82話です!どうぞ!
*Devil May Cry鎮守府*
深夜、静かな鎮守府を武装した集団が見ていた。
ダンテとネロが便利屋の仕事で出掛けたまま戻ってこないが、艦娘達は気にせず眠りに就いていた。
セリーナは自分の島に戻り、ここには居ない。
傭兵「行くぞ」
部隊を指揮している傭兵の1人が指示すると、傭兵達は一斉に動き出した。サイレンサー付きのスナイパーライフルで、夜の警備でゲートに居る2人の憲兵を狙撃。
音もなく鎮守府に近付き、傭兵の1人がノートパソコンから伸びたコードをゲートの横の配電盤に挿す。パソコンを少し操作すると、ゲートが開いた。傭兵達は そのまま鎮守府へと侵入した。
*本館*
本館の屋根で、川内は1人で月を見ていた。誰も夜戦の相手をしてくれず、頼みの綱であるダンテは留守にしている。暇なので、1人で月を眺めていた。
そこへ、暇潰しに飛ばしていた夜偵から入電が入り、川内の眼が鋭くなる。
夜偵を回収して屋根から飛び降り、艦娘寮へと走っていった。
*艦娘寮*
傭兵達は艦娘寮に接近していた。目的は艦娘の1人を確保すること。
傭兵「ここからは特殊弾に切り替える」
傭兵達は艦娘寮に突入しようとしたが、後ろから声を掛けられた。
川内「私達の家に、何か用?」
川内だった。既に艤装を展開している。
傭兵達は川内の質問には答えず、川内に銃を向けて臨戦態勢だ。
川内「何?夜戦してくれるの?じゃあさ・・・魚雷と砲弾、どっちで死にたい?」
傭兵達は川内に向かって発砲。川内は素早く横に走りながら砲撃し、物陰に隠れて銃弾を やり過ごす。人間の武器で艦娘は死なないが、当たるのは気分が悪い。
砲撃音に艦娘達は目を覚ました。
直後、けたたましい警報が鳴る。警報は まだ息のあった憲兵の1人が、最後の力で鳴らしたものだった。これにより艦娘達は緊急事態と判断し、すぐに動く。
外に出ると、川内と傭兵達が撃ち合っているのが目に飛び込んだ。
夕張「どうして人間が!?」
長門「お前達!これは何のつもりだ!」
艦娘達は艤装を展開し、無言の警告をする。だが傭兵達は臆することなく、艦娘達に銃を向ける。
曙「バッカじゃないの!あんた達の武器じゃ、私達には通用しないわよ」
そう言ったが、傭兵の1人が曙に発砲し、撃たれた曙は倒れた。人間の武器では死なない艦娘が、1発の銃弾で倒れた。この事態に、艦娘達に動揺が走る。
長門「曙!?」
時雨「どうして?人間の武器じゃ僕達は・・・」
傭兵達は艦娘達に向かって一斉に銃撃し始めた。だが艦娘達は反撃できず、次々と倒れていく。
長門「皆 逃げろ!ぐっ・・・!」
陸奥「長門!」
川内「どうして反撃しないの!?」
川内は皆を護る為に容赦なく砲撃し、魚雷を投げる。川内の攻撃に傭兵側も身体がバラバラに吹き飛ぶ者が出る。
艦娘達は人間へ危害を加える事は許されていない。そのせいで反撃に転ずる事ができなかった。過去、呉鎮守府に居た艦娘は非道な事をしてきた。川内は元呉鎮守府の所属だった為、そんな規則など お構い無しに攻撃している。
川内「何で憲兵も来ないんだよ・・・!」
当番でなかった他の憲兵も警報で起きていたが、傭兵の別の部隊に足止めされ、鎮守府内の別の場所で銃撃戦になっていた。
傭兵から逃げながら、赤城はダンテに電話を入れる。
ダンテ『何だ?まだ仕事中だ。目の前にゴリラが━━』
赤城「提督!鎮守府が襲撃を受けてます!」
ダンテ『深海棲艦か?』
赤城「それが、武装した人間なんです!」
ダンテ『人間~?』
赤城「早く戻ってください!あっ!?加賀さん!」
