88話です!どうぞ!
*Devil May Cry鎮守府 執務室*
ダンテと赤城、白露型が温泉旅行に行った2日目、南方海域まで偵察に出ていた艦隊が戻った。報告の為に執務室に向かったが、居るのは加賀と大淀だけだった。
神通「あの、提督は どこに?」
大淀「提督なら赤城さんと白露型を連れて温泉旅行に行きました」
那珂「温泉!?」
如月「何で!?私 聞いてない!」
大淀「色々あったんです。色々・・・」
那珂「色々って何!?」
加賀「温泉・・・混浴・・・ぬぅっ!」
嫌な事を想像した加賀は、怒りに任せて書類を ひっくり返した。辺りに書類が散らばる。
加賀、無念なり。
*温泉旅館*
温泉旅館では、赤城が他の宿泊客が居ない事が気になり、女将に訊いてみた。すると、女将は困ったような表情をしながらも話してくれた。
最近、近隣の町では鬼が出没し、人を襲っている事件が多発している。赤城が今 居る町では まだ被害が出ていないが、そのせいで客足が遠退いたそうだ。
女将「あの、知らなかったのですか?」
赤城「初めて聞きました」
女将「もし あれでしたら、予定を早めて帰られた方がいいかもしれませんね。ここにも鬼が来るかもしれませんから・・・」
赤城「あっ、大丈夫です。こっちにも鬼みたいな人が居るので」
女将「は、はぁ・・・?」
向こうが鬼なら、こっちには魔人化するデビルハンターが居る。全然 恐くない。
意味が分からない女将は、気の抜けた返事しかできなかった。
・・・・・・
部屋に戻った赤城は、女将から聞いた話をダンテにした。ダンテも その話は初めて聞いた。
ダンテ「鬼か・・・」
赤城「もしかして、戦いたいとか思ってます?」
ダンテ「そりゃガッツがある奴なら戦いたいさ。最近は悪魔も見ないしな」
赤城「今日は駄目ですよ!せっかくの旅行なんですから、悪魔はナシです!」
ダンテは退屈していた。テイラー・コープの事件を解決してから、悪魔が現れた話がなかった。その“鬼”が悪魔なら是非 戦いたい。ダンテの戦闘本能が、戦いに飢えていた。
・・・・・・
白露型は、ダンテと赤城とは別行動だった。旅行という事で遊び道具を持ってきており、遊ぶには丁度いい広さの野原があった。今は そこでフリスビーをしている。
しかし、その野原がある場所が問題だった。そこは、旅館の女将が入ってはいけないと言っていた山の入り口の手前だった。白露型も最初は ここで遊ぶのはマズイと思ったが、山にさえ入らなければ大丈夫と考え、そのまま遊び始めてしまったのだ。
村雨「涼風 行くよー」
涼風「いよっ!待ってましたぁー!涼風の本気、見せたげるぅ!」
五月雨「うわっ!?」
涼風「あっ、わりぃ!」
村雨からのパスを見事キャッチした涼風は、五月雨にパスを回したのだが、フリスビーは五月雨の頭上を高く飛び越え、山の中に入ってしまった。
涼風「ヤッベー・・・」
夕立「どうするっぽい?」
時雨「山には入らない方がいい。諦めよ」
白露「白露が取ってくるね!」
時雨「駄目だよ白露!戻れなくなるかもしれないんだよ?」
白露「そこまで遠くには行ってないと思うし、見付けて すぐに出れば平気だよ!」
涼風「あたいも行くぜ。あたいが投げたのが悪かったし」
そして白露と涼風、何故か夕立まで山に入り、フリスビーを探した。フリスビーが落ちたと思われる辺りを しばらく探したが、中々 見付からない。
白露「おかしいなぁ~、この辺に落ちたと思うんだけど・・・」
夕立「全然 見付からないっぽい・・・」
