シトリー眷属の一般兵士   作:やまたむ

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一応、今回登場するキャラクターも許可は得ています。



次回予告?あれは嘘だよ

 私はソーナ先輩に呼び出され、先輩の部屋にやって来ていた。

 

「ソーナ先輩。私に用事ってなんですか?」

 

 そう尋ねるとソーナ先輩は無線機を取り出して、「出てきてください」と言った。

 すると、ソーナ先輩の影から、男の人? が現れる。

 

「彼は、夜兎(ないと)・ラクシュミー。アシュヴァッターマンの末裔です。あなたに紹介したのは今後彼と組んでの行動が多くなると考えたからです。能力は先ほど見て貰った通り、影に潜むこと。その系統の神器を所有しています」

「え? つまり、私のスカートをしたから覗かれるってことですか?」

「誰がするか、そんなこと!!」

「兵藤先輩なら羨ましがるだろうなぁ……。目、すごく潰したくなってきた……」

「なんで、こんなやつが……」

「彩南。ふざけるのはそこまでにしてください。夜兎は引きこもりの時期が長かったので私が代わりにしましたけど、あなたは普通のコミュニケーション能力があるんですから、自己紹介を」

 

 はーい。

 と、私は返事をして、夜兎さんの目を見る。

 すると、恥ずかしいのか目をそらす。頬を赤らめ、明らかに私にからかってほしそうな感じがする。この人、たぶん面白い。

 いじればいじるほどいい反応がある気がする。怒られない程度にからかってみよ。

 

「雨月彩南、小学三年生です」

「彩南?」

 

 ちょっと、ふざけてみたらソーナ先輩から睨まれた。はい、ごめんなさい。ちゃんとします。

 

「本当は高校一年生です。ソーナ先輩の兵士やってます」

「さっきの自己紹介の方が納得できたんだが?」

「私だって、好きでこんな身長になった訳じゃないんですよぉ!!」

「お、おう。わかった。なんか、ごめんな?」

「いえ、私も取り乱しました。こんど、身長のことでいじったら、ソーナ先輩に泣きついてお仕置きを受けてもらうことになるので気を付けてください」

「そこは、他力本願なのな……」

 

 だって、私がなに言ったって真面目に受け止めて貰ったためしがないんだもん。

 だから、私はソーナ先輩に泣きつくという手段をとるのだ! 

 私だって成長するときはする。というか、人間の頃より大分成長してるんだよ? 

 例えば、アルバイトも体力がついて休憩なし(店長から休憩しろと言われる)でやっても疲れないし、ちょっと重たい荷物を持っても大丈夫。

 旗を振ることはできなかったけど、あれは遠心力とかそんな感じのものだ。きっと。私の筋力が低いからというわけではない。

 

 ちょっと前、ソーナ先輩に握力を測定するように言われたときに、測ってみたら一桁だったのは関係ないはずだ。

 

「まあ、これからよろしく。あやっち」

「よろしくお願いします、夜兎先輩」

「それでは、お互い自己紹介も済んだことですし、行きましょうか」

「どこにです?」

 

 夜兎先輩がソーナ先輩に尋ねた。私はどこにいくか知っている。何て言ったって、私が提案して、ソーナ先輩が今日行くって言ったからね。

 

「水着を買いにですよ。今年は眷属全員で海にいきたいと思っていまして、あなたの分も買いにいくんですよ?」

「なんで、僕の分も」

「先ほども言ったでしょう? みんなで海にいくんです。あなたもいなければ意味がないでしょう?」

「水着を買うなら通販があるじゃないですか」

「残念です。確か、今日あなたのために予約していたゲームを取りに行くつもりだったのですけど、あなたがそういうのでは仕方がありませんね」

「いきます! 荷物持ちでもなんでもします」

 

 ちょろ!? なんで、その程度のことで承諾しちゃうの!? 

 チラッとソーナ先輩をみると、満足そうな笑みを浮かべている。

 

「さあ、彩南のための水着を買いにいきます。しっかりおしゃれしていきましょうね? これはあなたのためでもありますから」

 

 私のため? あ、そっか。匙先輩と出掛けるわけだからかわいく見せないといけない。

 つまり、匙先輩にアピールするチャンス!! 

