Devil May Cry鎮守府   作:しゅんしゅん@よし

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91話です!どうぞ!


Mission91 和平~連れ去られた秘書艦~

*Devil May Cry鎮守府 食堂*

 

赤城「や、やってしまった・・・」

 

赤城は現在、非常に焦っていた。目の前には空になったストロベリーサンデーのグラスがある。そろそろ昼時なので、ダンテが来るであろう時間を見計らって間宮が用意したのだが、赤城が間違えて食べてしまった。間宮に事情を説明し、新しいのを作ってもらおうとしたが・・・

 

間宮「それは困ったわね。もう材料が無くて、さっきので最後だったの」

 

最後の1品だった。

ちょっと謝れば済む気もするが、赤城 自身は そうもいかなかった。自分は秘書艦だ。そんなミス、許されるはずはないと。

 

加賀「いや、普通に謝れば提督も許してくれるのでは?」

 

赤城「駄目です!秘書艦である私が、提督のストロベリーサンデーを盗み食いしたなんて、一航戦の恥です!」

 

ダンテ「今日のメニューは何だろうな?」

 

ネロ「俺はキリエが作ってくれてるから戻るぞ」

 

ダンテ「何だよ、付き合い悪いな」

 

食堂の外からダンテの声が近付いてきてる。もう時間はない。

赤城は何かないか食堂を見渡す。そして、赤城の視線は瑞鶴をロックオンした。

 

赤城「瑞鶴さん!」

 

瑞鶴「な、何ですか?」

 

いきなり赤城に迫られ、瑞鶴も焦る。だが その顔は、すぐに怒りの表情に変わる事になる。

 

赤城「提督が瑞鶴さんの事を、“甲板胸”って言ってました!」

 

瑞鶴「ぬぅわんですってー!」

 

赤城「あと、“五航戦の妹は いつも七面鳥だな”とも言ってました!」

 

ちょっと意味が分からないし、ダンテは1度も そんな事を言った事がない。

 

瑞鶴「・・・爆撃してやるぅぅうううう!!」

 

翔鶴「ず、瑞鶴!?」

 

だが瑞鶴は疑う事なく、怒りを爆発させて食堂から出ていった。

 

瑞鶴「提督さん、覚悟おおおおお!!」

 

ネロ「な、何だ!?」

 

ダンテ「どうした瑞鶴?しばらく構ってやらなかったから不貞腐れてるのか?」

 

瑞鶴「違う!・・・それも ちょっとある!」

 

食堂の外から、爆撃による爆発音と地響きが発生している。ダンテは訳が分からないまま瑞鶴から逃げ、ネロも巻き添えになり一緒に逃げる。

瑞鶴を けしかける事に成功した赤城は、加賀と翔鶴、同じく食堂に居た二航戦の蒼龍と飛龍を集合させる。

 

赤城「さぁ、瑞鶴さんが提督を追い回してる間に、私達はストロベリーサンデーの材料を調達します!」

 

蒼龍「いや だから、普通に謝れば━━」

 

赤城「空母機動部隊、出撃です!」

 

加賀「待ってください。赤城さんは狙われてるので外に出ない方が━━」

 

赤城「そんな都合良く敵が来る訳ありません!」

 

加賀「赤城さん、それは慢心では?」

 

赤城「出撃!」

 

勇み足の赤城を飛龍が羽交い締めにし、前からは蒼龍が赤城の肩を掴み、動きを封じる。

 

飛龍「ま、待ってください!」

 

蒼龍「材料なら私達で買いに行きますから!翔鶴、行くよ!」

 

翔鶴「私もですか!?」

 

飛龍「早く!」

 

翔鶴「は、はい!」

 

赤城を無理矢理 食堂の椅子に座らせ、二航戦は翔鶴を連れて街まで買い物に行った。

 

加賀「赤城さん・・・」

 

加賀は心配そうな顔で、椅子に座りながら不貞腐れている赤城を見詰めていた。

 

 

・・・・・・

 

*大本営 元帥 執務室*

 

元帥は大和と共に、黙々と執務に励んでいた。そこへ、憲兵が慌てて駆け込んできた。

 

元帥「何だ、ノックもせずに」

 

憲兵「失礼します!現在、指名手配中のドクターを名乗る者が、正面から乗り込んできました!」

 

