シトリー眷属の一般兵士   作:やまたむ

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えっ?ソーナ先輩の家に住む?

 悪魔に転生して一週間。私は、シトリーの管轄地域で、走りながらチラシをポストにいれていた。

 え? なんで自転車じゃないのかって? 自転車じゃ私の足が足らないからですよ。ちくしょー。

 いや、今まで、駅まで歩いていけたし、アルバイト先も学校からの帰り道の所にあるしで、自転車が必要ない生活を送っていたから、乗らないのだ。決して、乗れないというわけではない! 乗れない訳じゃないんだからぁ……。

 

「よし、チラシの配達は終わった。匙先輩に褒めてもらおーっと」 

 

 私は、悪魔の翼を生やして、空を飛んでソーナ先輩の家に向かう。

 ソーナ先輩に、私は特訓のメニューを渡されており、その一つが、空を飛ぶことになれること、と言うものだった。

 初めこそ、ソーナ先輩の付き添いで、飛んでいたが、三日もすれば、コツもつかめてきて、一人で自由に飛び回ることができるようになっていた。

 

「ただいま戻りましたー」

 

 私はそう言って、ソーナ先輩の家の屋敷の扉を潜る。

 いつみても大きいなぁ。キョロキョロと辺りを見渡すと、一室からソーナ先輩が現れた。

 

「お帰りなさい。空を飛ぶのには慣れましたか?」

「はい! 風に乗るって感じがしてとても気持ちいいです。あ、でも、パンツが下の人から見えないかは不安でした……」

「移動しているときはそうそう見られるものではないと思うので、大丈夫だと思いますよ」

「ですかね?」

「はい。それより、こちらに来てください。みんなで、リアスとライザーのレーティングゲームの観賞をしますよ」

「はーい」

 

 私はソーナ先輩の後ろについて、シアタールームへと入っていく。

 そこには、匙先輩たちもいて、既に席についていた。

 私は、シレッと匙先輩の膝の上に座る。あまりにも自然な動きだったので、ルルちゃん以外気づいていなかった。

 ソーナ先輩が映像を流すのを、私は匙先輩に体重をかけながら見ている。

 

「それにしても、ライザーって人の戦術。ゲームじゃなかったら使えないですよね」

「そもそも、ゲームだからこそ使える戦術です。実践的じゃないからと失念すると、足元を掬われます」

「あと、兵藤先輩は相変わらず最低です」

洋服崩壊(ドレスブレイク)は普通に脅威ですね。もし、リアスとレーティングゲームをすることになった場合、匙に頼むことになりそうです」

 

 匙先輩の隣に座るソーナ先輩から、私の呟きに反応が帰ってくる。

 魔法についてソーナ先輩や花戒先輩、草下先輩から聞いて、私も私なりの魔法を作ってみているけど、ここまで変態的で有効的な魔法を作ることはできない。

 変態じゃなかったら、普通に尊敬してたと思う。変態じゃなかったら、ね。

 

「うーん。私も武器とか決めた方が良いかな……?」

「そうですね……。彩南は背が低くて、力もないですから、ウィザードタイプかサポートタイプの戦い方になると思います。駒価値一で、サポートタイプになると、ダイス・フィギュアでの活躍が期待できそうですね」

「となると、罠の作り方とか勉強した方が良さそうですか?」

「えぇ。あとは、あなたの耳のよさが活かせるように、遠距離の視認できないところからの攻撃方法があると良いかもしれませんね」

「気配遮断能力も必須になってくる……と。知り合いに忍者がいるので聞いてみます」

「当分、彩南の修行は気配遮断と罠の作り方を重点的にあげていきましょう。悪魔の仕事をこなしながらになると思いますけど、できますね?」

「がんばります」

 

 匙先輩に良いところを見せたいから。

 罠の張り方はハンターのおじさんに聞いたら良いかな? いや、人型相手だから、自衛隊員さんかな? 