 

「ソーナ先輩!!」

「はい。わかってますよ。夜兎は退室してください」

「覗いたらその目、ぶち抜きますから」

「わかってるよー」

 

 夜兎先輩はそう返すと、ヒラヒラと手を振って部屋から出ていく。すると、ドアの向こうから、突然心音が消える。

 私は驚いてドアを開いて廊下を見た。

 そこには慌ただしく仕事をしている使用人の人たちしかいなかった。

 

「夜兎の能力はわかりましたか?」

「潜入能力が高い。そう考えた方がいいんですか?」

「ええ。まあ、あの状態だと、影に潜ることしかできないんですけどね」

「つまり?」

「彼が本気を出すときは、影を伝った移動が可能です。あなたが音を拾い、彼に指示を出す。そうするだけで、相手は気づかないうちに倒されている」

「ほぇー」

「今はそんな感じでいいですけど、これからはもっと考えてください。あなたの戦闘において力の差や、体格差は技術で補わないといけないのですから」

 

 なるほどなるほど……つまり、私自身も何らかの技術を身に付けないといけないのか……。

 夏也さんや碧さんはそういった技術を身に付けてはいそうだけど、たぶん、私には真似できない。

 だって、私にそういった技術が身に付いたところで、体格差で負けちゃうから。

 それなら、まだ茜さんから回避術を習う方がいいかもしれない。

 

「まあ、そんなことより、着替えです。こんな感じでどうですか?」

 

 と言って、私に服を見せてくる。

 そんな感じのやり取りをして着替えが終わるまで、約三時間かかった。

 

 

※※※

 

 

 私たちがショッピングモールにつくと、そこには匙先輩たちもいた。

 

「お待たせしましたー。匙先輩」

 

 私は匙先輩を見つけると、最初に抱きついた。

 背中に衝撃があり、私の存在に気づいたのか、匙先輩はそのまま私を持ち上げて、抱っこしてくれる。

 

「いや、そんなに待ってないから、気にするな」

「本当ですか?」

「あぁ。時間ぴったりだからな」

 

 そういいながら、匙先輩は私をユラユラと揺する。

 気持ちよくて、スヤァとなりそうになるけど、必死にこらえた。

 だって、これから(ソーナ先輩と夜兎先輩。ルルちゃん他、シトリー眷属みんなと一緒に)デートをするのだ。寝るわけにはいかない。

 私は何となくソーナ先輩を見ると、どす黒いオーラを噴出しているソーナ先輩がいた。

 

「ソーナ先輩?」

 

 私が話しかけると、ソーナ先輩はクイッとメガネをあげ、黒かったオーラがいつも通りの青色に変わる。

 

「どうしました?」

「どこか不機嫌そうだったので、どうしたのかなー? と」

「いえ、ちょっと羨ま……はしたないので、再度教育が必要だなと思っていただけですよ」

「き、厳しくはしないでくださいね?」

 

 ソーナ先輩はフフ、フフフと怖……美しく笑うだけでなにも言わない。うん。なんか、今日のソーナ先輩暴走ぎみな気がする。

 まあ、うん。気にしないでおこう。

 

「それでは、行きましょうか。彩南の水着の候補はあらかじめ決めてありますから、みんなはゆっくり選んでいいですよ」

「ソーナさんが変わりすぎてヤバイよ。ツバさん」

「ソーナがセラフォルー様に似てきているように感じるときがあるんですよね……」

「うん。間違いなく、あの人と同じ血が流れてるよね。妹ができたって、喜んでるのかな?」

「恐らく」

「椿姫、夜兎、何しているんですか? 早くいきますよ」

 

 ソーナ先輩に急かされながら、真羅先輩と夜兎先輩は歩き始める。

 それにしても、ソーナ先輩が選んでくれているのか。どんな感じになるんだろ。楽しみだなぁ。

 私は匙先輩の背中に陣取りながら、ショッピングモールに入っていった。

 

 ショッピングモールに入って私は違和感を覚える。

 他のみんなはなにも変なところはないと思っているのか、特にこれといった反応を示していない。

 と言うことは別の何かが関連してるのかな? 

