Devil May Cry鎮守府   作:しゅんしゅん@よし

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大変な状況が続いておりますので、今回は楽しい雰囲気の お話にさせていただきました。最初の予定では重い話も入っていたのですが、一部 内容を変更して、軽い お話にしました。
気が滅入るような状況が続いていますが、少しでも楽しんでもらえればと思います。




Mission97 サンタクロース~金剛の願い~

*街*

 

今日はクリスマスイブ。街はクリスマスムード一色となっていた。様々な店舗では、クリスマス関連の商品を置き、クリスマスの装飾で店内を飾っている。

 

金剛「ムッフゥー!」

 

そんなクリスマスムードの街中を、金剛はダンテと腕を組みながら上機嫌で歩いていた。と言うか、金剛が一方的に絡み付いている。

金剛の機嫌がいいのは、念願のダンテとのデートが叶ったからだ。少なくとも本人は そう思っている。

一緒に居るのはダンテと金剛だけではない。2人の後ろからは、遅れてネロとキリエが歩いている。

金剛とは対照的に、ダンテは すこぶる機嫌が悪かった。理由は このクリスマスのせいだ。

 

 

・・・・・・

 

*3日前 Devil May Cry鎮守府 執務室*

 

ダンテは1人で、暇潰しにビリヤードをしていた。赤城と加賀は、お茶を飲みながら まったりしていた。そこに、鳳翔が入室してくる。

 

鳳翔「提督、そろそろクリスマスですね」

 

ダンテ「・・・・・・・・・」

 

鳳翔「提督、そろ━━」

 

ダンテ「何が言いたい?」

 

ビリヤードのキューを置き、ビリヤード台に腰掛けながら鳳翔を見る。

一応 話を聞く姿勢になり、鳳翔は話を続ける。

 

鳳翔「そろそろクリスマスですね」

 

ダンテ「そうらしいな」

 

鳳翔「皆サンタさんが来るのを楽しみにしてるんです」

 

鳳翔は そう言ってニッコリ笑う。

そしてダンテは、鳳翔の言葉を鼻で笑った。

 

ダンテ「サンタ?そんな無償でプレゼント配る お人好しが本当に居るなら、俺もプレゼントの1つや2つ欲しいね」

 

鳳翔「けど今年は、鎮守府にサンタさんが居ますから」

 

ダンテ「ほう、鎮守府にサンタが居るとは知らなかったな。どいつだ?」

 

「「「・・・・・・・・・」」」

 

ダンテ「・・・・・・・・・」

 

鳳翔と一航戦の2人は無言でダンテを見詰める。無言の圧で居心地が悪い。

ダンテは自分じゃないと僅かな希望を持ち、問い質す。

 

ダンテ「冗談だよな?」

 

鳳翔「提督ですよ」

 

ダンテ「・・・ん?」

 

鳳翔「提督です」

 

やっぱりダンテだった。

だが、ダンテには これを回避する切り札を持っていた。何度もパティの お願いを拒否してきた最大の武器を。

 

ダンテ「鎮守府の艦娘 全員にプレゼント配れってか?そんな金が無いのは お前も知ってるだろ?」

 

“お金が無い”、ダンテは これで、何度もパティの おねだりから逃げ切った(本当に お金がなくて無理だっただけだが)。

鳳翔も流石に これ以上 面倒な事は言えないだろうと、ダンテは心の中で笑っていた。

 

鳳翔「お金なら私の お店の売上がありますから、それで賄ってください」

 

呆気なく切り札が潰された。

いや、まだだ。ダンテには もう1つ切り札がある。人として、大人として1番 失敗しやすい諸刃の剣が。

ダンテはビリヤードを見て ある事を閃いた。

 

ダンテ「なら、賭けをしようぜ。(エイト)ボールが入ればサンタはナシ。入らなければ、サンタでも何でもやってやるよ」

 

鳳翔「その言葉、忘れないでくださいね」

 