 作ることに関しては、草下先輩に聞こう。

 たしか、草下先輩は諜報能力関係の魔法が得意らしいし、罠の作り方とか知ってそうだし。

 

「となると、武器は遠距離から攻撃できるものにした方が良さそう」

「ですと、弓や火器になりますね。火器は重いですし、弓も意外と力を使いますから、あっているのを探す方がいいでしょう」

「持ち運びを考えると、弓ですかね? モデルガンになると反動とか考えなくても良さそうですけど、威力に不安がありますから」

「わかりました。相当小さくなりますけど、弓を特注しておきます」

 

 弓か……。弓道部の人に弓の使い方を聞いて、昔の本を読んで弓術を学んでみよう。まあ、悪魔で寿命も長いのだ。ゆっくりで良いだろう。

 

「それでは、今夜はここまでにしましょう。家でゆっくり休んでくださいね」

 

 はい! と、私たちは返事をした。うぅー、帰りたくないなぁ。

 そんなことを思っていると、ソーナ先輩が、「彩南には、少し話があります」と言ってきた。匙先輩たちが帰っていったあとに、話しかけられたので、私一人だけだ。

 

「なんでしょうか?」

「いえ、あなたの家の事情について調べさせていただきました」

 

 あ、そうなんだ。別に気にしなくても良いのに……。

 あの、ダメな親のことなんて、調べても面白いものはないと思うんですけど……。

 

「あなたの家庭での状況から、病院の受診歴、アルバイトのシフト。何から何まで、調べました。その中で一つおかしな点を見つけまして」

 

 そう言って、見せてきたのは、私の通帳のコピーだった。そう言えば、一昨日、通帳を貸してほしいと言われて、貸したんだっけ? 

 通帳記入してなかった筈だから、最後に引き出した記録以外にないはずだけど……。

 って、あれ? 先月の給料と親が出し入れした記録がある。

 

「あの、ソーナ先輩、もしかして?」

「はい。あなたが通帳記入を一切していないと言っていたので、代わりにしてみれば、こんなことになってました。まず、質問です。給料日に下三桁を除いて一気に引き出されてますけど、このお金はいつ、使われたのですか?」

 

 だよね。一番怪しむよね。そこ。だけど、それの答えは簡単だ。

 

「父がパチンコを打つために使ってます。そのあとに入っているお金も、たぶんそこで稼いだ額だと思いますよ」

「そうですか。でしたら、あなたは今、親からの援助なしで生活を?」

「お小遣いは一度も貰ったことないですよ? 親が働いたお金は全てパチンコに費やされて、本格的にお金がなくなってきたら、母が日雇いのバイトで働くかパートをして、なんとか食い扶持を保ってましたから」

「それでは、お父様は一切働いていないのですか?」

「働いていないと思いますよ。稼ぎが安定しない遊び人と言うのが職業だというなら変わりますけど」

「お母様は、お父様がギャンブルをしている間、あなたの面倒を見たりとかは?」

「なかったですね。むしろ、お父さんと一緒にパチンコをしてました。二人で稼いだ分で、二人分の食事を作って、余り物が私にって感じの生活でした。たまにルルちゃんの家に泊まらせてもらって、ご飯も食べたりしてましたけど」

「わかりました。やはり、あなたをあそこにいさせるのは問題がありそうですね」

 

 ソーナ先輩は顎に手をあてながら、そう呟く。

 あの、一応、親なので、独り暮らしさせる場合は、交渉とかしないとダメですよ? あの人たち、私のお金をあてにして生活してるような人だから、簡単には手放したくないと思うんですよ。

 

「それでは、当分、ここに泊まっていってください。大丈夫です。着替えも、パジャマもありますし、勉強も見てあげられます」

「えっ? ちょっ、えっ?」

「安心して。ここなら、あなたの自由にできるから。欲しいものは? 服とかゲームとか買ってあげるわ。兄弟が欲しいのなら、私がなってあげる。あの人たちが、あなたから手を引くように交渉も私がしてあげるから」

