・・・・・

 

*執務室*

 

ダンテは秘書艦である赤城と一緒に執務室に戻り、赤城からダンテが まだ よく知らない艦娘についての話が出る。

 

ダンテ「名前を覚えるのが大変そうなんだが」

 

赤城「それなら考えがあります」

 

秘書艦補佐である加賀は しばらくネロに付いて面倒を見るので、その代わりにダンテの知らない艦娘を補佐艦として1日 付けるので、これを定期的にやって順番に覚えてもらうのが赤城の考えだ。

ダンテに説明しているとノックの音がした。

 

赤城「来ましたね」

 

金剛「Burning Loooove!」

 

扉が開くと金剛が回転しながら飛び掛かり、ダンテに抱き付きながら頬擦りする。

 

金剛「提督ぅ~!」

 

ダンテ「金剛は知ってるぞ」

 

赤城「そうじゃありません」

 

あとから3人の艦娘、金剛姉妹が入ってきた。確かにダンテの知らない艦娘が居る。

金剛はダンテから離れると、金剛型4姉妹が並んだ。

 

金剛「金剛型1番艦、英国で生まれた帰国子女、金剛デース!」

 

比叡「同じく2番艦、恋も戦いも負けません!比叡です!」

 

榛名「同じく3番艦、榛名、全力で参ります!」

 

霧島「同じく4番艦、艦隊の頭脳、霧島!」

 

「「「我ら、金剛型4姉妹!」」」

 

金剛「デース!」

 

最後に決めポーズをする金剛型4姉妹の後ろで、カラースモークが爆発する。ダンテはショーを観ているように上機嫌に拍手し、赤城は苦笑いで窓を開け、執務室の換気をする。

 

ダンテ「榛名か」

 

榛名「よろしく お願いいたします」

 

比叡「提督に お知らせがあります!」

 

ダンテ「お知らせ?」

 

比叡「提督が居ない間に、金剛お姉さまが『改二丙』になり、美しさと強さに磨きが掛かりました!」

 

金剛「エッヘン!」

 

霧島「そして、この私 霧島は、改二になりました!」

 

榛名「榛名は改です!」

 

金剛型だけでなく、ダンテが居なかった間に大規模 改装を受けている艦娘は多い。これもダンテの知らない鎮守府の変化の1つだ。

 

ダンテ「・・・・・・へー」

 

比叡「興味ない!?」

 

ダンテ「お前は?」

 

比叡「え?」

 

ダンテ「お前は何か変わったのか?」

 

比叡はダンテが昔 居た間に既に改二となっている。そして改二より上になる大規模改装がない。つまり、比叡だけダンテが知っている頃と何も変化がなかった。

 

ダンテ「お前だけ何もないのかよ、寂しいな」

 

比叡「哀れみの目で見ないでください!」

 

赤城「そろそろ仕事を お願いしていいですか?」

 

赤城が用意した仕事は書類 整理なのだが、その書類の数が1日で終わりそうにない量だった。多過ぎて書類の束が天井に届きそうだ。

 

金剛「Oh・・・」

 

比叡「こ、これは・・・」

 

霧島「か、艦隊の頭脳である この霧島が居れば、これぐらい・・・」

 

榛名「榛名は大丈夫です・・・」

 

とても そうは見えない。

しばらくは大人しく仕事をしていたが・・・。

 

金剛「もー!早く提督とTea timeしたいデース!」

 

終わらない書類整理に早くもギブアップしそうだった。

赤城と金剛型4姉妹が書類と格闘している横では、ダンテが欠伸しながら暇そうにしていた。

 

榛名「提督、紅茶です」

 

ダンテ「気が利くな」

 

比叡「司令も手伝ってくださいよ!」

 

 

*演習場*

 

ネロは演習場まで加賀に案内されていた。

演習場では鎮守府に残っている艦娘が訓練しているのだが、ネロは その風景を不思議そうに見ていた。

 

加賀に 「艦娘は元々 船だから、艤装を装着する事で水の上に立って移動できるの」

 

ネロ「加賀も そうなのか?」

 

加賀「そうよ」

 

ネロ「凄いな。俺も、できるなら やってみたいな」

 

加賀はダンテも足だけの艤装を付けて出撃する時がある事を話し、ネロの分の艤装を造ってもらわないか提案した。ネロとしても水上に立って移動するのは興味があるが、1つだけ気掛かりがあった。ダンテは時期が来ればネロを元の世界に強制送還させるつもりでいる。そのダンテがOKするとも思えない。

 

加賀「提督には私から言っておくから」

 

加賀はネロの手を引いて工廠へと向かった。この流れは事後報告の可能性がある。

 

 

・・・・・・

 