賭けが成立した。

ダンテはキューを持ち、手球の白いボールを撞く。手球は的球であるボールを弾く。

鳳翔と一航戦は、固唾を飲みながら8が描かれた黒いボールの行方を真剣に見守っている。

そしてダンテは、自分の勝ちを確信しているのか笑みを浮かべている。

行く末を見守っていると、8ボールがポケットに向かって真っ直ぐ転がっていく。

 

赤城「あっ!」

 

ダンテ「・・・・・・・・・」

 

しかし、8ボールはポケットの数cm手前で止まった。ポケットに入らなければ、ダンテの負けだ。

 

鳳翔「では提督、今年のサンタさん、お願いしますね」

 

鳳翔は笑っているが、ダンテは呆然と8ボールを見詰めるだけで動かなくなってしまった。

そこに、勢い良く執務室の扉を開けて金剛が乱入してきた。

 

金剛「話は聞かせてもらったデース!Burning Looove!」

 

間髪入れずにダンテに飛び付き、頬擦りする。それでもダンテは微動だにしない。

後から比叡、榛名、霧島もやって来た。

 

比叡「はぁ・・・はぁ・・・お姉さま、速過ぎ・・・」

 

金剛「提督、プレゼントを買いに行くなら、一緒に行きマショー!」

 

ダンテ「・・・クソッ!」

 

ダンテがビリヤード台を蹴ると、振動で8ボールがポケットに入った。今更 入っても もう遅い。

その後 一航戦が率先して、“サンタから欲しいプレゼント”のアンケートを配布、回収して、大淀がリストを作った。

 

 

・・・・・・

 

*現在*

 

ダンテ「(鳳翔の奴、金があるなら普段から貸してくれもいいだろうに・・・)」

 

こうして賭けに負けたダンテは、鳳翔から お金を預り、プレゼントを買う為に街まで来たのだ。ダンテの機嫌が悪いのは これが理由だ。

ネロとキリエも、孤児院の子供達のプレゼントを見繕う為に一緒に来ていた。

その後ろから、尾行してくる3つの影があった。

 

霧島「ちょっと榛名、押さないで」

 

榛名「だって よく見えないもの」

 

比叡「2人共 静かに」

 

比叡、榛名、霧島は金剛が心配で、隠れて見守っていた。3人が心配するのは、金剛がダンテと何かしようとすると、大抵 邪魔が入って望みが叶わない。陰ながらフォローする為に追ってきたのだ。

 

榛名「う~ん、よく見えない・・・」

 

霧島「榛名、押さないで!」

 

榛名「だって見えないから!」

 

比叡「だから うるさいって!」

 

ネロ「(あいつら、コソコソ隠れて何してるんだ?)」

 

ネロは自分達の後方で尾行してる比叡達に気付いていた。恐らくダンテも気付いているだろう。

ネロは気にしない事にし、ダンテに どこから回るのか訊いた。するとダンテは、大淀が作ったリストの紙を取り出し、上から順に見ていく。人数も多く、希望する物の種類も様々だ。あちこち回っていたら今日中に全部 確保するのは難しい。なので、1ヶ所で大抵の物が手に入りそうな、大型デパートに向かう事にした。

折角なので、ダンテは横に居る金剛の希望も見てみようとする。

 

ダンテ「・・・・・・?」

 

しかし、どれだけ探しても、リストに金剛の名前が無かった。ダンテは不思議に思いながらも、リストを仕舞った。

 

 

*Devil May Cry鎮守府 執務室*

 

ドタドタと走りながら、鈴谷が執務室に駆け込む。

 

鈴谷「提督ー!遊びに・・・提督は?」

 

折角のクリスマスイブなので、鈴谷はダンテを遊びに行こうと誘いに来たが、執務室には お茶を飲みながら まったりしている一航戦の2人しか居なかった。

 

