Devil May Cry鎮守府   作:しゅんしゅん@よし

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93話です!どうぞ!


Mission93 黒ダンテ~本当の力とは何か~

*廃工場*

 

ダンテと黒ダンテが ぶつかり合っている間に、武蔵は赤城に怪我がないか確かめに行く。

 

武蔵「赤城、大丈夫か?」

 

赤城「はい、私は何ともありません」

 

武蔵「私は提督の加勢に行く」

 

赤城「待ってください」

 

武蔵「なぜだ?奴は敵だろう?」

 

赤城「あの黒い提督は・・・」

 

黒ダンテの願い。それはダンテを倒し、ダンテを超えて本物になる事。アーロンに造り出された彼は、戦う事でしか自分の存在意義を見出だせなかった。ダンテを倒さない限り、彼の願いは果たされない。

そして黒ダンテは、ダンテに非常に酷似している。見た目も そうだが、使う技も そっくりだ。それは まるで、ダンテの影のように。

ダンテ自身も、黒ダンテとの戦いは避けられないものとなっていた。自分に成り代わろうとする者を、放置はできない。

本物は1人だけ。赤城には、これがダンテと黒ダンテの、自分の存在を賭けた戦いに思えた。だからこそ、手を出してはいけないと思えた。

 

武蔵「・・・・・・・・・」

 

赤城「私達は、この戦いの行く末を見守りましょう」

 

ダンテと黒ダンテの剣が激しく何度も ぶつかり合い、一進一退の攻防が繰り広げられている。時には一撃を入れ、時には入れられ、2人の鮮血が辺りに散る。

 

 

・・・・・・

 

*Devil May Cry鎮守府 グラウンド*

 

ネロは街を侵食していた魔界植物の駆除が終わった後、二航戦と翔鶴、そして青葉型と一緒に鎮守府に戻ってきた。

鎮守府に戻り、ダンテ同様 赤城の話を聞かされた。勿論ネロも赤城を助けに行く。

 

ネロ「キリエ、戻ったら夕飯 食べるから、残しててくれよ」

 

キリエ「いつも余るから大丈夫」

 

ネロ「だな。今日は全部 食べれる気がする。じゃあ行ってくる」

 

キリエ「気を付けて。雨が降ってるから、風邪 引かないように早く帰ってきてね!」

 

ネロも、バイクで黒ダンテが残した紙を頼りに出発した。

願わくば、これで黒ダンテと決着を着けて、閻魔刀も取り戻そうと考えていた。

 

 

・・・・・・

 

*廃工場*

 

ダンテ「赤城!武蔵!外に出てろ!」

 

ダンテはパンドラを移動砲台に変形させ、スイッチを押す。発射された無数のミサイルが、黒ダンテに向かって飛来する。黒ダンテは爆発に巻き込まれ、建物の外に弾き出された。

赤城と武蔵は、急いで建物の窓から外に飛び出し、ギリギリ爆発に巻き込まれずに済んだ。

 

黒ダンテ「おいおい、艦娘も お構いナシか?おもしれぇじゃねぇか」

 

炎の中からダンテが飛び出し、その勢いのままリベリオンの突き技『スティンガー』を繰り出す。黒ダンテは剣でリベリオンを弾き、『スティンガー』を躱す。

そして両者は、移動しながらも剣を交える。

 

 

・・・・・・

 

しばらくしてネロも廃工場に着き、すぐに赤城と武蔵を見付けた。2人は廃工場を見上げている。2人の視線を追うと、戦いの流れで廃工場の外郭通路で戦っているダンテと黒ダンテが確認できた。

 

ネロ「赤城、無事か?」

 

赤城「ネロさん」

 

外郭通路で戦っているダンテと黒ダンテは、剣ではなく格闘戦へと移行していた。

ダンテはギルガメスを、黒ダンテは素手で戦っている。どちらもパンチやキックの応酬を繰り出すが、互いに相手の攻撃を捌き一撃が決まらない。

ダンテはクイックシルバーの能力『タイムラグ』を発動。ダンテ以外の時間の流れが遅くなるはずだった。だが黒ダンテは、ダンテと同じスピードで動いていた。

 

黒ダンテ「残念だったな」

 

黒ダンテも いつの間にかクイックシルバーの能力を得ていた。ダンテが『タイムラグ』を発動する瞬間、黒ダンテも同じタイミングで『タイムラグ』を発動していた。

普通の者とは異なる時間の中で、格闘戦が続く。

 

黒ダンテ「(タイムラグが終わるまでに、大技を仕掛けると見せかけ銃弾の雨を浴びせる。そして奴を地面に叩き付けて閻魔刀で止めを刺す。今じゃ俺の方が全てにおいて上だ!)」

 

