Side 佐伯 麗子
私が今回の作戦概要を説明する。
今回の作戦は旧レイフォル領で反抗を続けるグラ・バルカス帝国の陸上戦力を可能な限り排除し、連合国軍の進軍を支援する。
同時にグラ・バルカス帝国内部に潜り込んで核兵器の有無や使用の阻止をする部隊とで別れる。
敵の兵器は第二次大戦レベルだが物量はアメリカレベル。
旧レイフォル領は海に面しているので敵の航空戦力だけでなく、水上戦力も相手をしなければならない可能性もある。
いくらパワーローダーが頑丈でも攻撃を食らい続ければ言われなくても分かるな?
そして重要な事だがレイフォル領は広大で作戦範囲もかなり広く、隅々まで敵は展開している。
とにかくこの作戦では作戦遂行スピードが重要であり、後半は遊軍を放置して単独で任務を遂行していくするハメになるだろう。
海上はイージス艦を中心とした艦隊が。
航空支援はレイヴン隊を始めとした部隊が参加し、グラ・バルカス帝国本土からの核兵器の持ち込みを命懸けでシャットアウトしてくれる。
レイフォル首都に精鋭部隊を送り込み、一気に首都を陥落させて核兵器の有無を調査。
連合国軍の最前線地区には先に派遣されている自衛隊達と合流して一気に戦線を押し返すチームとで別れる。
とにかくこの戦いが時間が勝負だ。
いくらテクノロジーで勝っていても戦力を把握されたら各個撃破される恐れがある。
私も旧レイフォル首都の上空で前線指揮を取る。
・・・・・・どうした? 私が前線に出るのは不満か?
それよりも重要な情報が入った。
それは――
☆
ムー国領内。
グラ・バルカス帝国とムーの陸上戦では悪化の一途を辿っている。
自衛隊も参戦してどうにか五分に持ち込んだが敵の物量に押されて決定打を欠ける状況だ。
現在は敵の反抗が激しく、ムーの領内に再び押し込まれようとしていたv。
敵も味方も国の存亡が掛かっているので必死だった。
特にグラ・バルカス側はここで敗退すれば本土決戦になる。
そこに世紀末と化した日本に滞在していた自衛隊が参戦する。
現地で強化した戦車やパワーローダー、SF兵器を携えてである。
☆
ムー国 キールセキ西側 平野地帯。
22キロにも渡る平野地帯。
グラ・バルカス、ムーなどの兵器の残骸や様々な国の生物や兵士が死体となって散乱している地獄絵図だ。
自衛隊も戦力不足もあって少なからず被害を受けており、決定打を打てない状態でいた。
さらに――どっから紛れ込んだのか、パワーローダーを身に纏った傭兵どもがグラ・バルカス帝国に力を貸しているのである。
日本の後継者やフロンティアの残党。
さらには戦闘ロボットや戦車の姿もある。
奴達の参戦により戦局はグラ・バルカス側に傾きつつあった。
グラ・バルカス側も内心ではこのならず者達を快く思っていないが背に腹を変えられないので報酬は与えて協力しているだけの関係であった。
「まさかパワーローダーがここまでの戦力を発揮するとは――」
とある自衛隊の隊長が残骸となった友軍の戦車の物陰に隠れて悔しげに呟く。
「他に味方は?」
隊長は数名残ったうちの部下の一人に尋ねる。
「この周辺では誰も・・・・・・」
「そうか・・・・・・すまん、最後の我が儘に付き合ってくれ」
隊長は目を瞑って部下に告げる。
「・・・・・・覚悟は決めています」
部下達も周辺を見渡し、死んでいった味方達の亡骸を見て決意を固める。
眼前にはSF兵器で武装したパワーローダーや戦闘ロボットが展開していた。
周辺に増援はない。
挑めば死ぬことになるが、どの道そうなるのは時間の問題と言えた。
「そうか。それじゃあ一人でも多く道連れにするぞ!!」
「了解!!」
その時だった。
空中からジェットエンジン式の大型輸送機が通り過ぎ、様々な部隊が空挺降下していく。
複数の種類の戦車や見たこともないパワーローダー。
信じられない事に日本国のエンブレムを付けているパワーローダーもあった。
「隊長!? アレは!?」
「パワーローダーを所持している友軍!? まさかあの土地の――」
敵も味方も混乱していた。
そんな混乱を払いのけるように増援は次々と敵に攻撃していく。
『バカな!? パワーローダーだと!?』
『まさか俺達を追いかけてきたとでも!?』
『撃て撃て!!』
敵部隊も混乱が広がりながらも応戦する。
『これ以上戦果が広がる前にぶっ潰す!!』
『ぎゃあぁ!?』
パワーローダの一体が地響きを立てて、敵の踏み倒し、大きな金槌にジェットエンジンを付けたハンマーでパワーローダーを身に纏った敵兵士の顔面を粉砕する。
丸っこいレトロフューチャー感溢れるデザインの緑色のパワーローダーだ。
そのままブースターを噴かして次のパワーローダーに襲い掛かる。
