Devil May Cry鎮守府   作:しゅんしゅん@よし

88 / 551

しばらくゴチャゴチャした お話が続いてましたから、休憩がてら息抜き程度の お話を何回か挟もうと思います。

87話です!どうぞ!


Mission87 夕立~白露型と温泉旅行~

*Devil May Cry鎮守府 執務室*

 

ネロが元の世界に戻ってから2週間が過ぎた。

執務室には6名の艦娘が集められた。

 

大淀「南方海域への作戦期日が迫っているので、こちらも作戦に向けて準備しなければなりません」

 

赤城「今回は偵察任務ですから、くれぐれも無茶はしないように お願いします」

 

『はい!』

 

呼び集められた艦娘は神通、那珂、如月、文月、伊58、伊19の6名だ。

 

大淀「1度、泊地を経由してから任務に当たってください」

 

偵察任務は2日間 掛けて行われる。行くだけでも2日は掛かる見込みなので、鎮守府に戻ってくるのも考えると、今回の任務は合わせて6日間の任務と言える。

 

赤城「提督からは何かありますか?」

 

ダンテ「ない」

 

ゴーヤ「薄情でち・・・」

 

如月「司令官、せめて頑張れるような言葉を掛けてほしいな~」

 

ダンテ「じゃあ帰ってきたらピザだ。頑張れるだろ?」

 

大淀「それ、提督が食べたいだけですよね?」

 

ダンテ「何で分かった?お前エスパーか?」

 

大淀「(悪魔が出た時は凄く頼りになるのに、普段は どうして こんなに腹立たしいんだろ・・・?)」

 

冗談を言って笑ってるダンテに対し、逆に大淀の機嫌が悪くなる。赤城も2人の様子に苦笑いだ。偵察任務の艦隊も最早 何も言わない。

 

ダンテ「偵察ぐらいで大袈裟過ぎないか?早く行ってこい」

 

神通「では、行ってまいります」

 

艦隊は執務室から退室し、出撃ドックへ向かった。退室したのを見届けると、大淀の小言が始まる。

 

大淀「提督、艦隊の士気を上げるのも提督の務めですから、もう少し何か言ってあげてください」

 

ダンテ「あいつらを信用してるからさ。言葉で飾るよりも、信じてる気持ちの方が大事だろ?」

 

大淀「それも大事ですけど・・・」

 

ダンテ「お前は もう少し気持ちに余裕を持つ事を勧めるぞ。赤城を見てみろ」

 

赤城「無事に帰ってくるか不安で、ご飯も喉を通りません!」

 

言われた通り赤城を見ると、言葉とは裏腹に特大サイズの おにぎりを頬張っていた。更に2つ目の特大サイズの おにぎりを食べ始める赤城。

今この場に自分の味方が居ないと分かり、大淀は溜め息を吐いて考えるのを放棄した。

そこで、執務室の電話が鳴り、ダンテが電話に出た。

 

ダンテ「Devil May Cry・・・・・・・・・艦娘?どういう事だ?」

 

電話は大将からだったが、大将は一方的に電話を切り、詳しい事が分からないまま会話が終了した。

 

大淀「誰からです?」

 

ダンテ「大将だ。俺の艦娘を迎えに来いだとよ」

 

大淀「おかしいですね・・・」

 

鎮守府に所属している艦娘は、神通達のように遠征に出たり、近海の警備で出撃している。そうじゃない者は鎮守府で待機している。更に出掛ける話も聞いていない。つまり、大本営にDevil May Cry鎮守府の艦娘が居るはずがないのだ。となると、全く話が見えてこない。

 

ダンテ「ったく、用があるなら そっちから来てほしいもんだ」

 

仕方なく、ダンテは大本営に向かった。

 

 

・・・・・・

 

*大本営 食堂*

 

大本営に着き、大将の居場所を聞いたダンテは食堂まで来た。食堂では、大将と艦娘の夕立が昼食を摂っていた。

夕立の横には大きい荷物もある。

 

大将「やっと来たか」

 

ダンテ「俺の艦娘って どういう事だ?」

 

夕立「紅い提督さん、お久しぶりっぽいー」

 

この夕立はダンテと面識があるようだ。ダンテが知っている夕立となると、1人しか居ない。

 

大将「佐世保の夕立は知っているな?今日から お前の艦娘だ」

 

ダンテ「説明になってねぇよ」

 

佐世保鎮守府の夕立は異動願を出していた。行き先はDevil May Cry鎮守府。理由は、ダンテの鎮守府が楽しそうだから。大本営は異動願を受理し、今日が着任する日だったのだが、夕立はDevil May Cry鎮守府に着く前に迷子になった。

 

大将「大本営までは自力で来れたみたいでな。迷子になったと聞いた時は俺も驚いたぞ」

 

大将は笑っているが、話を聞いているダンテは笑えない。

しかし、艦娘が着任する話は聞いていない。鎮守府の事務的な管理を任されてる大淀も、秘書艦である赤城も知らなかった。

 

大将「連絡し忘れていたみたいだ」

 

大将は またもや豪快に笑う。それでいいのか?