赤城「提督なら、金剛さんと買い物に行きましたよ」

 

鈴谷「・・・・・・先 越されたー!!」

 

鈴谷は床に崩れ落ちた。

じゃあ明日 行けばいい、という訳にもいかなかった。明日は鎮守府でクリスマスパーティーの予定が入っている。その準備もあり、遊びに行く時間など、とてもじゃないが そんな暇はない。なので、今日しかないのだ。

 

加賀「お茶が美味しい」

 

一航戦の2人は鈴谷を放置して、平和な時間を謳歌した。

その後、如月も同じように来たのだが、結果は鈴谷と同じだった。

 

 

・・・・・・

 

*デパート*

 

デパートに着くと、ダンテと金剛、ネロとキリエの二手に別れた。

ネロとキリエは、色んな店に入っては陳列する商品を見て回る。

 

キリエ「ネロ、私達、こっちで お金 持ってないけど大丈夫なの?」

 

ネロ「あぁ、それなら、折角だから子供達にプレゼント買ってやれって鳳翔が渡してくれた」

 

キリエ「何だか、悪い事しちゃったね」

 

ネロ「そうだな、また何かで返さないとな」

 

こちらは順調にプレゼント選びが進行していた。

その頃、ダンテと金剛は・・・。

 

金剛「提督ー!ありマシタヨー!吹雪の欲しがってた新しいジャージデース!」

 

こちらもリストを見ながら順調にプレゼントを確保していたのだが、既にダンテは大量の荷物を持っており、前すら見えていない。

金剛がダンテの代わりに会計に走り、戻ってくるとダンテと腕を組み、次の お店に向かう。

 

金剛「次 行きマスヨ!次!」

 

ダンテ「金剛、引っ張るな!荷物が!」

 

荷物を落としそうになるが、どうにかバランスを取り対応する。引っ張られているダンテは大変そうだ。

その様子を、デパート内の柱の陰から比叡達が覗いていた。不審者 極まりない様子に、通りすがりの人の目を引いてしまっている。

 

榛名「金剛お姉さま、楽しそうです」

 

霧島「比叡お姉さま、余計な心配だったのでは?」

 

比叡「う~ん、そうかも・・・でも、心配だから最後まで見届けよう!」

 

霧島「結局 尾行するんですね・・・」

 

3人はコソコソ隠れながら後を追う。しかし、逆に怪しくて目立っている事を、本人達は気付いていなかった。

 

 

・・・・・・

 

ダンテと金剛は、デパート内の休憩スペースに置かれたベンチで休憩していた。

横には大量の荷物が置かれている。艦娘の人数が人数なので、自然と荷物も多くなる。

そこに、ネロとキリエも合流した。ネロもダンテ同様、大量の荷物を持っていた。

 

ダンテ「お前も大変そうだな」

 

ネロ「そっちよりはマシだけどな」

 

ダンテの横では、ずっと金剛が楽しそうにしていた。鼻歌まで歌っているぐらいだ。

ダンテは、リストに金剛の名前が無かった事を思い出した。欲しい物があるなら、早目に買って終わらせたい。

 

ダンテ「金剛、リストに お前の名前が無かったぞ」

 

金剛「アンケート、出さなかったからデース」

 

ダンテ「欲しい物は無いのか?サンタ来ないぞ」

 

金剛「内緒デス♪」

 

ダンテ「・・・・・・?」

 

物陰から、比叡達が盗み聞きしていた。金剛の話を聞いて、比叡の顔は曇った。比叡は金剛の願いを知っている。だが それは、決して叶うものではなかった。

金剛はダンテにBurning Loveだ。しかし、ダンテは この世界に留まり続ける事はできない。ダンテにも、帰るべき場所がある。金剛も それは理解している。だから金剛は、我儘を言わずに、少しでも一緒に居られる時間があればと思っていた。

そんな金剛が不憫で、邪魔が入らないように比叡が最後まで見届けようとしたのも、それが理由だった。

 

