Devil May Cry鎮守府   作:しゅんしゅん@よし

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執筆し直しを繰り返して遅くなりました。
ごめんなさい!


86話です!どうぞ!


Mission86 帰郷~一時の休息~

*大本営*

 

テイラー・コープの事件から数日が経った ある日、大本営での事だった。

 

大和「武蔵」

 

武蔵「あ、あぁ、大和か。どうした?」

 

大和「ずっと腕に包帯 巻いてるけど、怪我でもしたの?」

 

武蔵「ま、まぁ、そんなところだ」

 

武蔵が腕に包帯を巻くようになってから様子が おかしい。急に大和にも余所余所しくなった。同じ時期に、あきつ丸の様子も おかしかった。何か思い詰めたような表情をする事が増えた。

 

大和「・・・腕を見せて」

 

武蔵「・・・断る」

 

腕を見せろと言われ、武蔵は心臓を鷲掴みにされたような錯覚を覚えた。この腕を見せなくない。

 

大和「見せなさい!」

 

大和は無理矢理 包帯を剥ぎ取り、武蔵の腕を見る。そこには、白い痣があった。

 

大和「・・・これ、いつから?」

 

武蔵「・・・・・・・・・」

 

 

・・・・・・

 

*Devil May Cry鎮守府 執務室*

 

翌日、鎮守府にセリーナが来ていた。

 

セリーナ「よし、準備が整ったぞ」

 

ダンテ「忘れ物するなよ」

 

ネロ「心配ねぇよ。荷物 少ないし」

 

セリーナは世界を越える為のゲートを開いた。

今日はネロとキリエがフォルトゥナに帰る日だ。キリエが消えた事で、フォルトゥナの孤児院に残された子供達が気掛かりだった。子供達の安否を確かめる為に、セリーナの協力でフォルトゥナに帰る事となった。

 

赤城「それじゃあ、キリエさんを呼んできますね」

 

ネロ「悪い。キリエなら、中庭の方に居ると思う」

 

赤城「分かりました」

 

 

・・・・・・

 

*中庭*

 

中庭では、加賀とキリエがベンチに座り談笑していた。

 

加賀「キリエが無事で良かった」

 

キリエ「ありがとう。何だか、立場が逆になっちゃった」

 

加賀「と言うと?」

 

キリエ「前は加賀がフォルトゥナに来たでしょ?今は私が加賀の家に居るから」

 

加賀「家・・・ふふっ、そうね」

 

キリエ「今でも信じられないけど、本当に違う世界に来たのね・・・」

 

加賀「大丈夫、こっちに居る間は、私達が護るから」

 

キリエ「ネロは迷惑 掛けてなかった?」

 

加賀「寧ろ逆よ。ネロには助けられたから」

 

そこへ、キリエを呼びに赤城が現れた。

 

赤城「キリエさん、準備が終わったので執務室まで来てください」

 

キリエは頷き、赤城と加賀と共に執務室に向かった。

 

 

・・・・・・

 

*執務室*

 

ネロ「じゃあ行ってくる」

 

ネロとキリエはゲートに入ろうとしたが、ダンテに呼び止められた。

 

ネロ「何だ?」

 

ダンテ「別に戻ってこなくていいんだぜ。俺1人でも充分だからな」

 

ネロ「バカ言うな。絶対に戻ってくるからな」

 

キリエ「じゃあ、また今度ね」

 

加賀「気を付けて」

 

ネロとキリエはゲートに入り、セリーナは入り口を閉じた。

ネロとキリエは、孤児達を連れて また戻ってくる。キリエだけをフォルトゥナに帰す事はできるが、また拐われては困る。ネロが また こちらに戻ってくる以上、キリエや孤児達を そのままにはできない。だが、戻ってくるにしても準備が必要だ。そして、その為の準備を夕張と青葉、工廠の妖精さんが進めている。

 

 

*グラウンド*

 