涼風「もっと奥かもしれねぇ。行ってみようぜ」
有ろう事か、白露、夕立、涼風は更に山の奥へと行ってしまった。
山の入り口では、時雨、村雨、春雨、五月雨が早く戻ってきてほしいとソワソワしながら待っていた。いくら待っても戻ってこない事で、4人に焦りが募る。
時雨「白露!夕立!涼風!もういいから戻ってきて!」
山に向かって叫ぶが、返事がない。悪い状況ばかりが頭に浮かんでしまう。
春雨「もしかして・・・」
五月雨「ひっ・・・!?」
静寂の中、草木が風で揺れる音に五月雨も不気味さを感じ怖がる。
このまま待つ事もできるが、山に入った3人が心配だ。
村雨「探しに行った方が良くない?」
時雨「全員で行くのは得策じゃない。僕と村雨で探しに行くから、春雨と五月雨は提督と赤城さんを探してきて」
4人は役割分担し、二手に別れて行動を開始した。
*町*
その頃ダンテと赤城は、温泉宿がある町で食べ歩きをしていた。と言っても、赤城1人が食べており、ダンテは付き合わされているだけだ。それでも文句を言わずに一緒に歩いていた。
赤城「提督、見てください。お饅頭ですよ」
ダンテ「5分前に似たようなの食べてなかったか?」
赤城「全部 制覇しないと気が済みません!」
ダンテ「(太るって言ったら また怒るんだろうなぁ・・・)」
食べ歩きを楽しんでいると、静かな町には不釣り合いな悲鳴が聴こえてきた。ダンテと赤城は1度 顔を見合わせてから、悲鳴の発生源と思われる場所に向かった。
町の とある場所では、鎧武者のような甲冑を身に纏った鬼が暴れていた。その手には、ノコギリ刃になっている大剣が握られている。
鬼は逃げ遅れた住民を捕まえ、首筋に噛み付いた。恐らく生き血を飲んでいる。
すると、鬼の背中に数発の弾丸が命中する。鬼は住民を投げ捨ててから振り返ると、そこにはダンテと赤城が居た。
ダンテ「随分と食い散らかしてくれたな。食べ過ぎは体に悪いぜ。知ってるか?ダイエットに成功しても、その後にはリバウンドってのが待ってるんだ」
赤城「鬼に向かって何 言ってるんですか!?私への当て付けですか!?」
ダンテ「鬼か どうかは知らんが、こいつは悪魔だ」
赤城「そ、そうなんですか?」
ダンテ「あぁ、掃き溜めの臭いがプンプンしてるぜ」
赤城「何でもいいから早く片付けてください。こんな時まで悪魔と関わりたくないです」
ダンテ「はいよ」
ダンテは鬼 改め悪魔に向かっていき、リベリオンを振り下ろす。悪魔も その手に持つ大剣を振り、両者は鍔迫り合う。鍔迫り合いの最中、ダンテは悪魔の持つ大剣の刃を見る。
ダンテ「おーおー、それでギコギコされたら痛そうだ」
ダンテが軽口を飛ばしていると、悪魔はリベリオンを押し退け何度も斬り掛かってくる。ダンテはヒラヒラと避け、躱した流れで後ろに回り込むと、悪魔の背中を斬り付けた。そこからはリベリオンによる連続斬りのラッシュが始まる。
悪魔はダンテから距離を取る為に、口から火炎を吐き出した。ダンテは飛び退き、火炎を回避する。
ダンテ「この時期に火遊びするんじゃねぇよ。空気が乾燥してる時期は火事になりやすいって知らないのか?」
赤城「冗談 言ってないで早くしてください!」
ダンテ「悪いな、うちの秘書艦様が早く終わらせろってよ。Drive!1!2!」
ダンテはリベリオンを逆手に持ち、3つの紅い衝撃波を放った。悪魔も口から火炎を吐き出し、衝撃波と火炎が ぶつかると爆発四散した。
悪魔の姿は消えていた。