更に目の前に別の部隊が現れ、加賀が凶弾に倒れる。赤城も他の艦娘も撃たれ、皆 倒れていく。
傭兵「対象を確保」
赤城「加賀さん・・・」
赤城は薄れ行く意識の中、加賀が傭兵に連れていかれるのを最後に、意識を失った。
加賀を確保すると、他の部隊も鎮守府から引き上げた。
・・・・・・
*森林公園*
ネロ「相手を叩き潰すだけか?もっと お利口さんな所を見せてくれよ」
オラングエラは咆哮を上げ、口から空気弾を飛ばしてくる。ネロが枝から飛び退くと、空気弾が木を粉砕してしまった。
ネロ「あとは臭い息 吐くだけか・・・見かけ倒しだな!」
言うが早いか、ネロはオラングエラに特攻する。オラングエラが両拳を叩き付けてくるが、ネロは これを回避してレッドクイーンで腕を斬る。オラングエラが腕を横薙ぎに振るってくるが、ネロはバック宙で避けて空中でブルーローズを撃つ。オラングエラは飛び上がり、地上に着地したネロに身体全体を使ったプレス攻撃をしてくるが、ネロはカウンターでデビルブリンガーで殴り飛ばした。更にネロ自身も飛び上がり、空中に居るオラングエラを掴み、頭上で何度も振り回した後、地面に叩き付けた。地上に落ちたオラングエラは倒れたまま動かない。
ネロ「何だ?もう終わりか?・・・っ!?」
オラングエラが動かなくなった事を不思議に思い、近付くとオラングエラの両手がネロを掴んだ。
ネロ「ぐっ・・・油断した・・・!」
不用意に近付いたせいでオラングエラに捕まり、立ち上がったオラングエラはネロを締め上げる。ネロはオラングエラの両手の中で もがきながら脱出を試みる。もがいていると左腕を出す事はできた。その左手にはブルーローズが握られている。
ネロ「いい加減 放せよ!」
オラングエラの顔面に弾丸を撃ち込み、オラングエラは堪らずネロを放す。だが すぐに拳を叩き付けてくる。ネロも右腕を伸ばし、両者の拳が ぶつかり合う。
ネロ「俺と力比べしようってか?」
鍔迫り合いのような状態からネロは拳を振り切り、押し負けたオラングエラは体勢を崩す。その隙を突いて、パンチやキックの連撃を浴びせる。最後に、デビルブリンガーで渾身の一撃を与えて殴り飛ばした。ネロはダウンしたオラングエラに向かっていき、右腕にレッドクイーンによる連撃を与える。ネロはオラングエラの右腕を破壊した。続けて左腕にも連撃を与え、左腕も破壊した。
ネロ「そうなると、お得意の拳も使えないな。次は どこがいい?」
何とか立ち上がったオラングエラは口から空気弾を何発も飛ばしてくる。ネロは空気弾を躱しながらレッドクイーンのグリップを捻り、『イクシード』を発動する。推進剤 噴射機構が唸りを上げる。オラングエラに接近するとクラッチレバーを握り、炎が噴き出すレッドクイーンで何度も斬り付ける。更にイクシードを発動、オラングエラの胴体にレッドクイーンを突き刺し、クラッチレバーを捻る。オラングエラの肉体が抉られていく。そのまま今 突き刺している場所から、上に振り上げ斬り裂く。オラングエラは仰向けに倒れ、もがき苦しみながら消滅した。
オラングエラを倒したネロは、すぐに その場から離れる。心配なのは鎮守府だ。ネロも鎮守府に戻る為に急ぐ。
・・・・・・
*Devil May Cry鎮守府 正面ゲート*
ダンテが鎮守府に着いたのは、夜が明けてからだった。
鎮守府には、大本営から新たに派遣された憲兵達が居た。死体袋を運び、何かしらの作業をしている。
ダンテは鋭い嗅覚で、風に乗って運ばれてくる血の匂いを嗅ぎ取っていた。正面ゲート付近の地面には、誰の物とも分からない血痕が残っている。
ダンテは急ぎ敷地の中に入った。
