【完結】日本国と世紀末日本召喚   作:MrR

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二つの戦線

 日本国と世紀末日本召喚

 

 二つの戦線

 

 

 =北海道のとある戦線の様子=  

 

 Side 自衛隊の隊員達。

 

 日本本土に襲撃され、戦闘機や戦闘ヘリ、装甲車や戦車が次々とスクラップになっていく。

 

 この状況では乗り物なぞ棺桶と一緒だ。

 

 敵はレーザー、ビーム、レールガン、プラズマなどなんでもアリ。

 

 パワーローダーも頑丈で重火器がなければ太刀打ちできない。

 

 待ち伏せしようにも大小様々なロボット達が隊員達を直実に殺している。 

 

 各駐屯地や基地も次々と制圧されていき、戦って勝つよりもどうやって生き延びるかを考えているような地獄だ。

 

 脱走兵も一人や二人ではない。

 

 日本の後継者の思想に賛同して敵側に寝返った奴もいるらしい。

 

 士気は最悪。

 

 援軍も送り込まれた端から消滅していく。

 

 この戦いに勝機はないだろう。  

 

 

 

 

 日本VS日本の後継者(+各勢力)連合の戦いは後継者側に優勢に働いていた。

 

 

 水上も航行可能な陸上戦艦。

 

 飛行船。

 

 潜水艦。

 

 さらに空中や水上でも戦える各種パワーローダーや戦闘機、戦闘ロボットなどの最新鋭兵器軍団の群れ。

 

 それが自衛隊に襲い掛かる。

 

 

 自衛隊ではパワーローダーの配備やもう一つの日本から得られた最新鋭装備をもとにした技術開発、量産体制は遅れており、装備の面で勝負にはならなかった。

 

 日本政府は後継者側に和平交渉を何度も持ちかけ、呼びかけたが相手にもされなかった。

 

 そもそも後継者の連中にとって現在の日本政府の政治や思想はもっとも嫌うものであり、それが原因で我が国は核兵器を使用されたと信じ込んでいる人間も少なくない。

 

 早い話、日本の後継者達は日本の政治家や平和市民団体の抹殺こそが最終目的であった。

 

  

 北方領土、北海道周辺は孤立し、実質勢力圏内。

 

 日本海側も後継者達に好き放題に荒らされているのが現状だった。

 

 

 

 その一方で世紀末な日本にいるあいつらはと言うと――

 

 

 

 

 Side 日本の後継者サイド

 

 

 場所はもう一つの世紀末な日本。

 

 密林地帯で日本の後継者達は真っ昼間から地獄を味わっていた。

 

『陸上戦艦の艦橋に直撃弾!! 狙撃です!!』

 

『航空部隊も敵の迎撃に阻まれて支援できません!!』

 

『クソ!! あいつら本当に愚連隊か!?』

 

 日本の後継者達は苦戦していた。

 

 装備しているパワーローダーは後継者がこの世界で製造した七型を中心に指揮官用に配備された八型が一番の高性能機だ。(核で滅びる前は四型が最新鋭だった)

 

 他にも不気味だが技術力は確かなフロンティア制のパワーローダーなども導入している。

 

『どうしてこんなことに!?』

 

『愚痴を暇があったら撃て!? あいつら正気じゃないぞ!?』

 

 陸上戦艦に航空部隊。

 最新鋭のパワーローダー。

 ロボット軍団。

 

 もうう一つの日本から来て住み着いたこの土地の自衛隊は強いともっぱらの噂だった。

 

 油断せずに、いこうと気を引き締め、いざ戦闘になると地獄だった。

 

 見たこともない――独自開発した、あるいは現地で入手した魔改造パワーローダーや兵器を身に纏っている。

 地上を滑るように移動し、空中を飛び回る自衛隊のパワーローダー。

 てかビーム兵器とはいえ陸上戦艦のブリッジを破壊するパワーローダー(パワードスーツ)ってどんなだよ。

 

 他にもガンダムのガンキャノンやガンタンクを自衛隊カラーにしたようなロボット軍団がいたりとか、

 

『おのれ存在Xううううううううううう!? 毎度毎度どうしてこんな目に遭わなきゃならんのだ!?』

 

 またしても金髪の幼女が専用の幼女用パワーローダーを身に纏って嘆きの声をあげたり、 

 

『止まるんじゃねえぞ・・・・・・』

 

『団長ぉおおおおおおおおおおおおおお!?』

 

『どうでもいいけど団長、死に芸が板についてない?』

 

 などと少年893が独自のパワーローダーとかモビルワーカーなる乗り物とか独自開発して戦っていたり――

 

『フィアナのためだ――パワーローダーだろうとやることは変わらない』

 

 キリコと名乗る無愛想、仏頂面の男がどっかで見たことある緑色のAT――ではなくパワーローダーを使い、次々と敵のパワーローダーを刈り取る。

 あのキリコでないことを祈ってやろう。

 

 もっとも敵側は『あの緑色の不細工なパワーローダーをやれ!! 頭部がターレットレンズの奴だ!!』、『無理です!? あのパワーローダー強すぎます!?』と叫んでいるあたり可能性は大だが。