金剛「さぁ、提督!次の お店に行きマショー!」

 

ダンテ「もう これだけで良くないか?争奪戦にしようぜ」

 

金剛「皆の分 買わないと、鳳翔に怒られマスヨ?」

 

ダンテ「・・・仕方ない、行くか」

 

ネロ「(争奪戦って、ケンカになる結果しか見えねぇよ・・・)」

 

キリエ「ダンテさん、こっちは終わってるので、手伝いますよ」

 

金剛「キリエ!ここは私と提督に任せるデース!提督、行きマスヨ!」

 

ダンテ「だから引っ張るなよ。悪いな、荷物 見ててくれ」

 

金剛は、キリエの申し出を有無を言わさず断り、ダンテを連れ去った。キリエは唖然としながら見送るしかなかった。

 

キリエ「行っちゃった・・・。ねぇ、ネロ、金剛って もしかして・・・ネロ?」

 

後ろを振り返ると、ネロの姿が消えていた。

そのネロは、比叡達の前に立ち塞がっていた。

 

ネロ「お前ら何やってんだ?」

 

比叡「い、いや~、あははははは・・・」

 

尾行がバレた事で、乾いた笑みで誤魔化すしかなかった。

 

 

・・・・・・

 

金剛「比叡!?榛名!?霧島!?」

 

買い物が全て終わり戻ると、金剛は自分の姉妹艦が居る事に驚いた。ダンテは最初から気付いていたのか、特に反応を見せる事はなかった。

 

金剛「どうして ここに比叡達が居るデース?」

 

ネロ「俺達を尾行してきたんだ」

 

金剛「いつからデース?」

 

ダンテ「鎮守府 出発する時には来てたぞ」

 

金剛「What's!?」

 

榛名「金剛お姉さまが心配で・・・」

 

霧島「邪魔をしないようにと、陰ながら見守ってたんです」

 

比叡「ごめんなさい!」

 

比叡達は頭を下げて謝罪した。

すると、金剛は比叡達を抱き締めた。怒られると思っていた比叡達は、突然の事に言葉が出ない。

 

金剛「私は、比叡達を邪魔になんか思わないヨ。だって、大切なSistersだから」

 

「「「お姉さまぁ~!」」」

 

金剛の優しい言葉に、比叡達は泣き出した。

事情が よく分かっていないダンテ、ネロ、キリエは付いていけない。

 

ネロ「・・・何だ これ?」

 

ダンテ「感動のシーンってやつだろ?」

 

それよりも、人の往来が多いデパート内で、大の大人3人が大泣きしているので恥ずかしくなる。

 

ネロ「用が済んだら早く帰ろうぜ。変に目立つ」

 

ダンテ「お前ら、その辺にしとけ。荷物 運ぶの手伝え」

 

比叡「あ、はい!」

 

榛名「榛名は大丈夫です!」

 

霧島「怒られないなら何でもしますよ」

 

全員で荷物を持ち、デパートを出る。

そこで、霧島が1つの提案をした。

 

霧島「タクシー使いませんか?」

 

ダンテ達は、今回 車で来ていない。車を使おうとしたら他の艦娘が先に使って出掛けてしまい、車が1台も残っていなかった。

荷物の数は あまりにも多い。しかし、タクシー1台だけでは乗せられないので、2台のタクシーを使う事にした。

ネロとキリエが1台目に乗り込み、ダンテは2台目に乗ろうとしたが、ダンテよりも先に、比叡、榛名、霧島が乗り込んでドアを閉めた。窓を開けて顔を出す比叡達。

タクシーの外では、ダンテと金剛が立ち尽くしている。

 

比叡「私達、先に戻ってますから」

 

ダンテ「おい」

 

霧島「荷物は任せてください」

 

ダンテ「おい」

 