黒ダンテは戦えば戦う程 強くなる。

黒ダンテは格闘戦を繰り広げながら次の作戦を考えていた。そこでダンテとの決着を着けようと。だが それはダンテも同じだった。

 

ダンテ「(とか何とか奴は考えてるだろうな。なら、術中に嵌まってやるよ)」

 

ダンテは黒ダンテの考えを全て読んでいた。

黒ダンテは後ろに引き、剣を逆手に持ち『ドライブ』を放つ動作をする。それを見たダンテも後ろに引くが、先にダンテの『タイムラグ』が解除される。

黒ダンテは すぐに剣から二丁銃に持ち替え、ダンテの足場に無数の銃弾を撃ち込む。廃工場の金属の足場が崩れ、重力に従ってダンテが落下する。

 

黒ダンテ「もらったぁ!」

 

黒ダンテも足場から飛び出し、閻魔刀を出して『スラッシュディメンジョン』を放つ。

 

ダンテ「お見通しだ」

 

黒ダンテ「なっ!?」

 

『スラッシュディメンジョン』を放った瞬間、黒ダンテの『タイムラグ』が時間切れで解除される。同時に、一瞬でダンテの姿が消えた。それは、空間を斬り裂く『スラッシュディメンジョン』で、ダンテの身体が細切れにされて消えた訳ではない。

次の瞬間、黒ダンテの視界に飛び込んできたのは、地上でエボニー&アイボリーを構えているダンテの姿だった。ダンテの持つ二丁銃は、紅い光を発している。

ダンテの『タイムラグ』は時間切れで解除された訳ではなかった。自分の意思で解除し、全ては この時の為に余力を残していたのだ。

黒ダンテが『スラッシュディメンジョン』を放つ瞬間、再び『タイムラグ』を発動。一緒に落下していた足場を蹴り、通常よりも更に素早く地上に下りていた。

ダンテは空中に居る黒ダンテに『チャージショット』を撃つ。紅い魔力を帯びた弾丸が黒ダンテを直撃し、逆に黒ダンテが地面に叩き付けられる事となった。

 

ダンテ「やっぱりな。お前は俺じゃない。俺にはなれない」

 

黒ダンテ「まだだ。まだ終わっちゃいない」

 

ネロ「ダンテ!」

 

ダンテ「ネロか」

 

黒ダンテ「ガキも来たのか。いいぜ、2人 纏めて相手してやるよ!」

 

ダンテ「さっきので分かっただろ?時間のムダだ」

 

黒ダンテ「まだだぁああああ!!」

 

黒ダンテは咆哮と共に、身体に黒いオーラを身に纏う。ダンテとネロも、黒ダンテの魔力が急激に上昇したのを感じていた。

 

ネロ「こいつ・・・!」

 

黒ダンテ「さぁ、始めようぜ!」

 

ダンテは自分に成り代わろうとする者を倒す為に、ネロは閻魔刀を取り戻す為に、再び黒ダンテとの戦いが始まる。

黒ダンテは自身の剣と閻魔刀の二刀流で、ダンテとネロに襲い掛かる。ダンテとネロも、リベリオンとレッドクイーンで その凶刃を受け止め交戦する。ダンテとネロは、互いの考えが分かっているかのような連携で立ち回り、黒ダンテは1人で対抗している。どちらも1歩も引かない。

ダンテはルシフェルに切り替え、爆発する剣を配置する。

 

黒ダンテ「ムダァ!」

 

ダンテ「チッ!」

 

黒ダンテは閻魔刀の『スラッシュディメンジョン』で爆発する剣を破壊する。爆発する剣は不発に終わった。

背後からネロが斬り掛かるが、黒ダンテは閻魔刀でレッドクイーンを受け止め反撃で剣を横凪ぎに振るう。ネロは上体を後ろに反らして躱す。そのままバック宙の要領で黒ダンテの顎を蹴り上げた。

 

黒ダンテ「やってくれるじゃねぇか!」

 

黒ダンテがネロを狙うが、後ろからギルガメスを装備したダンテが黒ダンテの背中を殴る。殴られた事で黒ダンテの背骨が軋む。

黒ダンテは標的をダンテに変更し、自身の剣を振り下ろす。ダンテは左手で その刃を掴み止める。今度は閻魔刀の刃が迫るが、そちらは右手で止めた。

 

ダンテ「今だ!」

 

ネロ「おう!」

 

黒ダンテ「舐めるなぁ!」

 

ダンテが黒ダンテの動きを封じている間にネロが斬り掛かろうとしたが、黒ダンテが その場で回転する。剣を掴んだままのダンテを振り回し、ネロに ぶつける。ネロは吹き飛ばされたが、ダンテは手を離さない。