 

 後に彼の存在はまた別の大騒動を引き起こしたりするが語られるかどうかはまた別の話だ。

 

『ちょっとディンゴ!? なんなのここ!? しかもフロンティアセッターまで来ちゃってるし!?』

 

「生活費のためだ。諦めて仕事するんだな。俺は色々と諦めた」

 

『アンジェラ様のためにアーハンを準備できてよかったです。この土地の技術力の高さのおかげですね』 

 

 もうこれスパクロだよなと言わんばかりに楽園からの追放者まで来ている始末。

 アンジェラと呼ばれた金髪の美少女はなんだかんだ言いながらキッチリ仕事(戦闘)をこなしている。

 

「まさかこんなところで出会うとはな、ガードナー」

 

「奇遇だな、バロス。最初は地獄に落ちたかと思ったが――」

 

「俺もだ。だがここの暮らしも意外と悪くない」

 

 たぶん別の世界の死神部隊やっていたっぽい人達もなぜだかこの世界に迷い込んでいた。 

 装備も元の世界で使ってたっぽいパワーローダーを用意している。

 二人とも最初は「核融合炉のパワードスーツってどんな技術だ」とか言ってたがすっかり順応した。 

 

 どうでもいいかもしんないが作者はredeyes大好きです。

 

『打ち貫く!! 止めてみろ!!』

 

『ぎゃあああああああ!?』

 

 ナンブ・キョウスケ二尉も負けじと特注の赤いパワーローダー「アルトアイゼン」のリボルビングステークで敵の装甲がなんだろうと敵の隊長格のパワーローダーの胴体装甲を打ち破る。

 

「あーもうこの土地はどうして戦いばっかりなんだ!?」

 

「ぐちゃぐちゃいわずに引き金を引け!!」  

 

 もうしわけ程度の日本国召喚要素として日本の外交官の朝田 泰司がいた。

 

 昔、日本が帝国時代に使っていたチハ戦車に似た戦車に乗って半泣きなりながら戦車長――ガイドとして案内された少女のマヤに応戦しろと言われ、しかたなく車体前部の銃座担当だ。  

 

「災難だけど――色々と良い事も聞けたし、ここは戦わないとね」

 

 遠くではたまたま買い付けに来ていた グラ・バルカス帝国の元・女性外交官、シエリア――今は集落の代表者の一団も戦闘に参加していた。

 と言うより巻き込まれた。

 

 だけど味方である自衛隊が想像以上に怪物になっていたので戦闘は楽なもんだ。

 

 ほぼ敗残兵狩り状態であり、シエリアは「帝国はこんな化け物たちと殺し合おうとしてたのか」と苦笑しつつ汗を流す。

 

『真っ赤のアインブラッドタイプ確認!!』 

 

『星マークがある緑色の戦車と一緒――フロンティアを滅ぼした赤い悪魔か!?』

 

 アインブラッド。

 パワーローダーにおけるガンダムみたいなもんである。

 

 現れたのは全身真っ赤なアインブラッド。  

 

 両肩にブースターシールド。

 背中にもブースター。

 四本角の鬼のような顔。

 全身特殊合金製で動力炉も特注。 

 

 武器は装着者の性格ゆえか格闘戦を好み、これまた特殊合金製のハンマーやら斧、時には日本刀で荒々しく敵を殺して回る。

 

 ついた渾名は『赤い悪魔』。

 

 フロンティアを滅ぼした存在。

 

 元日本の高校生、加藤 圭一が身に纏う、アインブラッド・ジ・オーガである。

 

 

『オーバーホール終わったばっかなんでな!! 試し運転させてもらうぞ後継者ぁ!!』

 

『ヒッ!?』

 

 そう言って手短な敵の一体のパワーローダーの顔面を握って地面に叩き付け、そのまま頭部を特殊合金船の工具のハンマーに似た鉄の塊を胴体に躊躇いなく振り下ろす。

 

『とったぁ!!』

 

 ガッシャア!!と鉄が砕け散る音と、肉片が装甲内でぶちまけられるブチャッというグロい音が響く。

 

『続けて行くぞ!!』

 

 それだけに留まらず二体纏めてハンマーで叩き潰したり、時にはパワーローダーの出力任せにパンチで顔面を叩き潰したり、踏み潰したりと残虐ファイトを繰り広げる。

 

 とても日本で普通の高校生やってましたとは思えない荒々しい戦い方だ。

 

『接近戦に持ち込まれるな!! 近付かれたら終わるぞ!!』

 

『しかし――』

 

 敵にはベテランからエース格が勢揃いしている状態だ。

 

 狙撃から全く想定外だった電子戦まで仕掛けられる状況で赤いアインブラッドタイプだけに火力を集中させるわけにはいかなかった。

 

『て、敵の重火力型確認!! こっちに来ます!!』

 

『な――』

 

 その姿を見た時、誰もが戦慄した。

 

 ゴリラのように厳つくて重火力、重武装の黒いパワーローダーが現れた。

 いちおう日の丸のエンブレムに自衛隊と言う文字が刻まれている。

 

『ここが正念場だ!! 一気に押し潰すぞ!!』

 