榛名は満面の笑みでサムズアップしている。

2台のタクシーは そのまま走り去ってしまった。

ダンテと金剛は、突然の事に唖然としていた。

ダンテは溜め息を吐きながらも、仕方ないので歩いて帰る事にした。

ダンテの後ろを、金剛が少し遅れて歩く。

 

金剛「提督」

 

ダンテ「ん?」

 

金剛「その・・・腕を組んでも、いいデスカ?///////」

 

ダンテ「行きで散々 組んでただろ。好きにしろ」

 

金剛「じゃあ、お言葉に甘えるデース!」

 

しばらく黙って歩く2人。

ダンテは ずっと疑問に思っていた事を、再度 金剛に ぶつけてみる事にした。

 

ダンテ「アンケート、どうして出さなかった?」

 

金剛「提督も大変ですからね。我儘は言えないデース」

 

ダンテ「それは本音か?甘えれる時に甘えないと、損するぞ」

 

金剛「もう甘えてマスヨ。それに、プレゼントは もう貰いマシタ」

 

ダンテ「(・・・何あげたっけ?)」

 

何かをプレゼントした覚えがないダンテは、ずっと首を傾げていた。そんな様子のダンテが可笑しかったのか、金剛は笑っていた。

2人は、ゆっくりとした足取りで鎮守府へ帰った。

 

 

・・・・・・

 

*Devil May Cry鎮守府 艦娘寮*

 

本当の闘いは、ここから始まる。

深夜、艦娘寮に2人のサンタが侵入した。

 

ダンテ「サンタの服まで着る必要あったか?」

 

ネロ「手伝ってやるから文句 言うなよ」

 

サンタのコスプレをしたダンテとネロは、プレゼントの入った袋を担いでいた。ご丁寧に白髭まで付けている。

サンタが来た事に気付かれた時に、身バレして夢を壊さないように配慮して、鳳翔とキリエが作っていた。

孤児院の子供達の分は、1ヵ所に置いて済ませてきたので、ネロはダンテを手伝いに来ていた。

ダンテとネロは、艦娘達に気付かれずに、部屋にプレゼントを置いていかなければならない。もしかすると、サンタが来るのを待って起きている者も居るかもしれない。

 

ダンテ「よし、行くか」

 

ダンテとネロは二手に別れ、プレゼントを置いていく。

ダンテは天龍型の扉を開けた。

龍田は大人しく寝ているが、天龍は寝相が悪かった。

 

ダンテ「(天龍、お前が欲しがってた新しい刀、見付けてやったぞ)」

 

2人の枕元にプレゼントを置き、次の部屋に向かう。

ネロは陽炎型の部屋に入り、袋の中を漁る。

 

ネロ「(えっと、秋雲のは・・・絵具に筆に、鉛筆、クレヨン、色鉛筆、画用紙・・・こいつだけ多いな!1つにしろよ!)」

 

鎮守府に着任している陽炎型の枕元にプレゼントを置き、すぐに部屋を出る。

その後も各部屋を回り、ダンテとネロは迅速にプレゼントを置いていく。

しかし途中で、ネロの方でトラブルが発生した。夜は絶対に寝ない艦娘と遭遇してしまった。

 

川内「あれ?もしかして、サンタさん?」

 

ネロ「(川内!?)」

 

川内「ねぇ、何で何も言ってくれないの?」

 

ネロ「(どうする?どうする俺!?)」

 

川内「サンタさんでしょ?私と夜戦しよ!」

 

ネロ「(ヤバいヤバいヤバいヤバいヤバい!!)」

 

サンタに夜戦を申し込む川内。

焦るネロ。

有ろう事か、川内はネロに突撃しに行く。

だが、川内は気付いていなかった。サンタが もう1人 居る事に。

川内の後ろから、もう1人のサンタが川内の動きを封じる。

 

川内「(サンタが もう1人!?)」

 

ダンテ「シー」

 