グラウンドの空いているスペースで夕張と青葉、工廠の妖精さん達がヘルメットを被って1軒の家を建設中だった。

ボロボロになった本館を修復したのだが、その時に夕張が またトラップを仕掛け直してしまった。

艦娘寮の部屋は殆ど埋まっており、キリエと孤児達は本館の会議室に布団を敷いて寝泊まりしてもらう案が出た。これに対し、ネロが反対した。爆弾がある所にキリエや子供達を寝かせられないという理由でだ。

許可なくトラップとカメラを仕掛けた夕張と青葉は、罰として家の建設をさせられる事となった。

 

夕張「私が造りたいの家じゃない!」

 

青葉「どうして青葉まで・・・専門外です!」

 

文句を言いつつも作業の手を止めないのは流石である。

建設が終わる頃に、セリーナがネロを迎えに行く手筈になっている。

 

 

*執務室*

 

ダンテ「さて、あいつも行っちまったし、俺も行くとするか」

 

セリーナ「半魔、戻ってきたら案内を頼む」

 

ダンテ「分かってる」

 

ネロが元の世界に戻る前に、ネロは ずっと忘れていた事を思い出した。それは遺跡にあった石棺だ。アレックス・テイラーが復活させたという古代の生物兵器。セリーナは何故あれが現代に現れたのか不思議だった。ネロの話を聞き、セリーナも合点がいった顔をした。石棺は もう1つあり、セリーナは石棺があった場所への案内を頼んでいた。

そして、ダンテは また元帥に呼ばれていた。

大本営に向かう為に、ダンテも出発した。

 

 

・・・・・・

 

*大本営 元帥 執務室*

 

元帥「よく来た」

 

ダンテと元帥はソファーで向かい合い、元帥はアレックス・テイラーが引き起こした事件について話し始めた。

 

元帥「街の被害は決して小さくはない。死傷者も出ている。が、被害が あれ以上 広がらなかったのは幸いだった」

 

ダンテ「・・・・・・・・・」

 

元帥「お前が助けた議員も、一命を取り留めた」

 

 

・・・・・・

 

時間を戻し、鎮守府カレー大会の6日前、車椅子の男性が家に帰る為に、街の中を移動していた。

彼はダンテが2度目に この世界に来た時、最後の魔界を封じる戦いに巻き込まれた。そして その時に、彼が勤務する崩れた会社の瓦礫に足を挟まれ、両足を失った。彼は会社を退職したが、不憫に思った会社の社長が援助の為のお金を送り続けている。彼は その お金で生活をしていた。

そして今、家の前まで来ると、高級車が停まっていた。こんな所で高級車が停まっているのを珍しく思いながら、彼は家の中に入った。家の奥まで行くと、見知らぬ男が背中を向けて立っていた。出掛ける時に鍵は掛けた。彼は侵入者に警戒しながら声を掛ける。

 

「あんた誰だ?」

 

男が振り返ると、その男はアレックス・テイラーだった。だが車椅子の男性は、アレックス・テイラーの事を知らない。

 

テイラー「やぁ、君に会いに来たんだ」

 

「何しに ここへ?どうやって入った?」

 

テイラー「そんな事は どうでもいい。君は復讐したいと思わないか?“英雄”と呼ばれる君の足を奪った男に」

 

「その話はやめてくれ!もう忘れたいんだ・・・」

 

テイラー「君は我慢できるのか?君の足を奪った男が、“英雄”と持て囃されているのを見て」

 

「・・・・・・・・・」

 

テイラー「僕なら復讐の手助けができる。これは僕からのプレゼントだ」

 

アレックス・テイラーが自分の後ろに置いてある物を見せると、それはテイラー・コープが製造している車椅子だった。

 

 

・・・・・・

 

鎮守府カレー大会から2日後、車椅子の男性の訴えにより、議会審問が開かれた。議会審問にはダンテが呼ばれ、質疑応答の中でダンテの処遇が決まる。

議会審問が行われる建物の外には、メディアやマスコミが殺到していた。

アレックス・テイラーも来ており、女議員と話していた。

 

テイラー「ついに この日が来た。彼は法によって裁かれ、この世界は人間の手に戻る」

 