 そう言ってゴリラのような重武装のパワーローダーを纏った自衛官はホバー移動で見た目以上の軽快さを発揮しつつ、全身の火器を解放する。

 

 背中、右側のキャノン砲、左側のミサイルコンテナ。

 胸部のレーザーバルカン。

 両肩の二連装ビーム砲。

 両腕の外付け式ガトリングガン。

 右腕のビームランチャー、左腕のレールガン。

 

 かつて加藤 圭一が使っていた装備セットに改良を加えたものだ。

 

『ロックオン警報!?』

 

『こんなところであんな化け物つくりやがって――』

 

『そんなこと言ってないで撃ち殺せ!?』

 

 そう言って反撃を加えようとするが先述したとおり敵の皆さんがチート揃いでそうも行かず――

 

『発射!!』

 

 一斉に火器が発射される。

 次々と日本の後継者のパワーローダーが蜂の巣になり、ミサイルやキャノン砲の爆風に飲み込まれ、あるいは二連装ビーム砲、ビームランチャーとレールガンで貫かれていく。

 

『後退!! 後退しろ!?』

 

『上空支援はどうなってる!?』

 

『あの緑色のパワーローダーがこっちぃに!?』

 

『く、くるなああああああ!?』

 

 状況は後継者サイドの完全な劣勢。

 

 敗走するのにそう時間は掛からなかった。 

 

 

 

 

 Side 世紀末自衛隊 駐屯地周辺 上空

 

 

 ここでは航空自衛隊の戦闘機や陸上自衛隊の飛行可能なパワーローダーが飛び回っていた。

 

 地上からの航空支援も優秀である。

 

『あれが戦闘機の動きだと!?』

 

『空軍に力を入れてこなかったツケがこれか!?』

 

 日本の後継者にとって想定外だったのは敵の戦闘機だった。

 

 黒塗りのFー4戦闘機のカスタム機。

 カラスのエンブレム。

 

 レイヴン1。

 

 間違いなくエース級の腕前で――日本の後継者が用意した無人戦闘機を次々と撃墜している。

 もう一機の独自開発したと思わしき未来的なフォルムの戦闘機も凄腕だ。

  

 いくら自分達のパワーローダーが高性能でも無人戦闘機を撃墜できるようなスーパーエースの戦闘機を相手にするには分が悪い。

 

 ドッグファイトに持ち込めば勝機はあるがこの土地の自衛官は強い。

 

 そんな真似はせずともスピードや限界高度を活かしたヒットアンドアウェイ戦法を使用されれば負ける。

 

 そう判断した日本の後継者の部隊は撤退を判断した。

 

『こちらレイヴン1。敵部隊後退していくぞ』

 

『こちらウェザーリポート。敵の撃退に成功したようだレイヴン1――この土地では有利に戦えているが本土の方は苦戦中らしい』

 

『だろうな――ともかく基地に帰投する』

 

 二機の飛行隊、レイヴン隊は基地に帰投する。 

 

 

☆  

 

 

 Side 朝田 泰司

 

 戦闘は一旦終結。

 

 そして夜が更け、世紀末の基地の駐屯地の会議室で朝田はある計画を聞いて愕然とした。

 

「アナタ達は国の目を盗んでそんなことしてたんですか!?」

 

 と。

 

 朝田大使が今いる会議室には隊長格や基地運営に不可欠な人材が揃っている。

 

 その中には基地司令なども当然いる。

 

 かれらから聞いた計画――日本の後継者やフロンティアの連中と決着をつける計画。

 

 

 ようは上(政治家)の命令を無視して勝手に行動して潰しに行こうぜという計画だ。

 

 

「正気か君達は!?」

 

 

 その内容に朝田 泰司は唖然とした。

 

 

 しかもその計画は日本本土の人間も一枚噛んでいるらしい。  

 

「なあに。君も見ただろう? この土地の人々も全員が全員、自分さえよければ他はどうでもいいと言う考え方じゃない」

 

「確かにそれは――」

 

 と女性自衛官――佐伯 麗子は言う。

 朝田もそれは見てきたので反論できなかった。

 

「今や日本の後継者は近いうちに復活するらしい古の魔法帝国と同じぐらいの脅威だ。打倒に協力してくれる人は多いのさ」

 

 朝田 泰司はすかさず「君達はヘタすれば反逆者扱いだぞ? 最悪日本を敵に回すことになる――」

 

 と、そこまで言って朝田は深い溜息を吐く。

 

 「だけどそうなったらそうなったらで君達は君達で、自分の力で生きていくんだろうな」と勝手に一人観念した。

 

 朝田も命懸けでこの土地を見て回ってはいない。

 

 例え滅んだ世界だとしても、よりよい生活を目指して前に進み、賢明に生きる人々を見てきた。

 

 この土地は豊かとは言えないが、人は逞しい。

 

 ――良くも悪くもどうやら自分もこの土地に感化されたらしい。

 

 朝田はそう思った。

 

 そんな朝田に構わず佐伯は

  

「まず最初にこの土地にいる連中から片付けるぞ」

 

 と締めくくった。  

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