憲兵の報告に、元帥の目が鋭くなる。

アーロンは前任である元帥の命を奪った。大和の顔も険しくなる。

 

元帥「それで どうなった?」

 

憲兵「憲兵隊により包囲しておりますが、その・・・」

 

元帥「何だ?ハッキリ言わんか!」

 

憲兵「その、元帥との面会を要求しています」

 

元帥「何だと?」

 

元帥は考え込む。アーロンは1度、大本営を襲撃している。自分に会いに来たという事は、元帥である自分の命を狙いに来た可能性もある。だが まだ目的は分からない。

元帥はアーロンと会う事にした。元帥は軍人だ。逃げも隠れもしない。

 

元帥「分かった。会ってみよう」

 

大和「いけません!危険です!」

 

大和が止めるのも当然だ。下手をすれば前任の二の舞になりかねない。大和は2度も上官を失うつもりは毛頭ない。しかし、元帥の意思は変わらなかった。

 

 

・・・・・・

 

*正面ゲート*

 

元帥が大和を伴って正面ゲートまで行くと、アーロンが憲兵隊に包囲されながら銃を向けられていた。騒ぎを聞き付けた大将も駆け付ける。

元帥の姿を見付けたアーロンは笑みを浮かべ、仰々しく お辞儀をしながら挨拶を始めた。

 

アーロン「これは これは元帥殿、お会いできて光栄です」

 

元帥「ドクターを名乗っているようだが、本名はアーロンと言うそうだな?」

 

アーロン「偉大なる元帥殿にも知っていただいているとは、光栄の極みであります」

 

元帥「そろそろ その ふざけた態度をやめないと、蜂の巣になるぞ」

 

アーロン「それも構いませんが、ムダですから お勧めしません。彼らの銃の弾も、税金で賄われてる。ムダ撃ちは国民を泣かせる事になりますよ?」

 

脅し文句はアーロンには通用していない。ならば さっさと本題に入るだけだ。

 

元帥「何が目的だ?正面から 堂々と乗り込んできた度胸は認めてやる。言え!」

 

アーロン「我々は和平を提案します」

 

“和平”、その言葉に どよめきが走る。まさか和平の提案が出るとは思ってもみなかった。

 

アーロン「先日のショートランド沖での深海棲艦の撤退、あれは戦術的なものではありません。こちらの意思を示したのです」

 

元帥「意思?」

 

アーロン「この不毛な戦争は、我々も望んではいません。平和的に解決できるなら、それは我々にとっても喜ばしい」

 

確かに和平を結ぶ事ができれば、両者にとって損害を出さずに戦争を終わらせられる。それは喜ばしい事だ。だが そう簡単な話にはならない。

 

大将「お前は悪魔を使役し、混乱を引き起こした。そう簡単に信用できると思うか?仮に和平が現実のものになったとしても、悪魔の方は どうなる?」

 

アーロン「悪魔に関しては それ程 詳しくないようだ。悪魔は そう簡単に飼い慣らせるものではない」

 

時折、自然に人間界と魔界を繋ぐ入り口が開く時がある。それは極小さなもので、悪魔が通るには小さ過ぎる。だから悪魔は、依代を使わなければ人間界で活動できない事が殆どだ。悪魔の本体が人間界に行くには、それだけ大きな入り口でなければ行けない。しかし、アーロンが意図せずとも、悪魔は勝手に現れ、勝手に暴れ回る。この世界で その原因を作ったのはアーロンだが、元帥や大将が知る由もなかった。

 

アーロン「悪魔に関して、私が全て関与してると思うのは大間違いだ」

 

元帥「和平案は我々だけで判断はできない。この話は政府 官僚にも伝えておこう」

 

アーロン「1つ条件が。ダンテが持っている石と、その秘書艦が隠した石を こちらに引き渡してもらいたい」

 

 

・・・・・・

 

*グラウンド*

 

加賀は赤城を連れてグラウンドまで来た。ベンチに座っている2人の目の前では、爆撃してくる瑞鶴から まだ逃げているダンテとネロが走り回っていた。

 

ダンテ「楽しいな、瑞鶴!」

 

瑞鶴「楽しい!」

 

遠慮なく爆撃できる瑞鶴は、楽しくて仕方がない。1番 関係ないネロからすれば、迷惑 極まりなかった。

 