・・・・・・
それから誰か居ないか、ダンテは鎮守府中を探し回った。医務室や他の場所を探しても、誰も居ない。まだ見てないのは食堂だけだ。念の為に、食堂に向かった。
*食堂*
食堂の近くまで行くと、いつもと様子が違った。食堂にあるはずの椅子やテーブルが、通路に放り出されている。
ダンテが中に入ると、艦娘達と負傷した憲兵が寝かされており、川内と明石、まだ動ける憲兵が負傷者の手当てをしながら忙しなく動いている。憲兵は頭や腕、足、腹部など、至る所に包帯が巻かれている。
ダンテが戻ってきた事に気付いた川内と明石が駆け寄ってくる。
川内「遅いよ!」
ダンテ「悪かった。何があった?」
憲兵「提督・・・」
ダンテを呼んだのは、那珂のファン1号を公言する憲兵だった。
ダンテは、川内と明石、傭兵から話を聞く事になる。
・・・・・・
憲兵「それで、自分達も連中の相手に手一杯で・・・すみません、皆を護る事ができずに・・・」
ダンテ「いや、よく生きててくれた」
憲兵にも死者が出ている。大本営から新たに派遣された憲兵が運んでいた死体袋には、傭兵だけでなく、この鎮守府に駐屯していた憲兵も含まれていた。
川内「それと、あいつら こんなの使ってた」
川内が見せたのは、川内が殺した傭兵が持っていた銃の弾丸。ダンテは川内から受け取り見てみるが、変わった形状をしていた。弾丸は透明な部分があり、中には何かの液体が詰め込まれている。艦娘達が撃たれたのは この弾丸だった。
艦娘達は生きている。今も意識は戻っていないが、この弾丸の中にある液体が、意識を奪った原因だろう。だが このまま意識が戻るのかは分からない。早急に対処するべきだろう。
明石「あと、加賀さんが見当たらないんです」
ダンテ「どこに行った?」
明石「分かりません。一緒に居たはずの赤城秘書艦も意識が戻らないですし・・・」
ダンテは赤城を見る。その表情には、安らぎも苦痛もなく、死んだように横になっていた。
明石「それと、大本営の元帥が、すぐに大本営に出頭するようにと」
ダンテ「分かった」
それだけ言って、ダンテは すぐに出発しようとする。
憲兵「気を付けてください!あいつらの装備は異常です。まるで この国で戦争を始めるつもりのようでした!」
その背中に向かって言うが、ダンテは聞いているのか聞いてないのか分からないが、そのまま食堂から出ていった。
川内「待ってよ!」
川内もダンテを追う。後ろから呼び掛けるが、ダンテは止まらない。
川内「ねぇ!ちょっと待ってってば!」
ダンテの前に回り込み、道を塞ぐ。それで やっとダンテは足を止めた。
ダンテ「何だ?」
川内「私も行きたい」
ダンテ「ちょっと話を聞くだけだ。必要ねぇよ」
川内「私、人を殺したんだよ。皆を護る為に、あいつら いっぱい殺した・・・。また神通と那珂を失うのかなって、皆 失っちゃうのかなって・・・」
川内は呉鎮守府に所属している時、姉妹艦である神通と那珂を取り戻す為に、アーロンに協力していた当時の呉提督の命令で非道な行いをしてきた。だが姉妹艦を本当の意味で助ける事は叶わなかった。川内にとっては、それは一種のトラウマなのかもしれない。当時の呉鎮守府は殺伐としていた。他の艦娘と親しくなる事もなかった。だが ここに来て、新たな姉妹艦を得て、他の艦娘とも絆を育んできた。川内は それを失うのが恐かった。
川内「私、解体されるのかな・・・?解体って痛いのかな?」
艦娘は人間に危害を加える事は許されない。それは重罪であり、解体処分される事が決まっている。その規則は、ダンテも知っている。