『なんだこいつ!?』
『接近させるな!?』
言っている間に一体にタックルし、背後にいたもう一体を巻き込み、地面に押し倒して二体纏めて叩き潰すようにハンマーを振り下ろす。
パワーローダーは基本馬鹿力だがその中でもこのパワーローダーはとんでもない馬鹿力だ。
まさか敵もアメリカ製の終戦間際(核兵器の使用で終わる前に開発された)に開発された、最強を目指して生み出されたパワーローダー「ラストプライマス」だとは思いもしないだろう。
このラストプライマスは日本との交流により少数ながら生産されている、パワーローダーの中でも最強に近い機種である。
装甲も一際頑丈で推力もあり、その気になればバリアも展開できる上に極太レーザー兵器も発射できるパワーローダーサイズのスーパーロボットでもある。
装着者は加藤 佳一。
出稼ぎするために参戦した、ゲッ○ー線か何かに汚染されてるんじゃないかと言われているスーパー日本人である。
『あの機体早いぞ!!』
『ロックできない!!』
『とにかく後退して弾幕を張れ!! 近寄られたら終わりだぞ!?』
そうして後退し、弾幕を張って近寄らせないようにするが――
『決めろ! 佳一!』
勝ち気な少女の声が響き渡る同時に旧日本陸軍が製造したチハ戦車――ダークグリーンカラーに星のエンブレムがついている――が砲塔の機銃となっているレーザーマシンガンや主体全面の銃座から実体弾、主砲のビームを発射する。
相手の攻撃を物ともせず、障害物だらけの平原を猛スピードで移動して回り、支援射撃をしてまわる。
『おっしゃ!!』
『しまっ!?』
接近戦の距離まで近付かれたパワーローダーの一体が頭からハンマーでミンチになる。
即死である。
『ちょっと佳一!! 前に出すぎ!!』
上空からこれまた勝ち気な少女の声と一緒に白いパワーローダーが降りてくる。
無骨的なシルエットが多い世紀末日本のパワーローダーとは違うヒロイックで流線的なフォルムのパワーローダーだった。
背中のフライユニットで空中に浮かんでいる。
左手にシールド、右手にビームマシンガンを装備し、バリア機能まで搭載していた。
これは核戦争後いち早く立ち直り、世紀末と化した日本を牛耳っていた勢力の一つ、フロンティアのパワーローダーである。
少女が使うパワーローダーはその中でも上位に位置するパワーローダーである。
白いパワーローダーは空中を泳ぐように動きながらビームマシンガンで的確に敵を打ち抜いていく。
「す・・・・・・凄い・・・・・・」
命拾いした自衛官はそれしかいえなかった。
自分達があれだけ苦戦した敵のパワーローダーがいとも簡単に倒されていく。
これが修羅と化した日本の力なのかと思った。
「隊長あれは!?」
部下が反応して視線を追うと――
「赤いパワーローダー!? それに稲妻のエンブレムに日本国旗!? まさか彼は――」
パワーローダー部隊と軍用装甲車と大型トラックが近付いてくる。
問題は先頭にいる赤いパワーローダーだ。
『こちら、自衛隊特殊統合派遣部隊所属の木之元 セイです』
聞き覚えがありすぎる。
日本でも語り草となっている、パワーローダーを深く知る物の間では必ず聞く名前だ。
世界の終わりを見た少年。
あの荒廃した日本国でもなお健在なパワーローダーのエース。
自衛隊との模擬戦では自衛隊は歯が立たず訓練にならなかったと言われている。
『敵の戦車部隊は一先ず全滅、砲兵部隊もあらかた潰しました。現在は救助作業に回っています』
「そ、そうか――状況はどうなっているんだ?」
さらっととんでもない事を言ったがともかく状況を確認したかった。
『我々は救助作業を追え次第、この土地から進軍して道中の敵を出来うる限り撃破します。別働隊は敵の本陣――旧レイフォル首都、レイフォリアに突入している筈です』
「なんだと!?」
☆
Side 緋田 キンジ
世紀末日本に関わって勝手に自滅したグラ・バルカス帝国。
特に海上戦力はほぼ全滅と言っていい。
サメの餌になった。
ただ問題な事がある。
こいつらサメを皆殺しにするために核兵器を使用したことである。(結局失敗してサメがパワーアップし、海底要塞玄武が出現する事になったのだが・・・・・・)
それで上の方は対グラ・バルカス帝国に対して自衛隊の派遣が及び腰になっているのだそうだ。
特にグラ・バルカス帝国は末期戦状態だ。
この状況を打破するためなら何発でも使うだろう。
だが政治家は平和的に解決しようと躍起になっているらしい。
核兵器を持っているなら例え頭のイカれた軍事国家が相手でも対等に扱うつもりのようだ。
