シトリー眷属の一般兵士   作:やまたむ

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先にいっておきます。

今回も車イスが車イスしてません。



車イスそれは、兵器を意味する言葉

 晩御飯を食べ終わると私たちは定位置について、さあ、コカビエルを迎え撃つぞ。そんな体勢を私たちが整えていた時、私は、「じど……す」と言う謎の声を聞いた。

 男性の声で、人というより、獣が近いようなそんな感じがする。

 

 私は半ば興味本位で、そこにいってみたが、誰もいなかった。

 いや、姿が見えなかった、と言うのが正しいだろう。

 だって、私の耳はちゃんと心音と呼吸音を拾ってるから。

 

 私は弓を異空間からとりだし、矢をつがえ音の聞こえる位置に狙いを定める。フリードや巡先輩みたいな速度での接近じゃないから、結構狙いやすい。

 後はぶれないように調整するだけだ。

 

「なにいってるのか、聞き取れないけど、襲ってくるって言うなら、動きくらいは止める」

 

 私は『それ』に向けて言う。なんかね、変なの。言語も正しく発音できてないのか、ごじゃごちゃって感じで、悪魔の翻訳対象外みたいだし、動きもノロノロして襲撃する意思があるのかすらわからない。

 ただ、姿が見えない程度だった。

 

 だから、動いているものへ直接矢を放つのは初めてだけど、その、大きいお腹に向けて放ってみると、多少ずれて太ももへ命中する。

 矢の刺さったところから、血が出ているのか、赤い液体が流れている。

 

 ……うぇっぷ。

 

 初めて自分の手で、人を傷つけた。その事に心が大きく拒絶反応を起こす。

 私は、口元を手でおさえ、胃の中から逆流してきそうなものを我慢する。

 

 平気……平気。まだ、死んでる訳じゃない。ただ、血を流しているだけだ。

 

 私は必死に自分に言い聞かせ、頭の中を整理し、『それ』に視線を合わせる。

 

「ぐぅ、ぐあぁぁぁ……」

 

 すると、透明化が無駄だと判断したのか、それとも別の手を打とうとしているのか、姿を表し腰に掛けてある剣に手をかけ、それを私に向ける。

 その後、その剣を振り上げて、私に振り下ろしてきた。

 複数の腕と剣が私を襲おうとしたが、私は気づいているのだ。

 

「幻影で腕を増やしても、音を加えないと私には偽物か見分けられよ?」

「ぐるぁ……」

「なにいってるか、わからないけど、あなた、剣術を修めてないでしょ? 振りがわかりやすくて、避けるだけなら簡単にできる。それを幻影で補ってるだけだから、その幻影には……」

 

 私は幻影で作られた剣の下に動く。

 

「ほらね、ダメージがないでしょ?」

 

 とは言え、いくら避けれても、動きながら射線を合わせられるほど弓の扱いに慣れてないから、攻撃は接近しての魔力弾ブッパしかないんだけどね? 

 作り出される幻影に動きを合わせながら、私は『それ』に近づき、手に魔力を集めその魔力を『それ』に向けて放った。

 

『それ』は、私の魔力に当てられ、相当なダメージをおっていた。ソーナ先輩から、中級悪魔くらいの魔力はあると太鼓判を押されている魔力弾だ。

 それなりのダメージは期待できるだろう。

 

「ぐ、ぐぅ……ルゥー。じど、ジドリーゴロス。ころおぅぅす」

 

 ……こいつ、ソーナ先輩を狙って来た? フリードじゃなくて? 

 と言うことは、私の敵? 

 

「ぜんぞぉを、教会への復讐をぉ……」

「戦争……?」

 

 コカビエルの目的は戦争を起こすことだったはず。

 それと、ソーナ先輩になんの関係が? まあ、けど、ソーナ先輩の命を狙うって言うなら、私が足止めした方が良いかな? 

