Devil May Cry鎮守府   作:しゅんしゅん@よし

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前回の あとがきにもありましたが、今回は くだらない悪ふざけの内容となっています。そういうのが苦手な方は、次の95話へ進んでください。
くだらないのも好きな方は、このまま読んでいただいて大丈夫です。


Mission94.5 劇団Devil May Cry

*浜辺*

 

ダンテの一言で、急遽 砂浜で劇をする事になった鎮守府の面々。

施設に通う子供達と その保護者、フォルトゥナの子供達、元帥と大将、横須賀提督と大和が見守る中で劇をする事になる。

更には、調印式の いい画が撮れなかったメディアも そのまま帰る訳にはいかず、艦娘が何かするという事で、そちらの画を撮って放送する方向にシフトしていた。

ナレーション担当の吹雪が皆の前に出る。しかしカメラが回っているせいか、緊張で歩く時に右手と右足、左手と左足が一緒に前に出ている。

姉妹艦は全員 顔を押さえて羞恥心を隠す。

 

吹雪「え、えっと・・・とある時代に━━」

 

秋雲の考えた子供向けの劇はカオスだった。子供が好きそうな物を とりあえず詰め込めば、勝手に喜ぶだろうと考え、昔話の要素もあれば、ヒーロー物やファンタジー物など ごちゃ混ぜになっている。

そもそも、秋雲は この話に気乗りしていなかった。その秋雲からすれば、手抜きの脚本だ。

 

キリエ「ネロー!」

 

ネロ「ひ、姫ー!」

 

ダンテ「ハッハッハッハッハッ!」

 

キリエが悪の親玉であるダンテに拐われ、ダンテが高笑いする。しかもカメラ目線で去っていく。

 

吹雪「魔王に姫を拐われた戦士ネロは、姫を助ける為に旅に出ました!」

 

勝手に旅立たされるネロ。

 

 

*佐世保鎮守府 食堂*

 

劇は生中継されており、各鎮守府の提督達もテレビを見ていた。

 

ダンテ『ハッハッハッハッハッ!』

 

佐世保「ブーッ!」

 

突然 高笑いするダンテの顔がドアップに映り、佐世保提督は口に含んだコーヒーを吹き出した。

 

 

・・・・・・

 

*浜辺*

 

悪の下っ端あきつ丸がネロの前に現れる。

その直後、カラフルな6人組も現れた。

 

赤城「赤城レッド!」

 

加賀「加賀ブルー・・・私ブルーでいいのよね?」

 

飛龍「合ってます。ブルーで合ってます」

 

蒼龍「蒼龍グリーン!」

 

飛龍「飛龍イエロー!」

 

翔鶴「し、翔鶴ホワイト・・・///////」

 

瑞鶴「瑞鶴ブラック」

 

赤城「空母戦隊!」

 

食すんじゃー(ショクスンジャー)!』

 

一航戦と二航戦、五航戦が嫌々ながら決めポーズ。

決めポーズの瞬間、ショクスンジャーの背後で特大の爆発が起きる。ショクスンジャーはビックリして思わず後ろを振り返った。

 

瑞鶴「うわっビックリしたー!」

 

蒼龍「あつっ!熱いって!」

 

翔鶴「赤城さん、火!燃えてます!」

 

赤城「え・・・?燃えてる!?」

 

加賀「妖精さん、消火活動!」

 

飛龍「海!海に飛び込みましょう!」

 

赤城の服の背中部分に火が燃え移り、てんやわんやとなる。

赤城は海にダイブして鎮火した。

 

夕張「ヤバタニエン、火薬の量 間違えちった☆」

 

明石「何度も確認してたよね!?何で間違えるの!?」

 

元々 無かった仕掛けなのだが、外でやるなら派手にできるという事で、夕張が こっそり火薬を仕掛けて派手な演出を狙っていた。

 

大将「おい、本当に燃えてたぞ」

 

北上「と、特殊効果でーす」

 

大将「おい!」

 

 

*舞鶴鎮守府 執務室*

 