川内「どうせ解体されるなら、皆の為に戦って死にたい!だから、私も連れてってよ・・・」
ダンテ「・・・バカな事 言ってんじゃねぇよ。皆の為にやったんだろ?解体なんてさせねぇよ。もし あのババアが解体するってんなら、俺が海軍 潰して止めてやるよ。だから、皆を頼むぞ」
川内「・・・うん!」
ダンテ「行ってくる」
川内「いってらっしゃい・・・」
・・・・・・
*正面ゲート*
ダンテが大本営に向かう為に正面ゲートまで来ると、丁度ネロも戻ってきた。
ダンテは、川内と憲兵から聞いた話をネロに伝えた。
ネロ「加賀、どこ行っちまったんだよ・・・」
ダンテ「それと、大本営から来た憲兵 見張っといてくれ。俺が居ない間に、川内を解体されても困るからな」
ネロ「ダンテは どうする?」
ダンテ「俺は大本営に呼ばれてるからな、話を聞いてくる」
ネロ「分かった」
ダンテは大本営に向かう為に、鎮守府を出発した。
・・・・・・
*大本営 元帥 執務室*
大本営に着き、真っ先に元帥の執務室に向かった。中に入ると、元帥、大将、大和、そして見知らぬ男が1人 居た。
元帥「来たか・・・」
大将「今回は大変だったな」
ダンテ「前置きはいい。用件は?」
元帥「紹介しよう。こちらは公安警察の刑事だ」
ダンテ「公安?」
見知らぬ男は公安の人間だった。ダンテに仕事を依頼してきた刑事が調べていた傭兵絡みの事件は、今は彼が担当している。
公安「手短に話そう。今回そちらの鎮守府を襲撃したのは傭兵だ。こちらの調べで、今この国には傭兵達が密入国してきている」
ダンテ「そいつらの狙いは?」
公安「それは捜査中だ」
ダンテ「なら何が言いたい?」
大した情報を聞かされないのなら、なぜ大本営に呼ばれて この男に会わされたのか分からない。ダンテは自然と苛立ちを覚える。
公安「色々と思う所はあるだろうが、この件には関わらないでもらいたい」
大将「しかし、こちらも鎮守府を襲撃されている。無関係ではいられない」
公安「それは分かります。だが この件は我々が解決する。海軍は手を出さず、深海棲艦から海の平和を取り戻してください。それが役目でしょ?」
そう言って公安の刑事は執務室から出ていった。見送りの為に大和も出ていく。あとに残されたのは元帥と大将、ダンテだけだ。
元帥と大将は溜め息を吐いた。
元帥「困ったものだ・・・」
ダンテ「俺を呼んだのは これが理由か?」
元帥「それもあるが、他にも色々とある。兎に角お前は大人しくしていろ。これ以上 派手に動き回られては、こちらも困る」
ダンテ「それはムリな相談だ。俺が留守にしてる間に鎮守府が襲われた。加賀も消えた。何もしない訳にはいかない」
そう言ってダンテは、傭兵が持っていた銃の弾を執務机に置いた。その弾を見た元帥と大将は目を見開き、驚いたような表情を浮かべた。これが何か知っている・・・。
元帥「これを どこで?」
ダンテ「鎮守府を襲撃した傭兵が持ってたらしい」
元帥と大将は、この弾丸が何なのか説明を始めた。アーロンが身分を偽り、海軍に所属して深海棲艦を研究していた頃、同時に この弾丸を開発していた。アーロンの非人道的な研究が明るみになり、アーロンが失踪したのと同時に、この弾丸は全て破棄されたはずだった。
この弾丸は海軍でも詳しく分かっておらず、弾丸は特殊な物質で加工されており、艦娘が相手でも体内に撃ち込めるようになっている。中にある液体は、艦娘を昏倒させ、艤装との繋がりなど、その能力を封じる事ができる。ただ副作用なども不明で、危険と判断した当時の海軍が全て破棄したはずだった。
ダンテ「川内と明石 以外の皆は目を覚まさない」