*工廠*

 

工廠では金剛型4姉妹の お陰で暇になった大淀と明石、夕張が和やかに談笑していた。

そこへ、加賀とネロが来た。

加賀は早速、ネロ用の艤装を お願いした。

 

明石「ネロさんの、艤装ですか?」

 

大淀「それは、提督の許可は出ているのですか?」

 

核心を突いた疑問を質問する大淀。鎮守府において提督の許可というものは重要だ。

 

加賀「バッチリよ。許可は貰ってるから」

 

ネロ「(ん!?)」

 

ダンテからは まだ許可は貰っていない。堂々と嘘を吐いたのと同時に、完全に事後報告になる事が決定した。

 

夕張「おもしろそうじゃない!この夕張に任せておいて!」

 

ノリノリの夕張を筆頭に、明石と2人でネロの艤装を造り始める。

大淀はダンテの許可を得ているならと全く疑っていないので、この場に止める者は誰も居ない。心配になったネロは小声で加賀に話し掛ける。

 

ネロ「おい、大丈夫なのかよ?適当な事ばっかり言って」

 

加賀「ふふっ、鎧袖一触よ」

 

もう誰にも止められない。

 

 

・・・・・・

 

*執務室*

 

時間も経ち昼過ぎ、金剛4姉妹が用意した紅茶で書類仕事の合間の休憩を楽しんでいると、大淀が様子を見に来た。

 

大淀「休憩中だったんですね」

 

赤城「仕事が片付くのは まだまだですけどね」

 

ダンテ「そういえばネロは どうした?大淀 知ってるか?」

 

大淀「ネロさんなら演習場で艤装の試運転をしてますよ」

 

ダンテ「艤装?何でネロが艤装の試運転するんだ?」

 

大淀「えっ!?提督が許可を出したって聞きましたよ!」

 

大淀はダンテの許可を得ていると聞いて放置していたが、ダンテは許可など出していない。話が食い違い、執務室に妙な空気が漂う。

 

ダンテ「また勝手な事する奴が居るな・・・」

 

ダンテは心底 面倒臭そうに執務室を出て演習場へ向かい、赤城と大淀、金剛型4姉妹もダンテを追い掛ける。

 

 

*演習場*

 

ダンテの艤装という見本があったので、ネロの足の艤装は割りと早く完成した。

今は明石と夕張から艤装の使い方を教わっていた。

 

ネロ「分かった。とりあえず やってみる」

 

説明を聞き終わったネロは水上に立つ。

明石は、ダンテの時の二の舞にならないように雨ガッパを着用、傘を開いて水飛沫の盾にする。しかし、明石の予想を裏切り、こちらは緩やかなスタートだった。

使い方が感覚的に分かってくると、ネロは不敵な笑みを浮かべ、スピードを上げて沖に出る。加賀も艤装を展開してネロを追った。

その直後、執務室に居たメンバーが演習場に着いた。

 

ダンテ「ネロは どこに行った?」

 

明石「えっと、沖に出ちゃいました」

 

 

・・・・・・

 

*鎮守府沖*

 

沖に出たネロは、複雑な軌道を描きながらスピードを上げて進む。加賀は真っ直ぐ進みながらネロに追従した。

鎮守府から かなり離れた所で、ネロは満足したのか止まり、水平線を眺める。

そうしていると、深海棲艦が現れた。居るのは駆逐イ級が3隻。

 

ネロ「・・・・・・魚か?」

 

加賀「あれが深海棲艦よ」

 

ネロ「あれが そうなのかよ」

 

加賀「あれぐらいなら すぐに片付くわ」

 

加賀は艤装を構え、艦載機を発艦しようとするが、ネロが手で制止する。

 

ネロ「俺に やらせてくれよ」

 

加賀は後ろに下がり、ネロは そのまま深海棲艦に近付いていく。深海棲艦もネロに気付いて警戒している。

 

ネロ「C'mon(来いよ)!」

 

ネロの挑発を受け、駆逐イ級3隻は一斉に砲撃を開始したが、ネロは どこか踊っているかのように砲弾を躱していく。それは、ネロの余裕の現れだろう。

砲弾を躱し、深海棲艦に接近しながらブルーローズを撃つ。2発の弾丸が、駆逐イ級の装甲を傷付けていく。弾が無くなると、素早く次の弾をリボルバーに装填して弾丸を撃ち込んでいく。

駆逐イ級の割れた装甲にレッドクイーンを突き刺し、更にグリップを捻り推進剤 噴射機構が唸りを上げる。クラッチレバーを握り、レッドクイーンの刀身が熱を帯びると、駆逐イ級がネロを巻き込んで爆発炎上した。