執務を手伝っていた長良型3番艦『名取』と一緒に、舞鶴提督もテレビを見ていた。

 

北上『と、特殊効果でーす』

 

舞鶴「凄いなー、爆発とか迫力あるね」

 

名取「あの、本当に燃えてませんか?」

 

舞鶴「特殊効果スゲー」

 

名取「聞いてない・・・」

 

 

・・・・・・

 

*浜辺*

 

長門「美少女仮面、長門仮面!」

 

顔の全面を覆う仮面を被った長門が参上。悪の幹部である武蔵と相対する。

 

武蔵「フルフェイスで美少女か どうか分からないぞ」

 

長門「美少女だ!」

 

武蔵「自分で美少女とか言うな。イタいぞ」

 

長門「うるさい!」

 

陸奥「・・・もう見てらんない!///////」

 

武蔵のアドリブに狼狽える長門。

姉の有り様に、陸奥は恥ずかしくて逃げ出した。

悪の幹部と下っ端が倒され、ネロは間宮お手製の羊羹でショクスンジャーと長門仮面を仲間にし、途中で剣豪役の天龍と魔女役のセリーナ(本物)も仲間にして、ラスボスであるダンテとの戦いになる。

 

 

・・・・・・

 

ダンテ「俺が、お前の本当の父親だ!」

 

ネロ「う、嘘だー!」

 

練習では やる気のなかったネロも、感情を込めて言い放つ。

・・・本当は やけくそになっているだけだ。

 

赤城「あんな嘘に惑わされてはいけません!私達は、悪には屈しません!」

 

ダンテ「うるさい、これでも食ってろ!」

 

ダンテはショクスンジャーの口に、間宮お手製の羊羹を投げ入れる。なぜ魔王まで間宮お手製の羊羹を持っているのかは謎。投げ入れられた衝撃で、ショクスンジャーが吹き飛ぶ。

 

瑞鶴「間宮さんの羊羹 美味しい・・・」

 

ショクスンジャーは涙を流しながら羊羹を頬張っていた。

 

長門「次は私が相手だ!」

 

ダンテ「これでも愛でてろ!」

 

夕立「ぽいー!?」

 

ダンテは、長門仮面に小道具の整理をしていた夕立を投げ飛ばす。長門仮面は夕立をキャッチすると、そのまま抱き締めて放さなくなった。

 

夕立「長門さん、こんな事してる場合じゃないっぽい!」

 

長門「すまん、身体が勝手に・・・」

 

夕立「そんな訳ないっぽい!」

 

ヒーローが次々と敗れていく。

既に台本の流れから逸脱している。

 

天龍「俺が相手だー!」

 

剣豪役の天龍が果敢に立ち向かっていくが、1発で ぶっ飛ばされ、天龍は頭から海に着水して沈んだ。沈んだと言っても、轟沈した訳ではない。

 

ゴーヤ「世話が焼けるでち・・・」

 

潜水艦の艦娘が、迅速に動いて天龍の救助に向かった。

最後に残されたのはネロとセリーナだが、ネロが1人で立ち向かい、ダンテと激しく斬り結ぶ。

 

千代田「あれ本気で やり合ってない?」

 

千歳「ま、まぁ、流血沙汰にならなければいいんじゃない?」

 

衣笠「大丈夫かな・・・?」

 

ある程度のチャンバラ(ガチ)を見せた後、いよいよクライマックスとなる。

全員が必殺技で何かを撃ち出すポーズをする。台本通りなら、ここでダンテが殺られてハッピーエンドなのだが、ダンテは何故か倒れず、ネロ達を見ている。ネロ達も困惑してダンテを見ている。

これでは劇が終わらない。

子供達も唖然としている。

 

秋雲「ちょっと何してんの?そこで倒れて終わりだよ」

 

ネロ「お、おい・・・ダンテ?」

 

ダンテ「・・・だって(ビーム)見えねぇもん」

 

この言葉に、海軍関係者及び、鎮守府の面々が全員ずっ転けた。

ヒーローショーでビームが見えないとか絶対に言っちゃ駄目だ。

 