川内は鼻と口を塞がれ、呼吸ができない。もがいて逃げ出そうとするが、サンタの怪力から脱する事ができない。少しして、川内は意識を失った。

 

ダンテ「気を付けろ」

 

ネロ「わ、悪い・・・」

 

ダンテは川内を担いで、川内型の部屋に放り込んだ。序でにプレゼントも置いていく。

次にダンテは、球磨型の部屋に入る。

 

ダンテ「(大井は何だっけ?)」

 

 

“北上さんとの愛の結晶”

 

 

ダンテ「・・・・・・・・・」

 

何を思ったのか、ダンテは北上をベッドから出し、大井のベッドに移動させて布団を被せた。

そして、他のプレゼントを置いて部屋を出た。

ネロは白露型の部屋に入った。

プレゼントを置こうとすると、白露がモゾモゾとベッドから出てくる。

ネロは またかと思い、必死に空気になる。

 

白露「う~ん、トイレ・・・」

 

白露は寝ぼけながら部屋を出た為、サンタに気付かなかった。

ネロはホッとして、急いでプレゼントを置いていく。白露が戻ってくるまでに移動しなければ。

その後も何度かトラブルがあったが、順調にプレゼントを配っていき、残りは あと僅かとなる。

ダンテは青葉型の扉を開けようとしたが、やめた。部屋の中から起きている気配がする。

部屋の中では、カメラを持った青葉がサンタを待ち構えていた。

 

青葉「(サンタの正体を白日の下に晒しちゃうぞ~!)」

 

衣笠は大人しく寝ているというのに、困った艦娘である。

ダンテは扉の前にプレゼントを置いて移動した。

次に武蔵と あきつ丸の部屋に行ったのだが、中に入ろうとするとカギが掛かっていた。

 

ダンテ「(カギは反則だろ)」

 

艦娘達のマヌケ面の寝顔や寝相の悪さを見るのが ちょっとした楽しみになっていたダンテ。

いつもならドアを蹴り破っているところだが、起こしてしまっては意味がない。ダンテは音を立てずに、こじ開けれないか頑張ってみる。

そこにネロが通り掛かる。

 

ネロ「おい、何やってんだよ?」

 

ダンテ「ここだけカギが掛かってる」

 

ネロ「諦めて そこに置いとけって」

 

ダンテ「お前、残りは?」

 

ネロ「俺は長門と陸奥の部屋で終わる」

 

ダンテ「陸奥が1番 酷かった」

 

小声で話しながら、陸奥の名前を聞いてダンテの顔が険しくなった。ネロは事情が よく分からず、陸奥へのプレゼントを確認する。

 

ネロ「・・・化粧品?」

 

ダンテ「ダントツで高かった」

 

ネロ「あ~、納得。ダンテの残りは?」

 

ダンテ「金剛型の部屋で終わりだ」

 

ダンテとネロは、それぞれ最後の部屋に向かう。

ダンテが金剛型の部屋に入ると、4姉妹は大人しく寝ていた。買い物にも行ったので、疲れていたのかもしれない。

 

金剛「う~ん、提督ぅ・・・」

 

ダンテ「・・・っ!?」

 

金剛「Burning Love・・・」

 

ダンテ「(寝言か・・・)」

 

比叡「お姉さまぁ・・・」

 

霧島「榛名・・・メガネ返して・・・」

 

榛名「榛名は・・・大丈夫・・・」

 

平和な寝言に、ダンテも苦笑いだ。

プレゼントを置こうとすると、部屋に備え付けられた机に、1枚の用紙があった。暗くて よく見えないが、目を凝らして見てみると、それは金剛に配られていたアンケート用紙だった。

そこに書かれていたのは・・・“提督との時間”。

 

 

“プレゼントは もう貰いマシタ”

 

 

ダンテ「(そういう事か・・・)」

 

ダンテはアンケート用紙を懐に仕舞い、比叡、榛名、霧島のプレゼントを置いていく。

最後に、金剛の枕元に小さな箱を置いた。ダンテは、こっそり金剛用のプレゼントも用意していた。

 