 

 たぶん、この人の体力もさっきの一撃で大分消耗したと思うから、あと一押しあればなんとかなると思う。けど、それまで、私の精神が耐えられるか……さっきのも、相当なショックを受けた。

 正直、どんなに腐った親から教育(あれを教育と言って良いのかは疑問だが)を受けてきたとはいえ、それなりの倫理観から、あまり人を傷つけたくない。それがいくら人として終わっているとしても、なんと言うか、心が痛むって言うより、本能がいやがるのだ。

 理由は特にないのかもしれない。けど、なんとなく、本当になんとなく、嫌なだけだ。

 こうして、なんとか冷静に語れていたとしても、胃酸が逆流してきている位には気分が悪い。

 

「もう、むり。限界……」

 

 気持ちの悪いなか、ふらつく足で動いていたせいか、その場に尻餅をついてしまった。

 そんな私に実体の方の剣が振り下ろされそうになる。

 

 そう、振り下ろされそうになっただけだ。実際には振り下ろされることはなかった。

 なぜなら、車イスから伸びるアームに構えられた対戦車ライフルと言われるのだろうか? そんな感じの銃で、右手が撃ち抜かれていたからである。

 

 茜さんだ。そして、その車イスの車輪の部分からサイドカーが出現し、背部から伸びるアームで私を持ち上げ、そのサイドカーに座らせる。

 

「だいじょぶー? 相当気分がわるそーだけどー」

「……なんとか。やっぱり、戦闘のための心構えがなってなかったみたいです」

「普通はそんなものだよー。あたしもー、最初はそんな感じだったしー」

「そうなんですか。ところで、あの人放っておいていいんですか?」

「仕方ないかなー。まあ、足止めのために膝位は撃ち抜いておこー」

 

 と言うと、再びそのライフルが火をふき、『それ』の両膝を壊した。

 威力が高い一撃をうけ、『それ』は気絶する。

 それを見ても、私はなにも思わなかった。あくまで、私自身が手を下したくないと言うだけなのか……。

 

 私は親みたいな利己的な自分に嫌悪する。あそこまでくそにはなれないけど、それなりに引き継いでいるところがあるみたいだ。

 なんか、やだなぁ……。

 

「そうだ、なっちゃんたちが呼んでたから迎えに来たんだったー。急いで行こうー。この車イスならゆっくり休めるから、寝ててもダイジョーブだよー」

「それじゃ、お言葉に甘えて……」

「うん、おやすみー」

 

 

※※※

 

 

 夢を見た。

 とても、嫌いな夢で、私があの人に惚れた日の夢。

 

 私の耳は良すぎた。それは、たぶん、子供の時から、ずっと。成長する度に、さらによくなってしまう。

 だから、小学生の時は本当に地獄だった。

 

『くすくす』

『でしょー?』

『こそこそ』

『ねぇねぇー』

 

 最初はその程度だった。周囲の声がとてもうるさい。

 小声で話していても聞こえてくる。それがとても嫌だった。

 聞きたくない、聞く必要がない。けど、私は耳を塞ぐことができなかった。

 だって、手で耳を塞いだら、私の手に流れる血流の音が嫌でも聞こえてくる。そして、その音はこんな話し声が比にならないくらいにうるさい。

 

 そして、とうとう、小学五年生の時にその事件が起きた。

 私にたいするいじめが始まった。

 気持ち悪い、チビ、近づくなブス。そんなことを何度も言わされた。よくある話だ。そんな会話だって聞こえていたし、当然、何とかしようとする話も聞こえてきた。

 先生たちだって頑張って対処しようとした。だけど、意味がなかった。

 だって、それ以前の話で、私に対するいじめは基本的に言葉でのものだったから、証拠を抑えることができない。

 

 だから、どうしようもなかった。仕方がないから、それは益々加速していった。

 陰口はあたりまえ、机に花瓶に添えられた一輪の花がおいてあり、別談ショックを受けていない私にあきれたようなため息をついて、寒空のした放置され、時々、トイレで水をかけられ、給食にはなにもされなかったけど、一人ひとつのものが出たときは私の分は確実になかった。

 先生もそれを見て対処しようとしたけど、その子達は、『雨月にもらった』といって先生もそれを認めざるを得なかった。

 私がなにも言わなかったから。

 

 そんなある日、私はあることを決行しようとした。

 

 十二月十三日、私の誕生日。自殺をするつもりだった。

 冷たくなった海に、私は靴を脱ぎすて、はいていた靴下も投げ捨て、入っていく。とても、冷たくて、凍え死ねそうだった。

 

 大体腰くらいまで浸かると、体は冷えきり意識が朦朧としてくる。このまま寝たら死んでるかな? 