赤城「鬼退治も終わりましたし、早く食べ歩きの続きを!」
ダンテ「赤城、残念な お知らせだ」
赤城「まさか・・・」
ダンテ「手応えがなかった。あいつは まだ生きてる」
悪魔を倒せていなかった事実に赤城が落胆していると、慌てた様子で春雨と五月雨が来た。春雨と五月雨はダンテと赤城に白露達の事を話した。
赤城「山に入っちゃったんですか!?」
ダンテ「何で そんな所で遊んでた?話 聞いてなかったのか?」
五月雨「ご、ごめんなさい・・・」
春雨「あの・・・その・・・山にさえ入らなければ平気だと思って・・・」
赤城「どうしますか?悪魔も野放しですし」
ダンテ「お前らは宿に戻れ。俺が探してくる」
赤城「逆の方が良くないですか?」
赤城は自分が白露達を探しに行き、ダンテに悪魔の方を対処してもらおうと考えていた。
ダンテ「悪霊が出て どうにかできるのか?」
赤城は黙ってしまった。霊媒師ではないので、悪霊が出ても どうすればいいか分からない。だがダンテなら、悪霊も どうにかできるかもしれない。結局ダンテに任せるしかなかった。ダンテは山に急ぎ向かった。
ダンテを見送った赤城、春雨、五月雨。
五月雨「私達は どうしましょうか?」
赤城「そうですね・・・。とりあえず お尻ペンペンです!」
「「ええーー!?」」
五月雨「こ、ここでですか!?」
罰として お尻ペンペンの刑が決まり、驚愕する春雨と五月雨。反対に赤城の顔は にこやかだった。
*山*
時雨「見付けた!白露!夕立!涼風!」
夕立「ぽい?時雨達も探しに来たっぽい?」
時雨「僕達が探しに来たのは3人だよ!」
時雨と村雨は、白露、夕立、涼風と合流できた。しかし、随分と山奥まで入ってきてしまった。
時雨「早く旅館に戻ろう」
白露「でもフリスビー見付かってない」
時雨「フリスビーは もう諦めて。ここに居たら悪霊に食べられちゃうよ?」
白露「それは嫌!」
時雨「じゃあ早く戻ろう」
合流した5人は、フリスビーを諦めて来た道を引き返す。山の中を5人 仲良く歩いていく。ずっと歩き続ける。
村雨「・・・あのさ」
時雨「うん、たぶん同じ事 考えてると思う」
5人は ずっと山の中を歩き続けていた。山には真っ直ぐに入っていった。なら、同じように真っ直ぐ歩いていけば下山できるはずだった。なのに、どれだけ歩いても山から抜け出せないでいた。
時雨「マズイね、これ完全に迷子だよ」
夕立「もう疲れたっぽい~」
涼風「何でぇ!だらしないな。あたいは まだまだ歩けるよ!」
白露「白露も疲れた~」
村雨「すこし休憩しない?」
時雨「日が暮れる前には出たいんだけど・・・」
時雨はダンテか赤城に連絡する為にスマホを取り出す。電話を掛けようとしたが、圏外で連絡手段まで断たれた。
時雨「仕方ないね、少しだけ休憩しよう」
同じ頃、ダンテも山の中に入っていた。
休憩を早々に切り上げ、5人は山の中を進む。すると、1軒の日本家屋が見えてきた。人が住んでいるなら、帰り道も分かるかもしれない。助けを求める為に、5人は駆け足で家に近付いていく。
白露「あっ!」
家の近くまで行くと、白露型が遊んでいたフリスビーが落ちていた。今 居る場所は かなり山奥だと推測できる。遊んでいた場所から投げても、ここまで飛んでくるとは思えない。かなり不自然な状況だが、5人は迷子になっている事もあり、そこまで考えが回らなかった。気にせずフリスビーを回収して、家の戸口をノックする。
白露「ごめんくださーい!誰か居ませんかー?」
返事がない。留守なのだろうか?