ダンテを引き離す為に黒ダンテは蹴りを入れるが、ダンテは足でガードする。両腕が塞がった両者の間で、蹴り技の攻防が始まる。

 

ダンテ「ネロ!ひっくり返ってないで何でもいいから ぶち込め!」

 

ネロ「分かってんだよ!うらぁああ!!」

 

ネロは苛立ちから地面を殴った後、黒ダンテに特攻しながらブルーローズを撃つ。黒ダンテの背中に何発も銃弾が当たるが、効いているのか分からない。

そのまま接近すると、レッドクイーンで何度も斬る。レッドクイーンを背中に戻し、ネロが黒ダンテの背中から抱き付くような体勢になる。その瞬間、ダンテは剣から手を離して後ろに飛び退く。ダンテが手を離すと、ネロは黒ダンテを持ち上げジャーマンスープレックスで頭から黒ダンテを地面に叩き付けた。ネロは すぐに その場から飛び退くと、空中から急降下してくるダンテが縦一閃の『兜割り』で、黒ダンテにリベリオンを振り下ろす。間髪 入れずに紅い衝撃波『ドライブ』で吹き飛ばした。

 

 

・・・・・・

 

*Devil May Cry鎮守府 岬*

 

アーロン「さぁて、ここかな?」

 

アーロンが鎮守府の岬に現れた。目の前には錨の形をしたオブジェが建っている。それは、慰霊碑だった。前回ダンテが元の世界に戻った後、赤城が急遽 建てるように指示した物だった。

アーロンは魔力弾で慰霊碑を破壊する。その後も何発も魔力弾を撃ち込み、地面を掘っていく。

 

アーロン「今の音、聞かれちゃったかな?」

 

掘り起こされた地面には、小さめの金属の箱があった。アーロンは その金属の箱も壊すと、中から赤城が隠した緑と紫の石が出てきた。

アーロンは2つの石を手にする。

 

アーロン「所詮は艦娘、人に動かされるだけの船。考える事が単純で楽だ。・・・あと1つ」

 

慰霊碑を破壊した音が鎮守府まで響いていたのか、鎮守府の方が騒がしくなる。

アーロンは その場から姿を消した。

 

 

・・・・・・

 

*廃工場*

 

ダンテとネロの連携により、黒ダンテに多大なダメージが蓄積されていく。

 

ダンテ「これで!」

 

ネロ「どうだ!」

 

ダンテとネロは、黒ダンテの横を駆け抜けながらリベリオンとレッドクイーンを振る。2人の その一太刀は、X字に黒ダンテに傷を付ける。

 

ダンテ「ガンスリンガー!」

 

ダンテはガンスリンガースタイルになり、自作のショットガンであるコヨーテ・Aを その手に、高速接近しながら押し出すように撃つ『ガンスティンガー』を喰らわせる。同時に、ネロもデビルブリンガーで黒ダンテを殴り飛ばした。

吹き飛ばされた黒ダンテは建物の壁に背中を打ち付け、壁に凭れるように座り込み動かなくなった。

 

黒ダンテ「くくっ・・・」

 

黒ダンテは まだ生きている。

黒ダンテの喉が鳴り、ネロは目を細める。

 

ネロ「何が可笑しい?」

 

黒ダンテ「2対1でも勝てる自信があったが、流石だな。もう身体が動かねぇ。俺は、敗けたのか・・・」

 

黒ダンテは敗けを認めた。

決着が着いたのを見計らい、赤城と武蔵が駆けてくる。

 

赤城「提督、ネロさん」

 

武蔵「おい、私と あきつ丸に何が起きてる?答えろ!」

 

武蔵は黒ダンテの胸ぐらを掴み、自分達に何が起きているのか問い質す。その話は教えられない。ダンテが止めようとするが・・・。

 

ダンテ「武蔵、その話は━━」

 

武蔵「知ってる事を言え!」

 

黒ダンテ「お前と もう1人は、別の“何か”に変わろうとしてる。それが何なのかは、俺も知らないがね」

 

武蔵「・・・・・・・・・」

 

ダンテ「武蔵、下がれ」

 

武蔵は答えにならぬ答えに黒ダンテを睨むが、仕方なく後ろに下がった。

 

ダンテ「最後に言い残す事はあるか?」

 

ネロ「閻魔刀も返してもらうぜ」

 

黒ダンテ「何だ?俺を殺すのか?いいぜ、勝者は敗者を好きにできる。殺したきゃ殺せ」

 

赤城「勝者が、敗者を好きにできる・・・?」

 

赤城は考え込むような仕草で首を傾げる。黒ダンテも、そんな赤城の様子に首を傾げる事となった。

 

黒ダンテ「・・・何だよ?何で そんな妙な顔をしやがる?弱者を どうするかは、力ある強者の特権だろ」

 