 そんなことを思っていると、誰かから、手を引かれた。

 

『なにしてんだ! 死ぬぞ!!』

 

 手を引かれながら叱られ、私のなかになにかが広がるのが分かる。

 きっと、私と言う個人に対してこんなに感情的になってくれる人がいたことに、どことなく嬉しかったのかもしれない。

 

『だいぶ濡れて、風邪ひくぞ?』

『……大丈夫』

『そうか……。家は?』

『……それなりに遠い』

『んじゃ、うちに来るか。母さんもいるし、妹もいるからなんとかなんだろ』

 

 

※※※

 

 

 ふわぁー。よく寝たー。

 

「あ、起こしちゃったー?」

「いえ、大丈夫です」

「いい夢見れたー?」

「いい夢でもあり最悪の夢でもありました」

「そっかー。辛くなったらそーだんだよー」

「わかりました」

 

 サイドカーに揺られながら、私はこの車イスの構造を考え、あきらめた。

 そもそも、どんな構造したらサイドカーが車イスから出てくるの……。

 違和感バリバリなのに、なんか、受け入れちゃった自分に嫌気が差しそうだ……。

 

「そう言えば、どうして私があそこにいるってわかったんですか?」

「レーダー機能って便利だよねー。たまに探し物をするときとか使えるんだー」

 

 やぶへびだった……。よく考えたら分かることだったし……。

 そもそも、考えたら敗けだった。そう、この戦いは、身内に突っ込みを入れないところから始まってたんだよ……。

 私は無理やり突っ込みたい衝動に駈られるのを押さえるための理屈を作りだし、無理やり納得する。

 

 それから、数分くらいたつと、ソーナ先輩の後ろ姿が見え、茜さんの車イスのエンジン音に気づいたのか、振り向いて私の存在に気づく。

 

「彩南、どこに行っていたんですか。これから、作戦だと言うのに」

「すいません。ちょっと襲われてました」

「傷は? ないわよね?」

「はい、相手が素人で助かりました。幻影とか姿が見えなくなったりとか、ありましたけど」

「彩南ちゃんの耳ってすごいよねー。どれが本物か聞き分けれちゃうみたいだからー」

「正確には血が流れてるかどうかを聞いてただけですけどね」

「そっかー。あたしも耳いい方だけどそこまではできないからなー」

「いや、茜さんには…………やっぱり、なんでもないです」

「なーにー? きーにーなーるー」

 

 気楽そうな返しをする茜さんを無視して、私たちは、持ち場へと行く。茜さんは夏也さん、碧さん、グレモリー眷属の人たちと一緒にコカビエルの迎撃らしい。

 うーん。被害を出さないためとはいえ、一般人を堕天使の幹部? と戦わせるのはなぁ……。あ、逸般人だからいいのか……って、いいわけないじゃん!! 

 なに考えてるの、この班構成!! 

 

 私は今更ながら、このおかしな班構成にツッコミを入れる。

 いや、あのね。正直なところ、茜さんは参加しちゃダメだと思うの。だって車イスがないと生活できないわけだし。車異子だとしても、KURUMAISUだとしても、ダメだと思う。

 魔力で動くとか、そんなちゃち……ちゃちなのかな? まあ、ちゃちでいいや。そんなちゃちなものでなんとかなるほど、甘い相手じゃないと思う。ないと思いたい。

 

「彩南。私たちのなかで結界に長けているのはあなたと桃だけですから、頑張ってもらいますよ?」

「任せてください!!」

 

 私は元気よくソーナ先輩にそう返した。

 だって、尊敬する大好きな先輩に言われたからね。本気出さなきゃダメだよね? 

 て言うか、最初から本気出さないと私たちの身が危ないし、この町も大変なことになる。

 

「よーし、それじゃあ、あたしも車イスの機能を最大限に生かして戦うよー。なっちゃんに手伝ってもらえば空中戦闘だってこなせちゃうからー」

 

 もうやだ! この人たち!! 

 

 

※※※

 

 

 結論から言おう。コカビエルはなにもできずに、白い鎧に包まれた男性に連れ去られた。

 白い衣に包まれた人たち(人外)は、ここに揃っているけど、白い鎧に包まれた人はいなかったし、私たちの結界は夏也さんが逸らしたコカビエルの光の槍で壊されてたし、初めから結界の内側にいた人がやったみたいだから、私が気づかなかったわけではない。

 フリードと話していたヴァーリって人で間違いない。

 空を飛んでたりしてたから、足音で判別はつけれなかったけど、声は把握していたから、間違いないと思う。

 

 だけど、それ以上に衝撃的だったのは、両膝を砕かれたおじさんが、コカビエルによって無理やり連れ出され、聖剣の因子ってものを木場先輩に渡していた。

 それにより、力場の乱れ? 的な何かが働いて、木場先輩の昔馴染みの人たちが、現れた……のかな? 