元帥「これを明石に調べさせろ。これを調べれば、艦娘を助ける方法も判明するかもしれない。それと川内の事だが、襲撃してきた傭兵を何人か殺しているな」
川内の話になり、ダンテの眼の色が変わる。もしかすると解体の話かもしれない。
元帥「本来なら捕らえて尋問するべき相手を殺した。だが今回は事態が事態なので不問とする」
川内の解体は免れた。これで心配事が1つ減った。
だが元帥の話は まだ終わっていない。
元帥「お前を除隊処分にする」
有ろう事か、ダンテにクビを言い渡した。これに対し、ダンテは表情を変えない。大将も以前のように狼狽えていない事から、予め この話は知っていたのだろう。
元帥「お前は便利屋だ。ここから先は、海軍は責任を持たない。好きにしろ」
ダンテ「そうかよ」
元帥の最後の言葉を聞き、ダンテは笑みを浮かべながら執務室から出ていった。
大将「元帥にしては、珍しい判断でしたな」
元帥「何か言ったか?」
大将「いえ、何も・・・」
元帥「海軍の鎮守府を襲撃したんだ。こちらも黙ってはいられない。そのアホ共に痛い目を見せてやる」
大将「その為の除隊処分、という訳ですな?」
除隊処分は あくまで建前。本当に除隊処分なら、明石に調べさせるようには言わない。除隊処分にする事で、ダンテから海軍という足枷を外した。海軍と関わりがなくなったダンテが暴れ回り、どれだけの損害を出そうが、海軍には痛手にはならない。何故なら、クビになった後、ダンテが何をしようが海軍の責任の管轄外だから。
元帥は規則を重んじる人間だが、もしかすると話の分かる人間なのかもしれない。
元帥「もう一押し欲しいな・・・。大将、彼を・・・彼女?呉鎮守府から あいつを呼び寄せろ」
大将「はい!?あいつを呼ぶんですか!?」
元帥「今回の件に、あいつ程 適任な者は居ない」
大将「は、はぁ・・・」
呉鎮守府にも新しい提督が着任している。
今回の事件に適任とは、いったい何者なのだろうか?
・・・・・・
*Devil May Cry鎮守府 執務室*
ネロは執務室に居た。今できる事は何もないので、静かに執務室で待っていた。
川内も一緒だ。川内は執務室のソファーで寝ている。ダンテに大本営から来た憲兵を見張っておくように言われたが、1人で全員を見張るのは無理がある。だから逆に川内を目の届く範囲に置いているのだ。
執務室の電話が鳴った。ネロは自分が出ていいのか分からず、しばらく悩んだ。しかし、川内も寝ていて、起こすのも悪いので電話に出る事にした。
ネロ「Devil May Cry」
ダンテ『出るのが遅い』
ネロ「ダンテ?」
ダンテ『お前に言わなきゃならない事がある』
ネロ「な、何だよ?」
ダンテ『海軍クビになった』
ネロ「・・・え?は?」
ダンテ『何だ?耳 遠いのか?海軍をー!クビになったー!』
ネロ「うるせぇよ!聞こえてるっての!」
ネロも釣られて大声を出してしまったが、そこでハッとして川内が寝ているソファーを見る。川内は変わらず寝ていた。これにはネロも安堵して溜め息を吐く。
ダンテ『何だよ、聞こえてんのか』
ネロ「で、どうするんだよ?」
ダンテ『これで俺も お前もホームレスだな。ハッハッハッハッハッ!』
質問を聞いてないので、ネロは問答無用で電話を切った。そして また掛かってくる。相手がダンテと分かっているので出ないでやろうかと考えたが、仕方なく電話に出る。
ネロ「真面目に答える気になったか?」
ダンテ『とりあえず そっちに戻る』
ネロ「クビになったのに戻っていいのか?」
ダンテ『いつクビとは言われてない』