白露が戸に手を掛けると、少しだけ開いた。どうやら鍵は掛かっていないようだ。白露は そのまま中に入ってしまった。
時雨「白露、勝手に入っちゃ駄目だよ」
白露「聞こえてないのかもしれないし、玄関の中から呼べば気付いてくれるかもしれないでしょ」
白露の提案に、他4人も中に入った。
どれだけ呼んでも返事がなく、それ処か人の気配すらない。家の中は玄関から奥へと続く通路があり、薄暗い。やはり誰も居ないのかと思い、5人は どうするか相談を始めた。話し合っていると、村雨が何かに気付いた。
村雨「ねぇ、ひ、人が・・・」
村雨が指を指しているのは家の奥。そちらを見てみると、長い髪をした着物姿の女が こちらを見て立っていた。着物姿の女を見た瞬間、5人は汗が噴き出し身体が震え出す。何故かは分からない。自分達の中の何かが、その女が異質な存在だと警鐘を鳴らしている。逃げようと思っても、金縛りのように足が動かない。悲鳴を上げたくても声も出ない。
女は床を滑るように白露達に近付いてくる。それだけでも不自然だった。摺り足で近付いたのだとすれば、足が動くはず。女の足は動いているようには見えなかった。何よりも、速さが凄かった。一瞬で白露達と間合いを詰めた。
女は白露の顔を覗き込むように顔を近付けてくる。白露の視界には、死人のように青白い肌の女の感情のない顔が迫る。何を どう考えても、この女が女将の言っていた悪霊に違いない。
そして、順番に時雨、村雨、夕立、涼風の顔を覗き込んでいく。
白露「(怖い怖い怖い怖い怖い!!白露 食べないで~!!)」
時雨「(提督、僕達もう駄目かもしれない!)」
村雨「(ひぃ~~~!!)」
夕立「(ぽい~~~!!)」
涼風「(て、てやんでい!やる気なのかぁ!?)」
動けないまま女に見詰められた5人は、自然と涙が零れ落ちる。
女は顔を離すと、白露の持っているフリスビーを指 指す。白露は意味が分からず戸惑ったが、思いきってフリスビーを渡してみた。手だけは どうにか動かせた。女はフリスビーを受け取ると微笑んだ。そこで白露達5人の意識は途切れた。
気が付くと、白露達は山の入り口で倒れていた。もう夕方になり、空は茜色に染まっている。さっきのは夢だったのかと首を傾げたが、怖い思いをしたので急いで宿泊先の旅館へ戻った。
・・・・・・
*温泉旅館*
旅館に着いた5人は、部屋に居た春雨と五月雨の2人と再会して抱き締め合った。抱き締め合うと言っても、7人も居るので円陣を組むような形になっている。赤城も、無事に5人が戻ってきた事に驚きつつも、それを見て笑っていた。
赤城「どうして入っちゃいけないと言われてた山に入ったんですか?」
白露「フリスビーが山に飛んでっちゃって・・・」
時雨「止めたんだけど、白露と涼風と夕立が勝手に入ったんだ・・・」
村雨「それで中々 戻ってこないから仕方なく・・・」
夕立「そしたら幽霊に出会したっぽい~・・・」
春雨「ゆ、ゆゆゆゆ幽霊!?」
五月雨「だ、大丈夫だったの?」
涼風「う~ん、それが、意識がなくなって気付いたら山の外だったんだよなぁ~」
赤城「兎に角 無事で何よりです」
5人が無事だったのは喜ばしい事だが、そうなると1つ気になる事がある。
赤城「提督は どうしました?」
白露「へ?提督?」
時雨「見てないけど」
どうやらダンテとは入れ違いになってしまったようだ。ダンテが自分達を探しに山に入ったのに、自分達は さも当然のように先に戻ってきた。ダンテが自分達を探している事を聞かされ、白露、時雨、村雨、夕立、涼風は血の気が引く。
村雨「提督、絶対 怒ってるよね・・・?」
白露「お仕置きだけは絶対に嫌だー!」
時雨「提督が怒ると、何されるか分からないよ・・・」
その時、旅館の外から悲鳴が聴こえた。赤城は また悪魔が出たと判断し、白露型を連れて すぐに行動に出た。
*山*