炎の中からネロが飛び出し、駆逐イ級2隻に向かっていく。駆逐イ級は接近するネロに砲撃するが当たらない。

顔を出してる片方の駆逐イ級をレッドクイーンで打ち上げると、ネロもジャンプしてデビルブリンガーで掴み、空中で何度も振り回して投げた。投げた方向は もう1隻の駆逐イ級が居る場所。2隻の駆逐イ級が ぶつかると そのまま轟沈した。

深海棲艦を沈めると、ネロは加賀の元へ戻った。

 

ネロ「深海棲艦ってのは大した事ないんだな。あれなら まだ悪魔の方が強い奴が居る」

 

加賀「あれは序の口よ。深海棲艦にも油断できない強い個体が居るの」

 

ネロ「あれ見る限りじゃ、そんな強い奴が居るとは思えないな」

 

加賀「慢心は禁物よ」

 

艤装の使い方も調子も問題ない事が確認でき、2人は鎮守府に向かって航路を取る。ダンテが待ち構えているとも知らずに。

 

 

・・・・・・

 

*演習場*

 

ダンテ「何やってたんだ?」

 

ネロ「見てくれよダンテ、俺の艤装なんだぜ。これが あれば俺も海に出れるな」

 

鎮守府に戻ると少し不機嫌なダンテが待っていたが、ネロは戦闘の高揚からか、気にせず自分の艤装を自慢気に見せる。

 

ダンテ「加賀、お前が明石と夕張に造らせたらしいな」

 

加賀「・・・はい」

 

ダンテ「何で そんな勝手な事した?」

 

ネロ「違う、俺が━━」

 

ダンテ「これは没収だ」

 

ネロ「おい!」

 

ダンテ「加賀は執務室に来い」

 

加賀「はい・・・」

 

ダンテは没収したネロの艤装を手に執務室に向かい、加賀と赤城、大淀、金剛型4姉妹も執務室に向かった。

演習場にはネロ、明石、夕張だけが残された。

 

ネロ「何が気に入らないんだよ・・・」

 

 

・・・・・・

 

*執務室*

 

ダンテはネロの艤装を執務机に置き、執務椅子に座って加賀を問い詰めた。

 

ダンテ「加賀、嘘 吐いてまで どうしてネロに艤装を与えた?」

 

加賀「私は彼とも一緒に戦いたいと思ったから」

 

ダンテ「ネロを こっちの世界の問題に巻き込むな」

 

加賀「提督は どうして そこまでネロを遠ざけようとするの?」

 

ダンテ「・・・・・・・・・」

 

加賀「私はネロ1人を危険に晒すつもりはない。キリエの事もあるから。だけど、ネロと提督が一緒に戦えば、私も皆も安心できる。提督が私達の知らない所で戦って、1人で危険な目に遭うより、2人が力を合わせて戦ってくれた方が、何者にも負けないと信じられる」

 

ダンテは しばらく加賀の眼を見詰める。その時間は、話を見守っていた赤城達にとって、とても、とても長く感じられた。

 

ダンテ「理由は それだけか?」

 

加賀「はい」

 

ダンテ「・・・・・・持っていっていいぞ」

 

ダンテは溜め息を吐いてネロの艤装を加賀に返した。普段あまり感情を表に出さない加賀は、その時は どこか嬉しそうに、ネロの艤装を持って執務室から出ていった。

 

大淀「良かったんですか?」

 

ダンテ「あんな眼で せがまれたらなぁ・・・」

 

赤城「やっぱり優しいですね」

 

この結果に、赤城も嬉しそうにしている。

それでも、加賀が勝手な事をした事実は変わらない。

 

大淀「しかし、今回は艤装でしたから大きな問題にはなりませんが・・・」

 

赤城「加賀さんに処罰は与えますか?」

 

ダンテ「・・・いや、いい。あんな加賀を見るのも珍しいからな」

 

金剛「榛名、この人が私達の提督ダヨ」

 

榛名「はい!」

 

ダンテの判断で加賀への処罰はナシとなった。

いい感じに話が終わるかと思われたが、金剛は すぐに現実に引き戻される事となる。

 

赤城「休憩時間、とっくに終わっちゃってますね」

 

金剛「What!?提督とのTea timeは まだ途中ダヨ!?」

 

ダンテとのティータイムも知らず知らずの内に終了し、金剛型4姉妹は また大量の書類と格闘する事となった。

 

金剛「提督としたい事が いつもできないデース!」

 

金剛は書類を涙で濡らし、今日という1日が終わる。

ダンテがクビになる可能性の期限まで、あと3日。




キャラクターは少しずつ増やしていく予定です。
艦娘だけで大変な事になりそう・・・。

次回も よろしく お願いいたします!
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