71話です!どうぞ!
*北方キス島沖*
幌筵泊地から出撃したDevil May Cry鎮守府の艦隊は、キス島に居る守備隊の撤退作戦に従事していた。
作戦内容を簡単に説明すると、守備隊を収容する船を護衛しながらキス島に突入、キス島付近に発生する濃霧に紛れ、尚且つ夜間の間に撤退しなければならない。濃霧と夜の闇に紛れてトンズラしましょうという訳だ。
キス島に突入する時には夜になるように逆算して出撃しなければならず、濃霧がタイミング良く発生していなければならない。濃霧という自然現象に頼る部分もあり、この作戦は運に任せる所も大きい。
出撃したのは神通、天龍、龍田、叢雲、時雨、曙。
羅針盤を回して航路を進むが・・・
天龍「なぁ、予定の航路から外れてないか?」
叢雲「どうするの?あと3日で提督クビよ」
時雨「編成に問題があるのかな?」
神通「仕方ありません。撤退して出直しましょう」
キス島に辿り着く以前の問題だった。
幌筵泊地に戻り編成を変えて再度 出撃するが、何度も航路から外れた。
・・・・・・
*幌筵泊地*
思うように作戦が進まず、泊地では艦娘達が話し合っていた。話し合いでは通信でダンテも聞いている。
ダンテ『目的地に行けないって どういう事だ?』
神通「羅針盤の針が航路から外れた方角を指し示すんです。恐らく編成に問題があるとしか・・・」
曙「軽巡の数を減らしてみたら?」
雷「どうして?」
曙「だって これ、コッソリ撤退するんでしょ?軽巡が多いと目立つんじゃない?」
ダンテ『何でもいいから上手くやってくれ』
川内「次は私の番だね!」
編成は軽巡1隻、駆逐艦5隻で艦隊を組む事にした。
ダンテ クビまで、あと2日。
・・・・・・
*北方キス島沖*
翌日、川内 旗艦、随伴艦に吹雪、暁、如月、陽炎、不知火が出撃した。
川内「お?」
羅針盤の針は航路から外れそうになるが、まだ分からない。兎に角 羅針盤の示す方角に航路を取る。現れたのは うずしおだった。
『わぁ~~!』
川内「全速力で うずしおから離脱するよ!」
うずしおから離脱するが、航路からは外れてしまった。その代わり、漂流する資材を見付けた。
陽炎「資材 見ーっけ」
吹雪「川内さん、航路から外れちゃいましたけど・・・」
川内「あー!イライラする!この編成で もう1回 行くよ!」
・・・・・・
同じ編成で再度 出撃する艦隊。
羅針盤の針は今度こそ目的地に行ける航路を示す。
航路を進むと敵水雷戦隊B群が現れた。敵艦隊の編成は軽巡ヘ級flagship、駆逐イ級 後期型が2隻、駆逐イ級が3隻だ。
川内「単縦陣!」
艦隊は戦闘を開始した。川内と吹雪の砲撃が軽巡ヘ級flagshipを狙い、2人の砲撃は軽巡ヘ級flagshipを中破に追い込む。暁の砲撃は駆逐イ級を沈める。
暁「やった!」
お返しとばかりに、深海棲艦からも砲撃が来る。軽巡ヘ級flagshipと駆逐イ級 後期型2隻からの砲撃を目視した艦隊は、増速して躱す。
透かさず如月、陽炎、不知火が砲撃し、駆逐イ級 後期型1隻と駆逐イ級2隻を沈めた。残るは軽巡ヘ級flagship1隻と駆逐イ級 後期型1隻だけだ。
如月「私だって強くなってるんだから」
川内「雷撃 用意!」
艦隊は魚雷を発射、残り2隻の深海棲艦に難なく当たり、これを沈める。
深海棲艦との戦闘が終わると、艦隊は すぐにキス島に向かうが、そこで電探に反応が。現れたのは深海棲艦の水上打撃部隊。敵編成は戦艦ル級flagship、重巡リ級elite2隻、駆逐イ級後期型、駆逐イ級2隻だ。
暁「戦艦!?」
不知火「どうしますか?」
川内「ここを進まないとキス島には辿り着けない。押し通るよ!」
艦隊は砲撃を開始して敵駆逐艦3隻は沈めるが、戦艦ル級flagshipと重巡リ級eliteには大したダメージを与えられない。
深海棲艦からの反撃で、艦隊 旗艦の川内が大破、随伴艦の艦娘にも甚大な被害が出る。火力に差があり過ぎる為、艦隊は泊地に撤退した。
・・・・・・
*幌筵泊地*
川内「う~ん・・・」
吹雪「い、痛い・・・」
泊地に戻った艦隊は、ストレッチャーで入渠ドックへ運ばれた。
その後も、編成メンバーを変えて出撃するが、航路が外れたり、戦艦ル級flagship率いる水上打撃部隊に苦戦し、撤退を繰り返した。
・・・・・・
*Devil May Cry鎮守府*
ネロは鎮守府で暇していた。
加賀は一緒に居ない。今日は普段通り、加賀は補佐艦として赤城と一緒に執務をしている。