ダンテ「白露!時雨!村・・・村・・・村雨!夕立!す・・・す・・・?鈴谷じゃなくて、涼風!どこだ!」
ダンテは山の中で白露達を探し続けていた。大声で呼び掛けても返事がない。
ダンテ「クソッ、あいつら どこまで行きやがった?」
探しながら更に山の奥へ進んでいくと、ダンテの目の前に着物姿の女が現れた。ダンテも すぐに、その女が女将の言っていた悪霊だと分かった。
他に誰も居ないので、とりあえず目の前の女に白露達の事を訊いてみる事にした。
ダンテ「よう、5人組の お嬢ちゃん達 知らないか?1人はバカ丸出しで、もう1人は黒髪の落ち着いた奴、ツインテールが1人に“ぽいぽい”うるさいのが1人、最後に気合いの入った奴だ。探しても見付からなくてなぁ。それとも、アンタが食べちまったのか?」
ダンテは女の出方を見ていたが、女は何も答えない。しかし、少しすると女は町の方角に指を指した。ダンテは1度、そちらを見てみるが、見えるのは鬱蒼と生い茂る草木だけ。女の方に向き直ると女は消えていた。
ダンテ「仕方ない、行ってみるか・・・」
ダンテは女が指し示した通り、町に戻る道を引き返していく。山から出ると、町からは煙が上がっていた。ダンテは全く休めない旅行にウンザリしながら、町へと急いだ。
*町*
町では悪魔が口から火炎を吐き、町を焼き払っていた。赤城と白露型も、町の人を避難させながら艦載機と主砲で応戦していた。
涼風「あいつ何だよ!全然 倒れねぇし!」
赤城「くっ、もう日が暮れる・・・」
砲撃や爆撃は当たっているが、鎧武者の悪魔は中々タフだった。
空は暗くなり、このままでは艦載機も使えなくなる。そうなると、戦力ダウンは必至だ。
ダンテ『
気合いの一声と共に、魔人ダンテが両手でリベリオンを横凪ぎに振るい、悪魔を吹き飛ばした。
赤城「提督!」
ダンテも無事に戻ってきた事で、赤城も自然と笑みが溢れる。
立ち上がった悪魔は咆哮を上げ、戦闘体勢となる。そして、鬼と魔人が ぶつかり合う。両者は町の中を駆け抜けながら何度も剣を交える。赤城達も それを追った。
・・・・・・
*山*
戦いの流れで悪霊が出る山まで来てしまった。剣を交えながら、ダンテと悪魔は山に入っていく。
ダンテを追ってきた白露型は頭を抱えた。
白露「何で この山に入っちゃうのー!?」
五月雨「赤城さん、どうしましょう?」
赤城「・・・・・・・・・」
時雨「僕達も行こう」
村雨「本気?」
時雨「日が暮れて艦載機は使えない。戦えるのは僕達だけだよ」
赤城「そうですね。それに、提督と一緒なら きっと大丈夫です」
赤城と白露型は意を決して山に入った。
ダンテと悪魔は移動するのをやめ、再び剣を ぶつけ合う。お互いに ここで決着を着けるつもりだ。
ダンテはギルガメスを装備し、悪魔の胴体に連続パンチを入れてから最後に蹴り飛ばす。
悪魔は すぐに体勢を整え直すと、悪魔の眼が白く光った。すると、ダンテが立っている場所で爆発が起きた。
ダンテ『妙な技を使うじゃねぇか』
何度も爆発が起きるが、ダンテは地面を転がり回避する。パンドラを3枚刃のブーメランに変形させて投げると、悪魔は大剣でパンドラを弾いた。ルシフェルを装備したダンテがトリックスターの能力で高速接近する。
ダンテ『爆発なら こっちも得意だぜ!』
ダンテは爆発する剣を悪魔の周りに配置していく。悪魔も最初は警戒していたが、何も起きない事に警戒を緩め、手に持つ大剣で爆発する剣を壊そうとした。悪魔の大剣と爆発する剣が触れた瞬間、爆発した。それを引き金に、他の爆発する剣も悪魔を巻き込んで爆発していく。
更に追い打ちを掛けるように砲弾が飛んできた。そちらを見ると、艤装を展開している白露型と、後ろに下がって待機してる赤城が居た。
黒煙が風に流されると、悪魔は まだ立っていた。悪魔は鎧を脱ぎ捨てると肥大化し、筋肉質な身体になる。そしてダンテに急接近する。鎧を脱ぎ捨てた事で、悪魔のスピードが飛躍的に上がったようだ。