 

 えっ、ちょっ、どう言うこと? あと、あの、いきなり抱き付かないでください。

 私はこの状況について行けなかった。

 な、なんなの、この状況。いや、確かに客観的に見れば、ひどい人生を歩んできたと思うよ。

 そして、話が飛躍しすぎな気がする。

 あ、でも、こうやって抱き締められたの、久しぶりかも。最近はルルちゃんと匙先輩をめぐった熾烈な争いをしてるから、一喜一憂する度に抱きつくのが、少なくなってたし。

 あぁ、ソーナ先輩も暖かいなぁ。匙先輩が惚れるのもわかっちゃうかも。

 

「すいません。少し考えさせてください」

「そう……。あなたがそう言うなら、私は待ちましょう。いつでも辛くなったら私を頼ってください。あなたのために手を尽くしますから」

「ありがとうございます。それじゃあ、たまに、お父さんたちの愚痴を聞いて貰っていいですか?」

「いいですよ。あなたが一般的な感性を持つ子で本当によかった。もしかしたら、『私が悪いから』なんて言い出すかもしれないと思っていたから」

「ルルちゃんといたらから、こうなれたんですよ。多分ルルちゃんと会わなかったら、私はネグレクトを受けた子供と同じ考えだったと思います」

「そう。留流子が……。それじゃあ、また、明日。学校で」

「はい」

 

 うん。ルルちゃんには感謝しないと。ノリの軽さで、私の現状を把握して、家にいる時間を少しでも短くしてくれて、一般というものを教えてくれたから、まともな思考を身につけることができた。

 親がパチンカスってことで、いじめも受けた経験があるけど……うん。ルルちゃんがいなかったら、こんなこと考える前に自殺しちゃうんじゃないかな? 

 

「ほんと、ルルちゃんには感謝してもしたりないかも……ふふっ」

 

 自然と笑いがこぼれる。なんだかんだいって、恋敵ではあるが、親友なのだ。それに、ソーナ先輩から聞いたところによると、上級悪魔になればハーレムも問題ないらしい。ならば、匙先輩に上級悪魔になって貰って、私たちを囲んでもらえば、万事解決である。匙先輩の初めては、全て私がもらう予定だから問題ない。えっ? 初恋は取られてる? 知らない子ですね。

 

「あ、でも、家に帰ったら、また、お母さんに怒鳴られるかな? 今から引き返しても良いかな?」

 

 私が足を止めると、後ろからついてきていた何かも足を止めた。

 サイズは結構小さい。数十センチ位だろう。振り向いてみても、何も見えないから、何処かの影に潜んでいるのかな? 

 うーん。気のせいじゃないと思うんだけどなぁ。そうだ。少し風を起こしてみよう。

 

 私は軽く魔力をの集め、小規模の風を発生させる。その時軽く音が鳴り、反響してきたものを聞いてみると、影に潜む小さななんだろう、これ? 影? があった。

 使い魔ってやつなのかな? もしかしてソーナ先輩が私のために? 

 あははー。私の耳に入らない範囲で指示を出したのかな? 

 よし、ここは勇気を出して引き返そう。今日はやっぱり家に帰りたくない。

 て言うか、一生、あの家に帰りたくない。

 

 私が引き返したのがわかると、ソーナ先輩の使い魔は私に存在が認識されているのがわかっているかのように、足音を立てながら動いている。

 ちなみに、その他の足音もきちんも把握しているため、警察に補導されることはない。

 近づいてくれば、別の方向に逃げればいいからね。

 見えない警察との追いかけっこ擬きを繰り広げながら、私はソーナ先輩の家に再びついた。

 

「ふふ。お帰りなさい。やっぱり帰りたくなかったのね」

「はい。すいません。ソーナ先輩……」

「いいのよ。それと、話もちゃんとつけてきたから、これから、ここに帰ってらっしゃい」

 

 いつの間に……。もしかして、私が警察と追いかけっこ擬きをしているとき? 