そうなると、気になるのは佐世保鎮守府だ。

 

ダンテ「佐世保の提督は反対しなかったのか?」

 

夕立「即答でOK出たっぽい」

 

ダンテ「(あっさりしてるな)」

 

決まった事は仕方ないので、夕立を連れて帰る事にした。2人で車に乗り込み、鎮守府へ戻る。車内では、大した用でもなかったのでダンテのテンションが駄々下がりだった。

 

夕立「提督さん、元気ないっぽい?」

 

ダンテ「そうっぽい」

 

夕立「自分の事なのに、“ぽい”とか曖昧な言い方だと分からないっぽい!」

 

ダンテ「元気ないっぽい」

 

夕立「もー!“ぽいぽい”うるさいっぽい!」

 

ダンテ「お前、自分で言ってる事 分かってんのか?」

 

夕立「ぽい?」

 

ダンテ「(分かってねぇな)」

 

夕立の自由な性格に、ダンテの体力がガリガリ削られていく。それでも、無事に鎮守府に着いた。

 

 

・・・・・・

 

*Devil May Cry鎮守府 執務室*

 

鎮守府に着いたダンテは、夕立を連れて執務室に向かった。それから、赤城と大淀に夕立の事を説明した。

 

大淀「そういう事だったんですね」

 

赤城「夕立さん、これから よろしく お願いしますね」

 

夕立「こちらこそ、よろしく お願いするっぽい」

 

簡単な挨拶をしていると、夕立が着任した噂を聞き付けた姉妹艦が執務室に雪崩れ込んできた。

 

白露「夕立!」

 

夕立「ぽい~!」

 

夕立は姉妹艦に囲まれ、揉みくちゃにされる。

ダンテは鎮守府に着任している白露型を まだ全員 把握していない。執務室が混沌としていく。

 

ダンテ「誰が誰なのやら・・・」

 

赤城「せっかくですから、白露型の紹介をしましょうか」

 

赤城の指示で、まだダンテが知らない白露型の艦娘が挨拶をしていく。

 

村雨「はいはーい!白露型 駆逐艦『村雨』だよ。提督、よろしくね!」

 

春雨「白露型 駆逐艦 五番艦の『春雨』です、はい。輸送作戦は お任せください・・・です」

 

五月雨「『五月雨』っていいます!よろしく お願いします。護衛任務は お任せください!」

 

涼風「ちわ!『涼風』だよ。私が艦隊に加われば百人力さ!」

 

ダンテ「名札 用意してくれ」

 

白露「提督!ちゃんと覚えてよね!」

 

赤城「頑張って覚えてくださいね」

 

どんどん艦娘の人数が増えて、名前を覚えるのが一苦労になってきた。しかし、何故か名札は用意してもらえない流れとなる。

 

五月雨「提督、お茶を ご用意し・・・う、うぁぁぁぁ~、うあああ、あ~~~~!」

 

気を利かせた五月雨が、お茶を淹れて持ってくるが、躓いてお茶を ひっくり返した。ダンテは頭から お茶を被る事になってしまった。

 

五月雨「ごめんなさい!大丈夫ですか!?」

 

ダンテ「・・・熱い」

 

ダンテは五月雨 以外の艦娘に笑われる事となった。

 

 

・・・・・・

 

*食堂*

 

夕食時、夕立の紹介も終わり、ダンテは白露型に囲まれながら食事をしていた。

そんな中、夕立が何かの紙切れを出す。

 

夕立「提督さんに お願いがあるっぽい」

 

ダンテ「何だ?」

 

夕立「これ、連れてってほしいっぽい」

 

夕立が出した紙切れ。それは温泉旅行のチケットだった。佐世保の提督が、餞別に夕立に渡した物だ。それに食い付いたのはダンテではなく、艦娘 大人組だった。

 

陸奥「温泉、いいわね。お肌ツヤツヤになるし。ねぇ提督、私 行きたいなー」

 

陸奥がダンテの後ろから しなだれ掛かり、甘えてくる。しかし、それを金剛が阻む。

 

金剛「陸奥!提督から離れるデース!」

 

長門「陸奥ー!?」

 