春雨「速い・・・!」
白露型は砲撃で悪魔の足止めをしようとするが、動きが速くて当たらない
悪魔は間合いを詰めると火炎を吐き出し、ダンテが炎に包まれた。
時雨「提督!?」
艦娘達の心配を振り払うように、炎の中から魔人の腕が出てきた。魔人の手は悪魔の顔面を掴み、悪魔は火炎を吐く事ができなくなる。炎が完全に消えると、無傷のダンテが現れた。
ダンテ『火遊びするなって言っただろ』
ダンテの手足が魔界金属に覆われていき、悪魔の顔面を掴んだまま もう片方の手で殴り、膝蹴りを入れ、打撃のラッシュを与えていく。悪魔を放すと、至近距離で紅い衝撃波『ドライブ』を ぶち込んだ。
同時にデビルトリガーも解除され、元の姿に戻る。
ダンテ「時間切れか」
悪魔はフラフラと立ち上がった。まだ生きているが、それでも満身創痍だ。
赤城「提督!大変です!」
振り返ると、悪魔が吐き出した火炎が飛び火したのだろうか?山に火の手が上がる。このままでは山火事になり、近隣の町に被害が出る。
悪魔は再びダンテに戦いを挑もうとするが、できなかった。
ダンテ「何だ?」
夕立「あの人・・・」
村雨「・・・ここで見た幽霊さん」
山に現れた女が、悪魔の後ろから組み付いている。悪魔は女の腕を振解こうとするが、女は離れない。どうなるのかダンテと艦娘達は成り行きを見守っていたが、女は悪魔を山奥へと引き摺り込み、暗闇へと消えた。
白露「えっと・・・どういうこと?」
時雨「助けてくれたのかな?」
ダンテ「おい何だよ。獲物を横取りされちまった」
春雨「それより、このままじゃ火が燃え広がっちゃいます!」
夕立「提督さん、どうするっぽい?」
ダンテ「お前ら、しっかり踏ん張っとけよ」
赤城「えっ?何する気ですか?」
ダンテは答えず上空に飛び上がる。更に足下に魔方陣を形成し、それを足場に更に飛び上がる。可能な限り飛び上がると、地面に向かって急降下する。ギルガメスを装備した拳を地面に叩き付ける事で、ダンテを中心に衝撃波が発生する。
涼風「うおおおおおおい!?」
衝撃波で火を消し飛ばして鎮火するが、艦娘達も吹き飛ばされた。
ダンテ「こんなもんだな」
白露「し、死ぬかと思った・・・」
その後、悪魔が どうなったのか気になるものだ。少しの間 山の中を探したが、悪魔の気配も臭いもなく、悪魔が現れる事もなかった。
・・・・・・
翌日、鎮守府に帰る日が来た。荷物を纏めて旅館を出発する。ダンテ達の後ろでは、旅館の従業員だけでなく、町の人々も頭を下げて、ダンテ達を見送っていた。町の人々は今回の騒動を、ダンテ達が解決したのを知っている。感謝の意を込めて、町の人間 総出で お見送りをしてくれているのだ。白露型の7人も、町の人達に手を振る。
涼風「いやー、こうしてると、まるで時代劇の主人公みたいだな!」
村雨「分かる分かる。旅の途中で立ち寄った町で悪者をやっつけて、旅を再開する時に、町の人達に感謝されながら見送られる感じでしょ?」
白露「もしかして白露達、今1番カッコいい!?」
時雨「こら!1番 頑張ったのは提督なんだから」
ダンテ「何でもいいから早く帰ろうぜ。もう旅行は懲り懲りだ」
白露「痛い!」
突然、白露の後頭部に何かが当たり、地面に落ちた。落ちた物を見てみると、それは白露が山の中に居た女に渡したフリスビーだった。
『アハハハハハハ!』
フリスビーを拾うと、どこからか女の奇妙な高笑いが聴こえてきた。フリスビーと その声に、白露型の7人は戦慄した。
白露「は、早く帰ろ!」
涼風「提督 急げ!」
五月雨「赤城さんも!」
ダンテ「お、おい!」
赤城「うわっ!?ちょっと!」
白露型はダンテと赤城の手を引っ張りながら、急いで その場から逃げる。
今回の旅行でダンテと赤城と白露型は、土地神として祀られる悪霊が居る山で、不思議な経験をして帰る事となった。
次回も よろしく お願い致します!