女議員「前にも言いましたが、彼は悪魔から多くの人を救った。あらゆる面から審議し、問題がなければ現状を維持します」

 

テイラー「彼を排除しないと、後悔する事になる」

 

女議員「それは脅し?」

 

アレックス・テイラーは答えず、出口に向かって歩いていく。女議員は てっきり、アレックス・テイラーも議会審問を見ていくものだと思っていたので首を傾げた。しかし、時間も そろそろなので気にせず準備の為に戻る。

ダンテが来ると、メディアやマスコミは大騒ぎとなった。警備の人間がバリケードになり抑えている。警備によりできた道を通り、ダンテは建物の中に入った。

そして議会審問が始まり、議会審問には、車椅子の男性も傍聴席で どうなるか見守っていた。

議会審問は順調に進んでいるように見えた。議員が質問し、ダンテがありのままの事を話す。

 

女議員「では最後に、あなたが悪魔の驚異を排除し、多大な貢献をしてくれた事は知っています。しかし、同時に あなたを危険視する者も居ます。もし国民や政府が、この国から出ていくように言えば、あなたは どうしますか?」

 

ダンテ「それが政府の決定なら従うさ。だが それを決める前に皆に聞いてくれ」

 

議員「何をですか?」

 

ダンテ「俺が去っても、悪魔が残っていたら?」

 

それは鋭い切り返しだった。過去、陸軍と警察は何度か悪魔との戦闘経験がある。だが、どれも鎮圧するには至らなかった。もしダンテが この国を、延いては この世界から去り、もし悪魔が残っていれば、陸軍や警察だけでは その驚異に対抗できないかもしれない。

女議員はダンテの言葉に沈黙し、用意されていた水を飲む為にコップに手を伸ばす。だが その手は一瞬 止まった。コップに何かが貼り付けられていた。議員はコップを回し、貼られている物を自分に向ける。そこに書かれていたのは・・・

 

『世界を人間の手に取り戻す。じゃないと後悔する事になる』

 

アレックス・テイラーからのメッセージだった。

議員は気味の悪さを感じ、コップから手を離した。

そこで、突然 異音が鳴った。音は大きく、その場に居た者は全員 不愉快な音に耳を塞いだ。ダンテは周囲を見回し、音の発生源を探す。そして見付けた。異音は車椅子の男性から鳴っている。

 

ダンテ「おい」

 

ダンテが近付こうとすると、何の前触れもなく車椅子から巨大な爆発が起きた。外にも爆発の音が響き、黒煙が上がっているのが見える。

ダンテは瓦礫を押し退け、生存者を探す。皆 焼けて死に絶えている中、1人だけ まだ息のある者が居た。それは女議員だった。

ダンテは どうにか彼女を運び出し、あとの事を救急隊に任せた。

 

 

・・・・・・

 

*現在*

 

ダンテ「そうか・・・これからは苦労しそうだけどな」

 

元帥「こればっかりは どうしようもない」

 

女議員は一命を取り留めたが、全身に火傷を負い、嘗ての姿は見る影もない状態だった。全身を包帯でグルグル巻きにされ、病院に入院している。これからの彼女の人生には、想像も絶する苦難が待っている事だろう。

アレックス・テイラーは“法で裁く”と言いながら、車椅子の男性の不幸も、女議員の立場も利用し、ダンテを排除しようとした。刑務所に収監されたのは、誰にとっても いい結果だ。

 

元帥「それと、重要な任務がある。今すぐではないが、お前の鎮守府に任せるつもりだ」

 

ダンテ「本当に重要なのか?」

 

元帥の言う重要な任務。それは、南方海域 進出への橋頭堡 確立を図る出撃任務だ。

海軍は これから、深海棲艦に対し打って出る姿勢であり、その為の南方海域への出撃任務だ。

 

元帥「少しは お前を信用して任せるんだ。頼むぞ」

 

ダンテ「暇潰しができるなら何でもいいさ」

 

 

・・・・・・

 

*北方アルフォンシーノ列島沖*

 