 まあ、よくわからないけど、アーシア先輩やゼノヴィアさん、イリナさんが、聞き覚えのあるっぽい感じだったから、教会関係のなにかなのだろう。

 

 オカルト本とかだと、病院は幽霊が出やすいって言うからね。そんな感じで、魂同士が反応したんじゃないかな? という、ソーナ先輩の考察を聞いた。

 

 えっ? 私はどうなんだって? 話がよくわからないから、ボーッとしてた。

 いや、だって、夏也さんが、逸らしたコカビエルの槍は、私の方に向かってきちゃってたし、それを避けるので精一杯だったし、その後に夏也さんによってそらに浮かばされた茜さんが、空中における姿勢制御機能でバランスを取って、接近して車イスから出てきたマシンガンでコカビエルに向けて乱射して、翼で全部防がれた後に、車イスが変形して、車輪でコカビエルを叩き落とした後に、碧さんの間接技で身動きとれなくなってたから。

 

 その場にいた、全員がポカンとしてたから間違いない。

 うん。ツッコんだら敗けってはっきりわかったね。

 特に茜さんの活躍シーン。普通に考えてあれは器用とか使いこなせてるとか言う次元じゃない。もうもはや一体化していると考えるのが正しい気がする。

 

 それで、ボロボロになったコカビエルが立ち上がり、茜さんを狙ったところを今度は夏也さんが、庇って光の槍(高出力)の被害を逸らして、こっちに飛んできたのを必死に避けて、一安心と思ったところで、衝撃の事実が明かされた。

 

「先の大戦で四大魔王と共に神も死んだ!!」

 

 で? 

 

 私はその程度のものだったけど、イリナさんたちには相当ショックだったようで、膝をついて明らかに精神的なダメージを負っていた。

 アーシア先輩は泣き出して、ゼノヴィアさんは絶望してて、イリナさんはショックで気絶した。

 

「そうか、それじゃ、死ね」

 

 冷徹な夏也さんがトドメをさそうとしたその時に、白い鎧の人が現れて、それを防いだ。

 一瞬仲間なのかと思ったけど、どうやらコカビエルを回収しにきたらしい。

 

 夏也さんってこう言ったところもあるんだなぁ……。何となく、夏也さんの逆鱗ってものがなんなのか把握できた気がする。

 たぶん、訓練とかなら見ていられるけど、戦闘とかで、茜さんが狙われると、ぶちギレちゃうんだろうなぁ……。

 因みに碧さんは、あらゆる間接と言う間接を外しまくって、骨と言う骨を折ろうとしていた。

 

 えっ? 茜さんってそういう立ち位置? どう見ても車イスの機能を使いこなして、主人公的なことをするのかと思ってたけど、違ったみたい……。

 どちらかと言うと、茜さんは狙われても避けれるしーって思っていそうだけど、夏也さんたち的には狙われること自体が許せないのか……。

 

 とまあ、私的には夏也さんの一面にちょっぴりこわっ! 茜さん狙ってなくてよかった。と思いつつ、今回の事件? は解決した。

 

 えっ? そもそも、お前結界張ってたのになんで把握できているのかって? 

 全て会話と戦闘音からの把握ですが? 

 

 と言うわけで、事件も終わったし晩餐だー!! と言う空気にはならなかった……。といいたかった。

 

 そう、茜さんである。

 やれ戦争だー、やれ神様が死んでいるーとか、そんなのを無視して、晩餐だー! と、茜さんが言ったのである。

 この中で一番の明るい(お気楽)な人は茜さんだ。だから、このなんか、重い空気を何とかしようとしたのかもしれない。

 まあ、雰囲気をぶち壊して、切り替えると言うところ目見ると、十分すぎるけどね。

 

 そして、私たちはコカビエルに勝利した美酒(オレンジジュース)を堪能した。

 

 

※※※

 

 

 翌日、私たちは空港にやって来ていた。

 

「イリナさん。大丈夫なんですか?」

「なにが?」

「いや、あの、昨日の……」

「えっ? 昨日何かあったっけ?」

「……………………………………」

 

 えっ? まさか、えっ? 

 困惑して茜さんの方を見ると、一瞬キョトンとしたような表情に変わった後、コクりと頷く。

 えぇ……。ほんとに、本当? 