ネロ「(屁理屈だ・・・)」
ダンテ『俺は まだ寄る所がある。明石に傭兵が持ってた弾の中身、分析するように言っといてくれ』
ネロ「それなら もう始めてるぞ」
明石は、傭兵が持っていた弾丸を調べれば、他の艦娘が目を覚ます手掛かりが見付かるかもしれないと思い、独断で既に動いていた。
・・・・・・
*警察署*
ネロとの電話を終わらせた後、ダンテは警察署に来ていた。理由は、仕事を依頼してきた刑事に話を聞く為だ。彼は日本で動いている傭兵について調べていた。何か知っているかもしれない。
刑事「ここじゃ言えない。場所を変えよう」
*取調室*
刑事「それで、傭兵についてだったか?」
ダンテ「うちの鎮守府が襲われた。そいつらの情報 全部 教えてくれ」
刑事「って言われてもなぁ・・・」
刑事が持っていた傭兵絡みの資料は、全て公安が押収した。膨大な情報量を、資料ナシで伝えるには無理がある。
刑事「今 名のある傭兵が、ありとあらゆる方法で日本に来てる。だが全員、同じ所に雇われてるらしい」
刑事は大きい封筒の中身を見せた。そこには何人もの写真と、情報が記載されていた。全員 傭兵だ。それは以前の仕事で、川内が こっそり持ち出して刑事に渡した物だった。
刑事「あいつらは他人を信用しない。同じように雇われてる同業者を調べてたみたいだな」
ダンテ「知らない奴ばっかりだな」
刑事「知ってる方がヤバイだろ」
それでなくても、ダンテは この世界の住人ではない。いくら有名でも知るはずがなかった。刑事ですら、独自に調べなくては その名前を知る事はなかったのだから。
ダンテ「誰に雇われてる?」
刑事「それが分かれば逮捕しに行ってる。だが、これだけの人数だ。相当 金のある奴だろうさ」
・・・・・・
*テイラー・コープ 社長室*
加賀は椅子に縛られた状態で、意識を失っていた。アレックス・テイラーが何かの注射を撃ち、加賀は目が覚めた。
テイラー「おはよう。と言っても、もう昼前だけどね」
加賀「あなたは・・・」
加賀は辺りを見回す。他に居るのは武装した男が1人。これなら艤装を出せば どうにかなると思考を巡らす。
加賀「有名企業の社長さんが、私に何の用かしら?」
テイラー「・・・どうもしないよ。ただ教えてもらいたい事がある。君は あの鎮守府で秘書艦をやっているんだろ?なら石の在処を知ってるはずだ。どこにある?僕のスポンサーが探してるんだ」
加賀「(・・・は?)」
秘書艦は赤城だ。
それに石は、赤城が誰にも言わずに隠した。加賀ですら知らない。
もしかしなくても、赤城と間違えられている。
加賀「知らないわ」
テイラー「君は秘書艦だろ?なら知ってるはずだ。・・・いや、待てよ。君は赤城じゃないんだな?」
赤城でないと察し、アレックス・テイラーは傭兵と口論になる。その隙に、加賀は艤装を展開しようとしたが・・・艤装は現れない。
加賀「(どうして・・・)」
テイラー「もういい!本物の赤城を連れてこい!」
傭兵「ならギャラは2倍だ」
テイラー「2倍だと?」
傭兵「こっちも艦娘の反撃で仲間が死んでる。もう1回やるなら2倍だ」
テイラー「3倍だ。何が何でも連れてこい」
傭兵「・・・チームを編成する」
取り引きが成立し、傭兵は加賀を連れて社長室から出ていった。
テイラー「役立たずめ・・・!」
加賀が赤城でないなら、他の事で使い道を見出だそうとし、アレックス・テイラーは静かに思案するのであった。
どうしても話が長くなる・・・。
無理に引き延ばしてる訳ではないですよ。自然と こうなってしまったんです!
次回も よろしく お願い致します!