ネロ「腹 減ってるのに何で走らされてるんだ!」

 

ダンテ「楽しいな、ネロ!」

 

ネロ「楽しくねぇよ!キリエが待ってるって言ってるだろ!」

 

そんな光景を見ながら、加賀は赤城を心配していた。

 

加賀「赤城さん、最近どうしたの?温泉旅行の時も そうだけど」

 

赤城「何が?」

 

加賀「やたら鎮守府の外に行きたがってるように見えるわ」

 

赤城「私だって、たまには鎮守府の外に行きたくなる事だってあるもの。秘書艦の仕事があって、その上 敵に狙われてるなんて・・・」

 

赤城は殆どを鎮守府で過ごしている。他の艦娘に比べれば、外に出る機会は少ない。アーロンに狙われていると分かっている今、不用意に出歩く訳にはいかない。ダンテも いつでも一緒に居られる訳ではない。赤城も それは分かっているが、ずっと鎮守府に引き籠っているのは息が詰まる。

 

加賀「外に出るのは まだ難しいけど、“秘書艦が嫌になれば、他の娘に任せていい”って提督も言っていたわ」

 

赤城「秘書艦は続けますよ。せっかく提督が任せてくれたから、その期待に応えたい」

 

加賀「そう・・・でも、無理はしないで」

 

赤城「えぇ、心配しないで」

 

そこへ、鎮守府の放送用のスピーカーから大淀の声が流れる。それは、ダンテとネロへの連絡だった。街の2ヶ所で大型 悪魔が現れ、鎮守府に要請が入ったのだ。

 

 

*正面ゲート*

 

艦娘達は鎮守府に待機させ、ダンテとネロは、バイクで それぞれの場所へ向かった。

赤城と加賀は、ダンテとネロを見送った後、執務室に戻ろうとした。だが、ダンテとネロが鎮守府を離れるのを見計らったかのように、黒ダンテが現れた。

 

加賀「赤城さん、逃げて!」

 

黒ダンテ「邪魔だ!」

 

加賀は艤装を展開し、艦載機を発艦しようとしたが、黒ダンテが加賀の持つ弓を真っ二つに斬り、加賀を蹴り飛ばした。直後、黒ダンテが赤城の腕を掴み捕らえる。そこへ1発の砲弾が飛んできたが、黒ダンテは銃弾で相殺した。砲弾を撃ったのは武蔵だった。

 

武蔵「貴様、赤城を放せ!」

 

黒ダンテ「お前は確か、ドクターのモルモットだったか?」

 

武蔵「モルモットだと・・・!」

 

武蔵は黒ダンテに何発も砲撃するが、どれも銃弾で相殺されてしまう。

 

黒ダンテ「身体の調子は どうだ?何か変化は起きてないか?」

 

武蔵「貴様、何か知っているのか!?」

 

黒ダンテ「怖いだろ?得体の知れない何かが、自分を蝕んでいくのは」

 

武蔵「答えろ!私と あきつ丸に何が起きてる?!」

 

黒ダンテ「さぁな。これをオリジナルに渡しておけ」

 

武蔵「待て!」

 

加賀「赤城さん!!」

 

黒ダンテは1枚の紙を武蔵に向かって投げる。ペラペラの紙は武蔵に届かず地面に落ちたが、黒ダンテは赤城を連れて空間の歪みに入ってしまった。2人が入ると入り口は閉じてしまった。

 

武蔵「これは・・・あいつ、どういうつもりだ?」

 

 

・・・・・・

 

*廃工場*

 

赤城は黒ダンテに、人気のない廃工場まで連れてこられた。黒ダンテは赤城に何かする訳でもなく、そのまま柱に凭れ掛かりながら腕を組み、目を瞑る。それは まるで、何かを待っているようだ。黒ダンテが目を瞑っている間に、赤城は逃げようとする。

 

黒ダンテ「ムダだ。大人しく ここに居ろ」

 

黒ダンテは相変わらず目を瞑っている。しかし、気配で逃げようとしていた事はバレていた。

 

赤城「何が目的ですか?なぜ私なんかを狙うんです?」

 

黒ダンテ「お前を俺の女にする」

 

赤城「はい!?」

 

黒ダンテ「そう言っとけば、オリジナルは必ず お前を助けに来る」

 