 そして、これからここに私は帰ってこないといけないのか……。慣れるまで大変そうだなぁ……。

 

「どうやって両親を納得させたんですか?」

「一生遊んで暮らせるだけのお金を渡したら、快く受けてくれたわ。はい。これがあなたのキャッシュカード。これで、アルバイトの給料はあなただけのものよ」

「あはは、いきなり自由に使えるお金ができても何に使えばいいのかわかりませんよ……」

「だと思ったわ。こんど、一緒にデパートにでもよりましょう。あなたに似合う服を探すの」

「あ、それじゃあ、そこに匙先輩も呼んでいいですか?」

「サジも……。あぁ、そう言うことね。いいですよ。あなたの呼びたい人を呼んでもらって」

 

 やった。これで、匙先輩の好きな格好がわかる。ついでに、匙先輩の服も買っちゃおう。

 

「お風呂はまだよね。一緒に入りましょうか」

「えっ? あ、はい。わかりました……」

 

 お風呂……お風呂かぁ……。苦手なんだよなぁ、お風呂。

 実は私の肌はとても敏感なのだ。スッと背中を撫でられると、立つこともままならない。たぶん、成長用のエネルギーが、脳と神経細胞に割り振られ、発達したからなのだと思う。

 悪魔になって、一ミリ延びたとはいえ、いまだに百二十八センチ台から抜け出せていない。

 えっ? 一ミリは誤差? 一ミリでも伸びたら、身長低いものからしたら嬉しいものなの!! 時々、測り方が下手くそな先生が測って低くなってるときとかあるけど、嬉しいものなの!! 

 

「あぁ、安心して。あなたの肌に合うように、シャンプーもリンスも、ボディソープも取り寄せてあるから」

「準備よすぎないですか?」

「どうかしらね? 私、眷属の子とお泊まり会をするのが夢だったから」

 

 なるほど。もしかして、この屋敷。匙先輩の分も含めて、誰でも泊まれるように、様々なものを取り揃えてたりしてそうだな。

 私は、ソーナ先輩のガチさを尊敬しながら、脱衣所へと向かった。

 

 脱衣所も予想通り大きく、やっぱり、慣れなかったし、ソーナ先輩が服を脱がそうとしてきて、それに従ったりとで、大変だったけど、なんか、こう、ソーナ先輩がお姉ちゃんのように感じ、とても楽しかった。

 お風呂にはいる時には既に、私の身も心もソーナ先輩に委ねてた気がする。

 

「ふにゃー。ショーナしぇんぱーい」

「呂律がまわってないですよ」

「きもちよしゅぎましゅー」

「そう。なら、良かった。逆上せないうちに上がりましょうね」

 

 私は、私を抱えてくれるソーナ先輩に全体重を委ねる。

 頭を洗ってくれたときの手つきは、なんか、こう、こそばゆくて、でも、何処か気持ちよくて、体を洗ってくれたときは、蕩けそうだった。

 そして、現在。湯船に浸かって完全にとろけてしまったわけだ。

 うん。なんだろう。この先輩、人をダメにするオーラがすごい。普段シャキッとしてるから、こう、一身に愛情を受けると、それに全てを委ねてちゃう。

 うーむ。これは、強敵だ。さすが、女子生徒の人気ナンバーワンで、匙先輩が惚れた女性。

 正直に言おう、私、匙先輩とソーナ先輩が結婚したとしたら、略奪じゃなくて愛人狙うかも。

 私はうっかり、ソーナ先輩のことをソーナお姉ちゃんと呼ばないように気を付けながら、一緒にお風呂に入っている。

 

「彩南は将来、成りたいものはありますか?」

「成りたいもの……。匙先輩のお嫁さんは当然として、それからは……ないですね」

「そう……。サジは愛されてるのね。それでは、私の作る学校で先生をやってみませんか?」

「先生?」

「はい。私の夢は小さいものだと、眷属と遊びにいったり、こうしてお泊まり会を開いたりと言ったものになります。でも、私の最終的な目標は、私たちのチームを戦いづらいチームにすること。そして、レーティングゲームの学校を作ること」