加賀「そういうものでしょ!」

 

瑞鶴「提督さん、台本通りにやってよ!」

 

飛龍「台本って言っちゃったよ」

 

ダンテ「うわああああ、やられたー!」

 

ネロ「早いっての!いや遅いのか?撃ってから倒れろよ!」

 

龍驤「急にコント臭が・・・」

 

仕切り直そうとしたら、まだ撃ってないのにダンテが突然 倒れる。ダンテの悪ふざけで滅茶苦茶だ。

仕切り直して必殺技のポーズ。それでもダンテは倒れない。

 

ネロ「おい!いい加減にしろよ!」

 

ダンテ「だって見えねぇもん」

 

ネロ「だから━━」

 

ダンテ「うわああああ、やられたー!」

 

瑞鶴「だからタイミングが おかしいっての!」

 

急にコントに切り替わり、子供達からクスクスと笑いが漏れる。

台本に無い事ばかりするダンテに、艦娘達も頭を抱える。

 

赤城「こうなったら、仕方ありません!」

 

加賀「レッド、何をするの?」

 

赤城「物理攻撃です!」

 

見えないビームが駄目なら、純粋な暴力に頼る事にしたヒーロー側。ヒーロー側が全員でダンテを取り囲み、流石に本気ではやらないが、殴ったり蹴ったりしてリンチを始める。ただ1人、魔女役のセリーナは動かず傍観している。

ボコボコにしながら、ネロ達は小声でダンテに段取りを伝え直す。

 

赤城「提督、私達が構えたら死んでください!」

 

ダンテ「死にたくない」

 

飛龍「これ劇だから!」

 

蒼龍「悪は滅ぶべし!」

 

ネロ「このままじゃ終わらないぞ!」

 

翔鶴「提督、恥ずかしいので お願いします・・・」

 

ダンテ「お前らが全滅したら終わる」

 

瑞鶴「ヒーローが全滅して終わる劇とか誰が見るか!」

 

長門「子供が泣くぞ!」

 

加賀「いいから予定通り死になさい。いいわね?」

 

北上「大井っち、子供達に応援するように仕向けて」

 

大井「えっ、私が!?」

 

北上「提督が敗ける流れを作らないと。流石に提督も空気 読むでしょ?」

 

大井「・・・さぁ、皆でヒーローを応援しよう!(何で私が こんな事を・・・!)」

 

『がんばれー!』

 

大井の誘導で、子供達から声援が。

 

熊野「がんばれー!」

 

鈴谷「熊野は そっち側じゃない!」

 

熊野「はい?」

 

熊野は自分の役割を放棄し、子供達と一緒に観覧者側に回っていた。

ネロ達はダンテから離れ、改めて必殺のポーズをする。それでもダンテは倒れない。3回目ともなると、流石に面倒臭くなってくる。

そこで、ずっと傍観者だったセリーナが動いた。

 

セリーナ「()()()()いいのか?」

 

セリーナは杖を掲げ、一般人やメディアのカメラがある目の前で特大の魔力弾を発射、ダンテが吹き飛ぶ。

 

ネロ「お・ま・え・はー!キリエに当たったら どうすんだ!」

 

セリーナ「当たってないから問題ない」

 

ネロ「そういう問題じゃねぇんだよ!」

 

元帥「何だ今の!?」

 

北上「と、特殊効果!特殊効果でーす!」

 

魔力弾を見て驚く人々。

苦しい言い訳で誤魔化していく北上。

 

皐月「み、見て!」

 

皐月が指を指す方向を見ると、仰向けで倒れているダンテが、足の力だけで起き上がろうとしていた。魔王が復活しようとしている。

 

秋雲「これ終わらないわ~」

 

愛宕「よーし、皆で やっつけちゃえ!」

 

大井「く・た・ば・れー!」

 

劇を早く終わらせたい大井を筆頭に、裏方の艦娘など、総動員でダンテに突撃する。その様は、さながらクォーターバックを ぶっ潰すアメフトのようだった。次々とダンテに覆い被さっていき、出遅れた電が最後に1番 上に飛び乗る。