金剛に突き飛ばされた陸奥は、他の艦娘を巻き込みながら豪快に吹き飛んだ。怪我がないか どうかだけが心配である。

 

金剛「提督ぅ!温泉デートしたいデース!」

 

ダンテ「(く、食えねぇ・・・)」

 

その隙に今度は金剛が、ダンテの後ろから抱き付いて甘える。力加減が おかしくてダンテの首が絞まる。それでもダンテは食事を続けようとするが、金剛が首を絞めながら引っ張るせいで上手くいかない。

そこで蒼龍が、夕立の持っているチケットを覗き見る。

 

蒼龍「温泉旅館に2泊3日!?」

 

飛龍「えっ!?旅館の料理、3日も食べれるの!?」

 

赤城「提督!私も行きたいです!」

 

大人の威厳を見せる為に我 関せずの姿勢だった赤城は、食べ物に釣られて大人の威厳を かなぐり捨てた。

 

吹雪「赤城さん、可愛いなぁ~」

 

叢雲「そう思える あんたは、将来 大物になるわ・・・」

 

そんな赤城の様子を見て吹雪は ご満悦だが、叢雲は呆れていた。

その後も色んな艦娘が自分も行きたいと騒ぐ中、それを良しとしない艦娘が声を上げる。白露だ。

 

白露「皆ちょっと待ってよ!これは夕立が貰った物でしょ?だったら、皆が我が儘 言っちゃ駄目だと思う」

 

時雨「白露・・・」

 

白露の正論に、騒いでいた艦娘達が静かになる。時雨も、白露が1番艦らしく しっかりとした意見を言った事に感動を覚えた。

 

白露「夕立が貰った温泉旅行は、白露型で行く権利がある!」

 

艦娘 全員が ずっ転けた。結局 自分が行きたいだけだった。白露なんぞ相手にしてられないかの如く、また艦娘達が騒ぎ始める。何にせよ、このままでは埒が明かない。

 

ダンテ「それ、全員で行けるのか?」

 

夕立「う~ん、分かんないわね」

 

『・・・・・・わね?』

 

口癖である“ぽい”が語尾に付いていない事で、食堂の時間が止まった。

佐世保鎮守府から来た夕立は、既に改二となっている。改二となって少し大人びた夕立は、時々 語尾が行方不明になる。

 

ダンテ「お前が行きたい奴と行ってきたら どうだ?」

 

夕立「佐世保の提督さんが、“保護者と行ってきなさい”って言ってたっぽい」

 

語尾が帰ってきた。

この場合、保護者となると、提督であるダンテになるだろう。夕立が貰ったチケットを大淀が確認すると、行けるのは三人分。夕立の話でダンテと夕立が行く事は自然と決まってしまったので、残る枠は1人。

 

ダンテ「となると、あと1人は鳳翔になるのか?」

 

鳳翔「私は駄目ですよ。お店もありますし」

 

大淀「それに全員は無理ですよ。南方海域への作戦もありますから。それに、そんな お金を捻出するのは無理です」

 

『えー!』

 

ダンテ「船にあった財宝は どうした?」

 

大淀「鳳翔さんの お店の建設費で殆ど使いました。僅かに残っていたのも、現在 建設中の家の建設費で飛びました」

 

赤城「じゃあ、あとの1人は私ですね!」

 

陸奥「何で そうなるのよ?保護者なら私でも大丈夫でしょ」

 

赤城「秘書艦 権限です!」

 

陸奥「秘書艦は関係ないでしょ!」

 

長門「お、おい、陸奥、落ち着け」

 

赤城「秘書艦 命令で全員 鎮守府で待機です!」

 

『職権乱用だ!』

 

秘書艦という立場を利用し、他の艦娘の反対意見を捩じ伏せた赤城。これで最後の1人が決まった。

大人の威厳?何それ美味しいの?

そもそも、赤城は狙われているようなので、ダンテと一緒に居る方が安心だ。

 

瑞鶴「加賀さん、いいの?」

 

加賀「何が?」

 

瑞鶴は悪い笑みで加賀に問い掛ける。加賀は瑞鶴に目もくれず聞き返す。それにより、瑞鶴は更に悪い笑みを浮かべて答えた。

 

瑞鶴「だって温泉だよ?混浴ぐらいあるだろうし、提督さんと赤城さん、混浴しちゃうかもよ?」

 

翔鶴「ちょっと瑞鶴」

 

瑞鶴は、普段 口うるさい加賀への意趣返しで意地悪な事を言ってやろうと思っただけだが、これが効果抜群だった。加賀の顔が みるみる青ざめていく。

 

加賀「駄目よ赤城さん!混浴なんてさせないわ!」

 