赤城「・・・まだ よく分かりません」

 

黒ダンテ「お前を狙ってるのはドクターの方だ。本当は お前が隠した石の在処を聞かなきゃならないんだが、俺には関係ない。俺は強い奴と戦いたい。それだけだ」

 

赤城「どうして そこまで・・・」

 

黒ダンテ「戦う事が俺の生き甲斐だ。強い奴と戦い、最強になる。その為には、オリジナルが邪魔だ。あいつが居る限り、俺は ずっと偽物のままだ。お喋りは終わりだ。お前は俺から逃げられない。大人しく あいつが来るのを待ってろ」

 

 

・・・・・・

 

ダンテとネロは、悪魔が現れた それぞれの場所に到着していた。

 

*街 ネロ*

 

ネロが向かった場所では、魔界植物が街を侵食していた。空を見上げると、巨大な蛇のような姿をした悪魔が空を飛んでいる。しかも、悪魔は地上に向かって身体から何かを飛ばしている。ネロはブルーローズで悪魔が飛ばしている物を破壊していく。それを見た悪魔は空中で静止し、口が開花するように開いた。中から悪魔の本体が現れ、人間の女性的な姿をしていた。その悪魔は、フォルトゥナでも現れた『エキドナ』だった。

エキドナは自身の身体から種を ばら蒔き、悪魔や他の生物に寄生させ、己の勢力を繁栄させようとする悪魔だ。

 

エキドナ『妾の子が!?貴様!

 

ネロ「こんな所で子作りしやがって。腹 減ってるってのに、相変わらず傍迷惑だな」

 

エキドナ『侮辱する気か小僧め!八つ裂きにしてやる!

 

エキドナはネロに向かって体当たりを仕掛けてくるが、ネロは横に飛び退き回避する。

 

 

*街 ダンテ*

 

同じ頃、ダンテが向かった場所でも、フォルトゥナに現れた悪魔が暴れていた。

その悪魔は『ベリアル』。ベリアルは魔界でも過酷な環境である炎獄で生まれ育った四つ足の悪魔だ。身に纏う炎は鎧の役目を成し、手に持つ剣で あらゆる物を破壊する。

 

ダンテ「何だガッカリだな。派手な花火は期待できそうにないな」

 

ダンテは腰に手を当て、隠す事もなく落胆する。ベリアルはダンテを無視するつもりだったが、ダンテの言葉を侮辱と判断した。

 

ベリアル『人間、逃げるなら今だぞ。この炎獄の覇者、ベリアルに人間が敵うはずもない

 

ダンテ「そういうのは派手な花火を出せるようになってから言いな。所詮、お前も見かけ倒しだ」

 

ベリアル『貴様!愚弄するつもりか!

 

ダンテの挑発に怒るベリアルは、手に持つ剣を突き刺すようにダンテに向かって突き出す。剣の切っ先がダンテに迫る。だが、ダンテの姿は一瞬で消え、ベリアルの剣はダンテを仕留め損ねて地面に突き刺さる。

ベリアルは消えたダンテを探すが見当たらない。すると、背後から声がした。

 

ダンテ「冬って言っても、暖を取るには暑過ぎるな。あちこち燃えちまってる」

 

ダンテはベリアルの尻尾に座りながら、手で自身を扇いで街を見る。それを見たベリアルはダンテを振り落とそうとし、ダンテは跳躍して地面に着地した。

 

ダンテ「相変わらず鈍いな。もっと早く気付けよ。またコートが燃えちまった」

 

コートに燃え移った炎を手で叩きながら消し、文句も忘れない。

ここまでの一連の流れで、ベリアルはダンテが普通の人間ではないと理解した。

 

ベリアル『貴様、人間ではないな?

 

ダンテ「スパーダの息子って言えば分かるか?」

 

ベリアル『スパーダ?誰だ それは?

 

スパーダを知らない。ダンテがフォルトゥナで会ったベリアルはスパーダを知っていた。スパーダを知らないという事は、このベリアルは この世界での魔界から現れた悪魔だ。

ダンテとベリアル、ネロとエキドナ、街で2つの戦いが始まった。




やっとベリアルとか出せました。
いい加減、この辺りの悪魔を出さないといけないなと思ってたので、自分としては出せて良かったです。

次回も よろしく お願い致します!
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