悪魔も出ず、1人で する事もない。なんとなく、ダンテに絡みに行こうと思い、ネロは執務室に向かった。
*執務室*
執務室に入ると赤城と加賀が仕事をしていたが、ダンテの姿はない。
加賀「ネロ、どうしたの?」
ネロ「いや、ダンテは どうしてるかと思って」
加賀「提督?」
赤城「そう言えば、昼食の後から見てませんね」
加賀「どこかでサボってるのかもね」
赤城「もうすぐ夕食ですから、その時には戻ってくると思いますよ」
ネロ「そっか・・・」
結局、ダンテが戻ってくる事はなかった。ダンテは、誰にも何も言わず、鎮守府から姿を消した。
ダンテ クビまで、あと1日。
・・・・・・
*幌筵泊地*
度重なる出撃と被弾による撤退で、入渠ドックは艦娘で溢れていた。高速修復材も枯渇し、泊地に居る軽巡の艦娘は全員 入渠が終わるのを待って出撃できない。出撃 可能なのは駆逐艦だけだ。
白露「もー!今日中に成功させないと、提督クビになっちゃうよー!」
電「守備隊も心配なのです」
深雪「戦艦と空母が出せないのがネックだよなぁ~・・・」
時雨「仕方ないよ、そういう作戦なんだから」
曙「で、どうするの?」
叢雲「何で私を見るのよ?」
曙「あんたが自然と駆逐艦の中で仕切ってるじゃない」
叢雲「そんな事ないわよ!」
何にせよ、今は駆逐艦だけで作戦を遂行しなければならない。残された時間も少ない。急がなければ。
叢雲「私と吹雪、如月、皐月、時雨、朝潮で行く。駄目なら何度でも出撃するわよ!」
雷「何度もって、入渠ドックいっぱいなんだけど・・・」
叢雲の指示で艦隊は出撃する。
成功させなければ、あとがない。
・・・・・・
*北方キス島沖*
叢雲「よし!」
羅針盤はキス島への航路を指し示す。
進むと、また敵水雷戦隊B群が現れ戦闘に突入する。砲雷撃で駆逐イ級 後期型2隻と駆逐イ級3隻を沈めたが、軽巡ヘ級flagshipだけが残り逃走しようとしている。
朝潮「追撃しますか!?」
叢雲「深海棲艦を沈めるのが目的じゃない!無視して先に進むわよ!」
追撃せずに艦隊はキス島に向かう。
次に現れたのは問題の水上打撃部隊。ここを突破できれば、キス島は目前となる。
叢雲「回避に集中!」
吹雪「攻撃は!?」
叢雲「しない!」
皐月「しないの!?」
今回の任務は深海棲艦を沈める事ではない。キス島に居る守備隊を収容し、撤退させる事さえできれば こちらの勝ちと言える。
叢雲は回避に専念し、できるだけ被害を抑え、隙を見て戦闘区域を離脱しながらキス島に突入しようと考えていた。
いくつもの砲弾を避けながら、離脱する隙を探す。深海棲艦からの砲撃の手が一瞬 緩み、叢雲は その隙を見逃さなかった。
叢雲「今よ、艦隊 全速!キス島に向かって離脱!」
艦隊は深海棲艦に背を向けて逃げる。深海棲艦は艦隊を追撃しようとして追い掛けるが、途中で動きを止めた。深海棲艦の目の前には、ダンテが立ち塞がる。
ダンテは叢雲達が行ったのを確認すると、深海棲艦に向き直る。
ダンテの手足が、衝撃鋼『ギルガメス』で金属に変わっていく。ギルガメスは生物と同化し、その身体の一部を鋼のように硬質化させる魔界 金属だ。ダンテは これを、手足を籠手と具足に変えて使用する。
ダンテ「悪いな、あいつらは忙しいってよ。代わりに俺が遊んでやるよ」
ダンテの顔に、フェイスマスクが装着されカンフーのような構えを取り、深海棲艦に突撃する。
・・・・・・
如月「なんとか逃げ切れたみたいね」
艦隊は深海棲艦を振り切れた事に安堵していた。まさかダンテが足止めしてくれているとは思いもしなかった。
キス島 周辺には濃霧が発生している。これは作戦通りだが、それだけでは駄目だ。キス島を包囲している深海棲艦を突破しなければならない。
霧の中を進み、電探に敵影の反応が出る。キス島 包囲艦隊だ。敵艦は軽巡ヘ級flagship、輸送ワ級2隻、駆逐イ級 後期型、駆逐イ級2隻で構成されている。
朝潮「この海域から出ていけ!」
先手必勝で弾着 観測射撃を開始する。これにより輸送ワ級2隻が沈み、駆逐イ級 後期型が中破となる。
叢雲「邪魔よっ!」
吹雪「いっけぇ!」
如月「いやだぁ~、髪が傷んじゃう・・・」
叢雲、吹雪、如月の砲撃で、駆逐イ級 後期型と駆逐イ級2隻が轟沈する。
軽巡ヘ級flagshipが砲撃してくるが、艦隊は難なく これを回避。この時点で戦力差は大きい。最早 敵艦隊は驚異ではない。
皐月「ボクと やり合う気なの?かわいいね!」
時雨「残念だったね」