鈴谷「こ、混浴!?そんなの絶対ダメだし!」

 

赤城「ご飯 食べたいだけです!」

 

温泉に行きたい赤城、それを止めたい加賀、2人の取っ組み合いが始まってしまった。鳳翔も呆れて頭を抱え、どんどん食堂が荒れていく。

 

瑞鶴「あれ?何か これ、マズイ状況?」

 

翔鶴「ず、瑞鶴、どうするの!?」

 

間宮「あなた達!食堂で暴れないでって いつも言ってるでしょ!提督も止めてください!」

 

ダンテ「瑞鳳の卵焼きは最高だな」

 

瑞鳳「ほんと?やったぁ!」

 

止める気ゼロのダンテ。

1番 可哀想なのは神通、那珂、如月、文月、伊58、伊19だろう。南方海域まで遠征に行ってる間に、全員で温泉旅行に行く話をしているのだから。

今日も鎮守府は騒がしかった。

 

 

・・・・・・

 

*正面ゲート*

 

4日後の早朝、温泉旅行に行く為にダンテ、赤城、夕立、そして何故か他の白露型が荷物を持って出発しようとしていた。

赤城と白露型も、今回ばかりは外行きの私服で行くようだ。

なぜ夕立 以外の白露型も居るのかと言うと、白露が姉妹である自分達も行きたいと最後まで我が儘を言って、折れた大淀が白露達の旅費を用意した。見送りに来た大淀は最高潮に不機嫌だ。

見送りに来たのは大淀だけで、他の者は忙しかったり、興味がなかったり、自分が行けない事に拗ねて来なかった。

 

ダンテ「機嫌 直せよ。お土産 買ってきてやるから」

 

大淀「どこに そんな お金があるんですか?」

 

ダンテは溜め息を吐き、これ以上 刺激しない為に黙った。

ダンテと赤城、白露型は、大淀に睨まれながら鎮守府を出発した。

 

 

・・・・・・

 

*温泉旅館*

 

数時間 掛けて、昼頃にダンテ一行は温泉旅館のある町に着いた。そこは自然が豊かな田舎町だった。

旅館に入ると、女将が出迎えてくれた。

 

赤城「予約していた赤城です」

 

女将「これは これは、ようこそ お越しくださいました。まぁ、とても お若い奥様で」

 

赤城「お、奥様!?」

 

女将「お子さんも こんなに沢山、やはり お若い方は元気ですね」

 

赤城「こ、子供・・・元気・・・そうですね、子供は元気が1番です!」

 

女将「イヤですわ、奥様の事ですよ」

 

赤城「???????」

 

盛大に勘違いされている。しかも この女将、下世話な話が好きみたいだ。

意味を分かっていない様子の赤城に、村雨が耳打ちする。すると、女将の言ってる意味を理解した赤城は赤面した。それだけでなく、意味を理解していなかった事と、二重の意味で赤面していた。

ダンテと赤城の後ろでは、白露型がヒソヒソと話していた。

 

夕立「子供って、夕立達の事っぽい?」

 

時雨「そうなるね」

 

白露「じゃあ この場合、提督が お父さん?」

 

白露型はダンテを見上げる。ダンテを見ながら白露型は・・・

 

『(こっちに居る間は“お父さん”って呼ばなきゃ駄目なのかな?)』

 

どうでもいい心配をしていた。

女将に部屋まで案内され、荷物を置くダンテ一行。すると、女将から妙な注意事項を聞かされた。

 

女将「ここから見える1番 大きな山には、絶対 入らないようにしてくださいね。特に お子さんは」

 

赤城「何かあるんですか?」

 

女将が言うには、町の近くにある1番 大きい山には、古くから女の悪霊が出るらしい。その悪霊は山に入った子供を食べるらしく、何人もの子供が行方不明になったそうだ。その昔、町の子供が減る一方だったのを問題視した町の人間が、その悪霊を沈める為に子供を食べないでくださいと願いを込めながら、土地神として祀ったとか。その甲斐もあり、町には子供が増えたらしい。しかし、今でも時々、山に入った子供が帰ってこない事があるらしい。

 

女将「では、夕食時には お食事を ご用意させていただきますね」

 

そう言って女将は下がった。

奇妙な話を聞かされ、部屋が静まり返る。

 

赤城「山に入らなければ大丈夫でしょうし、それより お食事が楽しみです!」

 

ダンテ「楽しみなのはいいが、お前 太ったんじゃないか?」

 

赤城「ムッ!失礼ですね、太ってませんよ!」

 

ダンテ「いや絶対 太っただろ」

 