日本国民は――と言うか左翼団体はこのままグラ・バルカス帝国と戦争が続けば広島、長崎の悲劇が再びだと叫び、国会議事堂前でデモをやっているらしい。
本当にお花畑な思考回路だ。いくら平和を叫んでも撃たれたミサイルは撃ち落とせないのに。
内閣は内閣でダブルスタンダートな外交方針で国内外から批判を買っているらしい。 まあそもそも日本の政治家なんて言う連中は自己保身さえ出来れば満足、国民と言うのは投票数が多い老人の事を指す連中だと本気で考えてそうな連中の集まりだ。亀の甲より年の功って奴を見せて欲しいものだ。
それはともかく俺達は現在旧レイフォル首都、レイフォリアに突入。
アメリカレベルの国力を持つグラ・バルカス帝国の力で再建は進んでおり、元首都に恥じない町並みが並んでいる。
上空の戦闘機隊、レイヴン隊や戦闘ヘリ部隊、ヴァイパー隊などの支援がよく、作戦は順調に進んでいる。
味方は俺や宗像 キョウスケ、自衛隊の特殊部隊であるアポカリプスウォーカーズや第0特殊機甲部隊やヘルダイバーズと言う初耳の――独自のパワードスーツを身に纏う特殊部隊まで投入されていた。
どうやら日本政府は世紀末日本の技術を軍事転用を順調に進めているようだ。
『しかしなんで敵にパワーローダーがあるんだ!?』
『さあな! 大方嫌われ者同士、手を組んだんだろうぜ!!』
俺はキョウスケの問いにそう答えながら上空を飛び回る空中管制機、ウェーザーリポートから女クソ上司の戦況報告に耳を傾ける。
作戦は順調のようだが、パワーローダーが出てくると熟練の兵士でも突破は難しいようだ。
特にアポカリプスウォーカーズは戦闘部隊と言うよりも偵察・探査部隊に近い。
いくら世紀末日本の強力な武装で身を固めているとはいえ、同レベルの敵が相手になると苦戦を強いられるようだ。
『させない!!』
自衛隊特有のオリーブドラブカラーのパワーローダーが猛攻で物陰に隠れて退避している中、青いパワーローダーが先陣を切る。
二丁拳銃スタイルで次々と敵のパワーローダーを沈黙させていく。
『リオ、前に出すぎ!!』
その背後で黄色い装甲車両がキャノン砲を発射しながら追いかける。
『キンジ、どうするよ?』
『この状況で引っ込むワケにもいかないだろ。しゃあない。覚悟決めて突撃するぞ』
『了解・・・・・・』
現地で知り合ったお嬢様二人の暴れっぷりに俺とキョウスケは腹を括って無理にでも前進することを決めた。
☆
どうにかこうにか敵の総司令本部に辿り着いた。
相手も戦車やパワーローダーを出してきて激戦っちゃ、激戦だったが味方が強すぎたので一方的な虐殺になった。
核爆弾は無かったが、万が一の場合は投下するつもりだったようだ。
その投下もウチの航空部隊が阻止してくれた。
これでめでたし、めでたし――
『で終わってくれたらよかったんだけどなぁ!?』
『どうしてここに来てまでサメが!?』
世紀末日本から遠く離れたこの土地でなんと船食いサメとドンパチするハメになった。
イージス艦の全火力はおろか、元居た世界の軍艦のレールガンやビームの直撃を食らっても死なない、軍艦を食らう最強の巨大生物。
世紀末日本の象徴。
それが船食いサメ。
倒すには対消滅だとか反物質砲とかそう言う兵器が必要になる。
てかなんでこのタイミングでサメ?
クソ映画かよと俺は毒付きながらサメと戦う事になった。
具体的な作戦は口の中を徹底的に狙う。
もしくは体内に突入して臓器を内部からズタズタにする。
それぐらいしか思いつかなかった。
そこへイージス艦が到達。
海底要塞玄武攻略作戦で投入された艦だ。
随時武装が更新されていて――おもに船食いサメを殺害するための軍艦だ。
武装もレーザーやレールガン、特性のプラズマミサイルなどのSF兵器を搭載している。
護衛のイージス艦那珂なども全力で支援する。
船食いサメも黙ってやられてばかりではなく、口から光線を吐いて周囲を焼き払う。
そうして互いに被害が出ながらもどうにか船食いサメの討伐に成功した。
ぶっちゃけグラ・バルカス帝国+パワーローダー部隊よりも船食いサメの方が強かった。
さすが元の世界でもこの世界でも世界各国を恐怖のどん底に陥れたサメ。おそるべき強さだった。
だけどまだまだいるんだよな・・・・・・サメの恐怖から解放される日は遠い。
この後、グラ・バルカス本土が船食いサメの襲撃にあったりもしたが作戦は一応成功である。
日本国召喚のクロスオーバー作品なのでクロスオーバー要素無視する作風はどうなのかと思う今日この頃です。
ネタはあるけど「これ? 日本国召喚関係ないよね?」みたいな感じになったりするのが悩みどころ。
ナチスとか宇宙人とか出したいけどどう、日本国召喚の持ち味を出すべきか・・・・・・難しいところです。