もうヒーローとか関係ない。

 

ダンテ「お前ら退け!」

 

川内「そしたら提督 復活するでしょうが!」

 

ダンテ「違う!大井が死にかけてるぞ!」

 

ダンテの次に下敷きになっている大井は、肺が圧迫されて呼吸ができず、顔が青くなっている。

手の空いている艦娘達が引っ張り出し、大井を救出する。

 

叢雲「吹雪、司令官が復活する前に終わらせて!」

 

吹雪「え、でも・・・」

 

予定の段取りと違い、このまま終わらせていいのか疑問に思い戸惑う吹雪。

一方、ダンテは下から艦娘達を押し上げ、脆くも艦娘の山が崩れようとしている。魔王の復活は近い。艦娘達は艤装を展開して体重を増やし、必死にダンテを封じ込めようとする。

 

叢雲「早く!・・・うわっ!?」

 

吹雪「こうして諸悪の根源である魔王は倒され、戦士ネロは姫を救い出す事ができました!めでたし めでたし!」

 

『わぁ~~~!?』

 

早口に言い終わり、劇を強制終了させるが、直後、ダンテに覆い被さっていた艦娘達が全員 吹き飛んだ。

そこに、鎮守府で留守番していたはずの鳳翔が現れた。

 

ダンテ「鳳翔!?どこから湧いて出た!?」

 

鳳翔「提督、こちらに」

 

ダンテ「イテテテテテ!引っ張るなよ!まだ これからだろ!」

 

ダンテの耳を引っ張りながら強制連行していく。魔王の復活は、お艦によって阻止された。

 

キリエ「ネロ、思ってたのと違う・・・」

 

ネロ「考えるな。もう終わったから。色々 終わってるから・・・」

 

 

*呉鎮守府 執務室*

 

リポーター『このように、艦娘が子供達の為に劇を披露し、特殊効果などで迫力のある劇を、子供達も笑って楽しんでいました。艦娘は兵器として世間に根強く知られていますが、私達は、艦娘の認識を改める必要があるかもしれません』

 

呉「ダンテちゃん、変わった事してるわね。私も誘ってくれればいいのに~!」

 

呉提督はクネクネしながら、自分を誘ってくれなかった事を悔しがっていた。

 

 

*大湊警備府*

 

大湊「録画完了・・・へっ」

 

大湊提督は、放送されていた劇の一部始終を録画し、不気味な笑みを浮かべていた。

 

 

・・・・・・

 

*大本営 元帥 執務室*

 

調印式や劇の後始末をして、元帥と大将、大和は大本営に戻って一息 吐いていた。

そこで大将が、肝心な事を思い出す。

 

大将「・・・ん?元帥、劇をしている者の中に、武蔵と あきつ丸が居ませんでしたか?」

 

元帥「そういえば・・・。あの鎮守府に武蔵と あきつ丸は着任していたか?」

 

大将「私は存じ上げません」

 

元帥「大和!」

 

大和「ひゃい!」

 

大和は焦りから声が裏返ってしまう。

武蔵と あきつ丸の話が出てから冷や汗が止まらない。

 

元帥「報告はあったか?」

 

大和「さ、さぁ、覚えてません・・・」

 

元帥は すぐに電話を取り、Devil May Cry鎮守府に電話を掛ける。すると、すぐにダンテが電話に出た。

 

元帥「私だ。お前の鎮守府に武蔵と あきつ丸が・・・切られた!」

 

武蔵と あきつ丸の名前を出した途端、電話を切られる。その後、何度も電話を掛けたが、鎮守府に繋がる事はなかった。

 

 

*Devil May Cry鎮守府 執務室*

 

ダンテ「あっぶね~、元帥だった」

 

赤城「提督、電話もタダじゃないんですよ」

 

ダンテの手には、引き千切られた電話線が握られていた。




おふざけが過ぎて ごめんなさい!

次回も よろしく お願い致します!
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