「ほぇ……。だから、会長はレーティングゲームの戦術をみんなで考えるんですね」

「はい。私の夢に、サジも椿姫も他の子も賛同し、同じ夢を見てくれています。主名利につきますよ。本当に」

「私も、その輪に入っていいんですか?」

「むしろ、私から入ってほしいと思ってますよ。あなたの耳は索敵能力に優れ、諜報活動も可能です。さらに、魔力の扱い方も将来有望です。あなたの身に付けている能力は弱者が強者に挑むときに必ず必要になってきます。兵士でも王を取れる。あなたなら、これをこなしてくれそうですから」

「買い被り過ぎですよ。私にそんなすごい能力はありません」

「そうでしょうか? まあ、もし、あなた自身が、あなたを信じられなくなったとき、私があなたに自信を取り戻させてあげます。戦術面で私はあなたたちを扱えなければ、私の王としての素質が疑われますから」

「それじゃあ、私の力は、ソーナ先輩に委ねますね」

 

 私が、逆上せそうなことに気づいたのか、ソーナ先輩が、抱っこして脱衣所まで連れていってくれた。

 うぐぐ……。これが、姉属性持ちの実力か……。

 

「姉はいますけど、妹はいないんです。留流子も妹分の様に感じますけど、あなたほどじゃないんですよ。あなたの小動物じみた姿が、可愛らしくて、少し姉の気持ちもわかった気がします」

 

 なん……だとぉ……。いや、まあ、確かに、髪は黒でショートカットだし、身長はあんまり伸びないから、実年齢よりうんとしたにみられるし、ロリコン集団が、なんか、親衛隊みたいなの築いてたけど、なんで、ソーナ先輩もその親衛隊みたいな感じのこといってるんですかぁ……。

 ちなみに、その親衛隊。女子の割合が多くを占めているらしい。他にも変態三人組のエロメガネ先輩も入ってるとか……。

 なんで、私が知ってるのかって? 新校舎内であれば、私の耳は音を拾っちゃうからですけど? 

 

「そういえば、学校には彩南親衛隊というものが存在しましたね」

 

 うぐっ。私が作った訳じゃないんです。

 私はソーナ先輩にシャツを着せてもらいながら、心のなかで言い訳する。

 

「あなたが作った訳じゃないことは知ってますよ。確か、留流子が報告してきたんですよね。部活動として認めてほしい、と」

「だから、新校舎に、集会所みたいに人の集まる場所があったんですか……」

「気づいていたんですね?」

「私、耳はいいので、少なくとも新校舎のなかで起きることくらいは把握しています。あ、変態三人組が覗きをしていたら報告しましょうか?」

「そうしてくれると助かります」

「生徒会も大変ですね」

「その分、やりがいのある仕事です」

 

 なるほど。ソーナ先輩は学校が好きみたいだ。私も学校は好きですよ。

 いじめを受けた経験がありますけど、ルルちゃんたちがいてくれるから、とても楽しい生活を送れてますから。

 私はソーナ先輩に服を着せてもらうと、髪を乾かしてもらう。

 

「それにしても、あなたの世話を焼いていると、段々本当の妹のように感じてきますね。留流子もこんな気持ちだったのでしょうか?」

「よくわかりません。私は、いつも助けてもらう側でしたから」

「そうですか……。でしたら、これからは、助ける側に回れるよう、鍛えましょうね」

「はい。ソーナお姉ちゃん」

「…………!!!!!!!」

 

 はっ! やってしまった。ルルちゃんからお姉ちゃんって言うの禁止って言われてたのに……。

 過去、こんなことをやらかして、中学校時代の女子の先輩から囲まれたことを忘れてた……。

 部活の試合の際の昼休憩で、先輩に何度もご飯を食べさせてもらったり、髪を鋤いてもらったり、たくさんの先輩に可愛がられたのに……。

 

「すいません。ソーナ先輩」

「な、なるほど……お姉さま。こういうことだったんですね」

 

 何か悟ってらっしゃる? 