ダンテは赤城のお腹を服の上から摘まむ。すると、ダンテの顔に高速のビンタが入った。

 

五月雨「ええーーー!?」

 

赤城「お腹 摘まむなんて何 考えてるんですか!?セクハラですよ!それに、女の人に太ったとか言っちゃ駄目です!」

 

ダンテ「摘まめる程度には太っ━━」

 

それ以上 余計な事を喋らせない為に、赤城は部屋にある座椅子でダンテを殴り始めた。これは流石にマズイと思った白露型は、全力で赤城を止めた。

夕食まで時間があるので、ダンテは部屋で昼寝しようとした。だが、赤城と白露型は町を散策するつもりでいた。結局、白露型に無理矢理 外に連れ出され、散策に付き合う事となった。

 

 

・・・・・・

 

夕方には旅館に戻り、女将が言っていた通り夕食時には食事が運ばれてきた。赤城と白露型は、普段 食べない豪華な食事に ご機嫌だった。

 

ダンテ「(鬱陶しいな、どうやって食べればいいんだ?)」

 

春雨「て、提督?」

 

涼風「提督、何やってんだい?」

 

夕立「食べ方 汚いっぽい」

 

時雨「提督、散らかしちゃ駄目だよ」

 

村雨「提督、村雨が手伝ってあげる♪」

 

焼き魚の小骨を取るのに四苦八苦し、魚が分解されていた。見兼ねた村雨が、焼き魚の小骨を器用に取り除いていく。

 

村雨「はいはーい、ほら、バッチリ!」

 

ダンテがグチャグチャにした焼き魚は、村雨によって綺麗に身だけになった。

ダンテは焼き魚を食べながら、今日1日で気になる事を口にした。

 

ダンテ「今日、俺達 以外の宿泊客を見た奴は居るか?」

 

ダンテの問いに、赤城と白露型は お互いに顔を見合わせる。

 

時雨「そういえば・・・」

 

確かに誰も見ていない。艦娘達の間で、嫌な予感が駆け巡る。これは楽しい旅行だ。違うと思いたい。

 

夕立「もしかして、幽霊旅館っぽい~?」

 

夕立が幽霊のモノマネをしながら言うせいで、春雨と五月雨が冷や汗を流しながらブルブルと震えだした。

誰も喋らなくなった その時・・・。

 

女将「失礼します」

 

『ぎゃあああああ!!!!』

 

女将「ど、どうしました!?」

 

赤城「い、いえ、何でもありません!」

 

女将が入ってきた事に驚いた白露型が絶叫した。

女将の用事は温泉に入れる時間を伝えに来ただけで、それだけ伝えると女将は すぐに立ち去った。

 

 

・・・・・・

 

とりあえず気にしない事にし、食事を食べ終えて温泉に向かった。当然だが、ダンテは1人で男湯に入り、温泉に浸かりながら1人の時間を謳歌していた。他の宿泊客が居ないので、貸し切り状態だ。

男湯と女湯は竹の仕切りで隔たれており、隣同士になっている。女湯からは赤城と白露型の声が聴こえる。しかし、女湯に白露と夕立の姿はなかった。すると男湯に、身体にタオルを巻いた白露と夕立が入ってきた。

 

夕立「提督さん、背中 洗いっこするっぽい!」

 

白露「夕立、白露が1番に洗ってもらうんだからね!」

 

時雨「2人共、何で そっちに居るの!?」

 

男湯に女湯の声が聴こえるなら、逆に女湯に男湯の声が聴こえるのは然り。男湯から白露と夕立の声がして女湯はパニックになる。

 

赤城「提督、何してるんですか!?」

 

ダンテ「何も。こいつらが勝手に入ってきた」

 

時雨「白露!夕立!戻ってきて!」

 

涼風「おっ、何だ?背中 流し合うのか?だったら あたいも そっちに行くぜ!」

 

時雨「行かなくていいから!」

 

ダンテは この旅行に来る前に、鳳翔から温泉について説明を受けていた。その時に鳳翔は こう言っていた。

 

 

“温泉に浸かると疲れも取れますから、提督もリフレッシュできますよ”

 

 

ダンテ「(逆に疲れるのは何なんだ・・・?)」

 

そこへ、同じくタオルを巻いた涼風も現れた。

 

涼風「てやんでーい!あたいも混ぜろってー!」

 

時雨「涼風ー!」

 

初日から、温泉旅行はハチャメチャだった。こんな調子で、無事に温泉旅行は終わるのだろうか?

 

 

*山*

 

木が生い茂る夜の山奥で、黒く長い髪をした着物姿の女が夜空を見上げていた。




次回も よろしく お願い致します!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。