 と、疑いの目を向けると、

 

「ほんとーだよー? このこ、昨日聞いたこと、きれいさっぱり忘れてるみたいー。聖剣があるから、任務にせいこーしたーとは思ってるみたいだけど、相当心にきたみたいでねー。教会と話し合いをする必要がありそうなんだー」

「つまり、茜さんたちは当分、こっちにいないってことですか?」

「そうなるかなー。と言ってもー、三日位離れるだけだと思うよー」

「そうですか」

「ま、その過程で教会をついほーされたら、あたしとなっちゃンでめんどー見るから安心してー」

 

 あ、これ、人外が増えるやつや……。そんなことを思いながら、茜さんたちが海外へと旅立つところを見届けた。

 イリナさん。強くいきろ。ツッコミは、敗けだよ。

 

 そんなことを思いながら、私は家に帰ると、ソーナ先輩からレーティングゲームに向けて必要な知識と、悪魔としての常識を叩き込まれた。

 先生をしているソーナ先輩がとても、生き生きしていて、私も嬉しくなった。

 ソーナ先輩の夢を実現するためにも、私は私にできることをしなきゃ。

 

 

※※※

 

 

 ソーナは彩南に色々ちゃんとした知識を教えた後、自室にてため息をついた。

 その原因を担っているのは、一枚のプリント。一番上に大きく太文字で、『授業参観のお知らせ』とかいてある。

 

 ソーナは、自身の姉のやりそうなことを考える。

 

「あの子は、昔の私と容姿が似てますから、お姉さまなら目をつけますね……間違いなく。そして、彩南のことです。お姉さまに『あの衣装』を一緒に着てと頼まれでもしたら……」

 

 ──間違いなくノリノリで着る。

 

 彩南は高校生だと言い張るが、行動の全てが小学生なのだ。

 だから、留流子は目が離せないと言っていたし、匙は妹のように扱っている。

 彩南自身はその事にたいして不満そうな顔をするが、なんと言うか、本心はとても、嬉しいのではないだろうか? 

 そう、ソーナは考える。

 

 だが、もし、もしも、そんなことを続けて、彩南が不満をため、家でなんてしたら……? 

 

 ソーナはそんな考えを頭の片隅に追いやった。

 

 ちょうど、そのタイミングで自身の部屋がノックされ、ギギィと、恐る恐る、扉が開かれ、その隙間から、彩南が覗いていた。

 

「ソーナ先輩。お風呂、一緒に入りませんか?」

 

 そう尋ねてくる彩南が、小動物じみてかわいいなぁ。サジにあげるのは勿体ないなぁ……。と思いながら、ソーナは彩南に近づく。

 

「いいですよ」

 

 ソーナがそう返すと彩南の表情はパァッ! と晴れる。

 それに、癒されながら、授業参観にやって来るであろう姉のことは、すっかり忘れていた。




いかがでしたか?

コカビエル戦はダイジェストにしました。

だって、正直、コカビエル戦を細かく描いてしまうと、夏也の心理描写や茜、碧、グレモリー眷属、コカビエル、バルパー、とにかく大量のキャラクターを描かないといけないんです。
そうすると、この作品の主人公が主人公しなくなる(確信)だったので、こういった形になりました。

因みに、コカビエルが攻撃できたのは、病棟と茜に対してだけです。ケルベロスも召喚されませんでした。
いや、召喚する暇も与えられなかったって言うのが正しいかも……。

夏也の病院の人たちの話を夏也を作った人に聞いたんですよ。そしたら、大量の人をやめかけている設定が出てきまして、うん。これは、あれだ。ケルベロスが出ても、その人たち出せば終わりなやつだ。
そうじゃなくても、グレモリー眷属にやられるわけだし……。

まあ、つまり、メタ的なことを言っちゃうと、彩南が主人公であるはずが、別のキャラクターたちにスポットが当たりすぎて、主人公じゃなくなると感じたからです。
許してほしい。

と言うわけで、今回はここまで。
次回、授業参観?その前に匙先輩の水着じゃー!!をお届けしたいと思います。
つまり、水着回。やってみたかった、水着回。ソーナ先輩が許してくれればできる。そう、許してくれれば、ね。

では、また、次回、お会いしましょう。

ダイジェストじゃないコカビエル戦、読みたいですか?

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  • そんなことより本編はよ
  • そんなことより、彩南の匙攻略進度だろJK
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