 やっぱり、やらかしてたっぽい!! なんか、ソーナ先輩が髪を乾かしたあと、凄く自然に手を繋いできたから、間違いなく私のことを妹もしくは、子供扱いしてる!? 

 

「あの、ソーナ先輩?」

「ど、どうかしましたか?」

「なんで、手を繋いでるんですか?」

「姉として、妹の面倒をみるのは当たり前ですよね?」

 

 やっぱり……やっぱり、妹扱いしてた!! なんで、なんでぇ! 私ただ、身長が低いだけじゃん!! 低いだけなら塔城さんとかいるじゃん!! 

 たしか、ルルちゃんによると、私は活発な小一女子だから、妹のように感じる人が多い……だっけ? 

 何て不名誉な!! 私は、立派な高校一年生なんだよ!? なんで、身長の十のくらいが違うくらいで妹扱いされるのさ!? 

 

「うぅー。ソーナ先輩、私がさっきいったの忘れてくださいぃ……」

「ごめんなさい。多分、無理そうね」

「そんなぁ……」

「気分が向いたらでいいですから、ソーナお姉ちゃんと言ってくれると嬉しいです」

 

 顔を赤く染めて言わないでください!! 

 うぅー。これから本格的に気を付けよう。きっと、今日のうちは、ソーナ先輩はこの状態だと思うし……。

 私は、ソーナ先輩に手を引かれながら、ソーナ先輩の部屋にはいった。

 やっぱり広い……。私一人だと、落ち着かなかったかも……。

 

「ふふ。今日は、一緒に寝ましょうか。こんなに広いと、あなたも慣れないでしょう?」

「はい。全然慣れる気がしません」

 

 私は、ソーナ先輩のベッドに入ると、ソーナ先輩に抱きついた。

 あ、いや、これは、その……。うん。正直に言おう。

 私、誰かと一緒に寝るのははじめてだから、ソーナ先輩に思いっきり甘えちゃってます……。はい。

 ま、まあ、ソーナ先輩なら許してくれるよね? 

 ソーナ先輩の顔を見ようと顔をあげようと思ったけど、ソーナ先輩に頭を撫でられた。

 ふにゅぁー、気持ちいー。なんだろう。手はひんやりしているのに、暖かいんだよ。

 そんな、心地よさに、身を任せていると、私はいつの間にか眠っていた。




今回はここまでです。毒親とは離れることができ、尚且、ソーナが姉の悟りを開きました。
えっ?意味がわからない?大丈夫。自分もわからないから。

まあ、ですけど、この彩南ですが、基本的に親の愛情を知らずに生きているので、不幸な私(ガチ)のアピールができちゃって、庇護欲沸かせちゃう系のキャラなんですよね。

ソーナがキャラ崩壊起こしてますが、恐らく、セラフォルーほどではないにせよ、シスコンの気があるのは間違いないので、少し刺激した程度のものですね。姉が隔離結界にいったあとの二代目レヴィアたんを勤めていましたし。

ちなみに、ソーナ自身は加入していませんでしたが、彩南親衛隊というものが存在していることは知ってました。
彩南親衛隊の活動内容は、基本、彩南とのツーショット、もしくは、彩南が写っている写真の交換、彩南に近づく悪い男の排除、匙元士郎との恋路の応援です。
規模は、学外のアルバイト先の店長と常連客、学校内だと、全校生徒の4割(うち9割が女子)、彩南と知り合いになった自衛隊員と、その部隊の人たちでしょうか?

あれ?なんか、軍隊作れそう……。

まあ、きっと、彩南親衛隊の活躍の機会は短編でしかないと思うので、そんな存在もいるんだなぁ程度の認識でOKです。たまにギャグをするのがD×Dですからね。
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