赤城「それは違います」

 

黒ダンテ「あ?何を言ってる?こいつらは俺に勝った。俺より強い力を持ってるからだろ」

 

赤城「提督もネロさんも、あなたが思っているような力は持っていません」

 

黒ダンテには、赤城の言っている事の意味を全く理解する事ができなかった。

悪魔の世界、魔界は淘汰の世界。強き者が、勝者が頂点に君臨できる。それが魔界の暗黙のルール。

人造悪魔である黒ダンテは、本物になる為に、自分の存在を確立する為に力を求めた。だが それだけではない。先に述べた魔界のルール。彼も また、そのルールや考え方で動いていた。

 

赤城「あなたは間違いだらけです。力は弱い者を、大切な何かを護る為にあるんです。弱い者を好きにできるなんて、そんなのは本当の力とは言えません」

 

黒ダンテ「・・・・・・分かんねぇ。全然 分かんねぇ・・・!」

 

赤城の言葉に、黒ダンテは頭を押さえて混乱する。力の見解の相違に、黒ダンテは理解できない。

黒ダンテと違い、ダンテとネロは笑っていた。赤城の、力の捉え方、考え方に嬉しく思う。

だが、すぐに その顔は険しくなる。殺気と魔力の塊が迫ってきたのを感じる。

ダンテとネロは、それぞれ赤城と武蔵を抱えて後ろに飛び退いた。すると、ダンテ達が立っていた場所に魔力弾が着弾した。砂埃が晴れると、ダンテ達と黒ダンテの間にアーロンが立っていた。

 

アーロン「勝手な事をして敗けるとは」

 

黒ダンテ「邪魔するなよ。これは俺と あいつらの問題だ」

 

アーロン「違う、俺の問題だ。お前は本当に使えない人形だなぁ!」

 

アーロンは突然 激情し、動けない黒ダンテに魔力弾を何発も放つ。

 

武蔵「やめろ!」

 

アーロン「まだ死ぬなよ。お前みたいな人形でも、まだ多少は使い道があるからな」

 

気が済んだのか、魔力弾を放つのをやめるアーロン。アーロンは空間を歪ませ、そこに黒ダンテを放り込んだ。そしてダンテ達に向き直る。

 

アーロン「いや悪いね。見苦しいものを見せて」

 

ネロ「お前の顔 見る方が不愉快だ」

 

アーロン「それは失礼したね。失礼序でに、閻魔刀は まだ返せない。これで やりたい事ができた」

 

ダンテ「お前に持つ資格はない」

 

アーロン「資格は関係ない。それよりも・・・これ なーんだ?」

 

赤城「それは・・・!?どうして あなたが!?」

 

アーロンが懐から出したのは、赤城が隠した緑と紫の石。それを見て赤城は狼狽え、ダンテとネロの顔も険しくなる。

 

アーロン「あれで隠したつもりか?あんなの、逆に見付けてくれと言っているようなものだ。艦娘は悲しい程に単純だな」

 

ダンテとネロは銃を手に取ろうとしたが、アーロンが待ったを掛ける。

 

アーロン「やめたまえよ。和平を破談にするつもりか?」

 

赤城「和平?」

 

アーロン「人類と深海棲艦の和平だ」

 

武蔵「そんなの有り得ない!深海棲艦が応じるはずがない!」

 

深海棲艦との戦争が始まって以来、対話で戦争を終わらせようとした者は居た。だが どれも虚しく終わった。対話を求めても、深海棲艦は容赦なく攻撃してくる。

過去の歴史から、武蔵は有り得ないと考えていた。

 

アーロン「各国政府は そう思わないだろうな。この戦争を終わらせられるチャンスがあるなら、彼らは それに飛び付きたいはずだ」

 

ダンテ「今度は何が狙いだ?」

 

アーロン「だから和平さ。昔 言っただろ?“博愛主義者”だと。平和はいいものだ」

 

ネロ「どの口が ほざいてやがる」

 

ネロの言葉に、アーロンは意に介した様子もなく、逆に笑みを浮かべる。

 

アーロン「また会おう。異世界のデビルハンター諸君」

 

武蔵「待て!私と あきつ丸の身体に何をした?!」

 

アーロン「いずれ分かる。その日を楽しみにすればいい」

 

アーロンも また、空間の歪みに入り姿を消した。あとにはダンテ、ネロ、赤城、武蔵だけが残された。

雨の中、戦いの影響で廃工場の建物が燃えている。1番の原因は、建物内でパンドラを使ったのが大きい。

 

ダンテ「消防車 呼ばないとな」

 

ダンテは炎を見詰めながら呟いた。




次回も よろしく お願い致します!
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