 

 私は男性服売り場のところの一角だけ音がひとつしかないことを気にしながら、水着売り場まで連れていってもらう。

 水着売り場についてから、私は着せかえ人形と化した。

 

 ソーナ先輩とルルちゃんが私に似合う水着を選んで、「もっと、もっとかわいくできるはず」みたいなことを呟いたことがきっかけだった。最初はワンピースタイプの水着でいいと思っていたみたいだけど、着せてみたらなんか違ったみたいで、何回も何回も、これじゃない、あれじゃない。むしろ彩南に釣り合う水着がないみたいなことを言い始める始末。

 

 私、学校の授業以外で水着を来たことがないから、スク水以外なくて、水着を買いに行ったこともないんだよね。だから、二人に任せていたら、桃先輩がこれどう? と持ってきたものを着てみると、次は巡先輩が、その次に由良先輩が、その次に草下先輩が、最終的には匙先輩も入って、私に合う水着を選び始めた。

 

 そのときの、匙先輩のセリフが、

 

「華穂にも買ってやらないといけないからな」

 

 というものだった。つまり、匙先輩は私を元に妹さんの水着を考えているのだ。

 いや、まあ、それ自体に異論はない。どんな形であれ、匙先輩が選んでくれるのだ。つまり、匙先輩の性癖もわかる。

 要するに、私にとって有益な情報が得られるという最高のメリットなのだ!! 

 

 ちなみにどれが一番私に似合う水着なのか大会はソーナ先輩の知り合いの仕立て屋にてオーダーメイドするという形で落ち着いた。

 なんでそうなった……。夜兎先輩じゃないけど、それなら、ここに来る意味なかったよね? 

 

 私が呆れていると、いい時間だしご飯を食べようということになった。

 そこで、ちょうど私の耳にショッピングモールに入る前に聞いたボッチ心音(誰も周囲にいなかったときの心音だからそう名付けた)もご飯を食べていた。

 私はその音が聞こえてくるお店に行こうと提案する。

 すると、みんなもどこでもよかったのか、その提案に乗ってきた。

 

 そのお店は好きな席につけるようなシステムなようで、店員が「お好きな席にどうぞ」といっていた。

 私は、その心音の人の所の近くの席にみんなをつれていく。

 え? なんでかって? 反応が面白そうだから? 

 まあ、何となくだ。何となく、嫌な予感がするからその人を見ておきたい。

 そんな好奇心からその人が通る道を挟む形でみんなで座った。

 そのとき、ピクッ! と反応したのが見れたのは僥倖だったね。

 

「なんで、気づかれた……」

 

 という呟きは私以外には聞こえていなかった。ニヤッと笑ってその人を見ると、その人もお前か! と言う反応をした。

 うんうん。とても面白かったよ。ボッチ心音さん。

 ただ、そこで、聖剣を取り出すのはやめて、オーラでオーバーキルされちゃうからー。

 

 と、聖剣の波動を放つ剣に警戒しながら、私はその人を見る。黒の髪に白のメッシュを入れた男性だ。

 神器なのか、それとも、普通にただの聖剣なのかそんな波動を放つ剣を先程取り出していた。

 さすがに、これは、みんなも気づいたみたいで、私を睨み付けてきた。

 

 あ、うん。これは、あれだ。説教コースだ。朝までの……。

 好奇心は猫を殺すっていうけど、私の場合は睡眠を殺されちゃったよ。トホホ。

 まあ、私が悪いんだけどね。

 反省はしてる。反省は、ね? 

 

「すみません。家の子が。この子どうしようもなく常識がかけているので、こちらで再教育しておきます」

「ちょっと、ルルちゃん!?」

「いや、気にするな。俺も気づけなかったからな。まさか、悪魔が集団で囲んでくるとは……」

「ほんと、すみません! この子本当にバカなんで!」

「ひどいよルルちゃん! 私だってアルバイトしてるんだからね! 少なくともルルちゃんよりも稼いでいるから!」

「あんたは黙ってなさい! この程度のことで、戦争が再開なんてされたらたまったものじゃないの!」

「でもでも! ボッチだったんだよ、この人! なんでか知らないけど、周りに人が一人もいなかったんだから!」

「そういう問題じゃないわよ! 聖剣なんてもの私たちじゃ相手できるわけがないでしょうが!! そこを考えなさいっていってるの!」

「二人とも、静かに。お店の方に迷惑です」

「「は、はーい」」

 

 ソーナ先輩の一喝でヒートアップしていた私たちは冷静さを取り戻す。

 その後ソーナ先輩が、私のチャチャなしで、迷惑をかけたことを謝っていた。その過程で私も一緒に謝らされた。

 あ、それともうひとつ気になったことがあるんだった。

 