鎮守府に戻ったダンテは、すぐにセリーナと、顔合わせ序でに付いてきた古鷹と加古と共に幽霊船で遺跡に向かった。

深海棲艦の泊地があった場所に船を接岸し、ダンテとセリーナは上陸した。

 

古鷹「ちょっと加古!提督 行っちゃったよ!」

 

加古「あたしゃ もうちょっと寝てるから先に行ってて・・・」Zzz・・・

 

加古は出発してから ずっと寝てる。まだ寝るつもりだ。だが真面目な古鷹が許すはずがない。

 

加古「はいはいはいはい!起きる!起きるから!スカート引っ張んないで!」

 

無理矢理 起こされ、古鷹と加古も遅れて遺跡に向かう。

先に遺跡に入ったダンテとセリーナは、遺跡の最奥へと進み、石棺が安置されている部屋まで着いた。

 

ダンテ「これが そうだ」

 

セリーナ「開けてくれ」

 

ダンテは石棺の蓋を動かし、2人で中を見る。中には既に干からびたミイラが入っているだけだった。

 

ダンテ「最初に見た時は、新鮮な女の死体が入ってたんだがなぁ。開けた途端に干からびた」

 

セリーナ「恐らく、現代の空気が合わず すぐに劣化したのだろう。この状態なら利用できないはずだ」

 

ダンテ「このミイラと、公園で派手に暴れた悪魔の関係を教えてもらってないんだが?」

 

セリーナ「あの悪魔を造り出す技術は、兄上が考えたものだ」

 

アーロンは古代での戦争で、強力な兵士が欲しかった。自分の民を悪魔に変貌させるだけでは満足できず、自身が編み出した技術で、悪魔に変貌した人間を更に協力な生物兵器に造り変えてしまった。

だが誤算もあった。戦力としては申し分ないが、狂暴性が増し、理性が失われる。アーロンも あの悪魔のコントロールはできなかった。

 

セリーナ「それでも兄上はやめなかった」

 

あの悪魔を造り出すには、悪魔の力を持つ元人間の身体、純粋な人間の血、そして石に秘められた力が必要だった。その為に、戦争中は多くの人間が魔の軍勢に捕まった。

そして あの悪魔により、人間側は劣勢を強いられる事となった。

 

ダンテ「テイラーが復活させる事ができたのは、アーロンの入れ知恵だろうな」

 

セリーナ「それは間違いないだろう」

 

ダンテ「しかし、何で そんな死体を置いとくのやら」

 

セリーナ「当時の人間が、石を封印する時に安置したのだろう。恐らく、完全に滅ぼす事を躊躇った家族か親しい者が」

 

ダンテ「家族の情ってやつか。石棺は他にもあるのか?」

 

セリーナ「無いと願いたいものだ」

 

セリーナも、当時の人間の死体が残されている事は知らなかった。石棺は他にもあるのか、無いのか、セリーナにも皆目 見当もつかない。今は無いと信じるしかない。

セリーナの目的も達成し、そろそろ遺跡から出ようとしたが、加古が立ったまま寝ている。

 

古鷹「加古、こんな所で寝ないで」

 

ダンテ「結局こいつは何しに来たんだ?」

 

古鷹「すみません、こういう娘なんです・・・」

 

加古を起こし、遺跡から出る。セリーナは そのまま自分の力で帰るらしく、現地解散となった。

 

 

・・・・・・

 

*船*

 

ダンテ「あっ、序でに送ってもらえば良かったな」

 

加古「いいじゃん、あたしは ゆっくり昼寝できるから このままでいいよ」

 

古鷹「加古、提督に失礼でしょ」

 

ダンテ「昼寝した分、次の出撃は加古に任せるか」

 

加古「えっ、マジ?」

 

ダンテ「冗談 言ってる顔に見えるか?」

 

普段のんびり屋さんな加古は、出撃という死の宣告に絶望し、寂しげに空を見上げていた。だが結局 鎮守府に着いた時には、また寝てた。

 

ダンテ「だから結局こいつは何しに来たんだ?」

 

古鷹「すみません・・・」




次回も よろしく お願い致します!
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