朝潮「よし、突撃する!」
皐月、時雨、朝潮の集中砲火で軽巡ヘ級flagshipは轟沈 寸前だ。止めに6隻による雷撃で、軽巡ヘ級flagshipは轟沈した。戦闘が終わった頃には夜になっていた。
艦隊は深海棲艦の包囲網を突破してキス島に突入し、守備隊を収容する船も島に接岸した。
だが まだ油断はできない。深海棲艦は まだ他にも居る。濃霧と夜の闇に紛れてキス島を脱出し、守備隊を収容した船を安全な場所まで護衛しなければならない。
叢雲「最後まで気を引き締めて行くわよ」
叢雲の声に、随伴艦の5人は頷く。
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ダンテは敵艦隊の随伴艦を全て沈め、残すは戦艦ル級flagshipだけとなっていた。その戦艦ル級flagshipも既にボロボロだ。ギルガメスを装備したダンテの腕が、戦艦ル級flagshipの胸を貫き、腕を引き抜くと、戦艦ル級flagshipは轟沈した。
ダンテ「うわっ、止め刺すのミスったな・・・」
引き抜いたダンテの右腕は、血なのかオイルなのか よく分からない青黒い液体で濡れていた。ダンテは手を振りながら液体を振り払う。
ダンテ「さて、あいつらは上手くいったかな?」
ダンテは一足早く、鎮守府へと戻った。鎮守府に戻ったダンテは、黙って居なくなった事を怒られる事になる。ダンテとしては、黙っていたのではなく伝え忘れていただけだが、どちらにせよ、怒られる事には変わりはなかった。
・・・・・・
*Devil May Cry鎮守府*
2日後、幌筵泊地に駐屯していた艦娘達が鎮守府に戻ってきた。
皐月「司令官、ボク頑張ったよ!」
如月「如月も頑張ったんだから」
叢雲「1番 頑張ったのは旗艦の私でしょ?」
朝潮「朝潮も、司令官の為に頑張りました!」
叢雲「ちょっと!」
曙「あっれ~?糞提督に褒めてほしいの?」
叢雲「うるさいわね、事実を述べてるのよ」
曙「はいはい」
ダンテ「お、お前ら落ち着け!」
駆逐艦は褒められたい一心でダンテに じゃれつくが、そんな駆逐艦達の相手にダンテも四苦八苦していた。
天龍「今回はチビ共に手柄を持ってかれたな」
那珂「頑張ったのは皆 同じだと思うけどなー・・・」
龍田「でも、作戦を成功させたのは あの娘達だからね~」
・・・・・・
*大本営 元帥 執務室*
キス島 撤退作戦 成功の知らせは、元帥も報告を受けていた。
元帥「・・・任務は完了したみたいだな」
大和「では、ダンテ提督は・・・」
元帥「女に二言はない。約束だ。ダンテの着任を認めよう」
元帥が認めた事で、大和も嬉しそうに笑う。
これでダンテのクビは免れた。しばらくは提督として鎮守府に居る事になるだろう。
元帥「それに、面倒な仕事も片付いた」
大和「もしかして・・・」
元帥はキス島 撤退作戦の任務を どこの鎮守府に押し付けるか迷っていた。そんな時にダンテが戻ってきた。だから押し付けた。
だがダンテの着任の在り方に納得していなかったのも事実だ。キス島 撤退作戦を成功させても、失敗してダンテがクビになっても、どちらに転んでも元帥の思惑通りだったのだ。ダンテは ただ利用されただけ。
元帥「何か問題でも起こしたら、即除隊処分にしてやるがな」
大和「ダンテ提督は、信頼できる方です。元帥も もっと彼を信用してもらえませんか?」
元帥「それは これからの彼次第だ。悪魔からの驚異を2度 退け、武蔵と あきつ丸を救い出し、横須賀や舞鶴の提督が そうであるように、多くの者から信頼されているのは知っているが、私は まだ、信用できる程 彼を見ていない」
大和「なら、彼を ちゃんと見てください」
元帥「善処しよう。大和、ダンテを ここに呼んでくれ」
大和「・・・どうされるおつもりですか?」
元帥「そう身構えるな。着任は認めるが、こういうのは直接 会って話すべきだ」
大和は、Devil May Cry鎮守府に元帥からの呼び出しの連絡を入れる。
・・・・・・
ネロ「・・・・・・・・・」
加賀「・・・・・・・・・」
元帥「・・・・・・・・・」
大和「・・・・・・・・・」
数日後、来たのはダンテではなくネロと加賀だった。上官である自分が呼んでいるにもかかわらず、ダンテが顔を出さない事に元帥は不機嫌になっていく。
元帥「馬鹿者ー!!」
普通に海域 攻略するだけの話になっちゃった。
まぁ、たまには そんなのもいいですよね。
次回も よろしく お願いいたします!