「なんで、そんなに警戒してるんですか?」

「悪魔に囲まれて警戒しない方がおかしいだろ?」

「うーん、ちょっと違うかなぁ。悪魔以外も警戒してますよね? 同族である人間も含めて」

「そうか。それなら、こちらに来ない方が良かったんじゃないか?」

「いやぁ、一定範囲内に誰もいない人がどんな人か気になるじゃないですかぁ」

「好奇心は猫を殺すと言う諺を知らないのか?」

「ここで戦うことはできませんよね? 一般人を捲き込んじゃうかもしれないんですから」

「珍しく雨月が挑発的だな」

「あやは元々こんな感じですよ。気を許してない相手だと、つくづく愛想が悪くなるんです」

「失礼な! 私は別に相手を選んでる訳じゃないもん! ただ、気になったから近づいただけだもん!」

「はぁ……。リヴィエール」

「???」

「俺の名だ。リヴィエール・A・ハルトマン」

「それじゃあ、リヴィさんですね。よろしくです。これから、あなたの心音を聞き付けたらみんなで押し掛けます。ボッチは寂しいですからね」

「俺に構わないでもらいたいものだ」

 

 リヴィさんはそう言ったあと、鼻で笑った。うんうん。この感じ、悪い人じゃなさそう。

 ちょっと、意識してるのか敵対しないような口調で話しているから、戦闘も好きじゃないのかもしれない。

 

「それじゃあ、みんなでご飯を食べよう! リヴィさん。相席いいですか?」

「話はこれで終わりじゃないのか!?」

「もーまんたいですよ。一人で食べるよりみんなで食べた方が美味しいですからね。匙先輩、ソーナ先輩も一緒に食べましょー」

「はいはい。わかったよ。ほら、雨月なにが食べたいんだ?」

「ハンバーグ!」

「俺の意思は無視か!?」

「ボッチで耐えられる人なんていないですからね」

「ドリンクバーは人数分、リヴィエールくんは注文してますか?」

「あ、あぁ」

「なら、あとは、私たちのぶんだけですね」

「なぜ、こんなことになる……」

「あやは実質的に会長と対等だからなぁ」

「こんな子供がか?」

「こんな子供が、です」

 

 失礼な! 私は高校生だからね!! 子供と言われる年齢をもうそろそろ抜けるんだから! 

 そのあと私たちはリヴィさんを囲んで、ご飯を食べ買い物にも連れ出した。

 だって、リヴィさん、ボッチでまた、着替えを探すとか言ったんだもん。すぐにボロボロになっちゃう私服も買い置きしておいた方がいいから、匙先輩の分の服も検討しよう。私の分? ソーナ先輩がいつもオーダーメイドで、似合う服を注文してくれる。冥界の仕立て屋さんは優秀なんだろうなぁ……。

 だって、私の水着もその仕立て屋さんに注文したからね。

 

 そんな感じで私たちの買い物はショッピングモールがしまるギリギリまで続いた。

 とても楽しかったよ? 最後は、疲れて匙先輩におんぶしてもらったけどね。

 

 

※※※

 

 

 家について、まず、ソーナ先輩は水着を注文していた。サイズは教えてなかったけど、よくお風呂には一緒に入っているから、それでわかったんだと思う。

 夜兎先輩は嫌ってほど連れまわされて、当分シトリー領に引き籠るそうで、さっさと帰っていった。

 

 私はお風呂に入るため、ソーナ先輩と脱衣所に向かう。

 そこで、聞き覚えのない心音が聞こえてきた。どうやら、その人もお風呂に入っているみたいだ。

 まあ、ソーナ先輩の心音に似てるし、女の人だから鉢合わせても問題はないと思う。

 

 脱衣所につくと、ソーナ先輩はある一角をみて、頬をひきつらせる。

 

「ソーナ先輩?」

「こ、この服は……!」

 

 その一角にはコスプレ衣装があった。つまり、ソーナ先輩はこの衣装の持ち主を知っていると言うこと? 

 そんなことを思っていると、お風呂の扉が勢いよく開かれる。

 

「ソーたーん! 会いたかったよー!」

「お姉さま!? なぜここに!?」

 

 ソーナ先輩のお姉ちゃんなんだなぁ。

 私はのんびりとそんなことを思っていた。

ダイジェストじゃないコカビエル戦、読みたいですか?

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  • そんなことより本編はよ
  • そんなことより、彩南の匙攻略進度だろJK
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