 

・・・・・・

 

翌朝、鎮守府は大騒ぎだった。

起きたらクリスマスプレゼントが置いてあり、歓喜して狂喜乱舞だ。一部を除いて。

 

天龍「何じゃ こりゃー!」

 

天龍が箱を開けると、玩具の刀が入っていた。

天龍が思っていたのと違った。

 

那珂「うわぁ!新しいマイクだぁ!」

 

川内「本当だって!サンタが2人 居たの!私 見たんだから!」

 

神通「姉さん、いい加減にして。サンタさんが2人も居るはずないでしょ」

 

川内「本当だってば!」

 

昨晩 見た事を必死に説明するが、全く信じてはくれなかった。那珂は自分へのプレゼントに ご執心で、興味すらないようだ。

 

陸奥「見て、長門!これ高くて買うの渋ってたんだけど、起きたら置いてたの!」

 

長門「そうか」

 

陸奥「今日から使っちゃおっかな~!」

 

陸奥と違って毛ほども興味がない長門は、淡白な返事を返すだけだった。

 

衣笠「凄い、クリスマスプレゼント!青葉 起きてよ!サンタ来てくれたよ!」

 

青葉「・・・・・・・・・」Zzz・・・

 

衣笠が部屋のドアを開けると、すぐにプレゼントに気付いた。

青葉は中々サンタが現れず、寝落ちしていた。

 

大井「北上さぁーん!」

 

北上「・・・大井っち?何で一緒に寝てんの?」

 

朝からテンションが振り切れる大井だが、北上は寝起きで訳が分からない。

 

陽炎「秋雲!何で1つじゃないのよ!」

 

秋雲「いや知らないって。サンタに言ってくんない」

 

陽炎「おかしいでしょ!何で長女の私が1つなのよ!」

 

秋雲「・・・日頃の行い?」

 

陽炎「何ですってぇー!」

 

不知火「・・・・・・・・・」

 

陽炎と秋雲が、プレゼントを巡って喧嘩する横で、不知火は自分へのプレゼントを眺めていた。

 

不知火「(・・・司令官の匂いがする)」

 

忠犬 不知火、匂いで差出人を当ててしまう。

そして金剛も目が覚めた。

枕元に包装された小さな箱が置いてある。金剛は すぐに箱を開けると、薔薇のレリーフが刻まれたネックレスが入っていた。

金剛には すぐに分かった。プレゼントをダンテが配る事は知っている。自分の枕元に置いてあるという事は・・・。

金剛は手早く着替えを済ませ、執務室に向かった。

 

比叡「お姉さま・・・?」

 

比叡、榛名、霧島は、慌てて部屋を出た金剛に首を傾げ、お互いに顔を見合わせる。

3人も すぐに追った。

 

 

・・・・・・

 

*執務室*

 

鳳翔「サンタさんは大成功ですね」

 

ダンテ「お前が思ってる以上に大変だったぞ」

 

ダンテは眠いのか、欠伸をしながら窓の縁に腰掛けていた。

そこへ、金剛が勢い良く入ってきた。

 

金剛「Burning Looove!」

 

比叡「お姉さま!?」

 

鳳翔「提督!?」

 

金剛が飛び付き、勢い余ってダンテと一緒に窓から落ちた。大きい落下音が響き、鳳翔や後から追ってきた比叡達が慌てて窓から見下ろす。

 

金剛「提督ぅー!」

 

ダンテ「・・・・・・・・・」

 

金剛が、ダンテに滅茶苦茶 頬擦りしている。

うん、大丈夫そうだ。

ダンテがクッションになり、金剛には怪我がなかった。

金剛に頬擦りされながら、クリスマスの時期は自分の世界に帰ろうと、ダンテは心の中で誓った。




次回も よろしく お願い致します!
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